ロシアには英雄譚の語り物ブィリーナがあります。口承で民衆の間に伝えられたものですから本来は読むものではなく、日本の浪曲や韓国のパンソリのように語るもので,時に簡単な伴奏も付くようです。その代表が救国の英雄イリヤ・ムウロメツの物語で,僕が子どもの頃に読んだ世界少年少女文学全集のロシア篇に入っていました。日本の物語にはないスケールの大きさと痛快さとに子どもの僕は胸を躍らせたものです。先日、ふとそのことを思い出して検索してみたところ、なんとこのイリヤの物語が昭和60年に単行本として出版されている事が分