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今日は卵管についてお話してみようと思います。子宮、卵管、卵巣はこういった位置関係になっています。いつもHMGフェリング等で大変お世話になっておりますフェリング・ファーマ様のHPから拝借いたしました。子宮と卵巣をつないでいるヒモ状のものは「卵巣固有靭帯」と言って、これはただつないでいるだけです。排卵した卵子は、おそらくは同じ側の「卵管采」から卵管に取り込まれ、図でいうと向かって右側の太い部分で精子と出会って受精します。受精した受精卵は1週間弱かけて子宮内に到達します。自然妊娠における妊娠
顕微授精(ICSI)において、大切なのは精子調整・精子選別と、受精率向上です。精子調整には、いわゆる通常の濃度勾配・遠心分離による方法と、ZyMotのようなスパームセパレーターによる方法があり、一般的には後者のほうが精子選別過程においてDNA損傷を少ない精子が回収できると考えられています。ZyMotなどのスパームセパレーターは、濃度勾配・遠心分離による精子調整の代替であるわけですので、精子選別というよりは、精子調整法の種類といったほうが正確ですが、結果的にDNA損傷がより少ない精子を回収す
Q7月に42歳になります。自然妊娠と人工受精で化学流産1回と初期流産2回。体外受精1回目5日目胚盤胞4AA移植→化学流産2回目6日目胚盤胞4CB移植→陰性凍結胚盤胞7日目胚盤胞3CCありこちらは妊娠率もかなり低いし流産率も高いと思うので移植する価値があるのか悩んでます。A確かに妊娠率は低いかもしれませんが、最後の胚で妊娠・出産される方は意外とおられますので、せっかくですから移植してみるのが良いと思います。通常、良いと思われる順番に移植しますので、最後の胚は最も良くない
Q妻47歳、夫51歳37歳結婚38歳自然妊娠、約3週間で稽留流産その後、自然に妊娠できるだろうと思い仕事や趣味に夢中でただ時間が過ぎていきました。とても遅いのですが45歳の6月にAクリニックに電話をし7月から治療を開始しました。Aクリニックでは45歳以上は体外受精の治療を受け付けてなく人工授精を3度しました。全て陰性でした。これではダメだと思い、不妊治療だけを専門としているBクリニックに転院して現在に至ります。46歳の1月から今のクリニックに通っていますのでちょうど1年になります。
本論文は、子宮内膜症の食事療法による効果を検討したものです。HumReprod2023;38:2433(オランダ)doi:10.1093/humrep/dead214要約:2021〜2022年に病理あるいは画像検査で子宮内膜症と診断された女性で、生理痛・性交痛・慢性骨盤痛のVASスコアで3/10以上の痛みスコアを提示した62名を対象とし、食事療法群(低FODMAP食群、子宮内膜症食群)、食事療法をしない群(対照群)の3群に分け、半年間の治療効果を前方視的に検討しました。食事療法
Q随分前にもメッセージお送りしてお返事をいただいたことがあります。その節はありがとうございました。42歳、第二子不妊治療中第一子は39歳時、タイミング法1度目で妊娠、出産しました。一歳を迎えてから、再度産婦人科へ行きタイミング法を行い、しばらくしても結果が出なかった為、通いやすいところにある不妊治療クリニックへ転院。仕事復帰なども重なりなかなか思うように通えない時もありましたが、今年1月から体外受精に切り替え、採卵移植をし三回目の移植が陰性だったタイミングで、休診日があったり最低限の
Q着床障害について伺いたいことがあります。私は34歳から37歳まで体外受精をしました。夫の精子は量、形状、運動量ともに常に成績は良かったので、初めこそスプリットで顕微授精も試しましたがほとんど体外受精でした。私のAMHは比較的高く、また正常胚率も50%でしたので移植胚作成の段階で躓いたことはなかったのですが、とにかく着床しませんでした。合計30個近くday5胚盤胞を移植し、その中には正常胚も3個ありましたがいずれも結果が出ませんでした。16回のうち10回はリプロで移植しているので、松林先生が
