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妊娠判定日のhCGが低めで、かつhCGの増加率が低い場合に諦めてしまう方(医師および患者さん)がおられると思います。そんな方へ「諦めるにはまだ早い」という論文をご紹介します。FertilSterilRep2021;2:129(米国)DOI:https://doi.org/10.1016/j.xfre.2020.11.006要約:妊娠判定日のhCGが低めで、かつhCGの上昇率が低い方で出産に至った3症例をご紹介します。130歳、1経妊0経産、PCOSあり。5AA胚盤胞を移植後
今月の紙面上バトルは、男性不妊における顕微授精についてです。FertilSteril2024;121:563(米国、オーストラリア)doi:10.1016/j.fertnstert.2024.02.025FertilSteril2024;121:562(米国)コメントdoi:10.1016/j.fertnstert.2024.02.026要約:男性不妊における顕微授精(ICSI)について、賛成派7名と反対派1名の意見を伺いました。賛成派:顕微授精は、重度乏精
今月のFertilSteril誌の特集は妊孕性温存に関するレビューです。①FertilSteril2024;121:551(イタリア)コメントdoi:10.1016/j.fertnstert.2024.01.010要約:米国だけで毎年93万人以上の女性が癌と診断されており、その約6%が生殖年齢の女性です。癌治療開始前の妊孕性温存はひとつの選択肢であり、ランダムスタート法やデュオ刺激で卵巣刺激を行い、ガラス化法で卵子凍結します。私たちを取り巻く社会は急速に変化しており、不妊は深刻
みゅぅです判定日ブログには沢山のいいねとお祝いコメント頂きましてありがとうございました😭✨✨✨✨✨ここからは胎嚢確認、心拍確認が大きな壁です‼️頑張って行きます‼️さて本日はBT165w0dでリプロ通院日です。1週間長かったですー💦💦💦緊張の胎嚢確認…最近の症状はこんな感じ。⚫︎鼠蹊部辺りを引っ張られるような感じ(片方ずつ)⚫︎胸の張り、乳首のスレ(日による)⚫︎トイレが近いで、本日5週に入ったからか水下痢の腹痛と呼吸が浅い、軽い吐き気、軽いクラクラ。これってつわりなの?
Qホルモン補充についてのご回答ありがとうございました。今までの移植で妊娠ができたのはふりかけの受精卵でした。顕微授精の受精卵での妊娠はしていません。顕微授精とふりかけの着床率、出産率に違いはありますか。A統計をとると、体外受精と顕微授精の妊娠成績に違いはありませんが、個別にみると成績は異なります。体外受精が良いヒト、顕微授精が良いヒト、どちらも同じヒトがおられます。質問者さんは、体外受精でしか妊娠していませんので、今後も体外受精でやっていくのが良いでしょう。なお、このQ&Aは、
み…みゅぅですは、、、、判定日です…採血終わって50分くらいで、5番に呼ばれました(D先生不在なので指名無)院長はベテラン医師ですが大丈夫ですか以前は妊娠してたら非常勤、ダメな場合はベテラン医師って噂があったよ緊張しながら待ってたんだけど、こんな日に限って前の人が出てから中々呼ばれずやっぱりダメで今後の対策練ってるのかなぁ…なんて思ってたら呼ばれた‼️…😷みゅぅさんね、数字出てますよわぁ😭😭😭😷うん、良い数字♪12月21日が予定日になります。ルトラールとユベラは飲みき
胚移植のスケジュールにおいて、一度決定している移植日程を、あとから別の日に変更したい、というご希望や、あとから変更することはできるのか、というご相談を時々いただきます。今日はこれについてお話したいと思います。【ホルモン補充周期の場合】ホルモン補充周期の場合、移植日は、月経から〇日目、ということではなく、黄体ホルモン製剤(当院の場合はルトラールやウトロゲスタン等)を始めてから、初期胚なら3日後、胚盤胞なら5日後になります(紛らわしいので着床の窓がズレているケースはここでは触れませんが、各論
