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古典なんて何のために勉強しなきゃいけないのかこの疑問を持つ人は少なくありません。自国の文化を学ぶことは当然であり意味づけなど不要、とも思うのですが、答えにはなっていません。この件についてはずっと考えてきたことなので、一度まとめてみることにしました。まず最初にはっきり断言しておきますが、古典文学を勉強したからといって、一般的には実生活でその知識が役立つことはほとんどありません。一方、英語などの語学は、グローバルな社会におけるビジネスシーンで活用できる、道具的な価値を持った
『竹取物語の謎を「うら」読みで解く』since2013☆ざっくりとこのブログをご理解いただくために竹取物語あらすじ*「うら」読みとは?*☆登場人物の名前から解く竹取物語の登場人物、名前一覧*かぐや姫は、なぜかぐやという名前か考察*かぐや姫はアマテラスに対応*☆竹取物語と陰陽五行説竹取物語の求婚難題の宝物*☆*゚゜゚*☆*゚゜゚*☆前回まで☆*゚゜゚*☆*゚゜゚*☆竹取物語の宝物は7つありますが、そのう
古典文学からいにしえの日本人の生活文化や精神を学ぼう。学校で古文を習うときによく聞かされました。でも、それらの作品は貴族や武家などの、特別な人の書いたものです。庶民はほとんど出てきません。ところが、万葉集には農民や下級武士、乞食や罪人まで出てくるというキャッチフレーズです。もっとも、本当に自分の手で文字を書いたかどうかまでは分かりません。なんだか眉唾物に思えてきます。日本人の識字率は定評がありますが、せいぜい江戸時代の話です。さすがに万葉時代の農民が文字を書けるとは思えません。
往生要集源信(げんしん)著源信は奈良で生まれ比叡山で修行した日本の僧侶です。『往生要集』は、極楽浄土へ行くための案内書として書かれました。極楽浄土は、西にある阿弥陀仏(阿弥陀如来)の世界です。平安時代に、極楽浄土への導きを願う浄土信仰が貴族の間で広まりました。往生要集をもとにした地獄の様子を絵にした「絵解き」によって、日本人の地獄のイメージは形成されています。ただ往生要集に閻魔は出てきません。閻魔の起源は、インドの「ヤマ」にある。ヤマは最
毎月恒例の吉祥寺古典を読む会、6月は、18日(日)に後深草院二条『とはずがたり』を取り上げました。この『とはずがたり』、前半と後半に分かれるんですが、その前半ではめくるめく恋のドラマが繰り広げられています。研究書でも「愛欲編」と名付けている本があるほどですその恋のドラマは、瀬戸内晴美時代の寂聴先生も小説になさっています。中世炎上(新潮文庫)Amazonちょっとあらすじをご紹介しましょう。第1巻:二条は2歳の時に母を亡くし、4歳からは「後深草
こんにちは、町子です3月28日(木)の館内整理日にえきライブラリーtetoteの本の入れ替えに行ってきました!今回は、文学、児童書などを入れ替えました。特集のテーマは「古典文学の世界」です話題の源氏物語をはじめ、古事記、枕草子などの古典文学に関する本を集めてみました古典文学、というとちょっと難しそうなイメージですが読みやすい本もたくさん出ていますぜひ手に取ってみてくださいね次回は6月27日(木)に入れ替え予定です開館時間・休館
思痛記(1947年)(寳雲舎中国文芸叢書)Amazon清代の文人・李小池の記録文学。咸豊~同治年間における太平天国軍の虐殺行為を、間近で体験した作者が記したもの。世界史でこの時期の中国を学ぶと、どうしても阿片戦争やアロー戦争といった西欧列強による侵略事件に目がいきがちだが、真に清朝を苦しめたのはこの太平天国の乱だろう。清代の宗教反乱でもとりわけ規模が大きく、完全な鎮圧まで十数年かかっている。列強に対しては進んだ文化や軍事力を見せつけられた精神的ダメージこそ大きかっただろ
今朝の熊日新聞の新生面よりおとなは、だれも、はじめは子どもだった。しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。フランスの作家サンテグジュペリの星の王子さまの序文である翻訳したのは熊本市出身のフランス文学者内藤濯(あろう)・・・熊本市に子ども図書館こども本の森熊本が新設されました宇城市にも図書館に子ども図書館こども絵本のいえが併設されましたきっかけは若い母親の悩みからで子
平安時代後期の物語文学『堤中納言物語』に収められている「はいずみ」という短編のワンシーンを描きました。**「はいずみ」のあらすじ**男は長年、妻と同居していたものの、お世話になっている人を頻繁に訪ねるうち、その娘と懇意になります。その新しい妻と同居しようと考え、元の妻を追い出すことにしますが、彼女の引っ越し先を訪ねてみると、あまりのみすぼらしさで、気の毒になってしまいます。男は考え直し、彼女を家に連れて帰り、新しい妻との同居を断ります。ある日、男は不意に新しい妻を訪ねます。しか