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今回はウッド灯検査という、マイナーな検査をご紹介しますね。ウッド灯検査は皮膚の病変部に、紫外線を当てて、主に「皮膚糸状菌」を検出する検査です。皮膚糸状菌とは、「皮膚に寄生するカビ」のことです。ウッド灯はこちらです↓皮膚糸状菌が疑われるときだけ登場する、とってもマイナーな機械です。耳の一部が荒れて脱毛している猫ちゃん。これだけではいろいろな病気の可能性がありますが、ウッド灯を照らすと、蛍光緑に光りました!そう、皮膚糸状菌を蛍光緑に光らせてくれるのが、ウッ
癌の摘出手術は、「サージカルマージン」の確保が命!です。<サージカルマージンとは?>サージカルマージンは、癌を摘出する際の「余白」と思ってください。癌はそのものを取るだけでは、再発してしまいます。周辺の正常組織を含めて、「根こそぎ」切除することが大切です。例えば、皮膚癌を摘出する場合、↓このようなマージンでは危険です↓このように、腫瘍の横方向と縦方向をしっかり切除します。腫瘍の底にある、筋膜という膜まで切除できれば安心です。<実例紹介>犬の皮膚癌の
今回の記事は、飼い主さんは絶対に知っておいた方が良い情報です。ペットの尿が濃すぎることはないですか?または皮膚や白目が黄色くないですか?その場合、「黄疸(おうだん)」という兆候かもしれません!黄疸は飼い主さんでも気付ける緊急性の高い病気のサインです!<診察室でよくある会話>飼い主さん「うちの子最近元気がなくて、食欲がないです」獣医師「体をチェックしますね、、、、(白目が黄色いな)、、、最近オシッコの色が濃くなかったですか?」飼い主さん「そういえば
バクソウには注意しましょう!!私が言う「バクソウ」は、「爆走」ではなく、「縛創」です!!実は動物では非常に多く、非常に危険な怪我なのです。犬猫からエキゾチックアニマルまで、どんな動物でも起こりえます。すべての飼い主さんは知っておくべきです。<縛創とは?>縛創とは、「縛られてできる傷」です。え?なにに縛られるの?それは飼育環境にある「糸状のもの」です。糸状のものが、手や指に絡まります。すると締め付けられて、血行不良を起こします。患部は
モルモット・トリビアです。ほとんどの動物は、乳癌(乳腺腫瘍)は圧倒的にメスが多いです。しかし、モルモットだけは何故か「オス」に乳癌が多いです。〜実例紹介〜モルモットのT君は男の子です。乳頭(乳首)が腫れて、出血が見られるとのことで来院されました。乳腺炎(炎症)の可能性もあったため、抗生剤投与もしましたが改善しません。そこで乳癌の可能性が高いと判断し、手術をしました。左乳頭が腫れていて、コリっとしています。出血も少しあります↓手術後の写真です
「うちの子、高齢だから手術できないですよね?」と飼い主さんはよく言います。そんな時、私は「高齢であることと、手術ができないことは、全く別問題です」と宣言します!<高齢動物は手術できないのか?>そもそも大きな病気になるのは、多くは高齢動物です。高齢を理由に手術を諦めていては、助かる命も助かりません。私はよく、「手術ができるかどうかは、年齢ではなく、体の状態次第です」とご説明します。高齢であっても、手術前検査が問題なければ手術はできます。反対に若くて
猫のお腹から出てきた異物です。何かわかりますか?これはジョイントマットの、カケラです。ジョイントマットとはこれです↓部屋の大きさや形に合わせて敷ける便利なマットです。猫の誤飲が結構多いんですよね!私も何回か手術で摘出したことがあります。猫マインドとしては、カリカリ爪研ぎしてもいい感じ齧ってみても、おもしろい食感うりゃー!ミミの部分をもぎ取ってくちゃくちゃ、ゴクン!やべ!といった感じでしょうか。こちらのLちゃんもジョイントマッ
一昨日にね。ブラッシングしてて。お耳チェックしてたら…『ん❓お耳がポコポコ❓🤔』って。前回と同じとこが剥がれてるような感じだったので。『くっついてなかったっけ❓🤔』と、様子見してたらー。翌日にアーモンド大のぷっくりが出現しました😱💦右耳の耳血腫再発です😭ちょうど、くうちゃんの病院から『フィラリアのお薬取りに来てね☝️』なハガキが来てたので。病院🏥に行ってきました。何か、頭爆発してない…❓🤣(おヨダ防止のタオルが可愛い😍)夕方散歩してから行ったんだけど。広い駐車場が満車
まずはこちらの写真をご覧ください↓お股が腫れているのがわかりますか?これは鼠径ヘルニア(そけいへるにあ)という病気です。老若男女(老若雌雄)問わず発生し、場合によっては緊急性のある病気です。ワンちゃんの飼い主さんは覚えておきましょう<鼠径ヘルニアって?>動物のお股には、「鼠径輪」という穴があります。この穴はイラストにある通り、大事な血管や神経の通り道になっています。この穴が、生まれつき大きかったり、何らかの理由で大きくなることがあります。そう
