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勾玉を手にした大ちゃんが向かった先は長(智)も烏帽子(翔)も見たことがない場所木漏れ日が地上を照らし庭先には青と赤の花が咲いている建物も見たことのない物「翔、ここは何処なんだ」小さい声で話しかけると翔も同じように怪訝な声で返事をする「私もよく分からない」花火を一緒に観たいとは言ったそれはあの二人と一緒にという意味我々の浴衣も拵えたと嬉しそうに話してくれたが現実的にそれを着ることなど出来ない気持だけで十分嬉しいと思っていた「大ちゃんという人は・・
頂いた珈琲(アイス)を飲んですぐ後部座席に座った画伯の寝息が聞こえてきた「ふふ・・・寝ちゃったな」ハンドルを握る翔兄がミラー越しに画伯を確認して愛おし気な眼差しを向けた人はここまで変われるのかな?と思いながら自分の事を顧みた考えたら、俺も相当冷徹な人間だったそれを変えたのが智君だ・・・「寝顔も愛しいって事でしょ?」「当然、どんな顔も愛おしい寝顔って無防備だろ俺の隣でスヤスヤ寝てる顔見てると愛しくて愛しくて」「翔兄・・・蜂蜜よりも甘い
風っ子衣装店の3人と紅玉の4人が先に扉を潜って現代に帰って行った「おちびちゃん達はお兄ちゃんと一緒に皆さんをお見送りして」「は~い!」お兄ちゃんが4人を先導して扉の出現場所に向かった「私達4人は此処の片付けを手伝うよ」「荷は運んだ方が良いの?」「荷運びの人足さんが来るらしい」「じゃあ、荷を纏める所までだね」大ちゃんと翔先生の話に蒼ちゃんと緋~ちゃんが頷いて智大さん達の元に向かった「おにいちゃん・・・たのちかったね」
戻ってきたさとちの笑顔を見てホッとしたお兄ちゃん繋いだ手をギュッと握り締めてニッコリ笑う「お歌謳った?」そう聞かれて驚いた顔をする「おうたきこえちゃの?」「さとち君の声と・・・大ちゃんの声かな?・・・」針の風に揺れる樹々のざわめきのような気もしたが二人の声が微かに聴こえたそれを聞いたさとちが凄く嬉しそうな顔をした「おにいちゃんにはきこえちゃんだ」「俺だけじゃないかも・・・ま~君達も耳を澄ませてたから」「たぶん・・・みんなには
一緒に旅をしたのがセリーだったって気が付いた俺の側に走ってきたのは初めてあの店であった時の緋~ちゃんだった「ショー、もう辛い旅をする必要はないそれを伝えに来たんだ」「緋~ちゃん・・・俺もそう呼んで良いですよね」何故か涙が零れてきた「ショーが来たんだね」緋~ちゃんの目にも大粒の涙その涙には後悔も悲しみも淋しささえ消えていた「はい、先程俺の所に来てくれました神の庭で皆が待っていてくれるとだから、それまで一緒に居て欲しいと」どうしてこうな
腕時計と壁掛け時計を交互に見比べ窓の外を眺めウロウロ落ち着かないのは翔兄も同じ何故か窓まで行って外を眺めそれからソファーに戻るを繰り返してるその様子を見てた画伯が可笑しそうに笑う「サクちゃん、どっちの時計も同じ速さ(笑)翔、少しは落ち着けって(笑)」「そんなこと言ってもね暁の長が来るんだよ絶対に会う事がない人が家に来るって・・・緊張しない方が可笑しいって!」それが当然の事だと言わんばかりの顔で俺に同意を求めるように視線を向ける「暁の
久し振りに逢う蒼ちゃんのお父さん僕の顔を見るなり走って来て抱きしめてくれた「どこも何ともないかい?」「蒼ちゃんが迎えに来てくれたから僕は大丈夫」「それならいい・・・さとし君、何も心配はいらないよ私も、彼等も皆が付いてるからね」お父さんが3人を大ちゃんの部屋に来させてくれたんだ「みんなが来てくれたから元気を貰ったよ」「君達は家族と同じ誰かが大変な時は皆で助ける」お父さんの言葉が胸の中に沁み込んできて僕は何も言っていなかったことに気