今日は久しぶりに生殖医療についてお話したいと思います。以前一度記事にしましたが、今日は体外受精vs顕微授精についてお話してみたいと思います。ところで、言葉の定義なのですが、体外受精という言葉には2つの意味合いがあります。自然妊娠(タイミング指導)、人工授精、体外受精という3つの治療カテゴリとしての体外受精。これは、自然妊娠(タイミング指導)、人工授精が体内受精であることに対して、卵子が体の外に出て受精が体の外で起こることに対して体外受精と呼ぶものであり、広い意味での体外受精です。もう1つは
Q39歳PGT-Aにて得た3BCの正常胚を移植し無事陽性判定をいただいたのですが、hCGが高すぎて喜べず不安な日々を過ごしています。BT14βhcg6832(胎嚢5.9mm)BT16胎嚢7.8mm、卵黄嚢確認までできているため、子宮外妊娠は否定できそうです。胞状奇胎の所見は見られていませんが、一卵性双生児の可能性と共にまだ経過観察中です。血中hCGは個人差が大きく、双子や絨毛疾患を除外できれば、高いのは良い事と聞きますが、ネットで自分で探せる範囲ではあまり見かけない高値なの
Q45歳、第一子希望リプロは検査のみでしたが、通院させて頂いてことがありまして、初診は松林先生でした。当時、他院で採卵しましたが胚盤胞まで出来ずご相談したところ、イノシトールを勧めて頂きました。松林先生にご相談した際「あなたはまだ若いから大丈夫」と仰ってくださった先生の一言に救われました。先日(他院ですが)の採卵では、アンタゴニスト法で13個採卵でき、1個だけですが胚盤胞まで育つ事が出来ました。ありがとうございました。心から感謝申し上げます。今ご相談させていただきたことがありまして、藁に
過去に何度か書いていますが、筆者は「妊娠率」という言葉が好きではありません。一見、いかにも分かりやすい言葉でありながら、曖昧で相手を煙に巻き、多くの誤解を生む言葉だからです。妊娠率を語るならば、少なくとも少しでも専門家を自任する先生方が何か書くときは、それが文脈からどれであるか明確でない限りは「採卵あたりの(累積)妊娠率」「採卵あたりの(累積)生産率」「移植あたりの妊娠率」「移植あたりの生産率」など具体的に記載するべきです。さて、いきなり脱線してしまいましたが、本題に入りたいと思います。P
本論文は、ERA検査による着床の窓ズレの補正は妊娠成績に全く影響しないことを示しています。JAMA2022;328:2117(米国)doi:10.1001/jama.2022.20438要約:2018〜2020年に米国東部の民間不妊治療30施設で、正常胚単一移植する女性を対象(30~40歳)に、ERA検査による着床の窓の補正の有無によるダブルブラインドランダム化試験を実施しました(Synchrony試験)。なお、不育症(流産2回以上)、反復着床不全(胚移植陰性2回以上)、精巣精子
本論文は、カナダ全国の約10万例のデータベースから、胚移植に適切な子宮内膜の厚さを後方視的に検討したものです。FertilSteril2022;117:792(カナダ)doi:10.1016/j.fertnstert.2021.12.025FertilSteril2022;117:801(米国)コメントdoi:10.1016/j.fertnstert.2022.02.004要約:2013〜2019年のカナダ全国のデータベース(CARTRPlus)を元に、新鮮胚移
始まりがあれば終わりがある、不妊治療には様々な終わり方があります。理想は無事に妊娠出産し、欲しいだけ出産してやり切って治療を終結するパターン。1人でよいという方から、4・5人目を治療する方まで様々です。1人目は出産できたが、2人目治療でうまくいかず、様々な理由で治療断念という方もおられます。子育てをしながらの通院は、時間的な制約も大きく、また経済面では治療費の工面自体はできたとしても、(夫婦だけの時は節約しながら治療もありだが)できるかどうか分からない2人目のために目の前にいる子に十
