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こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問2今回の問題は、初期時刻(29日21時)に黄海にある地上低気圧とその500hPaにおける低気圧の中心を結ぶ軸が、その後24時間後にかけて、対応関係と地上低気圧の盛衰がどう変化していくかについて述べた(a)~(c)の文のうち正しいのはどれか、ということで見ていきます。まず、(a)は、「低気圧の中心を結んだ軸は最初傾いていたが、鉛直方向に変化し、地上低気圧は衰弱する。」とありますが、図1の地上低気
今日は、ティーンの我子がついに運転免許を取得したお話です。今月上旬、高校シニアの子供が17歳にしてようやく免許を取得しました!カリフォルニア州では、15歳半からオンラインのドライビング講習を開始することが可能で、16歳の誕生日以降に実技試験を受けることができます。周りの同じ歳のお子さんは皆んな16歳になったと同時に実技試験を受けて、バンバン車に乗って学校に通学しているのに家の子供はいつになるのかなぁ〜なんてずっと遠い将来の事のように考えていましたが、ようやく我子もドライバーの仲間入り
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問1(3)今回は、図4の赤外画像において、華南・華中から日本海にかけてみられる木の葉状の雲域と、前々問で解析した強風軸との位置関係はどうなっているか、という問いです。まずはじめに、専門知識の気象衛星画像の復習で、この「木の葉状の雲域」とは何かについて簡単に触れておきたいと思います。この「木の葉状の雲域」、すなわち帯状の厚い雲域が極側へ膨らみ高気圧性曲率を持ったものを「バルジ」とよんでいます。大気下層において
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問1(4)今回は、図3(下)の水蒸気画像において、渤海から黄海を経て朝鮮半島南部にかけて西北西から東南東の走向に延びている暗域Qが図5の500hPa高度・渦度解析図における渦度場のどのようなところに位置しているのか、という設問になります。まず、水蒸気画像の暗域Qと図5の渦度場を見比べてみますと、この暗域Qそのものは負の渦度場にあるのですが、暗域Qのすぐ南側に並行して細長い正渦度域が延びているという特
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問1(4)今回は、これまでの考察で見てきましたオサン(韓国)における8日9時(図5)の逆転層上端の高度が3039mであることがわかっており、この時刻に対馬海峡にある低気圧(図14)に伴う前線について地上低気圧の中心~オサン間の平均の勾配の大きさを1/Fで表すときの分母Fにあたる数値を答えよ、という問題です。すなわち、底辺の長さが地上低気圧の中心~オサンまでの距離、高さが逆転層上端の高度の3039
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。まず、12時間後から計算してみます。なかなか見にくいので、こんな時に持ち込み可のルーペが役立ちます。850hPaの気温を読み取りますと、地点Aの南側の等温線は-6℃、北側の等温線は-9℃と読み取ることができます。そこで内分しますと、地点Aの850hPaの気温は-7℃ということになります。次に、地上の気温です。いま850hPaの気温が-7℃とわかりました。地点Aの標高は100m、12時間後の850hPa高度は問題文より1
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問2(1)今回は穴埋め問題ということで、本文を読みながら見ていきます。(第1段落)「8日9時現在、この低気圧の地上中心の直上500hPa面の高度は(ⓐ)mである。」ということで、初期時刻8日8時の地上天気図(図1)と500hPa天気図(図4)を見ますと、低気圧の地上中心の位置をそのまま500hPa面に移しますと、地上中心のやや南側を通る等高度線があることがわかります。等高度線の読み取り方は太実
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技1・問4まずはじめに、問題に出てくる「凍雨」について、本文では簡単な解説をされていますが、もう少し補足してみたいと思います。凍雨は「あられ」や「ひょう」といった「しゅう雨性の降水」として降るものに対して、主に高層雲や乱層雲から降る「層状性の降水」で、落下の途中で雨滴が氷点下の層を通過している間に凍結し、透明で球状または不規則な形、直径が5mm未満の氷の粒として落下する現象のことを言います。これを踏ま
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2・問2まず初めに、一般知識の「大気の熱力学」で学習する、持ち上げ凝結高度、自由対流高度、平衡高度(中立浮力高度)から復習してみることにします。地上のある未飽和の空気塊が断熱的に上昇することを考えます。気温においては、未飽和の状態で上昇していく際、乾燥断熱線に沿って気温が下降していきます。一方の露点温度においては、空気塊が未飽和である限り、すなわち空気塊の中で凝結や蒸発といった相変化が起きない限りは、空気塊の混
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問1図1の左下にある拡大図を用いて9日12時における中心の予想位置の緯度・経度を求めていきます。問題文に「ただし、台風は12時間先までは予報円の中心を等速度で進むものとする。」とありますので、上陸後に進行速度が速まることを考慮しなくてよいことになります。したがって、9日21時の予報円の中心との間を直線で結んで4等分、すなわち3時間ごとに区切ったものが上の図になります。3時間後ですので初期時刻か
