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バレンタインデーの前日少し遅くなったけど昼食を一緒に食べようと思いお弁当を買って家に戻ったいつもならまだ開いてるはずの店窓ガラスのブラインドが下りていて閉店状態朝出掛ける時、パンを並べてたけど首を傾げながら車から降りていく扉に『close』のプレートドアノブに触れると鍵が掛かってた・・・ん?出掛けるって聞いてないけど丘の上の家(画伯の家)まで配達にでも出かけてる?携帯電話を取り出して貴方に電話をしたけど留守電になる店の電話に掛け直すと呼び出し音が数回鳴っ
父ちゃんが僕の福袋母ちゃんが師匠の福袋をゲットして上機嫌で帰って行った見送りは出来なかったけど何だか親孝行した気分(まだまだだけどね)翔さんが僕の福袋を手にしてたから吃驚したもしかして父ちゃんから聞いたのかなぁ?福袋は1時間も経たないうちに完売元々、総数が少ないから売れるのは早いけどいつもよりも早かった気がする師匠が『福袋は完売しました』と書いた紙を扉の外側に貼りに行き「あっという間に客が引く(笑)」一気に閑散とした店の中を見回しながら苦笑い
マスターが眉間に皺を寄せて苦笑いを浮かべた俺と翔は思わず顔を見合わせて心の中で同じ言葉を叫んでたと思う『直人さんって・・・どういう事?』何で翔のお母さんがマスターを知ってるんだ?マスターの顔をまじまじと見つめる雅紀と関わりが家だと聞いていたけどって事は・・・耀の一族ってこと?席に戻った翔のお母さん笑みを浮かべて手招きして俺たちを呼ぶ「お母さんって何者?」小さい声で呟くと「マスターが何者かのほうが謎だよ?」翔の言うこともご尤もなんだけれど耀の当
マスター特製のアップルパイが良い緩和剤になったのか緊張の場が和んだような気がするベストなタイミングで提供するマスターは人の心が読めるのかも?接客業の達人だからな・・・「美味しい!このアップルパイはマスターのお手製?」一口食べた時のお母さんの顔最高に美味しいって伝わってくるまさかこんな喫茶店のマスター作だとは思えないのかも「マスターのお手製だよここのパイは絶品なんだ」翔も満面の笑みを浮かべてアップルパイを口に運ぶ「ええ、すごく美味しい
年越しそばを頂いて年末のテレビ番組を見るいつもと変わらない大晦日だけど隣りに翔さんがいるこれが一番大きな違い除夜の鐘が聴こえて来てテレビの中でもカウントダウンが始まる3・・・2・・・1・・・僕も心の中でカウントを取る翔さんは声に出してる(笑)年が変わった瞬間二人同時に年始の挨拶「あけましておめでとう!」そのまま翔さんに抱きしめられた「今年もよろしくね」「こちらこそ、よろしくお願いします」ふふ・・・最高の年越し本当なら
売るパンがなくなれば閉店今日は15時に終了店の片付けと掃除を済ませ明日の仕込みを済ませて店の外に西の空が茜色に染まり東の空からゆっくりと星空のベールが覆っていく「彼奴、何時頃帰って来る?」一番星に訊ねても返事がある訳もなく小さく溜息をついて店の中に戻る夕食は野菜たっぷりのカレーとサラダそれからスープ空いてる時間に作ったから正直、手持無沙汰連絡がないのは手間取ってるからだと推察できるが電話するのも癪に障るこの場合、連絡入れるのはお前の方な心の中
