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第2弾です。⑤『ニコチンと少年-乞食と老婆』(『独白するユニバーサル横メルカトル』より)いじめられている少年・太郎は、ある乞食の老人と仲良くなります。いじめられている太郎と、町の人間から虐げられる老人。一度は心を通わせたはずの2人でしたが、最終的に「ある理由」から、太郎は老人をタコ殴りにしてしまいます。そして結果として、老人を死に追いやってしまうのでした。ちょっといい話かと思わせておいての落差。あんなに仲が良かったのに、老人の死に一切心を動かされなくなってしまう太郎の変貌ぶ
4作目は『オペラントの肖像』。オペラント条件付けという理論に基づき、人間の行動が全て管理されている社会が舞台のディストピアもの。わりと読みやすい展開とオチなので、詳しいあらすじは省きます。この作品の中での「オペラント条件付け」とは、望ましい行動をとったら褒美を、望ましくない行動をとった場合には罰を与えるなどして人の行動原理をコントロールしてしまうもの。これを徹底して行うことで、国家にとって都合よく動いてくれる国民しかいなくなる。ちょっと星新一っぽい、短編らしい短編。独白するユ
平日夕方5時からの『5時に夢中!』は、群馬県では群馬テレビで放映中木曜日は作家の岩井志麻子さんと、新潮社の中瀬ゆかりさんがコメンテーターそして時々出演のホラー作家の平山夢明さん平山さんの最近のコーナーは、映画の紹介『死ぬ100』死ぬまでに観た方がいい映画100選の意昨日紹介していたのは、超有名な映画ヒッチコックの『サイコ』でも平山さんが紹介すると、「ネコババ姉ちゃんが、殺されちゃう話」となる色々うんちく述べていたけれど、あの巨匠の全世界でも最高
『あむんぜん』から、最後の短編を紹介いたします。こちら、一言で表せば「アイドルオタクをコミカルに描いた喜劇」なのですが、文章から何から、もはや気持ちいいくらいに低俗な表現に満ちています。まさに「こんなの読んでたら頭悪くなるわよ!」といった内容でありながら、あまりにアホらしくて可笑しくて、どんどん読み進めてしまいます。主人公が心酔しているのは「ヤブサカ69」というアイドルグループ。かわかむリン、かわかすリン、かわちろうリン、かわどぷゅリンという、どう頑張っても可愛い顔が想像で
この巻から新章突入。火星から地球に戻ってきました。地球編です。地球編の評判が散々なのでちょっとドキドキしてページをめくりましたけど…アリです!ネタバレしちゃいそうなので空間あけます!↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓テラフォーマーズブルーレイ&DVDセットプレミアム・エディション(初回仕様/3枚組)[Blu-ray][Blu-ray]伊藤英明ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント2016-09-02テラフォーマーズ[Amazonビデオ]
スリリングで楽しい作品やグロくて怖ーい作品をたくさん書いている平山夢明さんですが、中にはあまりに不条理(胸糞悪いとも言う)な作品もあり、初めて読んだ作品がそれだと「平山夢明ってこんな話ばっかり書いてるの!?ヤダもう読まない!」となってしまいかねません。そこで今回は、私の主観と独断により、初めての方は読まない方がいい平山作品を紹介していきたいと思います。後味が悪い作品はたくさんありますが、今回は本当に「ただ胸糞悪くなっちゃう」作品を選んでいきますよ。①『他人事』(短編集『
本日の『5時に夢中!』の木曜レギュラーは作家の岩井志麻子さん、新潮社の中瀬ゆかりさん、そしてホラー作家の平山夢明さん。私は平山さん推しですから、平山さんのコーナーだけを取り上げます。本日の平山さんの映画紹介コーナー死ぬ100は、明日2月16日公開の映画『ボーはおそれている』。もう、ビックリよ主演のホアキン・フェニックスの老けぶりに。もちろん老けメイクも加わっているでしょうけれど、実際もちょっと見ない間に老けた。ホアキンといえば、『グラディエーター』『サイン』『ジョーカー』など。最近
2作目は『Ω(オメガ)の聖餐』。2ちゃんの後味悪い話スレに紹介されたことがあるけど、一概にバッドエンドとも言えない作品。ヤクザの下っ端をしている主人公。彼は「ある生き物」の世話係に任命される。その生き物とは、巨大な胎児のような奇怪な姿のデブ男「オメガ」だった。オメガは人間なのだが、規格外の大食漢ぶりを買われ、死体の処理役として飼われている。つまり、オメガは死体を食べるのだ。主人公はそんな彼の為に死体を調理したり、排泄物を掃除したりする。意外にも、オメガはとても知的で穏やかな性格であっ
スタジオ・ダラ、事務所移転で、事務所開きパーティー私の端唄のお師匠さまは、編集プロダクションの社長というお顔もお持ちです。いわゆる出版業ですね。で、事務所が飯田橋から柳橋へ移転。先日、お披露目パーティーがありました。柳橋!もう、江戸も江戸。料亭がずらりと並び、政治家たちが密談を交え日本の行く末をかじ取り、経済人たちが相場を動かしてきた町です。この日も柳橋らしい和が続々と。柳橋のたもとで江戸時代から続く江戸佃煮のお店小松屋の旦那様柳橋観光大使!よろしく、熱く、熱
お久しぶりです、陸奥千代です。本日は、平山夢明『DINER』のメディアによるキャラ設定の違いを様々な項目から分析していきたいと思います。エンターテイメント感は出しつつも平山節全開の小説版、長期連載を前提とし、様々なエピソードやキャラを追加している漫画版、圧倒的な映像美で2時間弱も観客の目を奪い続けた映画版。みんな違ってみんないい。なお、小説は『DINER』(無印)のみ、漫画は単行本10巻までを参照しております。1.カナコ一般人ながら、ふとしたことで裏の世界に足を踏み入れてし
平山作品には、いろんな「痛い描写」が出てきます。自分で足を切断したり(『他人事』)、目に指を突っ込まれて失明したり(『ある英雄の死』)、映画『ハンニバル』さながら脳みそを露出させられたり(『或るろくでなしの死』)、バラエティ満載な拷問を受けたり(『枷』『怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男』)…。だけどこれらって、どこか現実離れしていると感じませんか?「自分はアウトローな世界に足を踏み入れたりしないし、そんな目に遭う心配もないし安心!」と、それこそ他人事のよ
みなさん、映画『Diner』ご覧になりましたか?原作と違うところはあれど、「作品の魅力を引き出すためなら原作改変は大歓迎」と言っていた平山先生の言葉そのままに、とても鮮やかで魅力的な作品でした。蜷川実花監督の映画は初めて観ましたが、人が死ぬシーンすら美しいのは彼女のこだわりなんでしょうね。近いうち、『DINER徹底比較!原作&コミック版&映画』なんて記事を書きたいと思っています。メディアごとに違うカナコの年齢や過去とかね。本日は、映画の結末に関する私的考察をちょっとだけ。「こん
『無垢の祈り』2016監督:亀井亨原作:平山夢明こちらDVD化の予定も配信の予定もない作品らしい。なぜなら表現画はやばすぎるから。アップリンク吉祥寺のオープン記念の特別上映でどんなもんかと見てきました、昨年。これはもう見られんかもしれん、と何度も初上映時からツイッターなどで流れてきてた。ヒロインであるの少女の世界はこんな感じ。川崎の工業地帯。機械的で無機質な街並み。空の色はだいたい濁ってる。建物は老朽化でくすんでる。人に見えない路地裏が彼女の通学路。これは冒頭のワンシーン。ここから