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永久機関と君と⑥しかし、ヨンの幸せな時間は束の間で日も置かずにウンスから連絡が来たかと思えば、何と“チェヨン”には海外に住む恋人がいるのではないかと言って来た。呆然と放心したヨンを一瞥し、冷たい眼差しのウンスは去って行ってしまった。近くにいたチャンビンも慌ててチェヨンの身辺を調べると“恋人”らしき人物は確かにいた様で彼が交通事故を起こした原因のきっかけでもあった。しかも、何とその女性の名前は“メヒ”という。「メヒだって?!」そんな馬鹿なと放心し、ヨ
お互いの理想の結婚についてああだこうだと話す二人(付き合ってません)「理想の結婚」君と僕の何気ない1日「世界を巡る図書館の旅」アッシュ生存設定で、アッシュと英二がそれぞれアメリカと日本で離れて暮らしています。順調だった二人だが、突然英二が音信不通になって。。。?「君の面影を追って(1)」「君の面影を追って(2)」「君の面影を追って(3)」「君の面影を追って(4)」「君の面影を追って(5)」「君の面影を追って(6)」「君の面影を追って(7)」「君の面影を追って(8)」「君
✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣イトシイイトシイイウココロ⑮「チャン先生、匂い袋を幾つか貰えないかしら?」「幾つか、ですか?」「この間、武閣氏や女官の子達と話していて女官の子が欲しいと言っていたの・・・」「あぁ、なるほど。良いですよ、お好きなだけお取り下さい」「わぁ、ありがとう!流石チャン先生だわ!」褒め方が大袈裟だと思うが、ウンスが他の女人と話し気分が良くなったのだとわかったチャン侍医は、クスリと笑いまた調合の手を動かした。武閣氏の子達は匂いが付くと護衛に支障が
✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣イトシイイトシイイウココロ⑬暫くして典医寺にチャン侍医が戻って来た。「・・・医仙?」だが診療所を見渡し薬員達しかいない事に気が付き、ふと感じる気配に小さくため息を吐くと静かに書架室の扉を開けた。机に突っ伏しているウンスを見つけ扉を閉めたチャン侍医は、その向かいに座って動かない赤色毛の頭を見つめる。確かにこの部屋の匂いは色々な匂いが混ざり合ってチャン侍医も眉を顰めてしまう。しかし、草木や甘い花の匂いの中にいるウンスの姿の方が違和感が無く見
✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣イトシイイトシイイウココロ㉓「・・・・・」既に数刻は経っている。ヨンは強く目を瞑ってそのまま眠ってしまえと半ば頭を抱えた状態で寝台に横になっていた。兵舎の中は誰もおらず開かない窓の外からヒュウヒュウと風と木々を揺らす音しか聞こえない。部屋の灯りも灯していない為部屋の中は真っ暗だが、この暗さは既に慣れている。寧ろ暗い方が落ち着いていた。・・・今迄は。・・・何故俺は今一人なのだろう?あの方は何故チャン侍医を自分の部屋に招いたのだろうか?それは
底から④「王宮が土地併呑(併合)の御触れを出したので、官僚や地主達がこぞって土地を買い占めています」「だから、何です?」「・・・結局民はその地主に雇用して貰い、働くという事になってしまいます」「・・・」「官僚や地主達は代々土地を確保出来るでしょうが・・・民達には何も残らなくなってしまうんです」「・・・それを、某に言ってどうするんです?某は既に平民になった身で、貴方方の方が王様の近くにいるではないですか?」「それは、そうですが・・・」そこで会話は途切れ、ずっと前を向い
※こちらも短編という、他とはクロスしないお話です。契約恋人③暫く皆で会話をした後ヨンとウンスだけを残し3人は部屋から出て行ったが、何も話さないチェヨンと話したくないウンスだけが残った空間は当たり前の様に重苦しい静寂に包まれていた。――『結婚を前提にお付き合いしたい』ですって?この男の思考回路はどうなっているのか?有り得ない言葉に思わず彼の目を見てしまったが、静かな瞳により困惑してしまう。そんな事よりも自分に言う言葉があるだろう?そう思いウンスが口を開けると、少し視線を落としていた
✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣イトシイイトシイイウココロ⑭結局ウンスが匂い袋を常に持ち歩いている為、噂は消える事は無かったが、実は密かにもう一つおかしな噂が王宮内で広まっていた。それはある日女官が洗い場に向かう途中に前を迂達赤隊隊長が一人歩いていたが、何故か建物の隅に曲がって行った。女官は何故あんな人も寄らぬ所に行くのか?とこっそりと覗くと、彼は低い石垣に座り懐から何かを取り出しジッとそれを見つめている。だが、直ぐに女官の気配に気付きそれを仕舞うと女官の方に向かって大股で歩い
森をおおう緑の葉が、さやさやと鳴っている。その葉ずれの下を、ほとほとと歩くふたりの子ども。年のころは九、十歳ほどか。ひとりは黒髪に優しげな目をした少年、彼よりもやや小柄ないまひとりは金色の巻き毛を頬にゆらし、勝ち気そうな目の……一見少年だが、まろやかな頬の線が少女であることをものがたっている。ちょっと前まで梢を照らしていた陽射しが傾きはじめ、夕暮れが近いことを知らせていた。それを見やり、少年が気遣うように少女の顔をのぞきこんだ。「大丈夫、オスカル?」「平気さ、アンドレ」
蒸し暑い風が、窓から甘い香りを運んでくる。バルコニーの下に繁る月下香の花の香りだ。気だるさをもよおすその濃密な香りを、わたしは深くすいこみため息とともにはきだした。就寝前の用事を済ませた侍女が退出したあと、アンドレがショコラを持って部屋に来るのを待つのが日課だ。長い間繰り返された日常の習慣だが、たがいの思いが通じあってからは、その時間の待ち遠しいことといったら、自分でもおかしくなるほどだった。朝から晩まで衛兵隊でもずっといっしょにいるというのに、今この時も彼に会いたくてたま
勢いで書いておりますので違和感を感じてもスルーして頂けたら嬉しいです。✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣✣イトシイイトシイイウココロ⑨「医仙様から良い匂いがするのです」「それは何時もの事ではないのか?」「あぁ、石鹸?というヤツですか?それもですが、何か清々しい香りが・・・」少し間の後、「あぁ、匂い袋という物ではないのですか?」「匂い袋?」「医仙に頼まれてチャン侍医が作った様なのです。気持ちを落ち着かせる効果があるらしく・・・」「へぇ、医仙様の為にチャン侍医が作ったの
ルージュの伝言「ねぇはるか、この口紅の色はどうかしら?ケバくはないかしら?」そう僕に聞くみちるの朝は鏡台の前で口紅の色を決めることから始まる。そして決まって僕に善し悪しを訪ねてくる。「みちるはどんな色の口紅も似合うよ」決まって肯定して褒めるのが僕の役目だ。「やっぱりダメだわ。気に入らない」「何がだよ。大丈夫だって、自信持ちなよ」彼女はとても自信に満ち溢れていてプライドが高いが、唯一その自信が無いのが口紅の色合いである。と言うのも前に夜天光ってアイドルに口紅の色について一刀両断
憧れのプロポーズある?▼本日限定!ブログスタンプあなたもスタンプをGETしよう花男:二次創作小説「Inclusion」より抜粋ベッドサイドの窓から昇る太陽が見えた。抱き寄せられた腕の中で、その胸に頬をつけて微睡んだ。静かに整い始めた類の心音を聴きながら、心地よい眠りに誘われる。不意に、耳朶に触れた類の指先。「類....?」頬をやさしく触れられたかと思うと、キスで意識を戻された。「俺と結婚してよ。ずっと一緒がいい」
※韓国ドラマ「100日の朗君様」の最終回後の設定です。※最終回のネタバレ含みます。※捏造過去シーン、R18っぽい表現あり。※画像お借りしてます。韓ドラ「100日の郎君様」感想は↓『韓国ドラマ「100日の郎君様」感想(※ネタバレ注意)』おはようございます。一昨日2020年の仕事納めができたsusemiですこれで視聴した韓ドラ「100日の郎君様」の感想をゆっくり書けますあらすじ「不滅の恋人」に…ameblo.jp完全に妄想小説(しかも超長い…)ですが、それでも良い方のみどうぞ~「ソクハ