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。(2)③(横浜地方気象台の露場と港の見える丘公園2016年4月)大雨注意報・大雨警報(浸水害)の発表基準となる降水量は地形が平坦な地域か起伏のある地域かによって3時間降水量と1時間降水量の異なる基準が設けられています。浸水害のそもそもの要因を考えますと、降った雨が河川・水路・側溝・下水道のそれぞれの排水能力を超えた場合、あるいは、側溝ですとゴミなどで雨水枡が詰まって排水できない場合も考えられます。横
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験1・問2(3)今回は、本文を読みながら、空欄に当てはまる適切な語句を考えてみます。(第一段落)「地上の気圧の谷の上空の大気の成層状態は、680hPa付近より下層では相当温位が上空ほど(ア)く(イ)だが、それより上層は安定しており、680hPa付近を境に大きく異なる。」とあります。まず、相当温位とありますので、図8(上)の地上の気圧の谷の予想位置を示す▲印付近の成層に着目します。等相当温位線の太実線は3Kごと
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第59回試験・実技試験1・問1(3)初めに、図3(下)に着目しますと、東シナ海において、地上の停滞前線は850hPa面の12℃の等温線に概ね対応しており、これに直交するように南西風が吹いていることがわかります。福岡はその概ね北東の延長上に位置していることから②の問いで勾配を求めることができ、また、③の問いにおいて転移層よりも上層で湿数が小さいことから、福岡で観測される主に上・中層の雲の成因に前線面が大きく関わっていることが考えられ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験1・問2今回はシアーラインを作図する問題になります。試験の本番では限られた時間内での解答になりますので、「シアーライン」の作図となりますと風向シアーだけで記入したくなりますが、それだけではなくて、風速のシアーにも着目し、また今回のように気温のデータがあれば気温差も加味しながら練習して作図ができるようになれば大丈夫だと思います。では、今回の問題での具体的な着目点を北側から見ていきます。シアーライン
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第55回試験・実技試験2・問3まず初めに地上予想図の降水域の見方について触れておきたいと思います。この降水域の見方として注意すべきは、予想時刻における降水域、あるいは降水強度を示していない点です。今回の問題の12時間後および24時間後(FXFE502)の地上予想図、その他36時間後および48時間後(FXFE504)の地上予想図では、予想時刻の前12時間における積算降水量を示し、また72時間後(FXFE507)の地上予想図については
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験1・問3(2)今回は、図13Cにおいて、15日9時に、加賀地方で1mmと2mmが予想されている2つのメッシュは、図13Bでは1mm未満が予想されており、数値が異なっている、ことについて、これは図13Bの1メッシュ内の降水量の平均を予想しているためである、という場合、この2つのメッシュ内を対象にした天気予報を出すときに適切な天気予報文を図13Aも参考にして作成せよ、という問題です。図13A(天気ガイダ
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問2(2)まず始めに、秋田と850hPaの温暖前線との水平距離を求めてみます。図2において、風が南南東50ノットの矢羽の根元に位置する秋田から、太破線に沿って12℃の等温線に沿っている温暖前線までの図上の距離を測りますと、1.2cmとなります。一方、緯度10°を図上で測りますと、4.0となります。緯度10°は約1,110kmとしますと、求める秋田と850hPaの温暖前線との水平距離は、4
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1・問3(5)今回は、図11のGSMガイダンス(上)と、MSMガイダンス(下)とを比較して、降水量が多い場所の違いとその要因を、「MSMガイダンスは、」という主語に続けて述べよ、という問題ですが、まず始めに専門知識で学習するGSM(全球モデル)とMSM(メソモデル)の概要について復習してみることにします。(気象庁HP:数値予報>数値予報モデルの種類より)全球モデルは、予報領域が地球全体であり、水
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第52回試験・実技1・問1今回も問1(2)の問題と同様、「特徴」を述べる問題です。赤外画像、水蒸気画像のそれぞれについて見られる特徴をそのまま書けばよい、という形です。ただ、直接的に解答へ落とし込む要素ではありませんが、問1(2)の問題でもありましたように、この本州付近の台風は、温帯低気圧にかわりつつありますので最盛期の台風における雲の特徴から崩れてどうなったのか、を念頭に置いた解答を出題者は求めていると考えられます。《
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験2・問2まず、図6(下)で、初期時刻に黄海付近にある地上低気圧の12時間後の中心位置を確認しますと、中心は沿海州の北緯43°東経132°付近に予想されています。これを踏まえて、図8(上)で低気圧の進行方向後面の700hPaの湿数の特徴から見ますと、網掛け域ではない湿数が大きい領域であることから乾燥していることがわかります。一方の700hPaの鉛直流について、図8(下)で低気圧後面を見てみますと
