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今までにも何度か書いたことですが、経験上、ずっと気になっていたことがありました。それは、「受験生」である私が、試験について何かを発言した際の、相手方の反応です。今までの私の友人の反応は、見事に分かりやすく2つに分かれていました。ひとつは、お節介なアドバイスをしてしまった場合に反発されるならまだ分かるのですが、私が単に自分の司法試験についての見解を(あくまでも個人的見解として)述べただけで、「お前は受験生だろっ!」と怒りを露わにしてくるタイプの受験生です(怒らないまでも、苦虫を噛み潰した
今回は、これから司法試験の門をくぐる初心者の方のために、どうでもいい概念の整理をしてみます。いずれもこのブログでよく使う言葉です。こうして実際に整理してみると、司法試験の世界では基本書という概念が滅茶苦茶多義的に用いられていることが分かります。★基本書①受験生がインプット学習において基本とするテキストのこと【メインテキストとしての基本書】②(予備校本との区別を目的として)学者の書いた学術書のこと【学術書としての基本書】③(②の中から特に区別して)体系的に記述された学術
合格(ウカ)る技術/すばる舎¥1,575Amazon.co.jp昨日のエントリーで紹介した「スピードぐるぐる勉強法」(←適当にネーミング)ですが、その方法論を徹底的に突き詰めた本です。頑張って分かろうとしない、理解しようとしない、記憶しようとしない。そうやって、力を抜いて回数をかけていくうちに、理解・記憶が徐々にブラッシュアップされていく。最後には、テキスト全体が手中に収まる・・・。このメカニズムを、様々な角度から、これでもかというくらいしつこく説明しています。著者は、
このブログの頻出概念である「潰す」という言葉の意味について、何人かの方からご質問を受けました。これについては、以前、コメントの返信という形で以下のように書いたことがあります。①単に頭で「覚えている」以上の、使えるレベル②頭で理解している以上の、体で体得しているレベル③100回解いても100回間違えないレベル④特定の問題の処理について質問されたとき、考えて答えるのではなく、脊髄反射的に口が勝手に答え始めるところまで内在化されているレベル要は、40度の熱で朦朧とした意識の中で寝込んでいる
本日は、司法試験の論文試験における問題文の長さから見えてくるものについて、全ての問題類型を俎上に載せて考えてみたいと思います。全ての司法試験系の論文問題を長さ別に分けてみます。①一行問題②短文問題⇒旧司(昭和)、えんしゅう本、120選など③中文問題⇒旧司(平成)、予備試験、ロー入試など(=旧司型)④長文問題⇒司法試験、演習書など(=新司型)⑤超長文問題⇒2回試験などこんなところでしょうか。(2回試験は余計かもしれませんが、いちおう入れておきたいで
何ヶ月ぶりのブログ記事更新かわからなくなってしまいました。書くネタはストックしてあるのですが,なぜか書く時間を確保できません。すいません。リクエストが多かったので,受験生時代に使っていた論証集,判例六法の写真を載せます。写真と,説明と,最後に注意喚起というか,そういうのを書いておきます。ちなみに,私が使っていた論証集はアガルートアカデミーの,総合講義論証集です(リンクは2018年版ですが,私が使用していたのは2015年版でした)。論証集民法譲渡担保の問題を解いていて,処
★昨日のエントリーから(少し)続いています。【適性試験での失敗】私は、適性試験、特に読解以外の論理・分析系の問題(ちょっと前まで推論分析と呼ばれていた分野)に「超」が付くほどの苦手意識がありました。なんというか、まだ何もやっていない段階からアレルギー全開、何もかもが嫌という感じで、すでに方法論としての過去問主義が完全に確立していたにもかかわらず、適性試験については、自分自身で築き上げた方法論に背いて、過去問を一問も解かずに本試験を受けました。模試すら1回も受けませんでした。さら
