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「カオリから、よ。」そう渡された一通の手紙。「……サンキュー、マリィー。」「リョウ。カオリさんの側にいるべきだわ。彼女、憔悴しきっていた。」「マリィー。お前は知ってるだろ?マイケル・ゴメスがどんなヤツかを……。」「そうだけどっ!こんなふうに陰からカオリさんを守るなら、側にいて守ってあげるべきよっ!!」「マイケル・ゴメスはおれを殺るためなら手段は選ばない。同志だって家族を惨殺された上に殺られたんだぞ。香の身にこれ以上危険が及ぶようなら、おれはこの街を離れる。今だけさ、こうし
翌日もおれは仕事帰りにあの喫茶店に行ってみた。「あら、また来てくださったんですね?」髪の長い女性がそう言いながら水を出してくれた。「ええ。帰り道なんで。」「気に入って貰えました?」「ええ。実を言うとこの喫茶店に入るまでコーヒーって飲んだことがなかったんですが、ここで飲むコーヒーがとても美味しくて。」「うふ。美樹さんとファルコンさんが喜ぶわ。」ふとカウンターを見ると今日はあの巨体の野獣はいなかった。「あれ?今日はあの大きな男の人は?」「ああ。ファルコンさんは香さん
クリスマスイブはみんながこのアパートに集まってくれた。美樹さんが朝からケーキを作って来てくれたり、かずえさんと麗香さんがローストビーフを作りに来てくれたり……。獠の行きつけの飲み屋のママや女の子、冴子さんも駆け付けてくれた。みんなからのクリスマスプレゼントはほとんどが秀に必要なモノばかりだった。中でも冴子さんからのプレゼントには驚かされた。なんとベビーベッドだった。その場にいたゲイバーのクマママさんが獠の部屋にすぐに組み立ててくれた。「これでいつ生まれても秀の寝る場
月虹です。私はシティーハンターのジャンプ連載をリアルに読んでいた世代です。その当時はな〜んとも思ってなかったけど、今読み返すと『ああ、この時の獠ってこんな心境だったのかな?』と思わせるところもいくつもあります。ツッコミたくなる矛盾も多いですが、今回は獠のこのシーンを考察しようと思います。『おまえをおれのもとにずっと置いて置いておくべきか…表の世界でふつうに幸せを求めさせるべきか…』。獠は槇村に香を託されたわけですが……。当初はユニオン・テオーペから巻き上げた金を持って逃げるように香に
槇村や冴子と出会う前、おれは死に場所を探し彷徨っていた。その日を生きのびても、明日には死がおれを迎えに来るかも知れない。恐怖はなかった。だが……。今は死を恐れる自分がいる。帰る場所を得て、おれを待つぬくもりを得た。そして……。家族なんてモノを知らずに生きてきたおれに、初めて血の繋がった家族が生まれようとしているーー。おれが愛した女の腹に、おれと血の繋がった命がある。おれを狙うマイケル・ゴメスの手の者が昨日キャッツに現れたと海坊主の情報屋から知らせがあった。ゴメスはついに香にた
前回の考察で香が作った獠の生年月日が1959年3月26日になると書きました。『獠の家と月虹の設定』シティーハンターは1985年に連載がスタートした作品。そこをベースに年表を作ってみました。1985年に香は20歳になるので、香は1965年3月31日生まれとい…ameblo.jpそれをもとに【familst】というアプリで年表を作っています。pixivで前の垢で使用していた年表と多少変更になって点もありますが、獠の個人年表を見るとこんな感じです。文字化けは【獠】という文字です。(オリ設定