至急連絡して!って留守電を入れたにも拘らず掛かってきたのはベッドに入る頃「もしもし、至急って何の用事?」能天気な声が聴こえて来た「雅紀、至急って言葉の意味知ってる?」「急ぎの用って意味でしょ?」何を当たり前のことをって失礼なって気持ちが含まれてる声「じゃあ、何でこんな遅いの?」「俺だって仕事はしてるのそれに、直ぐに電話できない事もあるでしょ」「どんな用で?」明らかに八つ当たりなのは言うまでもないのだが智君の機嫌を損ねイマイチ
マスターのアシスタントをしてる貴方テーブル席に聞こえてくる声で楽しそうなのが分かる「ふふ・・・恋する瞳ね(笑)貴方がこんなに情熱的だったとは・・・」母がクスクス笑って厨房の方に視線を向ける「自分でも意外だったよ・・・あの人に出逢うまでは結婚は親が決めた相手とするって思ってたから・・・真剣な恋とかした事もなかった」「今の言葉、ちょっと心外よ貴方の結婚を無理強いするつもりは全くないわよ」「でも、見合いの話とかはあったじゃない」
二人だと思ったら蒼さんも一緒だった「あけましておめでとうごじゃいます」さとち君が愛らしい声で挨拶をしてお辞儀をするさとし君に続いて全員が年賀の挨拶を始める店中が笑顔と「あけましておめでとうございます」で溢れていくこの人たちが入ってきただけで店の中の空気が変わった気がしたまるで紅玉さんに居るみたいだ「蒼さん、ありがとうございました智も気に入ってくれました」師匠が深々とお辞儀をする「それは良かった」「あおちゃんがつくったぷれーとのこと?」
昼食を一緒にして満足したのか食後の珈琲を飲んで仕事に戻って行った今日は遅くなるらしいコップを片付けて厨房に戻る「シゲ、悪かったな」「良いですよ,緊急事態ですから(笑)それより翔さんは?」「仕事に出掛けた今日は遅くなるって言ってた」「忙しいんですか?」「ぼちぼちじゃねえ(笑)仕事のことは聞かない事にしてる俺が聞いても分かんねぇし」「確かに(笑)」パン屋とダンサーの俺とはほぼほぼ接点がないそれが良いんだと思う偶に愚痴をこぼすけど
海岸線を車を走らせるてっきり貴方のご両親の家だと思っていた俺行先を告げられて面食らう「今日も画伯の事務所ですか?」かなり不満げな声を出してしまった「念には念を・・・ご両親の希望でもある」「ご両親の?」「子を想う気持ちからだよ万が一表沙汰になった時今以上に監視が厳しくなったら困るそれを懸念してのこと・・・サクちゃんが思うほど単純ではないよ」初めて見る画伯の難しい顔俺に同行して実家に行ってくれた時でも笑みを浮かべて飄々とした顔で
一人暮らしを始めてから年末年始をゆっくり過ごすことはなかった年末はパーティー三昧元旦の恒例行事さえ済ませてしまえばセレブのステータスと言わんばかりに海外に跳んだ目的は世界遺産の制覇ゆっくり観光する訳ではないガイドブックに載っている場所の確認作業その地を踏むことに意義を見出していた愚かな事この上ないがそれがカッコいいとさえ思ってた思い返すと何と無為な時間を過ごしてたのかと思う昔の自分に会ったら言ってやりたい『おお馬鹿やろー!目を覚ませ』って外見だけ着飾っても中身が伴って
翔さん達を見送って中に戻ると入れ替わるように健太君達が戻ってきた「しょうおにいちゃんにあったよ」僕の側まで走って来て腰に抱き付く「逢えたんだね」「うん、『ばいばい』ってしたよ」ちょっと淋しそうな顔をするもう少し遊びたかったのかな「『健太君に挨拶しないで帰るのは淋しい』って言ってたから、良かったね」「ほんと?もうすこしはやくかえってくればよかったなぁ・・・」ちょっと後悔している様子「ふふ・・・クリームソーダに夢中だったのはだ~れ?
