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こんばんは広島大学病院乳腺外科の網岡です。最近、お土産でこんなイチゴ🍓のお菓子をもらいました。クレープ型の焼き菓子です。可愛くて美味しい♪女性の多くは美味しいものや、目でも楽しめるものが好きですよね。化学療法中の患者さんからお聞きするのは、「味覚が変わった」「何を食べても砂を噛んでいるような」「美味しくないから食べる気も起きない」「家族に薬だと思って食べろと言われるけど…」激しい嘔吐の症状が出なくても、味覚障害によって食事の量が極端に減ってしまい、体力・免
こんにちは広島大学病院乳腺外科の角舎です最近、「PETCTによる術前化学療法の効果予測(仮題)」ということで原稿の依頼があり、いろいろ勉強しなおしていますちなみに、このテーマは乳がんガイドラインにも取り上げ得られています広島大学病院はほぼ全症例で、乳がんと診断したら全身PETと乳房専用PETを撮影していますPETは通常のCTと比べて骨転移やリンパ節転移がよくわかりますし、乳房専用PETも同時に撮影すると得られる情報は多いです国内における乳がんとPETとの関係についての論文、デー
広島大学病院乳腺外科の笹田です唐突ですが、病院には怖いことがいっぱいですねこの2週間ほど、病理検査を行うことが多かった気がします。決して良いことではありませんが、、、病理検査をするために必要な処置が、『組織または細胞を採取する』ことです。一般的には、・穿刺吸引細胞診(FNA)・針生検(CNB)・吸引式乳房組織生検(VAB)(マンモトーム生検、バコラ生検など)・外科的生検があります。採取できる組織または細胞の量が多いほど、診断はより正確になります。外科的生検>
おはようございます広島大学病院乳腺外科の角舎ですなんか、朝の空気がひんやりしてきますねちょっと前まで夏だったのにもう秋ですね秋は乳がん検診の季節かどうか、知りませんが、よく皆さんからいただく質問に「乳がん検診は2年に1回のマンモグラフィ検診だけでいいんでしょうか?その間に乳がんが大きくなって発見されることはないのでしょうか?」というものがありますこの質問の前に理解していただきたいのは、「検診」と「医療」は違うということです「検診」は国もしくは会社がお金を補助してくれて検
おはようございます角舎です昨夜は昼間の疲れか夜の8時半には寝てしまい、55歳という年齢を感じる今日この頃ですさて、今日は以下のテーマで「乳房の病変の確定診断のために,穿刺吸引細胞診(FNA),針生検(CNB),吸引式乳房組織生検(VAB)のいずれのアプローチを最初に行うのがよいか?」みなさん、乳がんと診断された時にどうやって診断されましたか?マンモグラフィ、エコー、MRIなどの画像診断をまず受けられたと思いますが、これらは確定診断にはなりませんあくまで「疑い」止まりです病
こんばんは。乳腺外科の木村優里です。2022年6月2日~6日まで、ASCO(米国臨床腫瘍学会)が開催されましたこのブログでも何度も紹介してきましたし、予告ブログも打ってきましたが、ついに、お待たせしましたHER2陽性乳癌をtargetとした、エンハーツ(トラスツズマブデルクステカン)というお薬が、HER2低発現乳癌においても治療効果が示されるのではないか、ということを検証した、DESTENY-Breast04試験という臨床試験の結果がついに発表さ
ブログをご覧のみなさま、こんにちは。本日は3連休の中日ですね。いかがお過ごしでしょうか。さて、比較的新しいお薬のCDK4/6阻害薬であるイブランス・ベージニオですが、細胞回転を標的にした新規分子標的薬であり、これまでの進行再発転移性乳がんに対する治療に加え、術後再発予防治療としても適応範囲が広がったことは、本ブログ内でも他の先生方がすでに記載されていますね。時折、ご質問がございます。『イブランス・ベージニオが効かなくなったら次の治療あるん?(広島弁=次の治療ありますか?)』
