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広島大学病院乳腺外科の笹田です。私たちが行っている乳がんの手術は、病気を治すことが第一の目的です。しかし、それだけではなく、見た目(整容性)をできるだけ悪くさせないことも大切です。そのために、乳房部分切除術(乳房温存術)や乳房再建という技術が進歩してきました。とは言え、切除された乳房内の組織(乳腺、脂肪組織、皮膚など)は再生しません。乳房温存術といえど、必ずある程度の変形をきたします。ということで、キズの位置・大きさ、切除する範囲、欠損した空間をどのようにバランスを整えるか、など
こんばんは島根大学医学部附属病院の角舎です危うく1日が過ぎていくところで思い出しました今日は、広島県安芸高田市の吉田総合病院で外来8名、マンモグラフィ読影44件、そして手術2件をこなして家でボーッとしていました😮💨😮💨😮💨さて、巷では男性芸能人が乳がんになったとの事で話題になってる「男性乳がん」お乳がないのに乳がんになるのかなと思われた方!男性にも乳腺はあります。盃くらいですけどニュースでも言ってましたけど、男性乳がんは遺伝的な要素が強く、遺伝子検査をすると遺伝子異常が見つかる
こんばんはダラダラと仕事していたらこんな時間になってしまった角舎です前回、今やっている乳がん幹細胞の研究について少し紹介したところ意外と反響が多かったので嬉しかったです今日は、我々がこの研究をどのようにして臨床に応用しようと考えているのかご紹介しようと思います(少し長くなりますが・・・)HER2陽性乳がんに対する術前化学療法においては、病理学的完全奏功(pCR)=乳がんが顕微鏡で見ても完全に消失すること、が得られた患者さんの予後が良いことがよく知られていますそれでは、pCRを得る
広島大学病院乳腺外科の笹田です唐突ですが、病院には怖いことがいっぱいですねこの2週間ほど、病理検査を行うことが多かった気がします。決して良いことではありませんが、、、病理検査をするために必要な処置が、『組織または細胞を採取する』ことです。一般的には、・穿刺吸引細胞診(FNA)・針生検(CNB)・吸引式乳房組織生検(VAB)(マンモトーム生検、バコラ生検など)・外科的生検があります。採取できる組織または細胞の量が多いほど、診断はより正確になります。外科的生検>
こんばんは広島大学病院乳腺外科の網岡です。最近、お土産でこんなイチゴ🍓のお菓子をもらいました。クレープ型の焼き菓子です。可愛くて美味しい♪女性の多くは美味しいものや、目でも楽しめるものが好きですよね。化学療法中の患者さんからお聞きするのは、「味覚が変わった」「何を食べても砂を噛んでいるような」「美味しくないから食べる気も起きない」「家族に薬だと思って食べろと言われるけど…」激しい嘔吐の症状が出なくても、味覚障害によって食事の量が極端に減ってしまい、体力・免
こんばんは。最近漢方を継続しています。飲み始めて3ヶ月になります。鈴木です。私は個人的にしきゅーきんす(親しみをこめてこう呼んでいます)の増大を抑えるために飲み始めました。漢方の匂いはとても気になりますが、一緒に住んでる妹から別に臭いとか言われないのが本当に救いです。外来の休憩室でもこの匂いをぷんぷんさせていますが、先生方すみません。本日の写真は学食で食べたお昼ご飯です。バランスよく食べようと心がけております。この時はしゃけと、もずくスープとご飯ですね(サイズはMサイズです)
いよいよG7サミットが広島市で始まり、朝からヘリコプターが空を行きかうのを眺めている今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?広島大学乳腺外科の平岡ですサミットのため大規模な交通規制が敷かれるので、広島市内の小・中・高等学校などがサミット期間中休校になりました。さらに放課後児童クラブ(学童保育)も中止となり、…今日は小1の娘と自宅待機です。明日は当直なので、娘のお世話は夫と交代し、何とか大学まではたどり着きたいと思っています。公共交通機関は止まっていませんが、休