本論文は、ERA検査の有用性に関するメタアナリシスを行ったところ有用性が乏しいことを示しています。F&SRev2022;3:157(ベトナム)DOI:https://doi.org/10.1016/j.xfnr.2022.06.002要約:これまでに報告されたERA検査の有用性に関する17論文(ランダム化試験4論文、コホート研究13論文)のメタアナリシスを実施しました。評価項目は、着床率、臨床妊娠率、妊娠継続率、出産率、流産率です。結果は下記の通り(有意差ありを赤字表示)。
本論文は、黄体ホルモン補充として、デュファストンとウトロゲスタンを比較したランダム化試験です。HumReprod2024;39:403(ベルギー)doi:10.1093/humrep/dead256要約:卵子提供女性30名(35歳未満、月経周期整、AMH正常範囲、BMI<29)を対象に、アンタゴニスト法+FSH/HMG製剤+ダブルトリガー(hCG1,000IU+トリプトレリン0.2mg)で卵巣刺激を行い採卵を2回実施しました(1ヶ月以上間隔をあけて実施)。採卵後、デュファストン
外来において、色々な局面で患者さんから吐かれる弱音は色々ありますが、間違いなくトップ3に入るのが「うまくいく気がしない」。もちろん、ほとんどの方は最初からそんな気持ちで治療していたわけではありません。きっと初めて不妊クリニックの門をくぐった日は、大きな不安もありながらも、期待もあり前を向いて受診したことでしょう。しかし、いつしか、採卵がうまくいかない、あるいは移植したが判定陰性、幸運にも妊娠できたがあと少しのところで流産、様々な喪失体験が心を蝕みます。そしてあなたは毎日思います
先日、長女が4歳の誕生日を迎え、念願の第2子である次女が間もなく1歳の誕生日を迎えます。2人ともリプロ東京で授けて頂き、桜の咲く季節に私達夫婦のもとに生まれてきてくれました。1人目は他院での治療で結果が出ず、採卵2回、移植5回(全て陰性)を経てリプロ東京開院のタイミングで転院、採卵1回、2回目の移植で長女を出産しました。当時40歳にも関わらず初診から陽性判定まで僅か3ヶ月、そのスピード感と結果の早さにただただ圧倒されました。自身が一人っ子だったこともあり、早い段階から2人目を意識して
Q2024.1.3「Q&A3895PGT未実施胚が着床し、PGT正常胚が着床しません」で回答をいただきました。その際は、大変貴重なアドバイスをいただき、本当にありがとうございました。その後、モザイク胚は移植せず、採卵と胚移植をしました。2024年1月、フェマーラルトラールゴナールエフブセレリン+オビドレル、採卵16個、体外受精6個受精、胚盤胞3個凍結(5日目4BB、5日目3BC、6日目4CC)2024年2月、自然排卵周期、ウトロゲスタンルトラールプロギノーババファリン(プロ
Q41歳他院で初期胚移植2回(1個移植と2個移植)し陰性のため、リプロへ転院採卵2回、移植2回陰性(G-CSF+初期胚1個移植、SEET法+胚盤胞2個移植)移植3回目(PGT未実施の胚盤胞2個、スクラッチ、エンブリオグルー、ピシバニール、プレドニン、ヘパリン、バイアスピリン)で妊娠しましたが、7週で稽留流産(心拍確認できず)になりました。なお、流産胎児絨毛染色体検査は提出していません。採卵2回でPGT-A正常胚2個見つかりました(正常率50%=2/4)。夫婦染色体検査正常。その後
Q昨年CD138でひっかかり、治療→再検査→再度ひっかかったので再治療をし、今年の4月に子宮鏡検査をしたところ、慢性子宮内膜炎の所見が見つかって治療→CD138再検査しました。その後の移植で陰性(これで3回目の移植で、1回目は初期胚1つ、2回目は5日目胚盤胞を2つ、3回目は6日目胚盤胞を2つ、と合計5つの胚を移植していますが、かすりもしません)だったため、ERA検査を勧められました。ERAを受けるなら、EMMA/ALICE(未検査です)も一緒に受けたら?と主治医に提案されましたが、私の中で、