こんばんは広島大学病院乳腺外科の笹田です。タキサン系の抗がん剤で、手足のしびれが出て困った方は多いと思います。この嫌なしびれはなぜ起こるのでしょうかしびれは、神経に由来する症状ですが、タキサン系抗がん剤に限った副作用ではありません。タキサン系抗がん剤は、「微小管(チュブリン)」というものを攻撃します(微小管阻害薬)。では、微小管とは何でしょうか?前回、多くの抗がん剤は、細胞が分裂する時に必要な「DNAの合成」を止めてしまうと書きました。タキサンをはじめとする微小管阻害薬
最近、売店で買ったお弁当を外来の電子レンジでチンしていたら、ボンっ!!と爆発音がして寿命が縮んだ今日この頃、皆様はどうお過ごしでしょうか?ついにアタシもやっちまったかぁ??と恐る恐る中を覗くと…、お弁当の蓋がふっとんでた。なんかセーフ。星空は描いてない、今のところは。ふぅ、危うくIJ先生に告発されるところだったZ。さて、先週の土曜日は、広島の超音波技師さんを集めて、第2回ひろしま乳腺超音波ハンズオンセミナーが開催されました。当院の乳腺外科の超音波技師の福井
広島大学病院乳腺外科の笹田です。4/1はあまり病院にいませんでしたので、今日やっと今年度一緒に仕事をする先生方みなさんと顔を合わせました。新年度がはじまったな~、という感じがします。写真は、3月まで週1回勤務させていただいた病院の皆様からいただいたお花です。自分が異動するという感覚をもっていませんでしたので、意外すぎて驚きましたが、確かにそうではありますね。立派なお花で、嬉しかったです。先日、『Ki-67が低くても、術後の再発予防にベージニオを飲んだ方が良いですか』という
広島大学病院乳腺外科の笹田です。バイオプシー(biopsy)とは「生検」のことで、従来は組織を採取して検査することでした。針を刺したり(針生検)、手術で採取する(切除生検)ようなことです。リキッド(liquid)は「液体」なので、液体で生検するという意味になるようです。血液が一般的ですが、汗、唾液、尿、胸水、腹水なども研究されています。以前より、血液中にも腫瘍に関するものが流れていることが分かっていました。CTC(CirculatingTumorCells、血液中を循環し
こんばんは。乳腺外科の木村優里です。乳がんの治療を終えた方、また治療中の方も含め、定期受診の際に血液検査をされている方も多いと思います一般的な採血内容(貧血、炎症や肝機能、腎機能、コレステロール値など)に合わせて、定期的に腫瘍マーカーという値を測定されている方もいらっしゃるでしょうか。腫瘍マーカーは、それだけでがんの診断ができるというわけではなく、あくまでも一つの指標として用いられています。例えば、腫瘍マーカーが急に増加したりすると、画像検査などの
こんばんはダラダラと仕事していたらこんな時間になってしまった角舎です前回、今やっている乳がん幹細胞の研究について少し紹介したところ意外と反響が多かったので嬉しかったです今日は、我々がこの研究をどのようにして臨床に応用しようと考えているのかご紹介しようと思います(少し長くなりますが・・・)HER2陽性乳がんに対する術前化学療法においては、病理学的完全奏功(pCR)=乳がんが顕微鏡で見ても完全に消失すること、が得られた患者さんの予後が良いことがよく知られていますそれでは、pCRを得る
広島大学病院乳腺外科の笹田です。年度末は異動の話題が多くて気が滅入りますね。最近、乳房再建のテーマが多くなっています。私たちの施設では、直接の乳がん治療以外のことも、比較的広く情報提供できているのではないかと思っています。・乳房再建・遺伝性・妊孕性など、でしょうか。でも、まだ足りていないことの1つに『二次再建』があるかな、と思っています。私たちのモットーは、『大切なことは、聞かれなくても伝える』かなと。それをどう受け止めるかは患者さん次第ですが、『知らなかっ
広島大学病院乳腺外科の笹田です。広島では、昨日「桜の開花宣言」が出されました。縮景園という日本庭園の桜を見て宣言が出されるのですが、3月いっぱいは臨時休園になっていますので、せっかくの日曜日でしたが、一般の訪問者はいなかったそうです。近くの公園でも、気の早い木は花をつけ始めました。広島と言えば、「UberEats」が始まって1か月経ちます。広島は、都市人口ランキングで11位ですが、ようやくトップ10のレベルに仲間入りしてきた感じです。そういえば、時々配達員