入門民法(全)/有斐閣¥3,990Amazon.co.jpロースクール生、特に未修者にユーザーが多いテキストです。「入門」とありますが、完全な初学者がゼロから読んで分かるようには書かれていません。入門書に特有の噛み砕いた表現などはなく、最初から最後まで一貫して教科書然とした感じです。したがって、本書は入門書というよりは概説書に分類したいです。本書一冊で司法試験に対応できるか(=本書をメインテキストとして合格まで使用できるか)というと、さすがにちょっと無理があるように思い
新司法試験論文過去問答案パーフェクトぶんせき本〈平成23年〉/辰已法律研究所¥3,675Amazon.co.jp新司法試験論文合格答案再現集上位者10人全科目・全答案〈平成23年〉/辰已法律研究所¥2,625Amazon.co.jp新司法試験論文式問題と解説〈平成23年度〉/法学書院¥3,360Amazon.co.jp新司法試験論文過去問解説と合格者の答案公法系平成18~22年度/法学書院¥2,940Amazon.co.jp司法試験論文
短文事例問題集は今や欠かせないツールとなってきました。司法試験、予備試験の論文式試験は事例問題である以上、事例を通じて法の適用解釈を学ばなければ使える知識にならないからです。そこで短文事例問題集を羅列してみました。難易度低い短文事例問題(吉野勲)短文事例問題(加藤ゼミナール来期より)重要問題習得(アガルート)論文スタ(早稲田セミナー)えんしゅう本(辰巳法律研究所)論文問題集(資格スクエア)問題研究(伊藤塾)難易度高い問題の難しさは旧司論文をベースにしているかによります。
このブログでは、・手を広げる=拡散型の勉強法を批判して、・手を広げない=集約型の勉強法をおすすめしてきました。その際、主な論拠として、教材を潰すこととの関連性を重視してきました。すなわち、①手を広げなければ↓②教材を完全に潰すことができるあるいは、①教材を完全に潰すためには↓②手を広げてはいけないという関係を強調してきました。しかし、手を広げないことの意義は、実はそれだけではないのです。手を広げないことの最大の意義は、失敗し
講師紹介は今日で最後なので、最後に友人の講師を紹介させていただきます。以前、学校の勉強と試験勉強で、根源的に試験に強いタイプとして紹介した人です。総論的な勉強法、具体的な個々の方法論、いずれもこのブログの方針と99%同じです。このブログの内容に共感していただいていた方には、間違いなくどの講師よりもおすすめできます。まず、今まで何度となく同じことを書いてきましたが、もう一度だけ最後に書いておきます。試験に限らず、およそ何か物事を成し遂げるのに必要なことは、次の2つしかありません。
LECのベテラン講師です。講師歴はかなり長い方のようです。伊藤塾系統の講師たちと似たような講義スタイルです。テキスト加工を細かく指示する点で、呉講師に近い講義スタイルなのかなと思います。話し方のスタイルは結構極端です。ざっくばらんに話していたかと思いきや、いきなりもの凄いスピードになったりします。ボソボソとしゃべる感じが良くないですが、入門講座の質は平均点以上だと思います。(getwinintest)
民事裁判入門第3版補訂版/有斐閣¥2,310Amazon.co.jp民事訴訟法の入門書として人気No.1のテキストです。ロースクールの未修クラスの学生にユーザーが多いです。学者によって書かれたものとは思えないくらい説明の分かりやすさに定評のあるテキストですが、なるほど、予備校本や予備校のヘタな講義よりもずっと分かりやすいです。少し前のことです。予備校の入門講座を受講した上で未修に入学した(いわゆる仮面未修の)友人が、同じクラスの純粋未修の学生に「3ヶ月で民訴を抜かれた」と焦
【コメント欄廃止のお知らせ】突然のお知らせで申し訳ありません。最近、無用なコメントが増えてきて、承認・不承認の振り分けの手間が面倒になってきました。特に昨日は、私の対処能力を超える量のコメントが書き込まれ、その大半が論拠を一文字も書かず不快感だけを表明するといった内容で、いい加減、管理人の許容限度を超えてきました。そこで、今後、コメント欄は廃止することにします。【過去のコメントについて】新たなコメントを付けられないように設定すると、過去のコメントも見られなくな
