真田信繁

南光坊天海(101)「一、眞田左衛門佐五十萬石の御約束ニて、人數六千計相具籠申候。是ハ眞田安房守と申、関東大名の子ニ而御座候。石田治部と一味仕候。関原以後の牢人、高野山ニ罷在候。のほり・指物・具足・甲・ほろ以下、ともニ一色赤出立ニて御座候。馬印ハ金のうくゑ（ママ）ニ而御座候。」（「大坂陣山口休菴咄」）慶長16年（1611年）6月4日、真田昌幸が亡くなり、その一周忌が済むと世話役として付けられていた16人の家臣は、僅か3名となった。藩主の父である昌幸と弟である

南光坊天海(102)「大坂よりひそかに幸村（信繁）を招かるるといへども、幸村遁亡せん透を得ず。幸村謀をめぐらし、或日山中の郷民数百人を招き集め、酒をすすめ沉醉せしめ、其すきを伺ひ、郷民等が乗来りし馬を奪ひ、荷物負せ、妻子を轎にのせ、主従百餘名にて、紀伊川を渡り、橋本木目峠をへて河内路へかかり大坂へはせのぼる。」（「台徳院殿御實紀」）夜も更けると、村人たちは飲み疲れ、眠りにつく者が現れた。やがて真田主従は、物音も立てずに、静かに九度山を後にした。村人たちの中には気

大河ドラマ「どうする家康」第46回。いよいよクライマックス、大坂の陣。大阪城。豊臣秀頼、淀殿、千姫、大野治長。豊臣家のコア＝首脳陣。実質的な意思決定は淀殿の独裁。駿府城。右から、徳川秀忠、阿茶局、金地院崇伝、林羅山、本多正純、本多正信。こちらもいわば最高首脳会議。ただし徳川家は、僧侶、儒学者、作戦参謀(阿茶)、主席参謀(軍師＝本多親子)と多彩な面子を揃えており。より多面的な見解が期待できる布陣。秀忠は見習い。江戸城。あまりに偉大なる父を持つ、凡庸の秀忠は懊