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創価大学文学部の専門科目「現代日本語文法A」に関連する話題の第2回です。前回は日本語母語話者が現代日本語文法を学習する意義について書きました。日本人にとって日本語の文法知識は必要か?本科目の受講者から日本語母語話者向けの現代日本語文法書を紹介してほしいとのリクエストがありました。本科目では教科書を指定していないため、自学自習に適した文法書を紹介してほしいとの趣旨です。以下に独断と偏見で何冊かを紹介します。少し年代的に古いものも含まれています。それらは最新の現代語の実態を反映して
春学期の担当科目のなかで「現代日本語文法A」(水曜2コマ)だけは最初の2週間にオンライン授業を行わずに、資料を読ませて感想を書かせる方式を採ってきました。でも、他のオンラインのどの科目よりも最も準備に時間をかけたのはこの「現代日本語文法A」でした。教科書を読ませて書かせる方式ということならほとんど通信教育と同じです。ところが、この科目は特定の教科書を決めていません。それは、本当の文法の楽しさを教えてくれるいい教科書にまだ私が出会っていないからです。誰か特定の文法学者が著した文法書を教科書に
私が顧問を担当するクラブの学生たちは、非常に礼儀正しく、メールの文面でもしっかりと敬語を使おうという意識が感じられます。ただ、たまに耳慣れない、おもしろいフレーズが出て参ります。その一つが「把握のほどお願いいたします」です。例えば、こんなふうに使います。(1)今度の金曜日に〇〇の件で部内ミーティングを行うことになりました。把握のほどお願いいたします。何がおもしろいかというと、「把握」という堅い言葉を使いながら、実際にはあまり意味がない、特に何もしなくてよいという点です。伝えた
春学期開講の「現代日本語文法A」は、200名を超える過去最高の履修登録がありました。学生の期待に応えられるように張り切って毎週準備をして臨んでいます。この授業では教科書を指定しませんでした。文法というのは一つの事柄にも何通りのもの考え方があり得るものです。教科書を指定してしまうと、どうしてもその内容が「正しい文法」となり、学生たちはそれを覚えようとしてしまいます。私は学生たちに「覚える文法」ではなく、「考える文法」を学ぶ愉しみを知ってほしいと思い、教科書無しで、各テーマごとに文法学者の思考