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携帯から聞こえる可愛い声に応えていた。「お父さんに滅茶苦茶褒められたでしょ…?」『まあね。』「あんなにクラブに行ってたのに…いつの間に仕上げてたの…?」『それは…まあ…ちょこちょこっと…。』「そんな簡単なもん…?」『簡単じゃないよ。ただイメージが湧いたから一気に仕上げられたんだ。』ダンスの練習迄してたのに、一体いつそんな時間があったのかと考えて、そう言えばアトリエのあの部屋にこもっていた時もあったな…っと思い出していた。だが、たった一
何人かの友達と挨拶を交わすと、俺は出口に急いでいた。ここにこのままいたら泣いてしまいそうだった。<王子って、ふんわり王子と一緒だとイメージ変わるよね。>≪私なんて優しく微笑まれたわ。≫〔うっそっ!〕キャーっと悲鳴が上る。翔ちゃんと大ちゃんの話だった。大ちゃんが側にいると、翔ちゃんの雰囲気がまるで変わる。優しさに溢れて、甘い目つきになるんだ。前から人気があったが、それが更に増しているようだった。それでも、みんなが遠巻きなのは大ちゃんに遠慮
※消されてしまったので書き直しです。内容大幅削除引っかかると思われるワードを抜きましたが、また消されるかもね。↓ギュッ…苦しくて息がつまる。強い圧迫を受けて、一瞬、自分に何が起こったかわからなかった。俺は翔ちゃんに抱きしめられていた。『本当に…?信じていいの…?』震える声が聞こえる。泣いているの…?『智くん…?』ゆっくりと体が引き離される。俯いた俺をの覗き込もうとする翔ちゃんのやさしい瞳は、潤んで戸惑ったように揺れていた。
智くんの持っているメンバーズカードを見せてもらった。「プレミアム会員だってさ。」『そんな事書いてある…?』黒地の上に薄っすら金で斜めに書かれたアルファベットを指さす。『そんなのわかるわけないじゃん。』「そうだね。見ずらいな。」『でしょ…?』俺に同意されたのがよっぽど嬉しかったのか、満面の笑顔。かわいい…安心しきって頼ってくれる感じが嬉しかった。♪~♬~♪~DJが軽快な口調で騒ぎ始める。『あ…この曲…。』
俯いた俺の頬に、翔ちゃんが指で触れてくる。まるでこっちを向けって言うみたいに…『智くん。』「ん…。」『こっち向いて。』言われて仕方なく視線を上げる。それでも、恥ずかしくてすぐに逸らしてしまっていた。以前はどうやって彼の顔を見ていたのかが全く分からなくなっていた。どうしたらいいのか分からない。心臓がドキドキ鋼を打つ。ひたすらに恥ずかしさにさいなまれていた。翔ちゃんはもうこっちを向いてとは言わなかった。その代わり、ベッドの上に乗り上げる
お母さんは死んだんだと思って生きてきた。その事で、心の全てが哀しいに覆われてしまいそうになるのを、無理矢理よそへと追い遣るよう努めてきた。小さかった和也。兄である自分が守ってやるんだと歯を食いしばってきた。それから…それから、家には新しいお母さんがやってきて…智くんが…そして……頭が混乱してどうしようもない。座っている自分の膝に、ポタポタと何かが落ちていた。<ごめんなさい。驚かせてしまったわね…。>横山さんの…いや、お母さんの本当に申
高校生と違って大学生になると毎日が私服だ。訪れたお店の人が持ってきてくれるままに、数点試着してみる。「まだ、着ないとダメかな…。」『良いんじゃない…?大体わかったし…。』「わかったの…?」『まあね。智くんが欲しいのってどれ…?』俺は黒いシャツとベージュのパンツを一点ずつ選んだ。他は分からない。タミさんとくるべきだったんだろうか…?『じゃあ…。あとは、このジャケットと、コレとコレ。シャツはこれと…。』そう言って翔く
潤とは大学生になっても友達でいられると思っていたんだ。卒業した途端疎遠だなんて…『寂しいの…?』「まあ……ちょっとね。」『忙しいんだよ。』「そうかな…。」『高校生だよ。新しい遊び方もあるだろうし…。』「新しい遊び…?」『そりゃー、金がかかる事をしだすでしょ…?』潤はませていて、中等部の時からクラブにも行っていた。悪い遊びじゃなきゃいいけど…今さらだけど、よくよく考えればクラブはさすがに早すぎだ。『後輩の事、気にしすぎじゃな