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ウンスの誕生日が過ぎてしばらくしたある日ユニョンは王宮からの帰り道イサと一緒だったオンマはまだかかるんだって〜これから王妃様のところに行かなくちゃいけないからまだかえれないのだから先にかえっていいっていわれたの・・・ユニョンは一緒に家に帰れると思っていた母親がまだ帰れないと知ってがっかりした口調で答えたそうみたいだねそれでオレが屋敷まで輿で送るように頼まれたんだユ先生はヒョンとチュホンで帰るってさちょうど今日は診
チェヨンは腕の中で眠る愛しい妻を見つめた夜はとっぷり更けて子供達の寝息以外あたりは静寂に包まれている誕生の祝いにと少々無理をさせたか?チェヨンは反省を込めてぼそりと呟いた夫の激しい欲望の塊ですっかり疲れ果てさせ妻は泥のように眠っているその眠りを妨げないようにチェヨンは彼女の髪をそっと撫でた息子タンが母のためにと彫刻した美しい蝋燭の炎が揺らめいて甘い香りを放っているそういえばウンスの誕生日を祝うのは今年で何度目だろう?
いしゃ〜ぁ〜兵舎からの帰り道王宮の庭園に差し掛かったところでイサはタンの舌ったらずな呼び声を聞いたおおチビ助どした?医仙様は?イサは辺りを見回したがそこにいたのはタンの警護についている武閣氏のジュヒとタンがばぁばと慕うチェ尚宮だけだったおふねよ〜〜おあしょびタンは大きく手を振ってイサに答えた公主様と遊んできたのよ今から典医寺に戻るところなのイサ君は?ジュヒが補足してイサに尋ねたえ
どんな極悪非道かと思えばチェヨンは捕まえた罪人に拍子抜けした顔をした剣の手練れというわけでもなく悪人という面構えでもなくイサより少し歳が上に見えるどこにでもいるような男が二人一人は背がやたらと高くひょろひょろで一人はずんぐりとしていたが目がくぼんで疲れた顔をしていたお前たち何をしでかしたかわかっているのか!極刑は免れぬ罪を犯したのだぞチェヨンの迫力に男たちは震え上がっているお前たちだけでやったのか?そうではないであろう?
その日ウンスはようやく王宮へ出向くことができた典医寺で研修があるイサに輿の御者を任せ三つ子は留守番させてまずは王妃様の回診に向かった王妃様は待ちかねた様子でウンスを出迎えそばでは丸々と太った次男のク王子がチェ尚宮と遊んでいた医仙よう参られたプジャン(副隊長)の嫁の出産が無事すみよかったのぅはい王妃様元気な女の子でしたウンスはチェ尚宮と積み木で遊ぶ王子様の愛嬌のある仕草に微笑んで答えた元気で何よりじゃ
イサの剣幕にたじろぎながらそれでもチェ侍医は王家に忠誠を尽くす侍医として王様の話を息子にするようなことはなくチェ家を巻き込んでの王子様の嫁取り話はうやむやに終わった・・・ーーーーーーーそれから数日後よく晴れた空の下二期生の旅立ちを祝う式典がウンスや典医寺の医官や大妃様・王妃様が見守る中養成所の講堂で行われた養成所虹の卒業生であることに誇りを持って志高くこの国の医療のために尽力して欲しいと願っています医官は権力や相手の身分には屈
すっかり夜が更けた頃王様は王妃様の寝所に出向いていたウ王子は無事に帰って来たようじゃのぅはいご心配をおかけしましたいつもはわがまま一つ言わない王子がよもや王宮を抜け出しユニョンに会いに行くとはそうじゃの王妃の息子じゃ血は争えぬ王様は口のはしをキュッとあげて笑った耳の痛いお言葉にございます王妃様は平静を装い一口お茶をすすったかつてまだこの王宮に来たばかりの頃勝手に王宮を抜け出して無茶をしようと思
終わった!間に合った!チェ家の長男タンはホッとしたように大きく息を吐いてから末っ子ゴンに微笑みその頭をなでなでしたゴンはやり終えた満足感で嬉しそうでタンは弟妹たちの笑顔に負けないくらい五人で力を合わせて作った今年のすぺしゃる誕生日けえきがキラキラと輝いて見えたけえきづくりは何度もやっているが今回はなんとか子供達だけの力で仕上げたみんなで材料を揃え生地を作りタンが何枚もそれを薄く焼いてサンとユニョンが野いちごのじゃむとハチミツをヌリ