病気で食欲のない猫に、なんとか食べてもらいたい!飼い主さんと獣医師の切なる願いが、ユニークなお薬を開発させました。それは「耳に塗る、食欲増進剤」です!ミルタザピンという薬剤はもともと人用の精神安定剤です。このミルタザピンは、猫にとっては食欲増進効果があります。病気で食欲のない猫ちゃんの切り札です。しかし、ミルタザピンは「不味い」という大きな欠点があります。ただでさえ食欲のない猫に、不味い薬を飲ませるのは至難の業。そして嫌がり、大暴れ。かえってストレス
猫ちゃんの診察に必要なものそれは「猫を敬い、ご機嫌をとること!」です。犬と猫を比較した時、猫の方が「怒った時に手がつけられない動物」です。特に猫ちゃんは採血が大嫌いです!そんな時、怒る猫を力づくで押さえてはダメです。猫は死に物狂いで暴れて、きっと採血はうまくいきません。そして病院が大嫌いになってしまいます。そんな時、私は猫ちゃんにワイロを渡します。「ここは一つ、チュール1本で手を打って下さらんか」、と。これが「ちゅーる採血」という技です。チ
「うちのハムちゃん、ご飯食べなくて、痩せてきてしまったんです。もう老衰ですかね?」よく飼い主さんから受けるご質問です。このような時、まずは体をチェックします。歯の伸びすぎで食べられないわけではなさそう。お腹にシコリも無い。どうやら病気ではなさそう。こんな時に、試してみて、高率にうまくいくのが、、、、小鳥のエサです。小鳥のエサは、文字通り、小鳥用のご飯です。アワやキビ、ヒエなどの小さな穀物がブレンドされています。これ、よく食べるのです。
オス猫の飼い主さんへ!「尿道閉塞」と言う言葉を知っておいて下さい!!これから冬の時期に多く、非常に重要な病気です。長い記事ですが、是非お読みくださいね!<オス猫と尿道閉塞>ほぼオス猫にしかない病気が、尿道閉塞です。尿道閉塞は尿道(おしっこの通り道)が詰まってしまうことです。尿道閉塞を起こすと、おしっこができなくなります。おしっこができないと、3日で死にます。本当です。<なぜ尿道閉塞を起こす?>下の図を見て下さい。雄猫の尿道は、おちんちんの先端
動物に薬を飲ませるのって、「超大変」ですよね!きちんと飲ませてくださる飼い主さん、尊敬しています。飲ませるのが大変!という飼い主さん、当然の感想だと思います。<持続製剤、素晴らしい>お薬を飲ませるのが大変!という問題を解決してくれるのが「持続製剤」です持続製剤は病院で投与すると、一定期間作用があります。そのため、家で投薬の必要がない!という素晴らしいお薬です。動物に薬を飲ませるのは、飼い主さんも動物も、とっても大変です。そこで私は積極的に持続製剤を
正しい薬用シャンプーの使用法(犬の皮膚科)皮膚科治療に薬用シャンプーは欠かせません!皮膚病では様々な感染症を起こしやすく、過剰な皮脂やふけが産生されます。シャンプーの力で、これらを上手にコントロールすることが大切です!しかし、飼い主さんとお話をしていると、薬用シャンプーを正しく使えている方はほんの一握りです。今回は正しい薬用シャンプーの使用法をお伝えしますね。ワンちゃんの飼い主さん必見です!(力説しているので長文記事です、ごめんなさい)ポイントは3つです。
無職になって1ヶ月が過ぎ、何もない、何もできない自分にメンタルが下がり、旦那以外と話すこともなく、ただ時間が過ぎるのを待つ日々。だけど愛犬の散歩のため、朝はいつも通りに起き、愛犬を連れて家を出る。まだ肌寒いけど、朝早いからすれ違う車や人も少なく、キレイな空気を吸いながら歩ける。昼の散歩は太陽も上り、日射しが照りたくさんの車や人とすれ違う。それがストレスだが、近くの公園でゲートボールをしているお年寄りや、工事現場のガードマンのお年寄りを見ると、自分もまだ頑張れると思う。夜はライトを持ち車が
ウサギの不正咬合、厄介な病気です。歯の噛み合わせが悪くなると、歯が過剰に伸びてしまいます。そんな時は歯を切ります。しかし一度噛み合わせが悪くなると、完治はしません。定期的な歯切りは、ウサギさんにも飼い主さんにも大きな負担となります。不正咬合の治療では、最終手段として、「抜歯手術」をお勧めすることがあります。頻繁に歯を切っても、すぐに伸びてしまう子。歯があることで、ご飯が食べにくくなって子。このような子は抜歯も一つの選択肢です。歯を抜くのは可哀想!と決めつけないでください。歯
モルモットには厄介な病気があります。それが、「皮下膿瘍」(ひかのうよう)です。皮下膿瘍は、皮膚の下にできる膿の塊です。クリーム状の白い膿が多量に貯留します。膿は細菌感染の結果起こります。従って多くの動物では、抗生剤を投与すれば治ります。しかし、モルモットはそうはいきません。膿瘍の中心部まで抗生剤が浸透しないため、お薬だけでは治りません。その為、外科的な処置が必要になります。そしてその外科処置がちょっと独特なのです<皮下膿瘍の治療例>スキニーモルモット
ハリネズミは腫瘍(いわゆるガン)が多い動物です。そんなハリネズミちゃんの手術で大変なのは、「手術の準備」なのです!Uちゃんは、背中にシコリができたとのことで来院されました。針の間に、赤いシコリが見えますね。飼い主さん、よく見つけてくれました。さて、手術の準備を始めます。まずは、針を一本一本ペンチで切っていくのです!他の動物ならバリカンで毛刈りをするだけですが、ハリネズミはペンチです。これが結構、骨の折れる作業です。ペンチで切った針が、顔を目掛