底から①ゆらゆら。揺れているのは船か、はたまた自分か。ふと漂う波の薄暗い隙間から白い肌が見え、まさか噂に聞く妖という奴だろうか?浮遊感に任せながらそれを掴もうと手を伸ばしたが――。触れたのは、ただの冷たい水だった。確かに今白い肌の・・・「まさか下に何か沈んで・・・」しかし、ヨンの後ろから波間を覗く様に見ている顔が映りヨンは顔を上げ振り返る。「あぁ何だ、メヒか」メヒが持っている灯篭で彼女の顔が暗闇にぼんやり現れ、その顔が波間に映りこんだのだと思い漸くヨンは身体を起こした。小舟
「諸伏警部あての小包みの件2年後の言い訳(5)」です。この先の文章は、私が書いた二次創作小説「諸伏警部あての小包みの件」シリーズの言い訳を書いたものになります。小説本編は、「諸伏警部あての小包みの件(3)」~「諸伏警部あての小包みの件(10)」までとなっています。単行本派、アニメ派の方にとっては、盛大なネタばれなため、ネタばれが嫌な方は、お読みにならないことを、オススメします。また、二次創作にご理解頂けない方も、お読みならないことをオススメします。『名探偵コナン』作者及び出版社とは、
※少し原作やドラマに被る部分がありますが、あくまでもこの話は“空想的幸福論の二人”ですのでそのつもりで読んで頂けるとありがたいです✨。空想的幸福論[まとめ・後]長いのでお暇な時にでもどうぞ(^ω^)_凵2人のベッドシーン、描写は省きました。[2023.02.28]朝まだ日が昇る前に二人は目を覚ました。「夢の中でまた寝れるのだな・・・ふむ」「どこに感心しているの?チェヨンさん・・・」男性を自分のベッドに招き入れるなど人生で初めてで、ウンスに覆い被さって来るチェヨンに激しく動揺し、暫
空想的幸福論[まとめ・中][2023.02.28]※[前]から読んでね(・∀・)「ばっかじゃないの!!」突然のウンスの怒鳴り声に、チェヨンは唖然と口を開けたまま怒るウンスの姿を見ていた。「そういう気持ちが今まであって貴方を見守っていたんじゃない!何で少しも気付かなかった訳?親切心でしていたと思っていたの?」乙女心をわかっていない!と声を上げ再びウンスが怒り出す。だが、チェヨンは怒られている意味がわかっていないのか、呆けた顔のまま黙って見ているだけだった。「機械云々に興味が無いとか
空想的幸福論[まとめ・前][2023.02.28]※長いのでお暇な時にでもどうぞ(^ω^)_🍵『イマジナリーフレンド』私は小さい頃からそんな者が見えていたらしい。らしいというのは、まだ5歳だった私はそれが何なのかわからず両親に友達が出来たと嬉しそうに話し、両親も疑問に思わず、『良かったね』と笑顔だった事を今でも覚えているからだ。だが、1週間程経った頃、その友達の姿を見ないと両親は不思議がり私に尋ねて来た。『
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△蝶が舞う頃に②「医仙・・・」「近くに来ないで・・・」「・・・・・」ヨンとウンスの会話に近くにいた迂達赤隊達は顔を見合わせる者、様子を伺う者、それぞれいたが、それをチュソクが手で払い見るなと散らしていた。だが、そんな彼もまた二人の様子に沈んだため息を吐いている。・・・江華島で慶昌君様を連れ逃げている時は、あんなに仲睦まじく見えたのだがな。まぁ、それも仕方のない事かもしれないが。幼くそして少し臆病でそれでも無邪気な笑顔だった小さな王様
とある一つの物語【後】③終数日後、王妃と共に元から来ていた女官が王宮の外で遺体となり発見された。女人の口や耳から出血し、どうやら鼓膜も破裂している。自らでとは言い難い状態にチャンビンが何とも言えない表情になった。「体の内から、何かがあったのは間違いないのですが」そう言いチャンビンの眼差しは部屋の壁に背を付け、話を聞いていたヨンに向けた。「・・・何だと思う?」「内功だと」「ふん」「“生き残り”では無く、これを武器として生業にしている者がいるのだと・・・」“生き残り。”とはいえ
※こちらの話はあくまでも“契約恋人”のウンス、ヨン、世界設定だと思って下さいませね。契約恋人⑬「多分あの女性、チェヨンの事が好きだったのだと思うけど・・・。数年間待つって中々大変だと思うし」ウンスの言葉に何故かヨンは黙ってしまい、横にいるウンスを見つめている。そして、その問いに答えたのは彼では無く叔母だった。「ひたすらヨンだけを待っていた・・・という訳ではなさそうでしたが」「・・・あ、そうなんですか?」「アン・ジェウクがメヒに従っていたのも、過去に2人の間に何かあった様ですから」
