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「そんなことじゃないよ!リュウタも、ボクにとっては、大切な友達だ」何を言うんだ!裕太は悔しくて、頭がクラクラする。じぃっと裕太を見据えていたリュウタは、ため息をもらしているように見えた。『そうか、わかった。それなら…ちょっと私に付き合ってくれ…あのホコラの所まで…連れて行ってくれないか?』さっきまで、とがった声を出していたリュウタが、ようやく声のトーンを和らげる。「ほこら?」それは、どこにあるんだ?裕太は、キョロキョロと目を走らせる。こんな所に…何がある
痛々しいくらいに、リュウタは裕太に気を使っているように見える。(ボクのことなんて…心配しなくてもいいのに)そう思って、動けずにいると『こんなことをしていてもいいのか?こっちのことは気にせずに…友達のことを、探しに行きなさい』さぁ!裕太にさとすように、話しかける。「でも…」裕太はまだ、グズグズしている。(ジュンペイは…寝ているだけだけど、リュウタは今にも、死にそうじゃないか)リュウタは、ここまで連れて来てくれたのだ。放っておくことなんて、出来ないと裕太は思う。『
「ねぇ~どこに行くの?」まさか、このまま…会えなくなるのじゃあないのか?裕太は、気が気ではない。『どこに行くもなにも…帰るだけだよ』乾いた声で、リュウタは笑うと、ただ同じことを、繰り返し言うだけだ。「ねぇ~もう、会えなくなるの?」それだけは、イヤだ…小さな子供のように、どうしても裕太は、あきらめきれない。『何を言っているんだ?キミはもう…ボクのことなど、必要じゃあないだろ』リンとした声で、裕太に向かって言い放つ。「そんなことは、ないよ…」ためらいがちに、裕太はリュウタ
(何があるというんだ?)裕太の目には、そこまでしていく価値があるとは、到底思えない。(ジュンペイは…どうしているのだろう?)裕太の頭には、そんな思いがかすめるけれど…リュウタが、どこへ向かっているのかが、気になっていた。なぜそこまで、急いでいるのかも。これが、ホコラ?今まで見た中で、一番小さいのかもしれない。よく見ないと、草に埋もれて、目に入らないだろうなぁ~裕太はひそかに、そう思う。(こんな所に来て、どうするつもりなんだ?)それでも裕太は、黙ってリュウタに付き添っ