桜の開花予想が出たようで、着実に春が近づいている今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?広島は3月20日だそうです桜開花・満開予想2021-日本気象協会tenki.jp先日の話になりますが、外勤先で術後2年目になる患者さんを診察しました。術後のTC療法中に脱毛し、しばらくウィッグを使用されていましたが、最近はすっかり生え揃って、ベリーショートにアッシュ系のヘアカラーがとてもお似合いでした。手術時はロングのストレートヘアでしたが、脱毛後生えてきたのはかなり
こんばんは。広島大学病院乳腺外科木村優里です。今年はoverすぎるほどのホワイトクリスマスとなりましたが、大雪の影響は大丈夫でしょうかサンタさんも、さぞかし大変だったかと思います前回のブログに続いて、サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS2022)第2弾ですこのブログにもよく登場しますが、エンハーツ(トラスツズマブデルクステカン)の話題です今回の発表では、先日お伝えしたDESTINY-Breast03試験の結果の続報ですHER2
こんばんは角舎です今になってブログ当番であることを知り慌てています現在、乳がんの手術書の執筆を分担していますが、私だけでは手に余るので、末岡先生と木村先生にも手伝ってもらっています私の担当するテーマは・・・「温存乳房内再発」内容を簡単にかいつまんで書くと・・・術後フォローアップ中に温存乳房内に再び乳癌を診断した場合、「そこを手術で切除すれば良いだろう」と単純に考えてはいけません。温存乳房内再発を診断した場合、まず(1)再発が局所的なものなのか全身転移の一部としての再発
こんにちは。広島大学病院乳腺外科の鈴木です。最近偶然ですが、脳転移に対する放射線治療のために入院される方が重なっていらっしゃいます。乳がんが脳に転移した場合の症状として、頭の圧力が高まることで頭痛や吐き気の症状がでたり、また病変の部位によっては運動障害や視覚障害などの神経障害が出ることがあります。治療は放射線治療をすることが多いですが、脳全体に放射線をあてる全脳照射と、病変のみにあてる脳定位照射があります。全脳照射であれば10回程度、定位照射であれば5回程度照射を行い
おはようございます広島大学病院乳腺外科の角舎です梅雨の間の夏の日差しが暑いですねでも、暑い夏は大好きです高校、大学と暑い時はいつもサッカーをしていたような記憶です先日、県外の病院から患者さんが紹介されましたステージIV乳がんの方でしたその方は実は、数年前に県内の他施設で乳がんと診断されました浸潤性小葉癌、ER陽性、PgR陽性、HER2陰性、Ki6712%,NG1腫瘍の大きさは2センチくらいだったようですその後、手術が怖いということで九州南部にある放射線クリニッ
こんばんは広島大学病院乳腺外科の角舎です10月になり、日に日に気温が下がってきました広島では牡蠣のシーズンになります。なかなか旅行もできないので、自宅で牡蠣を食べるのが楽しみですさて、今日のテーマは「腫瘍マーカー」以前、コメント欄に「腫瘍マーカーについて教えてください」と言うものがあったのを記憶していましたが、なかなか書く時がありませんでした(というか、誰か書くかなあと思っていましたが誰も書きませんでしたね)まずは、以前作ったスライドから腫瘍マーカーについての基礎知識をざっと
こんにちは。広島大学病院乳腺外科鈴木です。そろそろ梅雨入りですね。この時期は湿気で髪の毛が広がってしまいます先週は珍しく、エコー下とマンモグラフィー下、それぞれのマンモトーム生検がありました。今日はマンモトーム生検についてです。しこりの診断のために、細胞や組織を取って、顕微鏡で詳しく調べる細胞診や組織診という検査を行うことがあります。組織診の中でも、機械の種類によって2種類の方法があります。ばねの力を利用して組織を切り取る「コア針生検」と、吸引力を利