書評をするのはなんかおこがましい気もしますが、需要はあると思うので、、、今日は、民法(全)について書いていきますね。来年の司法試験等は改正民法で行われますが、改正に対応した基本書はまだあまり出そろっていない状態なのかなと思います。明日以降の記事でも民法改正対応の基本書等について書いていきます。あまり長くならないようにしますので、ぜひ参考にしてみてくださいおすすめ度★★★★★(★5が満点)<良い点>・総則~相続まですべての分野がコンパクトにまとまって
海馬に必要だと認めてもらうには、できるだけ情熱を込めて、ひたすら誠実に何度も何度も繰り返し繰り返し、情報を送り続けるしかないのです。そうすると海馬は、「そんなにしつこくやって来るのだから必要な情報に違いない」と勘違いして、ついに大脳皮質にそれを送り込むのです。古来、「学習とは何か」に対して、「学習とは繰り返しである」と言われてきたのは、脳科学の立場からもまったくその通りだと言えます。池谷裕二『最新脳科学が教える高校生の勉強法』われわれは、日常言語を用いるとき、基礎
LECの若手エース講師です。入門講座をはじめ、答練解説など応用系の講座も多数担当しています。3倍速インプット講座などのオプション講座も人気のようです。いたずらに本格的な勉強を好む傾向が強いロー経由新司合格者の中では、さすが同じLECの柴田講師のお弟子さんだけあって、試験重視の姿勢が際立っています。この試験合格を第一に考える姿勢が、工藤講師の一番の売りだと思います。特に絶賛したいのは、入門講座で使用されるテキストです。近年の司法試験受験業界で使われている入門講座
最初に、成績を確認したとき、「不合格」の文字がありました。ぞっとしました。血の気が引くというか…。学部時代も含め、単位は全てとってきましたから、今までに、科目取得不合格という経験がありません。ましてや、それがダイレクトに留年につながるのですが、留年という経験もしたことがありません。そうです。法科大学院(以下、「LS」という。)は、「基本科目の不合格=留年」になる恐ろしさを抱えています。たった1科目でも、また100万円近く納めるのです。ある意味で詐欺です。
こんにちは、ぎんざけです。法律科目には学問科目・スポーツ科目・宗教科目の3つのタイプがあり、そのタイプごとに勉強法が異なります。「学問科目・スポーツ科目・宗教科目って何?」という方は以下の記事を読んでみてください。『試験科目には3タイプある』こんにちは、ぎんざけです。世の中にはいろいろな科目がありますが、大きく3つのタイプに分けられます。この3タイプは勉強方法が全く違っていて、しかもそれを間違え…ameblo.jp以下3タイプにそれぞれ司法試験のどの科目が含まれているか、それぞ
本書は、『講義民事訴訟』の著者・藤田広美先生が、裁判官時代に書いたとされるテキストです。なぜかサイズは大きめのB5版です。よく、講義案(本書)と講義民訴、どちらを基本書にするか悩んでいる人がいるのですが、私には正直、悩む理由がよく分かりません。どちらにするか悩むほど両者は似ていないからです。講義民訴のところでも書きましたが、講義民訴は厳密な意味での基本書ではありません。基本書としてはあまりにも独特であり、もし講義民訴のような本を求めるなら、答えは講義民訴しかあり得な
私は社会人予備試験受験生として、同じような境遇ながら合格された方に逐一コンタクトを取り、総勉強時間等を伺っている。(今まで20人以上の合格者に話を伺っている。)ちなみに、全員その後本試験も合格されている。具体的に聞いている情報は以下のとおりである。①予備試験合格までの総勉強時間と勉強期間②総起案数③入門講義受講の有無と使用クラス④出身大学⑤年齢この中で一番興味があるのは①と②だろうと思う。SNSを見ていてもいい意味でも悪い意味でもよ
おはようございます。すでに2時間前から仕事してます(笑)二男が早く起きてきて、からんでくるのが最近の悩み・・・寝てなよこれから町内会費を払いに町内会館まで払いに行ったり(アナログでしょ)、家事を片付けつつのお仕事です。すでに頭の中が忙しい。明日は過去模試(LEC)に取り組みたいので、頑張って今日中にいいところまで終わらせるつもりです。私だけかもしれないけど、民訴と刑訴がごっちゃになることがある基礎が固まっていないんだろうなぁ~短めですが、今日もぼちぼち頑張りましょう~!