こんばんは広島大学病院乳腺外科の角舎です10月になり、日に日に気温が下がってきました広島では牡蠣のシーズンになります。なかなか旅行もできないので、自宅で牡蠣を食べるのが楽しみですさて、今日のテーマは「腫瘍マーカー」以前、コメント欄に「腫瘍マーカーについて教えてください」と言うものがあったのを記憶していましたが、なかなか書く時がありませんでした(というか、誰か書くかなあと思っていましたが誰も書きませんでしたね)まずは、以前作ったスライドから腫瘍マーカーについての基礎知識をざっと
こんにちは。広島大学病院乳腺外科の鈴木です。このブログでも何度か口腔ケアについての話題があったかと思いますがん治療で免疫力が低下することで歯周病が悪化することがあったり、副作用の口内炎によるトラブルを防ぐために歯科での診察やケアが必要になります。がん治療を始める際に、先生から歯科受診をお勧めされた方もいらっしゃると思います。私も先日歯科を受診してきました。高校生ぶり、10年以上ぶりの受診になってしまいました。そして、ばっちり治療が必要な虫歯が・・・少し削って詰め物を
こんばんは広島大学病院乳腺外科の角舎です予約投稿をしています昨日は天気も良かったので家の前の川でカヤックを愛犬ベッキーを「カヤック犬」に仕立てるためにエサで釣って乗せましたが、意外と本人は平気でした橋の上からも手を振ってもらえて、ご満悦なのかも上手くいきそうなので犬用のライフジャケットも購入さて、今日は最近、「乳がんいつでもなんでも相談室」乳がんいつでもなんでも相談室–乳がんの専門家があなたの質問にお答えしますpinkribbon-h.comにいただいた質問
予定では2泊3日の入院だからたいしたことないけどどんな所か検索してもあまり詳しい内容無かったから載せてみようと思いました入院は午前中なんかプチ旅館にでも来たかのようにテンションの高い息子俺の部屋冷蔵庫あるじゃんと、ルンルン4人部屋だけど広めの部屋で、想像してたよりゆったりできそうです小児病棟なんとDVDデッキついてましたしかもいろんなDVD貸してくれますポケモン、ドラえもん、トムとジェリーなどなどほんとにたくさんありましたこれは助かったすぐポケモン付
こんにちは。広島大学病院乳腺外科の鈴木です。今日は術後のドレーンのお話です。術後の患者さんから、よく「この管・バッグはなんですか」と聞かれます。こちらはドレーンとよばれる管で、術後の出血や浸出液を体の外に出す目的で入っています。乳腺外科の手術に関わらず、術後にドレーンを入れることがありますが、同じドレーンでも、目的は様々です。例えば消化器外科の手術では、主に縫合不全や感染など、おなかの中の状態を外から把握するために入れています。また、呼吸器外科では、肺を拡張させる目的の場合も
広島大学病院乳腺外科末岡です。前回のブログでは、ホルモン補充療法と乳がんの関係について書きました。コメントもいただき、ありがとうございます予告通り、今回はピル(低用量経口避妊薬)と乳がんの関係について書きます避妊法として有名なピルですが、これは年間失敗率が0.8%と数ある避妊方法の中でもトップクラスの効果です。また、ピルには月経前症候群やニキビ、多毛症の改善、卵巣がん、子宮体がん、大腸がんのリスク減少、卵巣の機能温存など、多くの副効用があり、女性のQOL向上に貢献しています。
こんばんは。広島大学病院乳腺外科木村優里です。本日8月1日より、臨床外科学会という学会の国内外科研修の一環で、東京にある聖路加国際病院ブレストセンターにて勤務しております久しぶりに飛行機にのって、東京にやって参りましたなんと、運よく鬼滅の刃とコラボしたJETでした副操縦士が炭治郎で、禰豆子ちゃんたちと放送でご挨拶して下さりました本日が、聖路加国際病院ブレストセンター初日でした。まず病院にたどり着くまでとても緊張しましたが、無事に到
広島大学病院乳腺外科の笹田です。今日の外来では、病気の大切なお話をする方が多く、少々疲れました。こんな日は、結構ヘトヘトになるものです。手術が終わった後、その病理結果をお話し、手術後の治療について相談します。薬物療法については、進行度(ステージ)とサブタイプによってどの薬を使用するかを考えます。サブタイプとは、主にホルモン受容体とHER2があるかどうかが大切です。ホルモン受容体陽性⇒ホルモン療法HER2陽性⇒抗HER2療法がそれぞれ効果が期待できます。化学療法(
