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【能定家を想うその三】能「定家」は、世阿弥の娘婿だった、我が流派中興の祖・57世宗家金春禅竹の作品です。とてもストレートな世阿弥作品と違い、感情が、世界が、空間が、景色がウネリます!作品がグルーヴし、一筋縄ではないのが禅竹作品の特徴です!能「野宮」、そしてこの能「定家」はその典型かと思います。能「定家」の主人公式子内親王は、若くして賀茂神社に仕える斎院となり、清浄を保つため恋愛や結婚が禁じられ世俗から切り離され、孤独・祈りの中で生きる運命を背負います。また、式子内親王は、長く病に苦
A百首歌の中の恋歌を続けて読みましょう。これから先の和歌は、訳注者の解釈が分かれることが頻繁に起こっています。僕は、基本となる古今集の恋歌についても勉強不足なので、解釈の上で根本的な誤りを犯すかもしれません。しかし、できるだけ先入観にとらわれず、丹念に読解していこうと思います。まず、75番。たのむ哉まだ見ぬ人を思ひ寝のほのかに馴るるよひよひの夢〈歌意〉まだ逢ってもいない人を恋しく思って寝る。その思い寝の夢に、あの人が宵毎に現れてくるので、次第に少しづつ慣れ親しんでくる。