なかなか妊娠しない時に、とりあえず検査に行かなきゃとは誰しもが思うのですが、そこでハードルになるのが「痛み」。特に、子宮卵管造影(HSG)って痛いんですよね、というのは、よくある質問です。子宮卵管造影が痛いパターンというのはいくつかあって、1)生理痛が重い方2)子宮の痛みを感じやすいタイプの方3)卵管が詰まっている方(検査してみないと分からない)4)緊張しやすい方・痛みを感じやすい方5)子宮頚管を見る器具(クスコ)が苦手な方6)前屈・後屈が著しく強く検査しにくい場合7)担
Q2023.1.7「Q&A3534家庭菜園を楽しみにしていたらFSHが下がりました」、2023.2.4「Q&A35623534の続き」、2023.6.10「Q&A3688家庭菜園に熱中してたらFSHが低下し自然排卵」の続きこんにちは!先生のアドバイスのとおりに、コツコツと順調に夢のように進んでいます。本日子宮鏡をはじめてやりました。子宮の入り口が狭いから麻酔をした方がスムーズに行くかなと言われ、どうにか午前中に無事に終わりました。「子宮の中は何も問題がなく綺麗です。綺麗なの
Q不妊治療約2年、46歳3月の採卵を最後とし、現在凍結している移植を待つのみです。前クリニックでは、新鮮初期胚を何回か移植したこともありますが着床しませんでした。現クリニックでも、胚盤胞までなかなか育たず、現在はグレード3.5(良好胚)9細胞が1つと前核期胚3つの合計4つを凍結しています。年齢的にも卵の質はあまり良くないことはわかっていますが、最後の移植に向けて最善の方法で移植したいです。今後移植するにあたって、個数(2個、3個など)や胚の組み合わせなどアドバイスいただけたらと思って
Q2021.1.7「Q&A2802遠方かつ土日祝日のみの通院でも大丈夫?」で質問した者です。3年ほど前にリプロ大阪にてオプション検査を受けました。その際、プロテインS活性の値が66%であり、松林先生からは、「プロテインS活性が△。妊娠6週で再検査して、30%未満だったらヘパリンとバイアスピリンを要服用。妊娠したら誰でも30%程低下するが、66%の場合、低下しても36%なので大丈夫だろう。1%くらいの方がひっかかる。」とのことでした。このたびようやく妊娠6週を迎える事が出来たため、プロテイン
不妊治療を始めるのにはとても勇気が必要だったと思いますが、治療にはいつか終わりが来ます。それが、妊娠出産という形でハッピーエンドを迎えられれば素敵なことです。できることなら、お子様を望まれる皆様がそうなるとよいなと常日ごろから思ってはいますが、残念ながら、最終的にハッピーエンドとなることなく治療を終えられる方もおられます。採卵、受精、胚発生、着床、流産、どこでつまずくかは人それぞれですが、不成功体験が積み重なってくると、「治療を続けてもうまくいく気がしない、いつまで治療を続けるのがよ
本日BT8を迎えました!判定日まであと3日ですBT3から我慢できずに始めていたフライング検査の画像も最後らへんに載せます!まずは、体調振り返りBT5空腹時にムカムカする足の付け根がだるいお湯っぽいおりもの子宮全体が張ってて重い胸がチクチク痛い強めの腰痛BT6足の付け根がだるいお湯っぽいおりもの下腹部痛腰痛軽く目眩BT7朝方ムカムカお湯っぽいおりもの下腹部痛腰痛BT8本日朝方ムカムカ→何回かオェッとなるお湯っぽいおりもの→うっすらピンクがまじる
Q私は不育の治療のため、昨年の2月16日~ガンマーグロブリンの点滴5日間とヘパリン点滴を開始し、ヘパリンは退院後の4月4日~自己注射にし8月末に終了しました。自己注射中は肌が腫れるかゆくなることはありましたが、出産後の3月になって今日までも急に痒くなり、ぷくっと虫に刺されたように腫れてしまっています。それも、ヘパリンを打った左右お腹と太もも箇所です。一日に一回以上交互に出たり治ったりを繰り返しています。皮膚科にいきましたが塗り薬は効いているのかよくわからずです。蕁麻疹と言われました。今は皮膚科
Q30代前半、移植9回陰性次の移植前に、医師から子宮内膜の全面掻爬の提案がありました。エコーで子宮内がボコっとしているようで、ポリープ等がある可能性もあるとの事でした。ポリープ等がなくなり、子宮内の環境が良くなる事を期待していますが、先生の見解を教えていただけますと幸いです。2013.8.3「Q&A33子宮内膜掻爬のあとは、、、」の記事で、松林先生が子宮内膜掻爬術についての質問に答えてらっしゃるのを拝見しました。移植時の子宮内膜は毎回10ミリ程度の厚さになっているので、今まで薄いと