「プリンだと思ったら、豆腐だったよ~」と、プリンとパックの絹ごし豆腐を間違えた夫の訴えを苦笑いしながら聞いた今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?夫はその後、お醤油を豆腐にかけて、「冷ややっこ」として美味しく頂いたそうです。まあ、夫が食べようとしていたおやつのプリンを先に頂いたのは私だからなそれはさておき、日本ではAYA世代(15歳から39歳まで)のがんは年間2万人くらい発症するのですが、3月2日から3月10日まで「AYAweek」としてAYA世代のがんの啓発週
広島大学病院乳腺外科の笹田です次回のまちなかリボンサロンは、「放射線治療」がテーマのようです。放射線治療の役割が大きくなってきているって、どういうことでしょうか?センチネルリンパ節に転移があったら、腋窩リンパ節郭清を行いましょう!!そう、以前はそうでした。もともと、センチネルリンパ節生検は、リンパ節に転移があるかどうかを診断して、腋窩リンパ節郭清が必要かどうかを判断するための検査として行われてきました。腋窩リンパ節にある程度の転移があれば、放射線治療を行うことが推奨され
広島大学病院乳腺外科の笹田です今日は、まちなかリボンサロンに参加しました。『就労支援』をテーマにとりあげており、とても勉強になりました。以前、広島大学病院にも勤務されブログにも登場していた甲斐先生がお話してくださいました。現在、産業医として勤務されており、治療をする医師と産業医との違いもよく分かりました。政府も、がんサバイバーが、『やりたいことをやる』、『社会の中で役割をもつ』ことを重要項目として、対策を練っているようです。乳がんの好発年齢は40~60歳ですから、実際に仕
こんばんは広島大学病院乳腺外科の角舎です今週、2月5日は「まちなかリボンサロン」がオンラインで開催されます『【2/5】まちなかリボンサロン~乳房再建と傷跡~』次回のまちなかリボンサロンは、2月5日(土)にオンラインで開催されます。テーマ:乳房再建~傷跡(キズあと)の話~講師:広島大学病院形成外科佐々木彩…ameblo.jpそこで今日は、日本における乳房再建についての変遷を簡単にご説明しようと思います。日本では、2013年からインプラントを用いた乳房再建が保険適
こんにちは広島大学病院乳腺外科の角舎です新しい先生の初々しい投稿が続きましたが、今日からまたおじさん、おばさんの投稿になりますよ~まあ、安定した内容の投稿ということで、落ち着いて読んで下さいねさて、先日、私のブログでもご案内しましたが、週末にある研究会に参加してきました愛知県がんセンターの岩田先生が司会をされ、「ホルモン陽性乳がんの治療戦略」的なディスカッション中心の会でしたコンセプトは「公開セカンドオピニオン」という恐ろしげなものでしたが参加された先生から提供された症例につ
こんにちは。広島大学病院乳腺外科の鈴木です。母親から嬉しい連絡が骨密度の結果が、4年前と比べて75%→81%に上がったそうです!すごい特に大きな病気はない母ですが、数年前に人間ドックで、「一度骨密度の検査をしてみたら?」と言われ、そこから毎年検査を受けているようです。乳癌のホルモン療法中で、骨密度の検査を定期的に受けている方もいると思います閉経後の乳癌患者さんに使われる、アロマターゼ阻害薬という薬は、体内のエストロゲン量を抑制する効果があります。エス
こんにちは。広島大学病院乳腺外科の鈴木です。橋詰先生のブログにもありましたが、6月30日より乳癌学会が開催されます。私も現在、発表するスライド作りをしています今回学会で発表する内容は、葉状腫瘍についてです。というわけで今日のブログも葉状腫瘍について書いていこうと思います葉状腫瘍は乳房にできる腫瘍の1つで、“上皮組織と結合織が混合して腫瘍化”したものです。ちなみに、乳がんは“上皮細胞”ががん化したものをさしますすべての乳房腫瘍の中で1%未満の頻度で、とても稀な
広島大学病院乳腺外科の笹田です。私たちが行っている乳がんの手術は、病気を治すことが第一の目的です。しかし、それだけではなく、見た目(整容性)をできるだけ悪くさせないことも大切です。そのために、乳房部分切除術(乳房温存術)や乳房再建という技術が進歩してきました。とは言え、切除された乳房内の組織(乳腺、脂肪組織、皮膚など)は再生しません。乳房温存術といえど、必ずある程度の変形をきたします。ということで、キズの位置・大きさ、切除する範囲、欠損した空間をどのようにバランスを整えるか、など