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いつも講演会にお越し頂く皆さま、本当に有難うございます。皆さまのお陰で今年も何とか続けることが出来ました。厚く御礼申し上げます。さて、本日の講演会で出た質問につきまして、以下、紹介します。女王二人の争いの場のストレッタについて:ドニゼッティの《マリア・ストゥアルダ》のオリジナルの音型は、下記の映像の1時間10分20秒以降。長らく使われていた第三者の手が入ったスコアの音型は、下記の映像の5分09秒辺りからです。数分間、較べて味わってみて下さい。また次の講演会の折りに、ご感想やご質問が
NHK-BSでギュスターヴ・シャルパンティエの大ヒット作《ルイーズ》が放映されました。作曲者の存命中に上演千回を記念したオペラです。ほかには、チレアの《アドリアーナ・ルクヴルール》やトマの《ミニヨン》などがあります。《ルイーズ》は私が解説をしたことがあるオペラなので、観るたびに&聴くたびに本当にいろいろなことを想うのです。自然主義オペラ最大のヒット作であり、主人公のアリア〈その日から〉はコンクールやリサイタルで良く歌われる人気のメロディです。一方、このオペラの最大の美しさは、第1幕の〈夕
新国立劇場の演劇公演、『スリー・キングダムズ』最初から最後まで分からないことだらけなのに、非常に面白かったのでした。役者さんとキャラクターが、良く合っていたのかなと思います。演出家の上村聡史さんという方が、なるべく客席をほぐそうと努めて居られることもよく伝わってきました。「分からなくても楽しい」という境地、自分の専門分野では味わいにくいので(理解しなければと頑張ってしまうから)、専門外のジャンルに触れる重要性や有り難さも感じました。かなりどぎつい言葉が飛び交うステージですが、題材が厳し
フランコ・ボニゾッリ(T)の最後の来日リサイタルの時であったかな・・・と思いだしています。ビゼー《カルメン》のホセ(ジョゼ)の〈花の歌〉を歌っている最中で彼の喉が急に苦しくなりました。ひーひー言いながら歌うという感になりました。しかし、性格表現としてはピカイチでした。喉の苦しさがホセの苦しみに直結したからです。ボニゾッリといえば、ときどき、「野放図」と言われていました。確かに…でも、あの〈花の歌〉は忘れ難いものです。今でも記憶にありありと遺っているのです。インヴァ・ムーラ(S)には一
歌声にも歌い回しにも不思議な味わいがあった女優さんだと思います。二重瞼に整形されたとき、「バタくさい」だのなんだの一杯言われていたことを思い出します(家にあった60年代の『婦人公論』でよくその話題が出ていた覚えがあります)。テレビなどで知る限り、何を言われても平然とされておられましたが、その勁い心構えを後年、間近で目撃することになりました。大阪から修学旅行で東京に来た時、青山1丁目の交差点でレインコートを着たいしだあゆみさんが信号待ちをしておられ、観光バスに乗った我々中学生が気づいて手を振る
西欧の中世の伝説に出てくる女性メリュジーヌMelusine。下半身が蛇か龍で髪の長い女性。人間と結婚して母になり、子供を育てる優しいキャラクターでもあるのです。でも正体を知られたら終わり。それまでの生活は続けられません。奈良県の大神神社のお話とよく似ていますね。このメリュジーヌの名前の変形のひとつがメリザンドMélisandeなのだそうです。メリザンドといえばドビュッシーの歌劇《ペレアスとメリザンド》における謎のヒロイン。彼女も髪の毛が長く、水辺や井戸に親しんでいるから、メリュジーヌと
「色鮮やかな錠剤の意味は、強い薬ということだから、常用しないでくれ、という含みがあるんです」薬剤師の友達からこんなことを教わった覚えがあります。手元に、オレンジ色の錠剤が少し残っていました。ボルタレンというものです。有名な薬だそうです。その昔、初めて痛風の発作が出たときに、この薬を渡されました。「次に発作が出た時の痛み止めとして呑んで下さい。強い薬なので、常用はしないでください」お医者さんからもそんなことを言われた覚えがあります。そのボルタレン、今まで、3度しか飲んだことがありません
講演会でサン=サーンスの2番目のヒット作《ヘンリー8世》を紹介したところ、皆様からとても面白がっていただけました。史実に則っていて、筋立てに無理が無いのかなと思います。ヘンリー8世のお妃アン・ブーリンAnneBouleyn(1536年刑死)については、オペラが好きな皆さんは、ドニゼッティの《アンナ・ボレーナ》のイメージが強いですね。史実のアン・ブーリンは、性格に少し難があり、他人をあざ笑うことが多かったといいます。《ヘンリー8世》では、彼女のそのような一面をかなり拾っていたと思います
「ギュンター・グロイスベックのインスタグラムを観ていたら、彼が『OperaWorldTOPSIngersRankingでバス部門の第1位に選ばれて嬉しいです!』と投稿していました。このランキングって、信用度高いのでしょうか?」講演会にいつも来て下さる方からこんな面白いお話を教わりました。それで調べてみました。OperaWorldTOPSingersRankingは、オペラ歌手が、世界の大歌劇場のうち「6大歌劇場」に出た数の点数と、それ以外の歌劇場に出たことへの点数を分けて