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Nside櫻井さんの隣りで目をつぶってるとなんでなのかな、すごい安心できてゆっくりと時間が流れているように感じる。別にオレはそんなにあくせく生きてきた気はしないけど、でも、心の中ではいつも何かに追われていた。園長たちから仕事から…潤くん、から。ぱちぱち。ぱちぱちぱち。櫻井さんの、パソコンを弾く音が聞こえてくる。ぱちぱちと。そして時々、熟考してるような沈黙があって、またぱちぱちとパソコンを叩く音がしてくる。オレは……何もしないでいるのに怒られるどころか、薄目を開け
Nsideリビングに戻り櫻井さんへお茶を入れた。お茶と言ってもコーヒーだけど。聞けば櫻井さんはブラックよりもラテがお好みとか。エスプレッソマシンもあるし豆に至っては数種類も常備してある。コーヒーにこだわりがあるのだろうか。「足…温めましょうか?」ソファに座り足を撫でている櫻井さんの元へラテを運ぶ。テーブルの上に置く時に、さり気なく聞いてみた。「いえ、こうしていれば痛みは落ち着きますから。」「そうですか。…他に僕が出来ることはありますか?」仕事上、相手の健康面を把握する
Sside夕方受けた智くんからの電話は、カズの生まれてからの事を伝える内容だった。親同士の殺人事件から身寄りのなかったカズは、とある施設に入れられた。そこの園長は子供たちに薬を盛って体を売らせていた。もちろん本人も楽しんでた。ただ、そこを摘発できたのは内部からの情報が漏れたから。…というより、警察が着いた時にはヤクまみれの園長がマッパでやられてたし、売りをさせてた相手の名簿もその場にばらまかれていたとのこと。内部告発というより、恨みを買った故の犯行だと断定された。そして、その園に居
Msideカラン…グラスの中の氷が溶けた。バーカウンターで飲むようになって気づいたのは、ここはヤリモクで来る奴もいるってこと。たまに女やら男やら、声をかけられることもある。でも、不思議とやる気にはならない。今までは、家に帰ればカズがいたから。アイツを泣かせて、縛って、逃げ道を塞いでそれでアイツは、……俺の元にいた。俺が、隠れてろとは言ったけどマジでなんだかやってられねー。……まさか、1人で住む家があんなにも暗く冷たいものだったなんて。カズのいない家に帰ったところでアイ
Nside昨日は、潤くんが帰って来なくて良かった。櫻井さんの玄関にある大きな鏡を拭きながら考える。潤くんがいたら確実に抱かれるだろうしそしたら、オレが昨日…「ご苦労さま。」「あ、おはようございます。」気づかなかった。櫻井さんがここまで歩いてきてたなんて。「朝ごはんはどうされましたか?」「朝はコーヒーだけ。昼はよろしく頼むよ。」「はい。何かリクエストはありますか?」「…ないけど、12時には食べたいかな。」「わかりました。」腕時計を見ると10時30分。もう少ししたら
Nside庭先に出ると意外と緑が多くて驚いた。櫻井さんのイメージだと色とりどりの花が咲いてるのかと思ったけど。バラ、とかチューリップとか。あ、もしかして花粉が苦手とか。その可能性もある、か。「櫻井さんは花粉が苦手ですか?」「いえ、僕は大丈夫です。なぜですか?」「庭に、花が咲いていないから、もしかして花粉症なのかと思いました。」「……花は枯れてしまうから。」「え…?」聞こえたのは小さな独り言。ため息混じりに、つい漏らしたのか。「いえ。花粉症なのは雅紀ですよ。あ、さっ