本論文は、AMHとビタミンDの関係ついての横断研究です。FertilSteril2024;121:642(米国)doi:10.1016/j.fertnstert.2023.12.023要約:2010〜2012年に23〜35歳の子宮筋腫のないアフリカ系アメリカ人あるいは黒人1,593名の女性を対象に、25OHビタミンD濃度とAMH値測定を行い、その関連性を検討しました(SELFスタディ、theStudyofEnvironment,LifestyleandFibroid
Q47歳、妊娠9週44歳:正常胚をホルモン補充周期移植で妊娠、帝王切開で出産今回は、42歳採卵時の初期胚(8G1)を自然排卵周期で移植し妊娠、一卵性のDDツイン(二絨毛膜二羊膜双胎)、7週6日にて1人心拍停止でバニシングツイン。一卵性双生児だと全く同じ染色体であること、初期流産は6〜8割染色体が原因であると認識していて染色体異常による障害やこの先無事に出産できるかとても不安です。染色体の問題以外にもたくさん障害はあるとは分かっているのですが。この先、出生前診断を受けてから怪しそうで
2022.8.16「嬉しい報告とQ&A33903BCと4CCで出産」の後日談私は3年タイミング指導、7回人工授精をして初めての体外受精で授かりました。原因不明の不妊であったため、お試しで体外受精を一度だけしてその後は治療をお休みしようと夫婦で決断していました。初体外受精で今回限りとしていたのでクロミッドを飲んで2個採卵、病院がGWに入るので移植できず凍結して翌月移植になりました。2個ともグレードの悪い胚(3bマイナスcマイナス、4cc)でガッカリしましたが、担当医は移植してみないと分からない
本論文は、抗リン脂質症候群(APS)の新しい分類基準を示しています。ArthritisRheumatol2023;75:1687(全世界)doi:10.1002/art.42624要約:ACRとEULARは、次の4つのステップから、抗リン脂質抗体症候群の新しい分類基準を作成しました。1)文献レビュー、2)必要な基準の削減、3)重み付けと閾値決定、4)検証です。新しい基準は下記の通り(要点のみ記載)。臨床所見3点以上と検査所見3点以上を3年以内に満たした場合にAPSと診断す
どーもめぐ2ですご無沙汰しております!覚えてくださっている方、ありがとうございますタイトルもちょこっと変えましたよ。いや〜前回ブログからもう1年以上経ってるんですねあっという間でしたが、人生42年間過去一と言っても過言ではないくらい、ほんまに充実した幸せな1年を過ごさせてもらいました願いに願って14年半越しに抱いた赤子は幼児になり、この春から1歳児クラスの保育園へ3月生まれの最年少、まだ独歩は無理、鼻風邪やらインフルやら洗礼を受け、薬漬けになりながらも頑張って登園していますそして同
本論文は、細菌叢(フローラ)と流産の関連についてのレビューです。HumReprod2024;39:638(英国)doi:10.1093/humrep/dead274要約:ヒトの子宮内膜は、母体〜胎児の相互作用を仲介する極めて重要な組織です。半同種移植片である胎児は、この相互作用が崩れると流産に至ります。流産のリスク因子として母体の加齢と過去の流産回数は揺るぎもない事実ですが、流産は多因子性であるため、子宮内膜の微小環境の関与は否定できません。近年、子宮内フローラがこれに関与する
Q先月、体外受精で授かった第二子が常位胎盤早期剥離のため34週で死産になりました。第一子妊娠時にはHELLP症候群になり、緊急帝王切開でしたが母子共に無事でした。このため、妊娠28週までバイアスピリンを飲んでおり、妊娠経過は良好で突然の出来事でした。35才1ヶ月の時の凍結胚盤胞がまだあるため、移植したい気持ちはあるのですが、私自身もDICになり危なかったため、迷っています。緊急帝王切開だったため、一年後妊娠出来たとしても出産時には39歳になってしまいます。胎盤剥離は再発リスクがあるとのことな