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地下鉄都営大江戸線築地市場駅から徒歩3分。正面玄関を入るとドドーンと3階分くらいの吹き抜け。光が降り注ぐ。欧米の大教会のような気持ち良さ。ここでミニコンサートをすることもあるらしい。けっこう混んでいたが、初診受付に行くともう話が通っていて、さくさくと進んで行く。すぐコーディネーター(!)が待機してる場所で色々話をする。がんと言われた時の衝撃度数の丸つけがあるのだけど、私はちょうど真ん中にしておいた。そのせいか何も話題に出なかった。その後、画像診断科に資料のCD-ROMを渡し、いざ皮膚腫瘍科
近所のレディースクリニック。数年前に出来たばかりで、院長は60代くらい。男性だけど、まあ仕方ない。問診時に、7月頭くらいからの帯下の変化、渋い黄緑色でサラサラしてる旨を告げ、次に外陰部にできものがあることを言う。そして内診。一目見て医師が「ああっ、うわあ、これは!変色してるじゃない。このできものも相当前からあったんじゃないの?…ちょっと奥を…ほらあポリープも!…いや、これは違うな」ベテラン開業医を叫ばせた私の患部。「すぐに大きな病院で診てもらった方がいい。住所から言うとO病院が一番近
その頃世間を騒がせていた医科大学の病院。行く前に、ネットで評判を確かめるとなかなか良い。建物はさすがに古いが、雰囲気は悪くない。すぐ隣では新しい病院を建設中だ。2019年7月竣工予定だって。いいなー新しい方が良かったなー、などと呑気なことを考える。産科・婦人科の待合スペースの広さから、力を入れている科なのだろうと想像した。待たされる間不安になるだろうから、集中できる未読本を一冊持参。有吉佐和子はやはりいい…と夢中になっているうちに予診で呼ばれた。そこでは問診のみ。若く日焼けした男性
がんセンターでの予診。「やっぱり、もう相当検索されました?」「はい…ものすごく。少しでもいい話を見つけたくて…。でも、なかなか酷い内容ばかりで…」「そうですねえ、ご自分の病気のことですもんねえ。そっかそっかー」閑話休題。メラノーマ患者のブログのまとめサイトを知ってから、他所様のブログを読みふける日々…。なんだかんだとみなさん闘い続けておられる。3年4年は当たり前、みたいな。しかも新薬の無い時代で。まさにサバイバーだ。粘膜部原発の方だとついつい深追いして、ブログを全部読んでし
土曜日の電話の後またもや検索をし、自分の病気はやっぱりメラノーマだなとあたりをつけた。最初のクリニックの先生、あなたの40年の医師人生で2例目に当たりましたよ…。そして、どう検索をしても予後不良の単語が。メラノーマはがんの中でも特に性質が悪いのに、その上さらに希少かつ予後が悪い粘膜部で、おまけに外科治療ではQOLの維持が難しい箇所。どれだけ悪条件が重なるんだという…。数ヶ月で亡くなっている例もちらほらと。諦念、という言葉が思い浮かんだ。さて皮膚科で診察。今日告知があるだろうと、夫が
婦人科にて、画像等の検査結果を踏まえつつの今後の治療相談。夫がまたもや仕事を休んで付き添ってくれた。今度こそやっとH医師とご対面。1日の土曜日に直電をくれた医師だ。まず、検査お疲れ様でした、と。現在のジェットコースター(もちろん降りね)状態では、こんな言葉ですら沁みる。だって実際、本当に疲れたのだ…食事を抜いて毎日出歩いたり、痛い思いをしたり不安になったり。この私の体重が減るほどに(笑)。検査結果はほぼ異常なしとのことだった。肝臓は無事だ!これは何よりの朗報だった。あ、脳も卵巣
部屋に呼ばれ、夫と一緒に(本当の)告知を受ける。「婦人科の方からということですが、何か病名を言われたことはありますか?」「いいえ」「そうですか…病名は、メラノーマです」「あ、はい」「…このまま続けてもいいですか?」「はい、お願いします」こんな調子で、とても丁寧な医師なのだった。いくつかこちらから質問してわかったことは、・皮膚科だと膣の中は触れない・見た感じ、膣の中に斑(わかりやすくシミと言い換えてくれた)がある・腫瘍は膣の方から来たもので、原発(発生箇所)は膣の中ではないか
さて、私のデキモノちゃんの今。T医師により、”敵の大将の首”と命名されたデキモノちゃん。T医師の、「今、何人か外陰の患者さんを診ている」という発言についてちょっと考えてみる。総務省の統計によると、去年の9月時点で、日本人の人口は、約1億2500万人。メラノーマ患者は10万人に1~2人なので、約2000人。そのうち外陰原発の割合は約2%だという。これが年平均だとして。かなりざっくりで、日本において私と似たような患者は粘膜にかかっていることを考慮しつつ多く見積もっても毎年20人くらい×○
ところで、私は皮膚科で生検をしない理由を説明されていた。突くと悪化する場合がありますので、と。もちろん細胞診も済ませ、目視で確定診断出来る状態だったから、というのがベースにあるのだが。あれ、でも婦人科でコルポ生検の予約したよ…あれれ?やっても大丈夫なの?私に関して、婦人科は皮膚科と連携が取れていないのでは?予約を取る時に質問すれば良かったのだが、とっさに思いつかなかった。私のバカ。と、ここから私の不安は一気にMAXになり、この疑問を解消せずには検査を受けられないという結論に。
