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「妓女列伝」執筆のため金瓶梅を読み返していたところ、ふと金瓶梅のヒロイン格である六人の妻妾達の人間関係が気になったので、ちょっと書き留めておきます。藩金蓮と呉月娘そもそも金蓮が夫を殺して西門家に入ってきたことは他の奥方達も了承済みで、最初の印象ははっきりいって良くなかった。そういうこともあってか、嫁いで間も無い頃の金蓮は正妻である呉月娘のご機嫌取りに尽くしている。そのため、二人の関係も最初は良好だった。しかし金蓮が凶暴な本性をむき出してくるにつれ、呉月娘との仲にもひびが入っていく。普
中国古典文学大系〈52〉戯曲集上(1970年)/平凡社¥1,365Amazon.co.jp今回ご紹介するのは中国戯曲の中でもとりわけ有名な「西廂記」。旅の書生、張君瑞と宰相の娘である崔鶯鶯の、身分を超えた恋愛を描く。いわゆる「才子佳人小説」のハシリ。才子=インテリ貧乏書生と、佳人=宰相やら身分の高い人間の一粒種が恋に落ちて結ばれるという物語。西廂記はもともと唐代の伝奇「鶯鶯伝(またの名を「会真記」)」がもとになっており、元代に作者の王実甫によって後のテキストの基本となる完成形
みなさん、こんばんは。おはようございます。こんにちは。元銀行員の中小企業診断士で、産業カウンセラーで、メンタルレスキュー協会認定UCPC(うつクライシス専門カウンセラー)の「しゅん」こと、本多です。このブログをご覧いただき、有難うございます。実は私が事務所として借りている賃貸マンションの管理会社が3月末に突然、「管理会社が変わります」とエレベーターに貼紙がされてました。私は「そうかぁ、振込先が変わるだろうなぁ、もしかしたら家賃の改定も言われるかもなぁ」と思っていました。すると、4月6日
紅楼夢全6巻DVDBOX/コニービデオ¥18,900Amazon.co.jp紅楼夢といえばいわずと知れた中国古典の最高傑作。中国大陸で紅楼夢の映像化は数あれど、本作はその中でも最も有名なバージョン。ちょうど大陸のドラマ黎明期に制作されたこともあり、色々と気合が入っている。何せ大観園のセットを実際に立ててしまったほど。制作期間には三年を費やし、キャストは中国全国から原作のイメージに沿った人を探し出すなど、さすが中国。やることが大胆。曹雪芹による原作は八十回までなので、87年ドラマ版
うちの子達2人とも、小学校低学年ですが、言語理解指標が150〜160あります。言語IQというものですね。160がMAXらしいのですが、じゃあ言葉なんでも分かるか?と言った分かっていません。全然わかっていませんよ!私がIQって…と思うのはそういうところです。うちの子達より言語理解が進んでいる子は、これ以上指標がないということですが、大丈夫なのか。はい、辞書ひいてとよく言いますし、もっと文字の文学と言われるものを読まないから文章構成のレパートリーが少ないのよとも言いますし今日、中国古
ジャンプするとき一度はしゃがむこの言葉を簡単な言葉にすると、【バネ】です。中国古典では【曲全】。人間は高く飛ぼうとするとき、一度はしゃがみこみ力を蓄えます。そして、力を込めて高く飛びます。何かを始める時、一時的にはパフォーマンスが落ちるものです。それを我慢して自分のものにしたとき、新しい自分が産まれるのだと思います。競技の世界ではそれをスランプとか不振と言われますが、この我慢が出来ている方こそ、人間的に素晴らしい方だと考えます。今日すぐに出来たことは、明日には出来な
金瓶梅の登場人物について西門慶……主人公。妻と妾のみならず、下女や娼妓にまで手を伸ばして放蕩三昧の毎日を送る。最初は薬商だけだったが、後に糸屋や質屋を開いて商売を広げたほか、官職を手にいれて思いのままに。友人達もろくでもない連中ばかり。普段から本当にだらしないんだが、商売関連の切り盛りや悪事に感じては抜け目が無い。金のやりくりに関しては割と妻の月娘にちゃんと相談したりと、一家の主としての体裁は保たれている様子。実際、西門家は彼なしでは成り立たない。下巻で彼が死んだあと
漢・魏・六朝・唐・宋散文選中国古典文学大系23【中古】5,880円楽天唐代伝奇の一編。作者不詳。短編ながらも、後の神仙ジャンル小説のエッセンスが色々詰まっている、非常に興味深い作品。あらすじ幼い頃、不思議な尼にさらわれた聶隠娘は、神仙の技を習得して家に戻ってくる。やがて彼女は夫と共に節度使の劉に仕え、襲い掛かる刺客を倒していくが…。主人公・聶隠娘の「師匠が謎の仙人」「仙丹を飲んで強くなる」「体内に隠せる不思議な得物」といった設定は、後代の小説で同じパターンがよく見
2018年8月30日木曜日晴れNo.7558月もあと一日。日に日に秋めいてくるのでしょうか?それにしてもまだまだ暑いですね。【三端(さんたん)の会】先週の日曜日ですが、月に一度の勉強会『三端の会』に参加してきました。三端の会とは、古典や偉人の名言、歴史を通じて、日本人の心を学ぶ本気の勉強会です。会の名前(三端)の由来は、吉田松陰が説く「人間が実践すべき大切なこと」が①『立志』志を立てること②『択交』交わりを択ぶこと③『読書』書を読むことの三点(三端)に要約できる、
思痛記(1947年)(寳雲舎中国文芸叢書)Amazon清代の文人・李小池の記録文学。咸豊~同治年間における太平天国軍の虐殺行為を、間近で体験した作者が記したもの。世界史でこの時期の中国を学ぶと、どうしても阿片戦争やアロー戦争といった西欧列強による侵略事件に目がいきがちだが、真に清朝を苦しめたのはこの太平天国の乱だろう。清代の宗教反乱でもとりわけ規模が大きく、完全な鎮圧まで十数年かかっている。列強に対しては進んだ文化や軍事力を見せつけられた精神的ダメージこそ大きかっただろ
【中国古典を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第194回です。《菜根譚》からご紹介します。【書き下し文】『陰謀怪習(いんぼうかいしゅう)、異行奇能(いこうきのう)は、倶(とも)に是(こ)れ世を渉(わた)るの禍胎(かたい)なり。ただ一個の庸徳庸行(ようとくようこう)のみ、便(すなわ)ち以(もつ)て混沌(こんとん)を完(まった)くして和平(わへい)を招くべし。』《菜根譚前集178》【訳文】「陰謀や奇習、風変わりな行為や珍しい能力は、いずれも世間を渡るうえで起きる災いの原因である。ただ