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小説「慶余年」第18章獄その7小瓶を取り出した范閑は、それを柵の中へと投げた。「毒薬だ。尋問と処刑が嫌なら、飲め」小瓶は干し草の上を転がり、司理理のそばで止まった。手に取った司理理は小瓶をぎゅっと握る。温和そうな范閑がまさかの服毒を勧めてきたきた。司理理が死を選ぶなら、最初から逃亡は謀らなかっただろう。その点において、范閑の予想は当たっていた。范閑は彼女の目を見つめて、優しく話しかけた。「殺したいオレに温情を期待しているのか?考えが甘いな。オレは少しでも楽な道
小説「慶余年」第18章獄その5帰京した陳萍萍は、その日の夜に皇帝から呼び出された。長時間に及ぶ謁見で、彼は疲弊して屋敷に戻ってくる。文武百官は陛下の覚えめでたい陳大人を超絶羨ましがる反面、任務上で大けが負って歩けない彼に、心の中でさっさと引退しろと罵る。陳萍萍が宮中に参内しているあいだ、監察院の動きは迅速だった。殺気だった一処の官員が巡城司の衙門に乱入し、捜査を開始したのだ。ほかの一隊も城南にある方参将の府邸へ殴り込みをかける。その様子を、范閑は府邸そばの木に登って
中国語の原書を読み始めた頃、憧れの方が何人かいました。その中のおひとり、Marieさんとお会いすることができました❣一泊二日で博多集合、博多解散。一緒に美味しいものを食べて😋楽しくお酒を(夜も朝も)飲みましたお会いした際に、著書『露の世に』の感想を伝えつつ、色々質問させていただきましたMarieさんは、語学レベル、日本語のセンス、そして処世術、行動力、パワフルさ話せば話すほどに、もっと話を聞きたくなる魅力あふれる女性でした素敵なご縁に恵まれたことが
小説「慶余年」第18章獄その6鉄の門の内側には長い通路が伸びていた。両の壁には小さな灯明が点々と続き、水がしみ出しているのか石段の表面は濡れている。だが苔は生えておらず、清掃は行き届いているようだ。通路には一定の間隔で看守が立っていた。まったく目立たない彼らは、しかし范閑が仔細に観察したところ、少なくとも四品以上の実力の持ち主ばかりだ。どれほど歩いただろうか、雰囲気が突然変わった。よどんだ空気に灯明の明かりがぼんやりと輝く。黄泉の国にたどり着いたような、そんな不思議
小説「慶余年」第18章獄その4昼間の喧騒はどこへやら、夕方の東川路はいつもの穏やかさを取り戻していた。范府の馬車はガタガタと車体を揺らしながら、京都城の東へと進んだ。西日が当たり、馬車の影が地面に伸びる。影は通りの青い石板の上を滑っているかのようだ。敷かれた石板の起伏で馬車が大きく跳ねて、紅に染まる夕日の中へ飛び込んでしまうかと思う。実のところ范閑は、京都范府での生活を幸福に感じていた。幸せを掴んだ、と言っても過言ではない。だから、さっさと暗殺事件を解決したかった。