ここれはなんという菓子でございまするか?きらきらしてまするかぶりつきで目の前の黄金色の菓子を見つめるポムが尋ねたこれねミルクレープもどきもどき?天界ではねクレープを何層にも重ねてクリームやフルーツを挟んだケーキをミルクレープって言うのよでねこの前ヘジャが作ってくれたムファグァジャムのクレープを見て閃いちゃったのよこれ重ねたらケーキになるなって天界語の連発でポムにはなんのことだかさっぱりわからなかったがありがたい
ヨンファの赤ん坊が生まれた翌朝待ちきれないポムは夫のチュンソクに頼み込み出仕に同行して王宮にやって来た集賢殿の奥の間から顔を見せたウンスはにこにことポムを出迎えるおはよう来る頃だと思っていたわヨンファは離れで寝てるキムさんは用事があるからって一度屋敷に戻ったじゃあヨンファさんは一人でするか?ウンスはおかしそうに首を振る先客がいるわよ叔母様が朝早くいらしてねあ!チェ尚宮様が?うんヨンファを娘のように可愛がっ
ポムは夕方訪れたチェ家の庭に甘い香りが漂っているのを感じ思わず笑みがこぼれたほらねミョンヘジャが菓子を作っているですよいい匂い息子のミョンはよちよち自分の後をついてくるそれがまた可愛いおやポム様昨日はお顔が見えず具合でも悪いのかと心配しておりましたよヘジャの問いかけにポムはヘヘっと笑って見せたきっと持参したムファグァが菓子になっていると思っていたでするヘジャの味付けは美味ゆえ楽しみでする〜くれーーぷなる
スニョンの一件があった数日後女医養成所虹の寮母ホン・ソアは大妃様よりいただいた高級な西洋菓子を青磁の器に盛り付けていた学生たちは講堂で授業中その合間に医仙様が寮生たちの様子を聞きに寮に来る事になっていたここで暮らして半年が過ぎ最初は戸惑うことも多かったが可愛い寮生たちとも気難しい教授たちともそして熱心な典医寺の医官たちとも寮母としてうまくやっているつもりだだが教育方針を巡って教授陣と医官たちの些細な諍いは絶えず寮母としても寮生
トクマンは兵舎に戻った自分の浅はかさが木枯らしのように身にしみていた戦の間王宮の警護に当たるチュンソクと出陣前の最後の打ち合わせに兵舎を訪れていたチェヨンはトクマンのその姿を見て小さなため息をついたしょうがない奴だ何をうなだれている?ウンスはトクマンと町娘の行く末を気にかけているようでトクマンと話ができたらいいのにと昨夜からチェヨンにねだるように言っていたそこでタンの護衛の名目で屋敷に向かわせたのだがなんの話をしたのか?トクマンはす
ねえオンマお月さまにトッキ(兎)がいるってほんと?夕餉を終えたチェ家の四人の子供たちは庭に面した奥の間の前の廊下で仲良く一列に並んで夜空を見上げていたのだがふと思い出したように長男タンが振り返って母親ウンスに月の兎について質問をしたどうやら通っているソダンでそんな話題が出たようだ実際月に兎がいないことは現代人のウンスならば当然知っているだがこの時代の科学はまだまだ未発達で未来のことを迂闊に話すのははばかられただが嘘もつけないそれ
そりゃあ太古の昔から食べられていたってことくらい知っていたわよこの葉っぱをアダムとイヴが身につけたくらいだものでもまさかこの時代にムファグァのこんなに美味しいコンポートが食べられるなんて思ってもみなかったわウンスはうれしそうにムファグァのコンポートを匙ですくって口に運んでいたウンスの話を後ろに控えた女中頭のへジャが顔を綻ばせ頷きながら聞いているようございました何分にも初めての料理いえでじゃーとでこれで良いのかと心配で・・・う
本日三話目の更新ですチェ尚宮が留守の間鬼の居ぬ間に洗濯ではないが王宮の武閣氏の兵舎では年頃の武閣氏たちが集まってなにやら相談事で盛り上がっていた私は若様のお顔の刺繍を施した布をソンムルしようと思っているのもうそろそろ完成するわそれにしても若様って上護軍によく似ている刺繍しながらドキドキしちゃった武閣氏になってそろそろ二年のキヨエがニヤニヤしながら言うとまあキヨエったら・・・そういえばキヨエは上護軍に懸想していたものねぇ
おんまぁ?よん?あっぱぁ?二人の会話で目が覚めたの寝ぼけ眼のタンがウンスに尋ねたそうよタン父上がお帰りよ挨拶なさいあぁ〜〜いあっぱぁおかえりなしゃいおタンは少しの間に随分と口が達者になったのだなチェヨンは目を細めたそうなのよこのところしょっちゅう王宮へも出かけているのそのせいかしら?とってもしっかりして来たし数遊びも得意なのウンスはすっかりチェヨンの胸板に支えられて起き上がり身を委ねて微笑んだあっぱぁたんの
