ブログ記事360件
8月28日から9月7日に開催される第81回ヴェネチア国際映画祭で、イザベル・ユペールが審査員長を務めることが分かった。イザベルは同映画祭で1988年に『主婦マリーがしたこと』、1995年に『沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇』で2度、女優賞の受賞経験がある。同映画祭の芸術監督アルベルト・バルベラは、イザベルを「素晴らしい女優です。厳しく、好奇心が強く、寛大な心を持っています。イザベルは数々の偉大な映画監督たちのミューズですが、彼女は自分が理想的なストーリーの伝え手だと感じた若
サミュエル・ベンシェトリが2015年に監督したカンヌ国際映画祭特別招待作品の『アスファルト(Asphalte)』は、ストックホルム映画祭国際批評家連盟賞を受賞した映画です。アパートのエレベーターが故障したことで住民達は修理費を負担する取り決めをしますが、2階に住むギュスタヴ・ケルヴェン(役名:シュテルンコヴィッツ)はエレベーターを利用しないことを理由に修理費の支払いを拒否します。それによって、ギュスタヴ・ケルヴェンはエレベーターを使わないことで負担金を免除されますが、その直後に患った脳疾
今日から、フランス現代女優を取り上げます。昨今の日本では、欧米映画はアメリカ一極集中になっており、大変偏っているうえに、当ブログの趣旨である女優のエレガンスという点では、現代アメリカ映画の女優はあまり観るべきものがありません。(それは、ハリウッド黄金期があまりにも偉大だった反動かもしれません。1960年代からのアメリカの女優は、個々には魅力的なのにもかかわらず、露悪的だったりヌードや性的なシーンが多かったり、正視に耐えないひどい撮影にさらされてきました。)■一方フランス映画は、豊
3月16日は、イザベル・ユペールの71歳の誕生日でした。(1953年3月16日生まれ)それを記念して、彼女の作品を紹介しています。■今日ご紹介するのはユペールの中期の傑作です。『女の復讐』(1991)監督ジャック・ドワイヨン共演ベアトリス・ダル撮影パトリック・ブロシェ【あらすじ】夫アンドレが死んでから1年後、セシルは夫に愛人がいたことを知る。セシルはその愛人スージーの家を訪ね、彼女を追い込んで行く。そこへセシルの現在の愛人ステファンが加わって来る…。■ヌーヴ
◆「痛いのが好き」なイタい女の、痛々しい愛の顛末◆前回の「白いリボン」で勢いづいて、ハネケ監督をもう一作。2001年のカンヌ国際映画祭でグランプリ他を受賞した作品。ノーベル賞作家のエルフリーデ・イェリネクの同名小説(DieKlavierspielerin1983年)が原作です。主人公のエリカ(イザベル・ユペール)は、ウィーン国立音楽院でピアノの授業を受け持つ39歳のピアニスト。音楽院の給料だけでは住宅ローンが支払えないため、個人レッスンのアルバイトもこなしています。父親