お前が俺と一緒に居るのに黙ってられる訳ないんだよ何でそんな簡単な事に気が付かないか(笑)パンを作ってる時ですら話し掛けてくるんだから二人きりの時のお前の辞書に『ぼんやりタイム』は存在しないあんまり煩い時は口を塞ぐけど(もちろん唇で)そうじゃない時は、お前の話を楽しんでるだから、黙って傍に居なくて良いんだよそれを説明するのは難しい自分でその答えに辿り着くまで納得しないから(そう言うところは頑固だ)だから気が付くまで『なんちゃってぼんやりタイム』に付き合ってやるよまあ
何で気が付かないんだろう(笑)俺だってその日の意味ぐらい知ってるって去年は日本に居なくて淋しい思いをしてたみたいだけどって・・・ラインでブツブツ言ってたぞそれすら忘れてるようだから黙ってるけど翌日、ニノと松本からラインが入った「15日は昼頃伺います」ってのがニノ「15日夕方行くから」が松本相葉ちゃんから連絡があったらしいが当の相葉ちゃんからは来ていない助っ人に選んだのは相葉ちゃんだな相葉ちゃんが気を利かせて日にちを変更したんだろうあの二人に知られるとややこ
学生の頃(小学校だな)遠足や修学旅行の前日が一番楽しかったのを憶えてるその日の朝の目覚めが早かったことまで・・・帰りのバスや電車の中でもうすぐ終わるって思うと何だか淋しかった今の俺がまさにその状態だ智君と二人でキッチンに立ち保存用の食事を作る殆ど補助要員の俺だけどそれはそれで楽しいカレーを作って小分けにして冷凍保存野菜スープも同じように冷凍されていく刻んだ野菜や茹でた野菜も同じ炊き立てのご飯も同じだ「今日の夕飯は作らない方が良いですね」貴方が意
お弁当を食べ終える前に休みの予定が決まり二人でまったりと食後のコーヒーを頂くことに師匠の想いも伝わったようだから貴方の創作の妨げにはならないと安堵するそのぶん、俺や師匠が頑張らなきゃいけないが二人で動く訳ではない親父も協力を約束してくれたここの商店街がかなりのお気に入りのようだこの街並みを残しての活性化成功している街並みをリサーチすることから始めるべきかもしれない「翔さんのお話って…」遠慮がちに話し始める智くん話題が相応しいのか考えてるような少し躊躇いがち「俺
パン屋の手提げ袋を握り締める小さな手さとち君には大きすぎる手提げ袋少し重そうに見えるけど本人はそんな素振りも見せずに満面の笑みを浮かべてその袋を少しだけ持ち上げた「おおちゃん、かっちぇきたよ!」「一人でお買い物は出来た?」小さい頭を何度も縦に振って「おはなのクッキーはじぶんでかっちゃのだっちぇ、みんなでたべるから・・・そんで、おばあちゃんにねおはなのパンをかっちぇもらったの」「ありがとうございますちびちゃん、ちゃんとお礼は言えたかな?」
実家に帰って先ずしたのは階段部屋でのコーヒータイム暖房器具を置いてくれたから寒くはない「ほんとに好きねえ」母ちゃんが呆れた顔をしながら僕の横に座る「ここから眺める庭が好き(笑)一枚の絵みたいに見えない?」「見える、ここを建てた方がそれを念頭に入れて設計して貰ったって聞いたわよ」「祖父ちゃんから?」「お爺ちゃんはお父さんから聞いたって」「画家さんだったからだね」「どの部屋からも外の景色が絵に見える様に窓枠にも気を付けたって」
貴方が歌ってくれたバースデーソング聞いてるうちに胸が熱くなってきた歌が持つ力・・・妖精君の言葉を思い出した想いは歌に溶けて光となって降り注ぐまさにその通りなんだローソクの灯りを纏った貴方の歌はダイレクトに俺の心の中に降り注いで鼻の奥がツンとして、目頭まで熱くなるそこをグッと我慢して何度も手で鼻に触れついでに目頭をそっと拭ううそうしないと滴になって落ちそうなんだ大人になってからのバースデーパーティー感激したことは、ただの一度もなかった大勢を集めて盛大に開いて
父ちゃんと入れ替わるように翔さんがお風呂に行った体中から湯気が出てそうなホカホカの顔した父ちゃんが冷蔵庫の中を覗きに来た「ビール飲む?」「いや、水を飲もうと思って」「そうなの?」珍しい事もあるものだって母ちゃんと顔を見合わせる「一人だけ始めるの申し訳ないだろう?それに昼間飲み過ぎた(笑)」「かなり酔ってたからまだ残ってるのよ夕飯はあまり飲まない方が良いわよ」「お付き合い程度にしとくよ」苦笑いを浮かべながら冷蔵庫の中か