女医の養成所を医仙様が作るらしい受けてみてはどうだろう?ソダンの恩師カン・ユハからリラが話を聞いたのは年が明ける前のことだったリラの父は将来王宮の高級官僚になる学生たちが学ぶソンギュンガン(成均館)の博士(パクサ)でその環境ゆえリラも幼い頃より父のそばで書に親しんできただが父親は娘が勉学に励むよりも刺繍やカヤグムを習う方が将来妻となる身には有益だという考えの持ち主もともと学問好きなリラはなんとか両親に頼み込んで女人でも通うことのできるカ
新しい年が明けてもウンスは相変わらず診療所と子育てに忙しい日常を送っていたが夫のチェヨンは年末年始の忙しさから少しだけ解放されてほっと一息ついていたそれでそろそろ両親からの三つ子の祝いの品家族独占権を使わせてはどうだ?と言う話になって夫婦で昨夜相談し朝餉の折子供達に希望を聞いてみたシャンオンマ!スニョアッパ!ユニョンはにぃに!うふふそこは変わらないのねじゃあこう言うのはどお?家族み〜んなでお出かけする
ヨン?戻ったの?夫の気配で目を覚ましウンスは起き上がった具合はどうだ?熱は下がったか?痛いところや苦しいところは?気持ちは悪くないか何か食べたいものは?矢継ぎ早の質問にウンスはクスッと笑って首を振った今ヘジャがなにか用意してくれているわ気持ち悪くはないけど食欲はあまりないの今日は寝てばかりだったからお腹が空いていないのよそうか・・・うふふヨンったらまるでお医者様みたい心配しすぎよ私なら大丈夫
明け方戦から戻って屋敷に着いたチェヨンと久しぶりに閨で枕を並べて眠りにつきとろとろまどろんでいるうちに昼を過ぎていたタンは時々起きてウンスがチェヨンの腕の中でスヤスヤ眠っているのを確認していたずっと寝てばかりで退屈するとへジャのところへ行っておやつをねだり手にしたマンウォンギョンを覗き込み時々愛犬のフンと遊んでまた閨に戻るそれから二人の間に割り込むとうれしそうに両親を見比べまた昼寝チェヨンは息子の気配に気を配りながら腕の中のウンスを愛おしそう
きれいねにぃに?きれいねにぃにオンマみたいよそおだねタンと妹たちは通りに咲き誇る桜の木を眺めていた春は色々な花が一斉に咲き始めるがタンは屋敷の庭に咲く山桜が一番好きでその次がウォルゲスの黄色い花オンマは春に咲く花よりも秋に咲く黄菊が好きなようで誕生日が秋ならたくさんの黄菊を摘んでソンムルにするのに・・・と思っていた見頃だなぁサンほら駆け出すないくらオレでも追いつくのが大変だぞイサは隙あらば走り出そう
ウダルチ隊長チュンソクは市中をお忍びで見聞したいと言う好奇心旺盛な王様の警護のため任務についていた凍てつくような寒さとは今日のような日のことで王様の気まぐれももう少し春になってからでもよかろうに・・・とチュンソクは内心思ってはいたがもちろん口に出すことはない首元に巻かれた襟巻きを鼻まで引き上げ息を吐いたウダルチの今回の任務は後方支援でテマンの組みが王様から二十歩距離を置き円陣を組むように王様を見守っていたチュンソクは全体を見回しながら王
え?ええっ?あの?ウンスは驚いた顔をして客人を迎えた此の度は大変でしたなああ見事に焼け焦げて後始末だけでも大変だおいお前たち頼んだぞ人足が何人も屋敷の門をくぐり焼け落ちた柱や壁や散らばったままの器具や治療台を運び出していくまだ使えるものがあればこいつらに言ってください修理してみましょうえっとでもなぜ?客は高麗一の豪商チャン・デホだった人足の中には見たことのある顔もいた以前ポムを拐かそうとして慈
その日ウンスは王宮の典医寺にいたもちろん四期生受け入れの打ち合わせのためであったご心労が重なりお疲れではございませんか?チェ侍医は心配そうにウンスに尋ねるその瞳はとても柔らかだもしかしてユニョンのこと?気遣ってくれてありがとう王妃様にも大妃様にも養成所はお力添えいただいているからあまり波風は立てたくないってのが本音だけど・・・ユニョンが傷つくようなことにはしたくないわそれよりチェ先生はどお?もしかして?親子ゲンカでもしたの?