お客様に蒼ちゃんのお花のお茶と和しゃんのお菓子で最高のおもてなしをしたさとちご満悦な表情で二人を見送り奥の部屋に向かう「おおちゃんどうちてりゆうをきかなかっちゃの?」「おちびちゃんへの依頼は社長を捜す事だろ?」「うん・・・そうなのでも・・・しゃちょうにあっちゃときなんちぇいえばいいの?」「チビも社長にお願いがあったんじゃないの?」「さっきそう言ってたねおちびちゃんは着物で暮している時代でお花見がしたいじゃなかったの?」
車はヘッジからさほど遠くない場所にあった少し小高い丘の上にドームのような形をした樹々の要塞が見える丘の上に登る道も樹々が行く手を阻み登り口すら見えない状態だ車から降りて登り口を探すが何処に見見当たらない「まるで・・・蒼の森の入口・・・」セリー(緋~ちゃん)が樹々を仰ぎ見てボソッと呟いた「蒼の森って・・・楽園の?」そう言えば、夢の中の森に似てる気もする・・・「ああ・・・フィーとサトシ以外はこうやって樹々が行く手を阻んでた・・・どう
お江戸のお二人が用意してくれた花見弁当さとち達は食べられる物をほんの少しだけお菓子だけは特別です桜の菓子と三食団子を頂きましたお腹もいっぱいになったので4人揃って満開の桜の精霊さんにご挨拶お兄ちゃんがお目付け役ひと通り挨拶を済ませた4人の妖精君たち若主人と翔旦那が用意したおもちゃに興味津々貝独楽・糸つり独楽・泥面子・ビードロ(笛)・手毬どれも遊び方が分からない4人それでも相談しながら遊び方を工夫して楽しんでいます少し離れたところで眺めているお兄ちゃん「お兄ちゃんは
マスターが眉間に皺を寄せて苦笑いを浮かべた俺と翔は思わず顔を見合わせて心の中で同じ言葉を叫んでたと思う『直人さんって・・・どういう事?』何で翔のお母さんがマスターを知ってるんだ?マスターの顔をまじまじと見つめる雅紀と関わりが家だと聞いていたけどって事は・・・耀の一族ってこと?席に戻った翔のお母さん笑みを浮かべて手招きして俺たちを呼ぶ「お母さんって何者?」小さい声で呟くと「マスターが何者かのほうが謎だよ?」翔の言うこともご尤もなんだけれど耀の当
師匠のバングルを数点見てから一番派手な細工のバングルを選んだどんな洋服に合わせるのかちょっとだけ興味がわいた「あの・・・こちらはプレゼント用でしょうか?」№のアクセサリーにはそれ専用の箱がある箱自体お洒落なんだけどプレゼントの場合、リボンの色が選べる「はい・・・プレゼントです」やっぱりプレゼントだ一度も自分の腕につけないからそうかなって思った贈る相手はバンドとかやってる人なのかな?「プレゼントですのでリボンの色はどれにいたしますか?
工房まで送ると言った翔さんをなんとか説き伏せて駅まで送って貰い電車で帰宅そのまま工房に行くと師匠が作業をしてた「ただいま、帰りました」作業中は声を掛けない方が良いんだけど黙ってはいるのも極まりが悪い「お帰り・・・丁度休憩しようと思てたところ」作業の手を止めて腰に手をやり伸びをする「あれ・・・一人?櫻井君は母屋?」「今日は最寄り駅まで送って貰いました」「珍しいなぁ彼の性格上・・・絶対に送るというはずだけど」師匠、見え
昼休み、公園のベンチに腰掛けてテイクアウトのカフェラテを口にした食欲はあまりない緋の妖精が歩いた道・・・どうしてセリーを止められなかったのだろう違う、どうして行かない選択をしなかったのだろう後悔と疑問が頭の中で渦巻いて大きく溜息をついた「溜息をつくと幸せが逃げていきますよ」何処からか声がして辺りを見回すと少し離れた場所に座ってる男性・・・今は話したくない気分「そうですね」小さい声で返事だけして鬱々とした顔をしてる俺は声の主の顔を見る事が出来な
沈丁花精霊ネットワークの底力を見せつける様にあっという間に旅行社の情報が集まって来る「精霊ネットワークって凄いんだな」大ちゃんが感心したように呟く「おチビの事ならどの精霊もすぐに動きますよ(笑)」「それは私達も同じだな(笑)」「そう言うことです」二人が顔を見合わせて笑みを浮かべる当の本人は出掛けたくてうずうずしてるから二人の顔の所まで飛んで浮かぶ「ねえねえ、いまからでかける?ふたりいっしょにきちぇくれるの?」ワクワクした顔で訊ねる「