婦人科へ電話。受付で事情説明の後、いきなりレジデントに替わった。しかしこのレジデントが当たりだったのだ。話しやすくて助かった。率直で押し付けもなく正直で。何よりこちらの話を聞こうとしてくれる。これ、最重要です。「コルポ生検によるリスクは、確かにないとは言い切れません」「何しろ症例が少なすぎて、本から引っ張り出してこないとならない状態なんです」「ちょうど今日、その手の専門家が来ていますから、予約までに診るだけにするか切るかを決めておきます」ああ、良かった!ひとまず心から安心した。
・今の時代、手術のみで根治というのはあり得ない。・免疫療法薬と分子標的薬・分子標的薬はB-RAF遺伝子が陽性の人のみ。メラノーマでは10%程度いる。私の場合、全身療法(投薬)と局所の治療を放射線、手術など、組み合わせて考えて行く必要がある。T医師はざっとこのように説明してくれた。闘う気満々で、残された時間がどうこうなどと口を挟む雰囲気ではなかった。https://oncolo.jp/event/mte_1st_word-2これはがんセンターの皮膚腫瘍科の山崎先生の講演書き起こし
夜、シャワーを浴びながらふと気がついた。左の外陰部にぽろんとしたできものがあることに。大きさとしては乾燥大豆くらいで、首がある感じだ。触っても感触はない。7月初旬からの渋い黄緑色のサラサラとした帯下が気になっていた矢先のことで、私はすぐに、婦人科内診の覚悟を決めた。この時点では、外陰部によくあるイボやポリープみたいなものかなと思っていた。ついでに帯下の相談。そんなつもりだった。
膣原発(この時点ではそう思っていた)のメラノーマ。メラノーマは日本では10万人に1~2人。そしてメラノーマ患者のうちの9%が粘膜部原発だという。1000万人に9人で、そのうち膣原発は何%?もはや計算不能。そんなわけで、待たされることなく、特別に9月10日の午後3時から初診枠で予約を取ることが出来た。特別。この場合の響きはもちろん悪い方…目標をお正月に替えるべきか…。私は検査のみで、まだ何一つ治療をしていない状態なので、そのことも関係していそう。実は、お股の間の腫瘍もどんどん育
H医師かと思いきや、またも別の人だった。H医師は手術中だそうな。スピード優先で主治医が間に合わないのだ。このレジデントは淡々としてる人だった。初回受診時の血液検査の結果が出ていて、今更そんな心配するかというγ-GTP(酒飲みが気にする数値)が低くてホッとした(笑)。貧血もないですし、肝臓も腎臓も綺麗ですねー、と。血糖値がちょっと高め(134)だったが、それはちょっと前の飴のせい?医師も、うーんという感じだった。ひょっとして糖尿病予備軍てやつ?腫瘍マーカーも全て低いけど、初期の転移の診
CT検査も終えた、次の日の土曜日の午後2時半過ぎだった。見知らぬ番号から携帯に電話がかかった。その瞬間、私はもう内容がわかった気がしたのだ。外陰がんを検索しまくった結果、こりゃ早めに電話がくる可能性大だな、とどこかで意識していたので。◯医大婦人科のH医師だと名乗り、私の診察をした者のじょうきゅうい(脳内で上級医だろうとあたりをつけて漢字変換)だと言う。そして細胞診の結果が出たと。「細胞診というと、できものの方ですか?」「あ、そうです。だいぶ…良くない結果が出まして」(そういえば
午後はがんセンターでセカンドオピニオン。夫と待ち合わせ場所を確認して、いつものようにいってらっしゃい。お腹が空いたのでキッチンに入って、ふと、ガス台や換気扇掃除に取り掛かる。ガス台は激落ちくんスプレーであっという間にピカピカ。よっこらせと椅子に乗って、換気扇周辺と本体をセスキ炭酸ソーダでゴシゴシゴシゴシ…。きっと鼠径部のリンパ節に転移している。これは覚悟している。リンパ節郭清(取り除くこと)による後遺症のあれこれを思う。椅子に乗って高いところをどうこうって、多分無理になるだろう
H医師が作成してくれた紹介状と、セカンドオピニオンの資料を受け取りに婦人科受付へ。宛先が婦人科になっていたが、昨夜急に決まったので、と前置きをして皮膚腫瘍科と医師の名前を告げたら、宛名を訂正しますね、と言われ少し待つ。医師のフルネームを、昨夜サイトで確認しておいて良かった。ネットって、つくづく便利ですね。知り過ぎてしまうことも多いけどね!紹介状と資料の支払いは、拍子抜けするほど安かった。ともかくお世話になりました。◯医大病院。初めての大学病院体験は、結構興味深いことが多く、勉強になった。
私は、外陰(粘膜部)原発メラノーマ(悪性黒色腫)になった。原発は左小陰唇。年齢は、更年期が気になる、ザ・中年。2018年9月3日に告知を受け、その前後から病気についての検索を開始。だがそもそも同じ原発箇所の文献や症例が極端に少ない。ブログはほぼ皆無。がん患者によるがんブログは、実は当事者にはとても重要な存在なのに。様々な情報共有で、ある程度心の準備が出来る。これは本当に大切なことだ。また別の角度からいえば、ブログをすることが本人の癒しにもなるという。確かに病院から戻ってメモを
何歳になっても、他人の前でパンツを脱ぐのは苦手だ。得意な人はそうそういないと思うけど。ましてや相手が男だとなおさらに。これはもう女としての自衛本能なのだと思う。どう割り切っても、最も無防備な格好なのは確かなのだから、そういう意味での防御反応は常にある。理屈でそれを抑えて納得している…つもり。この病気になって最初のクリニックから、もうノンストップで男性医師の前でパンツを脱いで来たが、地味にQOLが削られるのは確かだ。それに気づいたのは、がんセンターで久しぶりに女医に当たって、丁寧