『細野晴臣と彼らの時代』という本を読んで、おそらく誰もが感嘆し、羨望の念を抱いてしまうのは、はっぴいえんど誕生以前の細野晴臣を取り巻く、音楽という共通の関心を軸に繋がった、非常に濃密で充実した人間関係だと思う。多くは立教や慶応などの付属高校からの進学組であり、そうした東京のお坊ちゃんたちの狭いサークルと、たとえば岩手からやってきた大瀧詠一とかが、めぐり逢い、そしてお互いに刺激を与えあいながら、新しい音楽を作っていく。彼らの多くがそのまま音楽を生涯の仕事として選択することができている。なんて幸福な