海岸線を縫うように走る道路沿いにお洒落な洋館そこが気紛れなパン屋さんらしい中に入ると焼き立てのパンの匂いだけど・・・誰もいない(普通誰かいるでしょ)「おはよう!取りに来たよ」厨房に向かって叫ぶ画伯「おそようございますの間違いじゃねえの(笑)」くすくす笑いながら、全く急ぐ様子もない頭に手拭いを撒いた店員が出てきた「仕方ないよ、サクちゃんがお寝坊さんだったんだから」俺が原因?「サクちゃんって、その身なりの良い人?」「そう夏なのにビシ
パン屋さんの珈琲を頂きながらぼんやり海を眺めてた貴方も少し落ち着いたのかいつもの柔らかい笑みを浮かべてた「そろそろ帰った方が良いよ画伯が心配してる」パン屋さんが袋に入れたパンをテーブルの上に置いて珈琲カップを片付け始めた随分のんびりさせて貰った長居をしたって事かな?「すみませんお言葉に甘えすぎて長居をしてしまいました」貴方が申し訳ないって顔をして珈琲カップを片付けながら立ちあがった「俺は何時間でも良いんだけど駐車場の車の人が大変
紅玉からの帰り道運転席には俺が座った後部座席に並んで座る二人「翔兄・・・あの方々は一体何者?」ずっと疑問に思ってた事を口にするとこめかみ辺りを指先で触りながら苦笑いを浮かべた翔兄(ミラー越しに見える)「どう表現すればいい?」画伯さんに顔を寄せて確かめてる「そのまま言えば良いんじゃないチーフは妖精、蒼ちゃんはエルフ大ちゃんは神様」どこのおとぎの国の話?揶揄われてるような気がして大きく咳払いをする「ううん・・・おとぎ話の世界じゃ
春の花探しに忙しい分室チーフさとち平日は助手のお兄ちゃんが仕事の為紅玉さんの見習い店員(邪魔してるだけ)をしている朝から蒼い空が広がってお外に行きたくてうずうずしてるさとち入り口のドアを開けて何度も顔を出す「どうしました?」落ち着きのない様子のさとちに声を掛ける和也「おおちゃん・・・まだかなぁ・・・」「大ちゃんが来るの?」そんな話は聞いていないと首を傾げる「うん・・・たぶん・・・」お店の外の街路樹の辛夷ちゃんに用件を伝えて
花火大会の当日、翔兄たちは朝早く出掛けて行ったコスプレ仕様と言うのか特殊メイクと言うのかそれをしなきゃいけないらしい画伯はアニメの主人公の怪物君大きな耳と青と赤の帽子がトレードマーク漫画のイラストに浴衣姿があるからイケるだろうと浴衣着用に決定翔兄はお付のドラキュラ黒マントとシルクハットに杖これはマストだと言い張るから大変浴衣を持参してメイクして貰う間に決めると話しは落ち着いた翔兄、ちゃっかり浴衣を新調した画伯に止める様にと依頼されたが俺が止めたところで止まる訳
年越しそばを頂いて年末のテレビ番組を見るいつもと変わらない大晦日だけど隣りに翔さんがいるこれが一番大きな違い除夜の鐘が聴こえて来てテレビの中でもカウントダウンが始まる3・・・2・・・1・・・僕も心の中でカウントを取る翔さんは声に出してる(笑)年が変わった瞬間二人同時に年始の挨拶「あけましておめでとう!」そのまま翔さんに抱きしめられた「今年もよろしくね」「こちらこそ、よろしくお願いします」ふふ・・・最高の年越し本当なら
貴方の喜ぶ顏を見てたらこっち迄泣きそうになってきた昨日師匠から話を聞いて直ぐにでも教えてあげたい衝動に駆られたけれどそれは師匠からでないといけないとお口チャックにして師匠と祝杯を挙げてしまったその結果の体たらくなんだけれど肩を抱き寄せるくらいは良いかなとそっと肩を抱き寄せた真摯に取り組む姿を見て来たから自分事のように嬉しい師匠もマダムもいつの間にか目が赤い貴方のジュエリーも師匠と同じで数か月待ち(一年くらい待つのかな)とかになりそうな予感がする涙が美