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第56回試験・実技2・問1今回は、6日9時に日本海北部にある地上低気圧について、図4の300hPa天気図を用いてこれに関連する強風軸の位置に最も近い等高度線の値を解答し、さらに強風軸と地上低気圧との位置関係を述べよ、という内容の問題です。まず、図4の300hPa天気図の読み方について簡単に触れてみたいと思います。実線で描かれているのは等高度線で、120mごとに描かれます。破線で描かれているのは等風速線で20ノットごとに描
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第51回試験・実技2・問1まず、1018hPaの補助等圧線を作図する前に問題文の内容を、後で消しゴムで消せる程度に書き込んでおきます。それが下の図です。問1(5)で考察した擾乱の中心位置(北緯33°東経142°)を×として、中心気圧1017hPaを記入します。次に、船舶Aの気圧1017.5hPa、八丈島の気圧1017.6hPa、南大東島の気圧1019.1hPaも記入します。あとは、山陰沿岸に中心をもつ低気圧に10
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第54回試験・実技2今回は実技2の初めの問題ということで、図1の初期時刻(8月24日21時)の地上天気図を見ながら、概況について述べた文の空欄を穴埋めしながら読んでいきたいと思います。(第1段落)九州に接近中の非常に強い台風について、この台風の中心は、問題文の冒頭で方角を16方位で解答するよう指示がありますので、方角は①南西となります。次は台風の中心が鹿児島から何kmの位置にあるか、ということですが、ここで試験で持ち込
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技1図6(下)の12時間後の地上予想図で福島県から関東地方の内陸部にかけて見られる低圧部について、図7の700hPaにおける鉛直流および湿数の特徴を、関東の南東海上と比較してそれぞれ述べよ、という設問です。実技試験の問題演習に慣れてきますと、この問題文を読んだ時点で、低圧部と関東の南東海上と比較して対照的な特徴が見られるということなのかな、と概ね想像がつくようになってきます。そこで図7(下)の700hPa
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験1・問2(3)今回は、東経135°付近における地上の気圧の谷の予想位置は、24時間後には12時間後に比べてどの位置にあるのか、ということで、考えてみます。図5(下)の気圧の谷を図6(下)に重ねて考えてもわかるのですが、(3)①で既に700hPa面の上昇流域および850hPa面の温度場の尾根に対応していることがわかっていますので、よりわかりやすくするため、図7(下)に重ねてみました。12時間後の東経135°
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第53回試験・実技2ショワルターの安定指数(SSI)とは、850hPaにある空気塊の気温と露点温度によって持ち上げ凝結高度を求め、さらにその空気塊を湿潤断熱線に沿って500hPaまで持ち上げたとき、実際の500hPaにおける気温から、その500hPaまで持ち上げた空気塊の気温を差し引いた値のことで、大気の鉛直安定度を求める方法の一つです。値が負であれば不安定、正であれば安定となりますが、正の値であっても+2℃以下であれば雷の
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第58回試験・実技試験2・問4(4)今回は、前問の(4)①で求めた時刻A、時刻Bでの気象要素の変化を、問4(1)の平戸および下関の前線の通過時と比較して最も大きな違いがみられる気象要素についてその特徴を述べよ、という内容の問題です。まず、問4(1)について振り返りますと、寒冷前線が平戸および下関を通過した時刻は、平戸が8時00分、下関が9時50分ということでした。いずれの地点においても、寒冷前線の通過時の特徴である、風向
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。まず、トラフの解析の方法を整理してみます。☆トラフ(気圧の谷)は周囲と相対的に低圧な領域をいいます。基本的にはその領域は500hPa等高度線では曲率の大きな部分を結んだ線として解析することができます。☆トラフは低気圧の中心を起点として解析することが多いです。ここから曲率の大きな部分を結んでいって延ばしていくときに注意すべき点はトラフがあるのは正渦度域ですので負渦度域にトラフを解析しないことです。延ばした先に、正渦
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第57回試験・実技試験1・問3(2)(気象庁HP:知識・解説>天気予報で用いる用語>1日の時間細分図より)今回は、図13に基づいて15日6時から21時までの加賀地方の天気予報文を作成してみたいと思います。まず、問題に「15日6時から」というガイダンスに取り扱いのない時刻からスタートしているところが厄介なんですが、問3(2)の冒頭では、「図13に時間帯のない時間帯の取り扱いは、Aは前の時間の天気が持続するものと
こんばんは。早速ですが、考えてみたいと思います。第60回試験・実技試験1・問2(700hPa面の鉛直流分布の特徴)まず、図5において太破線で示されている気圧の谷を図7(上)と重ね合わせて考えてみます。700hPa面鉛直流の特徴として、この気圧の谷に沿って帯状に上昇流域が分布していることがわかります。出題者が求めているのは、なぜこうなるのかという根拠や理由ではなく、「特徴」ですので、地上の気圧の谷に対してどのように対応した分布になっているのかを解答すればOKです。したがって