こんにちは広島大学病院の角舎です新しいお薬の情報、恵美先生が既に報告していたかもしれませんが・・・BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳がんの術後薬物療法に適応が追加されました情報が回ってきたのが8月24日でしたので、おそらくそのあたりに保険承認がされたのかと思いますが、まだ1週間経っていませんね昨日行った研修医の研究会発表の予行演習では、日本人の400人に1人くらいがBRCA遺伝子変異あり、とのことでしたので、かなりの割合で実はBRCA遺伝子異常を持つ方
広島大学病院乳腺外科の笹田です暑い日が続き、意識朦朧としている今日この頃地球沸騰化という良く分からない用語が飛び出している今日この頃インパクトのある言葉が必要とは言え、『沸騰=100度』ではないのかと思ってしまいます乳がんのガイドラインには、医療者向けと患者さん(一般者)向けの2つがあります。最近は、webで無料で閲覧できるので、とても楽ちんになりました。医療者向け:乳癌診療ガイドライン2022年版|一般社団法人日本乳癌学会発行(xsrv.jp)患者さん向け:
広島大学病院乳腺外科の笹田です。この質問をすると、「そりゃ抗がん剤の方がしんどいでしょ」となりそうですが、どのように思われますか?なかには、「ホルモン剤のほうがつらい」と言われる方もいらっしゃいます。最近、術後の薬物療法では、・抗がん剤のやり過ぎに気をつけよう(オンコタイプDXの活用、アンスラサイクリンの不使用、など)・ホルモン治療はしっかりやろう(10年間投与、など)という流れがあるように思います。また、ASCO(米国臨床腫瘍学会)の話題ではありますが、4,262
ご無沙汰しています角舎です島根大学病院に移ってもう1ヶ月経ちました移動後も毎月1日にブログを担当させていただきますので、今後とも宜しくお願いしますさて、島根大学病院に移りはしましたが、実際はあまりこれと言ってまだ仕事がありませんこれまで2人の先生で治療をされていたところに、現在5人いますからすぐに仕事はないのですとはいえ、外来日も出来ましたし、県内のがん拠点病院にはほぼご挨拶に回りましたそれでわかったことは、島根県内の乳腺外科の指導的立場の先生方の高齢化です6つあるがん拠
こんばんは広島大学病院乳腺外科の笹田です。タキサン系の抗がん剤で、手足のしびれが出て困った方は多いと思います。この嫌なしびれはなぜ起こるのでしょうかしびれは、神経に由来する症状ですが、タキサン系抗がん剤に限った副作用ではありません。タキサン系抗がん剤は、「微小管(チュブリン)」というものを攻撃します(微小管阻害薬)。では、微小管とは何でしょうか?前回、多くの抗がん剤は、細胞が分裂する時に必要な「DNAの合成」を止めてしまうと書きました。タキサンをはじめとする微小管阻害薬
こんにちは。広島大学病院乳腺外科鈴木です。そろそろ梅雨入りですね。この時期は湿気で髪の毛が広がってしまいます先週は珍しく、エコー下とマンモグラフィー下、それぞれのマンモトーム生検がありました。今日はマンモトーム生検についてです。しこりの診断のために、細胞や組織を取って、顕微鏡で詳しく調べる細胞診や組織診という検査を行うことがあります。組織診の中でも、機械の種類によって2種類の方法があります。ばねの力を利用して組織を切り取る「コア針生検」と、吸引力を利
おはようございます広島大学病院乳腺外科の角舎です梅雨の間の夏の日差しが暑いですねでも、暑い夏は大好きです高校、大学と暑い時はいつもサッカーをしていたような記憶です先日、県外の病院から患者さんが紹介されましたステージIV乳がんの方でしたその方は実は、数年前に県内の他施設で乳がんと診断されました浸潤性小葉癌、ER陽性、PgR陽性、HER2陰性、Ki6712%,NG1腫瘍の大きさは2センチくらいだったようですその後、手術が怖いということで九州南部にある放射線クリニッ