大ちゃんの家に4人の妖精久し振りに賑やかな時間3人の妖精が食べる物を作ると張り切ってキッチンに立った「僕も手伝うよ」チビが声を掛けると3人が笑顔で頭を振った「僕たちがご馳走を作るのさとしくんは休んでて」3人からすれば、気を利かせているつもりなんだずっと眠ってたチビを思いやって少しのんびりして欲しいとの気遣い当のチビは淋し気な表情を浮かべるどっちかと言えば一緒に何かをしていたい「僕は4人が作った物が食べたいかな」翔先生が機転を利かせて3人に
松の内が終わると祭りの後のように静かな普段着の日常が戻ってきたそれが淋しいと思わなくなったのはきっと年を取ったからなのかもしれない日常が戻ってくると仕事も始まる(当然のことだが)タウン誌に載せるレポやエッセイはページ数も少なく締め切りも余裕がある為、そこ迄てこずらない頭を悩ませるのは、初連載の小説だ花笑み商店街の人々の日常を描いた小説どちらかと言うと地味な話なのだが思いの外好評らしく打ち切り等の話は出ていないモデルが智君なのだから人気が出るのは当たり前それと彼
僕たちは未来に向かって歩き始めるお父さんから預かった緋色の花のクッキーとお茶をカバンに仕舞って人の世界に戻ってきたすっかりお日様は沈んだ後薄暗くなった中を4人で部屋に向かったドアを開けると既に翔先生は帰ってきてて笑顔で僕らを迎えてくれた「ただいま」「お帰り4人ともスッキリした顔をしてる大ちゃんも蒼ちゃんも戻ってるよ」「翔先生・・・蒼ちゃんに何か言ってくれたんでしょ?」「何もしていないよ俺は楽園での出来事については何も口にできないか
着替えを済ませて玄関に行くと画伯がTシャツに丈の短いパンツ足は靴ではなくビーサン姿で立って真っ青な空を眺めて「今日も暑い一日になりそうだ」そう言って帽子をかぶった翔兄よりも年上だと聞いてるけどどこからどう見ても俺より年下に見える今から都内に向かうのにそのスタイル?いくらなんでもラフ過ぎないか「あの・・・その姿で紅玉という店に行くんですか?」「そうだけど何か拙い?」言ってる意味が分からないって顔をする「お願いに伺うので・・・普通はちゃん
父ちゃんと入れ替わるように翔さんがお風呂に行った体中から湯気が出てそうなホカホカの顔した父ちゃんが冷蔵庫の中を覗きに来た「ビール飲む?」「いや、水を飲もうと思って」「そうなの?」珍しい事もあるものだって母ちゃんと顔を見合わせる「一人だけ始めるの申し訳ないだろう?それに昼間飲み過ぎた(笑)」「かなり酔ってたからまだ残ってるのよ夕飯はあまり飲まない方が良いわよ」「お付き合い程度にしとくよ」苦笑いを浮かべながら冷蔵庫の中か
ブルースターの妖精さん青いリコリスの妖精君2人の願い事を聞いてチラシと大ちゃんの飴を渡した「おにいちゃん、みんながえがおになれるといいね」「その為にチーフが頑張ったんでしょ?」「ほんとうはね、おいらがじょしゅなのチーフはあおちゃんとおおちゃんふたりともやさちいからおいらにまかせちぇくれたのいつかふたりみちゃいになりたいなっておもう」人に寄り添うことができる蒼の妖精2人が居てくれるから皆の力になれるんだって学ぶことが出来ただから・・・
マスターのアシスタントをしてる貴方テーブル席に聞こえてくる声で楽しそうなのが分かる「ふふ・・・恋する瞳ね(笑)貴方がこんなに情熱的だったとは・・・」母がクスクス笑って厨房の方に視線を向ける「自分でも意外だったよ・・・あの人に出逢うまでは結婚は親が決めた相手とするって思ってたから・・・真剣な恋とかした事もなかった」「今の言葉、ちょっと心外よ貴方の結婚を無理強いするつもりは全くないわよ」「でも、見合いの話とかはあったじゃない」
翔さんが笑いながら泣いちゃうからどうして良いか分かんなくなった僕が・・・泣かせちゃったのかなぁ・・・片付けは僕と母ちゃん「嬉しくても涙が出るのよ貴方のお祝いしたいって気持ちが伝わったからよ申し訳ないって思ったらダメ」「本当に?」僕が傷付けちゃったから・・・だから・・・余計なのかって・・・「あの顔のどこに貴方に対しての不満があるの」母ちゃんが真顔で俺の顏をじっと見る「ない?」「ないでしょう・・・貴方のケー