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「緘黙症状が改善しているか」を振り返る場面緘黙の症状は、適切な対応をすれば比較的簡単に改善するケースが多いです。数ヶ月で改善する子もいますし、長くても数年あれば改善させることができます。早期から適切な対応ができれば、多くは小学校低学年のうちには話せるようにります※。※症状が重い、緘黙症状以外の問題が大きい、二次障害が大きい、取り組みが遅れた、等の例外はありますところが実際には、症状が改善しないまま長期化してしまっているケースもあります。そこで今回は緘黙症状を長期化させないため
学校で話すことを要求しない方がいいケース緘黙症状があっても、学校で計画的に話す場面を作った方がいい点について説明してきました。もちろん、こういった対応を実際どのように行うべきかはケースバイケースです。緘黙症状のある子の中には、学校で話す場面を作らない方がいいケースもあります。1.学校以外の人をターゲットにして改善に取り組んでいる通常、緘黙症状の改善は「学校で話せる」ようになるケースが多いです。しかし、本人の状態によっては「学校以外で話せる」ことを目指す場合もあります。
【質問】小学2年生の緘黙症状のある子の保護者からの質問です。4月に2年生に進級しました。新年度の環境について相談したいことがあります。担任の先生は、今年からの新任の若い先生です。先日学校での様子を聞いたころ、次のようにおっしゃっていました。「話せなくてもお友だちが手伝ってくれるので、安心しています」お友だちが手伝ってくれるのは確かに安心ですが、何か納得しきれないところがあります。ここから担任の先生とどのように連携していったらよいでしょうか。【回答】話せない
「話せるようになる」と本人に伝えたことで、短期間で緘黙症状が解消に向かったケース【対象】なぎささん(仮名)女性小学5年生【概要】保育園年中の頃から緘黙症状があり、小学校でも話せない状態が続いていました。オンラインの相談で保護者と話し、保護者から本人に「話せるようになるよ」と伝えてもらいました。その後は保護者と本人とで相談し、話す練習を始めることができました。その結果、学校で話せる場面が増えていき、相談開始から半年ほどで顕著な改善が見られました。【相談開始時の状態】
「コミュニケーションの支援」をしすぎるとかえって話せない状態が長期化することもある前回の続きです。『場面緘黙の症状のある子に学校でしゃべらせようとしてもいいのか?』「話さなくていいよ」型の支援には要注意「治療1%」で緘黙症状は治る以前の記事で、こんなことを書きました。『「話せなくていいよ」型の<支援>が緘黙症状を…ameblo.jp前回の記事では、「話せなくていいよ」型の<支援>の問題点を指摘しました。今回は「コミュニケーション支援」の問題について考えてみましょう。
「治さなくていい」という発想そのものが緘黙症状を長期化させる最大の社会的障壁「社会モデル」の考え方「障害」を理解するための視点の一つに、「社会モデル」という考え方があります。「社会モデル」は「医学モデル」と対比される考え方で、「障害」を個人の特性としてではなく、社会の側によって作られたものと捉えます。例えば何らかの病気のある人が社会生活を営むのに支障がある場合、それはその人の病気があるからではなく、社会の側(例えば建物や人やサービスなど)に問題があるからだと考えます。社会モ
幼稚園から続いていた緘黙症状が、王道の練習方法ですぐに解消したケース【対象】ひろみさん(仮名)女性中学1年生【概要】幼稚園年中の頃から緘黙症状があり、小学校でもほとんど話せない状態でした。中学受験をして私立の中学に進学しましたが、そこでも緘黙症状は改善しませんでした。地域の総合病院の発達外来でのカウンセリングを4年ほど継続していますが、改善がみられないため「いちりづか」に相談がありました。保護者・本人とオンラインで面談し、練習の計画を一緒に考えました。中学の担任をターゲット