渋沢栄一が残した言葉を若者に向けて受け取り直すとき、まず胸に刻みたいのは次の一句である。道に悖る行いは、いずれ身を滅ぼす。ここでいう道とは、ただの規則やしきたりではない。人として守るべき筋であり、社会を成り立たせる信義であり、長い時間をかけて磨かれてきた仕事の作法でもある。悖るとは、その筋をねじまげること。身を滅ぼすとは、ある日突然の破滅だけでなく、信頼の損失や心の鈍化のように静かに進む崩落も含む。渋沢が論語と算盤を結びつけたのは、人格と利益を同じ土俵に載せ、道を外れずに成果を上げることが最も現