本論文は、ホルモン補充周期における凍結胚移植のP4高値で出産率は低下しないことを示しています。FertilSteril2023;120:597(スペイン)doi:10.1016/j.fertnstert.2023.04.038要約:2009〜2020年にスペインのひとつの大学病院不妊センターで、ホルモン補充周期融解胚移植を実施した3,183周期を対象に、黄体ホルモン製剤(200mg腟剤x3/日、あるいは25mg皮下注射/日+200mg膣剤x3/日)を投与し、移植当日の黄体ホルモ
顕微授精(ICSI)において、大切なのは精子調整・精子選別と、受精率向上です。精子調整には、いわゆる通常の濃度勾配・遠心分離による方法と、ZyMotのようなスパームセパレーターによる方法があり、一般的には後者のほうが精子選別過程においてDNA損傷を少ない精子が回収できると考えられています。ZyMotなどのスパームセパレーターは、濃度勾配・遠心分離による精子調整の代替であるわけですので、精子選別というよりは、精子調整法の種類といったほうが正確ですが、結果的にDNA損傷がより少ない精子を回収す
Q32歳30歳の時に第一子の男の子を5日目胚盤胞の5ABにて出産しました。第二子を考えていて、女の子希望です。残りの胚盤胞は以下の通りですが、どれから移植を行うべきでしょうか。5日目胚盤胞:5AB、3AB、3BB、3BB6日目胚盤胞:5BB、5BB6日目胚盤胞は、5日目胚盤胞に比べると染色体異常の可能性が高いと聞いておりますが、その辺も合わせてお答えいただけると助かります。A女児希望の胚選択では「二兎を追う者は一兎をも得ず」という諺がカギになります。過去にも何度も記載してい
QA院でも着床はするものの流産を繰り返していたので、B院に転院しました。B院では3回採卵をし、2個正常胚があり、そちらを移植しました。1回目は、判定日にhCGが60くらいで、4w1dには1200くらいまで伸びましたが、胎嚢は確認できず、4w4dにはhCGがさがってしまい、化学流産になりました。2回目は、移植時にIVIGをし、判定日にhCG150、4w2dに胎嚢4.2mm確認でき、その日に2回目のIVIG、5w2dで胎嚢4.9mmでほとんど成長がみられず、医師からは順調とはいえないが、
・・・こんな題名の記事を書くくらいだから、2倍にはならないんでしょうけど、じゃあどうなんでしょうか。ということで、今日は、2個移植について、数学的見地から解説していきたいと思います。もちろん、人間の体はそんなに計算通りにはなりません。理論値と実測値は常に異なります。とは言え、理論値上はどうなるのかということを知っていることは大切なことです。女性年齢28歳で良好な胚盤胞(4AA)が2つあったとしましょう。移植は今回で初めてだとします。初回の移植で1個移植を行って妊娠する可能性を仮に60
卵子は、大まかに分けて「成熟卵」「未熟卵」「変性卵」の3種類があります。気を付けたいのは、卵胞の成熟と卵子の成熟をごちゃごちゃにしている方が結構おられることです。医師は、さすがに自分の理解においては分かっているでしょうけれども、説明時に卵胞成熟と卵子の成熟をごちゃまぜにして説明しがちですので注意が必要です。最初に整理すると、卵胞や卵子の成熟には、「卵胞の成熟」「卵子の細胞質成熟」「卵子の核成熟」の3つがあり、一般的に成熟卵とか未熟卵とか言われているのは、卵子の核成熟の話です。ここでは
Q2021.1.7「Q&A2802遠方かつ土日祝日のみの通院でも大丈夫?」で質問した者です。3年ほど前にリプロ大阪にてオプション検査を受けました。その際、プロテインS活性の値が66%であり、松林先生からは、「プロテインS活性が△。妊娠6週で再検査して、30%未満だったらヘパリンとバイアスピリンを要服用。妊娠したら誰でも30%程低下するが、66%の場合、低下しても36%なので大丈夫だろう。1%くらいの方がひっかかる。」とのことでした。このたびようやく妊娠6週を迎える事が出来たため、プロテイン
