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ローマ人の物語Ⅹすべての道はローマに通ず塩野七生著新潮社2001年12月20日発行このローマ人の物語Ⅸまでの巻と異なった趣である。というのも、今までは編年、あるいは皇帝ごと、にしていたのに対し、この巻では、「インフラ」に焦点をあわせて著述しているからである。前書きでは、読むのが困難かもしれない、と断っておられた。しかし読み進めてみると、これはこれでたいへん面白い。今までの歴史の著述の中では、やれ街道を進んでいった、橋を渡った、風呂に入った、などなどあっても、話自体は
人間、「ルビコン」を渡った以上は、突っ走るしかないのだった。(塩野七生『ローマ人の物語』31)ルビコン川を渡ったのは、帝政ローマの礎を築いた質実剛健の天才・ユリウス・カエサルですね。この川を渡る時に言ったとされる「賽は投げられた」も有名でございましょう。紀元前のおはなしで、当時カエサルはガリア※の偉いさん(総督)だった。(※今のフランスとかベルギー、スイス・オランダ・ドイツにまたがる地域)本国ローマと険悪になり、(いろいろ紆余曲折はあるみたいだけど
ユリウス・カエサルの言葉の中で、私が最も好きなのは次の一句である。「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」塩野七生著ローマ人の物語14パスク・ロマーナ(上)より人は見たいものしか見ないのだから見たくないものの変化には気付かないことが多い。だから、小さな、小さな改革から始めよう。間違い探しの絵のように、ちょっと見ただけでは、変化に気付かれることはない。