昭和の初めに建てられた鉄筋コンクリート造り平屋建てで正統派のスパニッシュ様式の洋館パティオと呼ばれる中庭がありそれに面してアーチ形開口部が並ぶ外観からは想像できないほど開放的今は窓全てがカーテンが閉められいて中庭を見ることが出来ない「この建物は文化財指定を受けてるよな?」あの本に書いてあった伯爵の館は都の所有物になり公共施設として使用されていたが老朽化が進み取り壊し案も出されたが民間資本を活用した保存再生事業の対象にし現在の管理者が修理しカフェ(レストラン)
翔さんが笑いながら泣いちゃうからどうして良いか分かんなくなった僕が・・・泣かせちゃったのかなぁ・・・片付けは僕と母ちゃん「嬉しくても涙が出るのよ貴方のお祝いしたいって気持ちが伝わったからよ申し訳ないって思ったらダメ」「本当に?」僕が傷付けちゃったから・・・だから・・・余計なのかって・・・「あの顔のどこに貴方に対しての不満があるの」母ちゃんが真顔で俺の顏をじっと見る「ない?」「ないでしょう・・・貴方のケー
途中スーパーに立ち寄り食材を買い込んで翔さんの家に向かった翔さんは一人だと絶対にキッチンに立たないと思う大概、近くのcafeでブランチを食べて夕食は宅配か外食それじゃあ、体によくないと思うけど料理を作る習慣がなければそれが普通なのかもだから、レンジでチンして食べれる物を作ろうと思うお昼ご飯はスーパーの中にある総菜屋さんでお弁当を買った丁度揚げたてのメンチカツが出て来て思わず二人で『これ食べたい!』ってなったメンチカツが入った別々のお弁当を買っておかずは半分こす
ブルースターの妖精さん青いリコリスの妖精君2人の願い事を聞いてチラシと大ちゃんの飴を渡した「おにいちゃん、みんながえがおになれるといいね」「その為にチーフが頑張ったんでしょ?」「ほんとうはね、おいらがじょしゅなのチーフはあおちゃんとおおちゃんふたりともやさちいからおいらにまかせちぇくれたのいつかふたりみちゃいになりたいなっておもう」人に寄り添うことができる蒼の妖精2人が居てくれるから皆の力になれるんだって学ぶことが出来ただから・・・
店に向かって商店街を歩いているとパン屋さんから手提げ袋を持ったシゲちゃんが出て来た僕を見つけて笑みを浮かべた手を振る「大ちゃん、おはよう」「おはよう!」僕も同じように手を振った今日のシゲちゃんはいつも以上にご機嫌みたいだ「一緒の珈琲飲まない?」手提げ袋を少し持ち上げてそのままこっちに向かって歩いて来る師匠の話を聞きたいのかも「良いよ、直ぐに店開けるから待ってて」「うん、慌てなくていいよ」珈琲を溢さないようになのかいつも以上に慎重に歩いて
抱きしめて改めて気が付く貴方がかなり細くなってる事に「智君、沢山食べないとダメだよ」「沢山食べてただろ?」「食べてたけど・・・痩せたような気がする」「痩せてないぞ!体重はほとんど変わってないの」「本当に?」「ああ、それはホント綾野君に聞いてみたら毎朝健康チェックしてるからそれに週に一度は医者がくる健康でいる事も長の務めなんだよ」「だって抱き心地が・・・」貴方が怒った顔で頭を叩いた「何時と比べてんだよ!お前大袈裟
翔さんとのラインの後ブローチのデザインを描き上げた気が付いたら夜明け前で慌ててベッドに入りこんだ少しでも寝ておかないと仕事中に居眠りしてしまうギュッと目を閉じたら瞼の裏に翔さんの笑顔が浮かぶ「おやすみなさい」って呟いてそのまま夢の世界に・・・不思議な夢を見た翔さんが僕の作った桜のジュエリーを全部身に着けてお化粧してる(笑)それにドレス姿だ・・・それも西洋のお姫様みたいな髪も長くてカールしてる「綺麗でしょ?」って、品を作りながら聞いて来る色が白
真っ青な空に向かって誇らしげに咲く桜の花その様は息を呑むほど美しい一年に一度だけしか見れない景色日本に留学していた頃満開の桜を目の当たりにして時が経つのも忘れ佇んでいたいつか侯爵に見せてやりたいと思っていたそこに大ちゃんからのお誘いこれ幸いと二つ返事で引き受けたまさか時代を越えるとは思ってもみなかったけど「ショウ見事な桜だろ」「ええこれほど沢山の桜の花・・・どれも満開で・・・見事としか・・・素晴らしすぎて・・・それ以上の言葉が見当たらない
父から仕事で帰りが遅くなると連絡があり母と二人で夕食を済ませた考えたら、俺が一人暮らしを始めてから一人で食事をする事が多かったのだろう今日の母いつも以上に嬉しそうな顔をして懐かしい話に盛り上がり俺の話を興味深げに聞いてくれた偶には帰って一緒に食事をすれば良かったと今更ながら後悔をした(いつも気が付くのは後になってからだ)貴方が家に戻ることを勧めたのは親の想いに気付かせるため・・・長は・・・誰にも会えない・・・あの時、どんな想いで里に入ったのだろう