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失恋の曲は数えきれないほどあるけれど、Roysの「丸の内ミゼラブル」は、別れた“その後”の空気をここまで生々しく描いた曲だと思います。相手を美化しきれない。自分も綺麗でいられない。それでも、部屋に残る癖や匂いや未読通知を、簡単には捨てられない。舞台は七〇五号室、丸の内線、そして生憎東京。華やかなはずの街で、「どうでもいいんだけど」と言い聞かせながら感情だけが置き去りになっていく。この記事では、「丸の内ミゼラブル」の歌詞を一行ずつ追いながら、この曲が描く“最低で最愛な夢の跡
「せっかく」という言葉を、私は普段何気なく使っています。「せっかく大学まで来たんだから、授業に出よう」「せっかく買ったのに、使わなかった」「せっかくの休みだから、どこかに行きたい」このように考えてみると、「せっかく」はかなり頻繁に使っている言葉です。しかし、「せっかくってどういう意味?」と聞かれたら、私はすぐに説明できませんでした。辞書を引いてみると、「せっかく」には、あることのために特別に力を尽くすことや、苦労して何かをすること、また、そのようにして得られた機会や状
――甘さと毒が溶け合う、依存的な恋のかたちHey!Say!JUMPの「メロリ」は、依存や執着、甘さ、不安、快楽といった相反する感情が、溶け合うように描かれた楽曲だと感じました。はっきりとした言葉で愛を語るのではなく、曖昧さや矛盾、そして矛盾した行動そのものが、この曲では“恋のリアル”として提示されています。ここでは歌詞をいくつかの要素に分けながら、その心情を読み解いていきます。曲全体に流れるテーマこの楽曲を通して感じられるのは、次のような特徴です。関係性は終わっているようで
supercellfeat.初音ミクの「初めての恋が終わる時」は、私が小学生の頃からずっと聴いてきた思い出の楽曲です。作詞・作曲はryoさん。2008年12月12日にニコニコ動画へ投稿され、投稿からわずか1日で殿堂入りを果たした楽曲でもあります。メロディも歌詞も昔から好きで何度も聴いてきましたが、この曲が描いている結末や物語の流れについて、実はこれまで深く考えたことがありませんでした。だからこそ今回は、あらためてこの楽曲と向き合い、歌詞を一文ずつ丁寧に考察してみたいと思います。
『パラサイト半地下の家族』を観ました。韓国映画をちゃんと観るのは、今回が初めてでした。タイトルからなんとなく重そうな映画を想像していたのですが、前半は意外なくらいテンポが良くて、かなり面白かったです。主人公一家は、家族全員が仕事を持っているわけではなく、半地下の家で暮らしています。そんなある日、息子が裕福な家庭の娘の家庭教師をすることになり、そこから少しずつ家族全員がその家に入り込んでいきます。この「入り込んでいく」過程がとにかく面白いです。一人が入り、その人をきっ
ジェニーハイ『華奢なリップfeat.ちゃんみな』の歌詞について考察していきます。ジェニーハイは、川谷絵音が率いるバンドで、ボーカルを中嶋イッキュウ、ドラムをお笑い芸人の小籔千豊、ベースを野性爆弾のくっきー!、ピアノを作曲家の新垣隆が務めていることでも話題の存在です。音楽業界とお笑い界、そしてクラシックの世界が交差する、非常にユニークな編成のバンドと言えるでしょう。本楽曲『華奢なリップ』では、ゲストボーカルとして人気女性ラッパーのちゃんみなを迎えています。中嶋イッキュウの繊細で感情
「サウダージ」は、いわゆる失恋ソングとして語られることの多い曲だと思う。けれど何度も聴くうちに、この曲が別れを告げている相手は、恋人そのものではなく、自分の中に生まれてしまった恋心そのものなのではないかと感じるようになった。忘れることを強いられるわけでも、感情を否定されるわけでもない。それでも前に進むために、そっと手放そうとする。この曲には、そんな静かで大人びた別れの形が、一つひとつの言葉の中に描かれている。自分を守るための別れ私は私とはぐれる訳にはいかないから失恋によって自分自