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射的人形で見る歌舞伎①男役の磁器人形ここに展示している人形は、大正時代から昭和初期あたりに作られた5寸程度の大きさで、重く空洞が小さい〈射的人形〉です。同じ特徴を持つ同じ造りの人形を纏めました。〈射的人形〉ばかりではなく〈市販品〉もあるようです。その中から歌舞伎や浄瑠璃の戯作が題材となっている役者さんの姿のほか、歴史書の人物あたりを【歴史篇】として纏めています。【歴史篇】は男性、女性、と分けて展示し、そのほか庶民の生活に関する姿は【生活篇】として纏めました。特に隆盛していたのは昭和7
軍人:底面に小指程度の穴があり市販品が多かった磁器人形大正時代から昭和初期に作られていた、底面に小指程度の穴のある磁器製の大衆人形には〈市販品〉が多く、歌舞伎などのモデルの他に一般庶民の生活を映した姿が多く見られます。主に昭和7年~昭和13年頃に最盛期を迎えていた〈大衆人形〉の仲間で、焼成後に絵付けされた磁器人形です。膨大な種類が見られ、〈大衆人形〉の代表的な存在と言えそうです。今回は【軍人】をご紹介します。戦前の軍国主義だった時代、派手な彩色の(舞妓さん)などが制限される中、玩具
射的人形と呼ばれる少年少女で、小さなサイズの磁器人形②大正時代から昭和初期あたりに盛んに作られていた磁器製の大衆人形の中から子供の姿をご紹介していますが、今回は10センチ以下の小さなサイズを採り上げてみました。昭和7年頃~昭和13年頃に最盛期を迎えていたと思われる、焼成後に絵付けされた磁器人形の仲間です。こちらでご紹介する仲間のモデルには、少年少女の子供ばかりが揃っています。7センチ~12センチ程度と小さなサイズの磁器人形です。種類が多いので10センチ~12センチ程度の姿と、10セ
小さなサイズの射的人形①:歌舞伎の男役大正末から昭和の初期、昭和7年~昭和13年が隆盛期だった磁器製の大衆人形には色々なタイプがあります。今回は素材が厚くて重量感のある、小さなサイズの〈射的人形〉をご紹介します。前回ご紹介した底面に穴が無く素材の線が残る重い5寸クラスより小さな、3~4寸程度の小サイズで、だいたい9センチから12センチ前後の仲間です。5寸クラスと同様、多くが京都で作られていたようです。小さなサイズとしては重量感が感じられ、磁器特有のざらりとした冷たい感じが手のひらに
大正時代から昭和にかけて輸出されていた陶磁器人形をご紹介していますが、今回は主にアメリカに向けて輸出されていた中から《ペニードール》と呼ばれる磁器人形をご紹介します。輸出されていたのは1920年代~1930年代の頃のようです。日本でアメリカ向けの輸出用ビスク人形が作られ始めたのは1914年ごろの事です。アメリカ向けに日本の磁器製品を輸出していた商社の【森村ブラザーズ】(現ノリタケ)がアメリカで人気のビスクドールを瀬戸で作らせるために、海外(ドイツ製)の人形を持ち込んだことが最初です。