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽ジグザグ6お見合い当日、ウンスは深呼吸を何回もしビルの前に立っていた。お見合い自体が初めてなのだ。昨日漸く田舎の両親に電話を掛け、お見合いの話をすると驚いた父親が受話器を落とし、母親はウンスに延々とお淑やかに、慎ましく、いきなり怒らない様にと言い始めウンスは途中で電話を切った。この歳まで何の話も無いウンスに両親は、娘の性格に問題があるのだと決め付けていたのだと今になって理解した。「何なの?!少しは応援してよ!」ビルのガラスに自分を写して汚れていないか背中を向けて
こんばんは、さこです(*^^*)この夏に彩りを添えてくれた「みなと商事コインランドリー2」も終わってしまいましたね。最終回が放送されてだいぶ日が経ってしまいましたが、思ったことを書かせてもらいます。ぶっちゃければ、最終回はある程度予想できる展開だったのに、それでも楽しめるって何なんでしょうね。このドラマ、オープニングからエンディングまで、スタッフのこだわりや作品への愛が詰まっていて、本当に温かい気持ちになりました私はいつもTVじゃなくて配信で見ていたので、オープニング映像は早送りな
※こちらも短編という、他とはクロスしないお話です。★前記事のお返事は下に載せてあります🙆♀️★契約恋人④次の日にはソウル市に戻り、急いで取った休暇は何だったのか?と疲れたまま出勤したウンスはその日の午後届いた配達物を確認し、更に机に顔を付けてしまった。あれから2日しか経っていない筈なのに、自分のクリニックにチェ製薬会社から今年最新の美容液やコラーゲンパックの試供品がごっそりと届いた。「何これ、何これ?!チェ製薬会社?え?あの会社ですか?」クリニックのスタッフ達もまさかの大企業からの
永久機関と君と⑦奉恩寺に足を進める度にウンスは機嫌が悪くなっていく。元々こういう場所は嫌いな上、自分の前を歩く“メヒ”と名乗る女性がチェヨンの関係者だと知り嫌な予感しか湧かないからだ。女性が絡むのは何時も相場が決まっている。行き着く先は修羅場だ。あの顔とスタイルのチェヨンが女性にモテない訳がない。更に有名製薬会社の次期社長なら彼が手を振り払ってもぞろぞろと寄って来るだろう。・・・もしかしたら、自分もその中の愚かな一人に入るのかしら?チラリとメヒを見ると、長い黒髪を靡かせ細くスタイル
契約恋人⑱「こんな広い部屋を1人で使っているの?」「元は両親が使っていた部屋で、1階上に上がったので空いただけなんだ」そもそもヨンが人事部や他の部署にデスクを置くと皆緊張するのか黙ってしまうという。「貴方が無愛想にしているから不機嫌だと思って声を掛け難くなるんじゃないかしら?」「多分、それだと思う。だから移った」「そこは昔と変わらないのねぇ」笑いながら言うウンスを眉を下げてヨンは見ていたが、インスタントコーヒーしか無いがとそれをテーブルに
※韓国ドラマ「ドリームハイ」の最終回後の設定です。※最終回のネタバレ含みます。完全に妄想小説ですが、それでも良い方のみどうぞ~満員御礼のコンサート会場に、拍手が鳴り響く。この音は、海の向こうにも届いているのだろうか…。今日はヘミにとって100回目のコンサートだった。アンコールも含めて十数曲を歌いきり、拍手と歓声の余韻に浸りながらヘミは舞台袖に戻った。そこには昔馴染みの顔が。お世話になった先生方。かつては一緒にデビューし、切磋琢磨した「ドリームハイ」のメンバーたち。皆が花束と笑顔
※こちらも他とはクロスしないお話です。契約恋人⑮あの怒りは一体どこから薄まっていたのか?はたして本当はチェヨンに対してあの時程の憎しみは残っていたのか?俯く自分に覆い被さり全体重を乗せていないにしても、それでも背中に掛かる硬い筋肉と重さを感じながらウンスはそう考えていた。本来の彼は自分が記憶していた不器用な少年そのままで、彼が悪人で無い事をわかってしまうとふつふつとあった怒りは急速に小さくなっていく。正直な所、自分ではもうこの感情をどう扱って良いかわからなくなっていた。不安、行き場