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複雑な波面を「ゼルニケ多項式」を利用すると比較的単純な波面に分解して、それぞれがどれくらい全体に影響しているか?を調べる事ができます。Zom-Baten.wikipedia,CC表示3.0,リンクによる一番上が無収差の状態。二段目は波面が平らなまま傾いている状態。これはつまり「プリズム」を表します。三段目の真ん中は焦点の前後ズレ、つまり近視や遠視に相当します。その両脇は非点収差、これは「乱視」に相当します。ここまでが低次収差で、単純なレンズで矯正ができる部分です。
理想的な波面からのズレを、波面収差と呼んでいるわけですが、それは「近視」や「遠視」も表す事ができるし、「乱視」も表す事ができます。黄斑部中心窩のど真ん中から光が出てきたとして、その波面は「近視」であれば凸レンズのような波面だし、「遠視」であれば凹レンズのような波面になる。「乱視」であればプリングルスのポテトチップスみたいな波面になります。ここまでは眼鏡レンズを組み合わせたら(大雑把に言えば)波面を理想的な形に直す事ができます。これはつまり眼鏡レンズで(大雑把に言えば)完全に矯正
こんにちは!この記事はプロフェッショナル向けです。AC/A比について。AC/A比とは調節力を1D使ったときに起きる調節性輻輳の量です。それを測定する方法に2種類が知られています。1つはグラジエント法、40cmで視標を見せて斜位を測り、そこに1D加入して斜位を再測定して起きた斜位量の差がAC/Aになります。もう一つはヘテロフォリア法、遠方の斜位を測定し、近方の斜位を測定し、その差から計算によって導き出す方法です。ヘテロフォリア法でAC/Aを計算する場合、老視の影響
専門度:4(MAX:5)先回に記事で、PD:瞳孔間距離の意味と測定法を書きましたが、それをメガネにどう使うかについてを・・・。PD(瞳孔間距離)は目の間の距離OCD(光学中心間距離)はメガネの左右のレンズの中心間の距離特に決まった用途のない”常用”と言われる掛けっぱなしのメガネの場合、PDとOCDは同じでなければなりません。なぜか「常用は2mm引く」つまり、メガネのOCDを狭く作る事があるようですが、何も考慮せずにただ習慣的にそのようなメガネを作るのは大変危険です。
さて、収差の塊である累進レンズの度数をどうやって測るのか?単焦点と同じようにレンズメーターのコロナを合わせても、そこは累進帯の途中であって基本度数(遠用度数)ではありません。もし、レンズの銘柄がわかるのならば、隠しマークを基準にしてチェックマークを再現し、それを元に指定された場所をレンズメーターに当てればいいし、PD(OCD)は隠しマークの中央にくる印を中心と考えて左右の幅を測ればいい。イラストにすればこういう事。フィッティングポイントにレンズメーターを当てるのはダメです
波面収差を比較的単純なレンズや鏡で修正できる部分を「低次収差」、より複雑な部分を「高次収差」と呼んでいますが、この「高次収差」とはどんな形をしているのか?僕は専門家ではないので、数式を展開して説明なんてできません。でも、どんなことが起きているのか?は段々と、なんとなくイメージできるようになってきたと思っています。なので、そんな「イメージ」でのお話です。黄斑部中心窩のど真ん中なら光が目の外に出てきたとしたら、その波面は目の角膜や水晶体や硝子体、そして瞳孔などの光が通って来た
なんか絡まって、髪の毛ぐしゃぐしゃの眼鏡ぐにゃぐにゃにならないように、スマ~トゥなグラスコードの使い方をご説明。ようするに、眼鏡をかけた状態でヒモを掛けたり外したりするんです。↓↓かけるとき↓↓外すとき
雲霧、雲がかかって霧の中。視界がぼんやりしてよく見えない。屈折測定(目の度数を測る事、いわゆる眼鏡の検査みたいな)において、緊張を解くというのは非常に重要です。前回の記事「近視について②」で調節(ピント合わせ)の緊張により引き起こされている近視というものを書きました。近視以外でも遠視の矯正、乱視の矯正、両眼視機能の矯正においても調節の緊張をほぐす事は非常に重要です。そのためによく使う基本的なテクニックが「雲霧法」です。要するに視界をボカすのですが、どうするかといえ
前回の続き(ビジョントレーニングについて)の前に、書きたい事を・・・質問されて十分な説明の時間もとれずにサヨナラしてしまったので届くといいなぁという願いも込めて。今回のテーマの内容は専門的です。AC/A比とは「AccommodativeConvergence/Accommodation」単位性調節性輻輳量といいます。難しく言うと。要は調節に伴って起きる輻輳である「調節性輻輳」を調節力で割った値、つまり1D調節したら調節性輻輳が何プリズム起きるのか?という事です。