広島大学病院乳腺外科の笹田です。今日はNPO法人ひろしまピンクリボンプロジェクトが主催するまちなかリボンサロンに参加してきました。オンラインで参加できますので、自宅から気軽に参加できます。しかも無料です。もう147回目なんだそうです・・・月1回なので、12年続いていることになりますね。今日は、形成外科の先生から、乳房再建についてよくある質問を中心にお話がありました。キズのケアやスキンケアはとても参考になります。せっかく乳房再建をされたのなら、キズや皮膚もできるだけ良い状態に保
今年は3月が寒かったせいか、4月中旬になっても桜の咲いている木がちらほら見られる広島です毎年毎年、桜を見ているけれど、春が来るたびに壮絶な桜のピンクに心奪われるのはどうしてでしょうおや、わんこもお花見ですか??わんこも桜を見ながらうっとりしていますピンク色の花びらをいつまでも眺めていたいと思っている、わんこなのでした~おや?わんこはお昼寝ですか?大好きなお姉ちゃんのお膝ですやすや…ママが出勤するときは、ぼくはケージに入って待っているんだよ
こんにちは。広島大学病院乳腺外科の鈴木です。本日は最近読んだ論文を紹介します乳房内に2個(または3個)乳がんがある場合、温存術は安全に可能かどうかの論文です。乳房に1つの病変がある場合と比べて、多発していると局所再発(残った乳房内や皮膚に再発すること)が高いことが言われています。そのため、多発の場合は基本的に全切除が推奨されていました。今回の論文では、多発病変に対して温存術をした場合も、術後にちゃんと放射線治療などの全身療法を行うことで、局所再発率は許容できるほど低
こんにちは。広島大学病院乳腺外科の鈴木です。母親から嬉しい連絡が骨密度の結果が、4年前と比べて75%→81%に上がったそうです!すごい特に大きな病気はない母ですが、数年前に人間ドックで、「一度骨密度の検査をしてみたら?」と言われ、そこから毎年検査を受けているようです。乳癌のホルモン療法中で、骨密度の検査を定期的に受けている方もいると思います閉経後の乳癌患者さんに使われる、アロマターゼ阻害薬という薬は、体内のエストロゲン量を抑制する効果があります。エス
気がつけばもう10月、今年も残りあと3か月を切り、歳月の速さに慄く今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?歳月の速さに至っては、私も医者になって早や15年、外科専門医の更新2回目を終え、果たして15年の間に自分がどれだけ成長できたのか、自問自答する日々ではあります(腹回りは確実に成長していますが…)乳癌治療に至っては、私が研修医の頃はようやくハーセプチンが日常診療として使われるようになっていたと記憶しています。それから15年。ハラヴェン、パージェタ、フェソロデックス
広島大学の『がんプロフェッショナル養成プラン(通称:がんプロ)』が主催する市民公開講座が、2024/2/4(日)に開催されます。乳がんがテーマという訳ではありませんが、私たちも協力することになりました。広島大学(ganpro-hiroshima.com)申込を公開してまだ数日しか経っていませんが、すでに定員100名までのこり僅かとのことです。現状では会場開催のみのようですが、ご興味のある方はご検討下さい。管理人
こんばんは広島大学病院乳腺外科の角舎です寒い日が続きますね毎日、部屋の中でじっと冬が過ぎるのを待っています・・・・しかし、みなさんはそれではいけませんよ!なぜなら・・・運動することで乳癌の発症リスクは確実に下がるからです「閉経後女性では運動が乳癌発症リスクを減少させることはほぼ確実である。」この場合の「運動」とはどれくらいのものなのか?「週に1時間程度のジョギングに相当」と定義されています閉経前女性では差がありませんでしたが、閉経後女性を対象としたメタアナリシスでは
広島大学病院乳腺外科の笹田です。先日、1つの論文が公表されました。1cm以下のルミナルタイプの乳がんの予後とホルモン療法の効果、がテーマです。つまり、もともと予後良好といわれてる乳がんでも、術後ホルモン療法は効果を発揮するか、ということです。いつもは自前のデータをちまちまと発表しているのですが、今回は珍しく、JCOGという臨床試験グループに参加している施設データを集めて、解析しています。いわゆる臨床試験というものとは違って、過去のデータを利用しますので、いろいろな信頼性は落ちま