子供達の目の前に現れたのは愛犬のフンそしてジョンそれから頼もしい姿の父チェヨンだったアッパ!フ〜ン!ジョン!タンは瞳を輝かせ大声で父親を呼んだどおして?いるの?この時刻父親はまだ王宮にいるはずだタンの質問にチェヨンは微笑んだ大丈夫か?寒くはないか?今日は大雪で帰りが早まったのだそれにしても肝を冷やしたぞ屋敷に戻ると女中たちが青ざめていたゆえ何事かとヘジャから事情を聞けば・・・屋敷の庭でまさか迷子とは・
イサは少し離れたところで二人の幼な子をなんとも複雑な思いで眺めていた一人はこの国の世継ぎ聡明なウ王子一人はチェ家の美しい姫チェ・ユニョン高貴な身分の二人はどう見ても年頃も背格好もお似合いだった何を話しているのかイサの位置からは聞き取れないが微笑み合う二人はとても仲睦まじく思えてなぜか胸がざわついたヒョンの悋気癖が乗り移ったのか?それともにぃにの気分か?妹を取られる感覚ってこんな感じなのかな?タンがイサに向ける鋭い目つきを思
一緒に行きましょうよ屈託ない笑顔でヒエはギョンウォンを祭りに誘った新婚の仲睦まじい夫婦とともに祭りに行くなど願い下げだと一度はきっぱりと断ったが兄がこそっと頼み込んで来て事態が変わる警護だと思って付いてきてくれぬか?祭りにはいろんな輩が来ているであろう?警護って・・・お兄様がいるじゃないの?そう言い返すと途端に兄の顔が渋くなりギョンウォンは兄の剣術の腕前を思い出したああそうか・・・お姉様を守りきれないか
ウンスの誕生祝いにと大妃様からいただいた針房ホン尚宮仕立ての若草色のチマチョゴリは春らしい色合いで式典会場の雰囲気を一層華やかに飾っていたその立派な衣に負けないくらい養成所に対する志や学生達に最初に伝えたいことや伝えるべきことをウンスはちゃんと言えたようで安堵した様子だったそうして大役を終えた彼女はひと息つく間もなく夫のチェヨンとともに急ぎ屋敷に戻ろうとしていた五人の子供達は母親の誕生日ぱーちいのために飾り付けや料理の準備を終えて両親の帰りを
チェヨンの屋敷の前庭でポムは何度か手を振り払おうとしたがチュンソクは固く握りしめたまま離さなかったチュンソク様の馬鹿何もポムの目の前であんなことポムはぐずぐず泣いているすまぬ他意はないぞ機嫌を直してくれないかポムが泣いてるとこの辺りが苦しいのだチュンソクは空いている方の手のひらで胸の辺りを掻きむしった知りませぬ少し泣き止んだポムが濡らした大きな瞳をぱたぱたとしばたくポムやチュンソクは優しく言ってからポムを引き寄せ腕の中にぎゅっと抱いた苦しいわ