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(プーシキンの妻ナターリア・ゴンチャロワ)とてつもない矛盾を孕んだ国、ロシア。この広大な国は温厚な優しさと執念深い残忍さ、中世さながらの迷信めいた信仰心と豪華で放埓な華やかさが同時に存在している摩訶不思議な国。ロシア貴族は光り輝く巨大なダイヤモンドをつけながら、ロシア貴族たちの半数が文字を満足に書けず、三分の一の人々は読むのでさえ困難だった。さらにフランスコンプレックスのあるロシア貴族たちは、驚くべきことにロシア語よりもフランス語を得意とした。(大尉の娘、オ
ウラジーミル・ソローキン著、望月哲男・松下隆志訳、『青い脂』を読みました。河出書房新社の単行本です。***今回も、本のお供は指輪を誇らしげに持ったエリーちゃんです。つまり、この本も大好きなダーリンからのプレゼントなのであります。『ソラリス』と『忘れられた巨人』と、この『青い脂』の三冊をプレゼントしてもらったのです。ダーリンにもらった本はこの『青い脂』を最後に読みきってしまいました。…新しい本、おねだりしようかな?本は自分で選ぶのが基本ですけど、でも、大好きな人に選んでもらうと
ドストエフスキー言わずと知れた世界の文豪.カラマーゾフの兄弟や罪と罰といった大作は超有名です.が、難解で冗舌.読みづらいったらありゃしない.挑戦して諦めた人も多いのではないでしょうか.これがロシア文学か、と.尻込みしてしまうかもしれません.しかし、ドストエフスキー、大作ばかりではありません.なんと童話を書いています.短いです.8ページです.今回はその童話を紹介します.「いざカラマーゾフ」と言う前に「とりあえずドストエフスキー1つ読んだぞ」と、ドストエフスキー作品の取
☆以下感想文というより「備忘録」といっていい文章です。小説の内容についての「ネタバレ」も出てしまうと思うので注意してください。☆自分の先入観としてドストエフスキーは、イデオロギーとして長きにわたって社会主義に賛同していたのではないか思っていた。実はそうではなかったようです。ドストエフスキーはずっと社会主義者であったのではないかと誤解してしまう原因となったペトラシェフスキー事件について書いておきます。ウィキペディアからの引用【引用開始】ミハイル・ペトラシェフスキー
前々からトルストイを取り上げたいとは思っていた。しかも長編代表作の一つでもある、『復活』を。だが幾分、長い。論点も多すぎる。そこで今回はシリーズのナンバリングタイトルとしては扱わず、何度か読み返した現時点での感想文的な何かを書いてみる。底本として用いたのは、岩波文庫版(藤沼貴訳)だ。復活上(岩波文庫)Amazon(アマゾン)Amazon(アマゾン)で詳細を見る楽天市場で詳細を見る${EVENT_LABEL_02_TEXT}復活下(岩波文庫)A
自宅から少し離れているいつもの散歩道。エゴノキの花が満開です。こういう少し地味でも美しい花は良いです。今日までがなんとなくGWモードだったような気がします。明日からは通常モードで、そのまま平日休みがない6月に突入。疲れたら休みますけど、連日雨の6月が良いのか、雨の少ない暑い6月が良いのか?やはり6月は雨、ですね。外国語学習と読書は、月曜から「フランスもの」に戻ります。フランス語はさしあたって全く実用の予定がないから、学ぶのは気楽です。まずはバルザックを数編呼んで、飽きたら作家の
※この記事ではドストエフスキー著江川卓訳『罪と罰』(岩波書店2013年)を扱っています。今日ドストエフスキーの『罪と罰』についてこんな話を耳にした。主人公ラスコーリニコフが、質屋の老婆を殺害する場面で、老婆自身は斧の「峰」で殺されているのに対し、その義理の妹であるリザヴェータは斧の「刃」で殺されているというのである。確認のため本文の該当箇所を引用してみる。まず質屋の老婆アリョーナ・イワーノブナが殺される場面である。もう一瞬の猶予もならなかった。彼は斧をすっかり取りだし