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いまは夏目漱石の絶筆「明暗」をよみかえしているさなか。「明暗」は失敗作だとおもうが、柄谷行人さんが指摘しているように、それまでの漱石作品とは面目を新たにしていることはたしかである。それは、フェミニズムと格差社会の到来から発生してくる社会主義に漱石が敏感に反応している点に伺える。柄谷行人さんは、「マルクスと漱石を等価で読む」と語っているのだが、その意味が了解される一篇である。「明暗」の連載が始まったのは、大正5年=1916年。森鷗外は、同年、史伝「渋江抽斎」を連載。が、山縣有朋政権のブ
図書館で「白鶴亮翅」を借りたこれは朝日新聞で連載されたもので新聞でも毎日読んでいたがなにか腑に落ちないところがあって読み直してみたいと思っていた本だ新聞で読んでいるときとりとめなくて出来事がどんどん横にひろがっていきどこに向かっているのか作者のテーマがなんなのかわからなかった「Mさん」の扱いも主人公は急に興味をなくしたりして理解できなかった話の内容は「わたし」がドイツで暮らしていること元夫のことMさんのこと異民族東プロイセンプル
弊社教科書「現代の国語」の冒頭教材のテーマはことば・思考です。そのテーマで取り上げた教材は一つ目は「自分の時間で読み継ぐ」と二つ目「『ふと』と『思わず』」です。二つ目の教材の随想「ふと」と「思わず」は言語論でありますが、「ことば」を文化としてとらえるならば日本語とドイツ語を比べているあたりは東洋西洋の文化論ともいえるのではないでしょうか。作者が日本人でドイツで生活しているということで二国間の比較にはなっていますが、この文章を起点として、日本語のある言葉が各国の言葉でどのように表現されてい