こんにちは・・・5月に入って初のブログですそんなに日がたっていたなんて💦昨日まで、すごく寒くて雨風も強く、すっかり体調を崩してしまいました鼻炎が治らんのですよ。頭痛もしつこいし。そして今日になったら夏のような強い日差し・・・!おぃいいいい私そんなに丈夫ちゃうでぇえええ(エセ関西弁)内心そんな毒づいてますが、接客にはおくびにも出さないところが腐っても保険出身(笑)とはいえ、今の仕事は「やらされてる感」が全くないので、仕事が多くなってきてもお客様と接するのは嬉しいし楽しいです
追記、なのかはわかりませんが、他の今年の予備受験生が読んで不愉快にならないようなことを書いて行きます。1検閲の判例定義言うほどこれを本試験で書く機会はないのですが、簡単に覚える一つの方法です。行頭が、50音順に並んでいることに着目してください。(ぎ)行政権が主体となって、(し)思想内容等の表現物を対象とし、(そ)その全部または一部の発表の禁止を目的として、(た)対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、(は)発表前にその内容を審査した上、(ふ)不適当と
独学で合格を目指したい方、個別指導をしています。詳しくはこちらをどうぞ。このブログは僕の体験記の8回目です。今回は選択科目です。前回の記事を読みたい方はこちら。難易度僕は、選択科目の勉強は、予備試験の論文の後に始めました。司法試験当日から逆算すると、だいたい半年前からです。当時は、コロナのいろいろがあって、予備試験合格から司法試験まで3か月しかありませんでした。でも、なんとかなりました。だから、そんなに心配しなくてもいいと思います。そこまで難しい論点は出な
★このブログは、2011年7月から2012年12月まで本体部分が書かれ、その後、約11年にわたり断続的に加筆・修正を行ってきましたが、2023年12月をもって完全に終了しました。(2024年1月1日)********************ブログのおすすめエントリーを、50個選んで貼り付けておきます。・勉強法関係・司法試験・ロースクール関係・予備校関係・その他以上の4つのカテゴリーに分類しました。タイトルの文字を大きくしているエントリーは、おすすめのものです
こんにちは、ぎんざけです。今回は試験に合格するために必要な実力について投稿します。試験前に不安になったときにぜひ読んでもらいたい記事です。具体的に言うと「合格点60点の試験に確実に合格するには何点の実力が必要か?」という話です。直感的には「60点の実力でいいのでは?」と思いますが、それで試験を受けると50%の確率で試験に落ちるのでお勧めしません。逆にいくら勉強しても「当日ぶれて落ちるのでは?」という不安がつきまといますが、当日のぶれも含めてどのくらいの実力が必要かというのは統計
民法のメイン基本書を分野別(総則・物権・担物・債総・債各)にバラして揃え始めてみたりすること。こういうのが、試験対策からズレ始める第一歩目の典型パターンです。(あと、たとえば憲法の4人組を基本書として採用し始めるときなんかもそうです)多くの受験生が、だいたいこの辺から間違え始める気がします。こういうこだわりが出てきたら、まずはそうしたくなる自分を警戒すべきです。そもそも、司法試験に合格するのに基本書を使う必要なんか全くないわけです。そもそも使う必要のないところに、さらに
⇒処理手順の進化史からのつづきです。前回、「紛争構造型」が処理手順(思考方法)として最善の方法論であると述べました。今回は、その思考をもとにした答案の書き方について、2つの型を提案します。【あてはめ一貫型】【1】あてはめ→【2】条文→【3】論点→【4】あてはめ型答案の書き方といっても、ここで別段特殊なことを書くつもりはありません。予備校の解答例のような一般的な答案の形をここで否定するつもりはありません。ここでは新たな型を提案するのではなく、既存の型の説明の仕方を