胚盤胞でしか移植・凍結しないクリニックでは、良くも悪くもこういう悩みはないのですが、初期胚でも凍結できる、あるいは自分で選択可能となると、なかなか決められない命題が、「胚盤胞まで培養するか、初期胚で移植・凍結するか」です。胚盤胞でしか移植・凍結しないクリニックの言い分は、「胚盤胞のほうが妊娠率がいいから」ということなんですが、確率なんて誰にでも当てはまるものではありません。例えば、大学受験予備校でA塾とB塾があったとして、仮にA塾のほうが合格率が高い、みたいなデータがあったとしましょ
2022.8.16「嬉しい報告とQ&A33903BCと4CCで出産」の後日談私は3年タイミング指導、7回人工授精をして初めての体外受精で授かりました。原因不明の不妊であったため、お試しで体外受精を一度だけしてその後は治療をお休みしようと夫婦で決断していました。初体外受精で今回限りとしていたのでクロミッドを飲んで2個採卵、病院がGWに入るので移植できず凍結して翌月移植になりました。2個ともグレードの悪い胚(3bマイナスcマイナス、4cc)でガッカリしましたが、担当医は移植してみないと分からない
何も書く前からいきなり脱線するようですが、採卵と排卵はその当日を0日目とします。採卵(排卵)から、何時間・何日経ったのかということが大切であり、経過時間を数えるという点では採卵(排卵)当日を0日目、翌日を1日目とした方が都合がよいからです。一方、月経は月経がはじまってからの「経過時間」というよりも「何日目」であるかということを重視するので、初日を1日目、翌日が2日目となります。というわけで、今日は採卵後の流れと受精確認についてお話したいと思います。採卵の流れは、大まかには以下の通りです。
めぐ2ですめぐ240歳夫59歳長男13歳顕微授精14回移植7回(うち2回妊娠するも10w流産(枯死卵.9番トリソミー))卵採れるも凍結少AMH:1.39現在凍結中初期胚→6G36G2胚盤胞→5日目3BC6BB6日目G23AB3CC7日目6ACBCE(-)子宮収縮(-)銅亜鉛対策(亜鉛102mg)にて着床不全を乗り越えたと思ったら悪化→亜鉛119mgに増量染色体異常と不育の壁に激突😟(
本論文は、抗リン脂質症候群(APS)の新しい分類基準を示しています。ArthritisRheumatol2023;75:1687(全世界)doi:10.1002/art.42624要約:ACRとEULARは、次の4つのステップから、抗リン脂質抗体症候群の新しい分類基準を作成しました。1)文献レビュー、2)必要な基準の削減、3)重み付けと閾値決定、4)検証です。新しい基準は下記の通り(要点のみ記載)。臨床所見3点以上と検査所見3点以上を3年以内に満たした場合にAPSと診断す
Q男性不妊により、40歳で顕微受精&ホルモン補充周期に5日目胚盤胞4AA移植で妊娠、41歳で第1子を出産しました。第2子を希望して42歳から不妊治療を再開し、顕微受精→ホルモン補充移植を繰り返しておりますが、もともと子宮内膜が厚くならず(通っているクリニックの排卵前の内膜厚の基準は8mm)、移植はよくて3〜4回に1回しかできません。43歳時はほぼ1年、キャンセル続きでした。44歳6ヶ月で一度8mmで移植して着床しましたが、心拍確認後10週で流産、Xモノソミーでした。移植した胚はすべて4A
シリーズでお届けしている「受精卵の質の向上」、今日は、卵巣刺激(2)使用薬剤です。いきなり脱線しますけど、女性目線的に男性を例にしますが、例えば、通りがかりの男性にいきなり、「私35歳男性で、身長〇〇cm、体重××kg、IT系企業に勤めていて土日休み、年収は〇〇円、今までに彼女は3人いたんですが結局別れてしまい、なかなか結婚までたどりつきません。どうしたらよいでしょうか」と聞かれても、まあプロフィールとしての情報は十分あるけど、それだけでアドバイスするのはちょっとしんどい。この例