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Q現在46歳41歳で結婚しすぐに妊活を始めました。AMHは41歳で8.9でした。タイミング取るのも難しく体外受精へ踏み切りました。それから採卵3回と移植で妊娠と流産を繰り返し今に至ります。8週あたり心拍確認後での流産です。移植をすれば妊娠しますが難しい結果になりました。その間のAMH所見は43歳で5.6、現時点46歳で3.0です。かなり落ちてしまいました。採卵数は平均20個以上取れ、受精は10個以上で、8個凍結という感じです。胚盤胞は少ないですが、出来ております。46歳で採卵しても妊娠から出
Q原因不明不妊で治療中排卵日の2日前、1日前、当日、排卵日翌日、いつタイミング取るのが良いのでしょうか。フーナーは問題無かったのですが、妊娠確率を上げたいと思い人工授精の前日にもタイミングをとっていったら、翌日精子が少なすぎて体外受精レベルと言われました。確率を上げたいとしても、連日のタイミングは無意味でしょうか。A2012.9.18「☆タイミングの取り方間違ってませんか?」でご紹介していますが、排卵6日前以前の性交と排卵翌日以降の性交での妊娠はゼロ、排卵日の前日と前々日の性交がもっ
不妊治療をしていれば誰しもが、ストレスや悲しみで眠れない夜を経験することでしょう。そんな時はどうしたらよいのでしょうか。筆者は産婦人科専門医(+生殖医療専門医・指導医、医学博士)ですが、これは私が日本産科婦人科学会や日本生殖医学会に所属して学会認定の専門医を取得しているというのもありますが、医師資格は全科共通なので学会専門医などがなくても「私は産婦人科医です」と勝手に言ってもよいのです。つまり私が明日から皮膚科医を名乗ろうが内科医を名乗ろうが、法律的にはOKなのです(能力的・倫理的問題が大
Q妊娠中期特にきっかけはなく、突然むずむず脚症候群の様な症状が毎晩主に片足ふくらはぎに出るようになりました。夜~就寝中に症状が出るのですが、そのせいでなかなか寝付けず、寝付いてもなんとも言えない不快な症状で何度も目が覚めてしまい不眠状態で辛いのです。先日、妊婦検診時に医師にこのことを話しましたが「仕方ないと言えば仕方ないんだよねぇ」とのことで、特に対処法などはありまんでした。自分なりに事前にネットで調べたところ、鉄不足などで症状が出やすいと書かれていたため、初期、中期の血液検査で軽度の貧血と
以前はこんな名前の本がゴマンと本屋に並んでいたものですが、ジェンダーレスの現代においては、こんな題名書いちゃダメなやつです。しかし、まさに本稿の主題となりますのでご了承ください。生殖医療や妊娠出産は究極のジェンダーなのです。いくら外性器を手術することができたとしても、内性器の切除ができたとしても、生物学的な男性には絶対的に子宮と卵巣・卵子は存在せず、生物学的な女性には絶対的に精巣・精子は存在しません。もちろん、レズピアンのカップルが提供精子で妊娠出産し子供を授かることはできるでしょうし、ホ
当院を初診するにあたって、よくご質問いただく内容をまとめてみました。①土日祝日も採卵・移植・人工授精できますか→可能です。なお、保険適応にて採卵・移植の場合は、土日祝は医学的必要性がある場合に限ります。②体外受精での通院で診察時間の制限はありますか→採卵日や移植日以外は、予約枠があいていれば特に制限はありませんが、予約時刻の30分前に来院していただく必要はあります。そのため、土日月祝は最終受け付け時刻は16:00、火~金は18:00となります。最終枠も直前でなければ予約できる
本論文は、睡眠と妊娠に関するオピニオンです。FertilSteril2024;121:576(米国)doi:10.1016/j.fertnstert.2023.12.010要約:ヒトは人生の3分の1を眠って過ごします。睡眠は日常生活に不可欠であり、睡眠不足は健康状態に大きな影響を与えます。24時間眠らない現代社会は、慢性的な睡眠不足が蔓延する一因となっている可能性があります。米国では3人に1人が推奨最低睡眠時間の7時間を下回っており、生殖年齢の女性も同様に慢性的な睡眠不足です。
Q一昨年に体外受精を予定していましたが事情により夫の都合が合わず、何もできないよりはと私だけ数回採卵をして卵子凍結しました。確か計15個くらいだったと思います(採卵時は43歳になってすぐの頃)。現在44歳で、近々受精を試みたいのですが、伺いたいことがあります。高齢だと体外受精でも胚盤胞になりにくく、また高齢だと初期胚2個移植が胚盤胞と同じ確率?だと聞いた気がします(私の住む国では体外受精を行う平均年齢が日本よりも若いからか、初期胚移植はあまり行われていない印象でデータがあまりなさそうです)。
本論文は、米国での多胎妊娠における、排卵誘発剤やART治療(体外受精、顕微授精)の関与を検討したものです。FertilSteril2024;121:756(米国)doi:10.1016/j.fertnstert.2024.01.024要約:1949〜1966年までの多胎出生率と比べ、排卵誘発やART治療により多胎出生率がどの程度増加したかについて、米国疾病管理予防センターの国民人口動態統計(1967~2021年)および生殖補助医療監視システム(1997年~)のデータを用い、人種
本論文は、初期胚凍結と胚盤胞凍結の優劣に関するランダム化試験です。HumReprod2024;39:62(ベルギー)doi:10.1093/humrep/dead222要約:2018〜2020年に採卵する38歳未満の女性を対象に、新鮮初期胚移植(3日目)後の余剰胚を3日目(80名)または5〜6日目(81名)に凍結する2群にランダムに割り付け、累積妊娠率を前方視的に検討しました。2021年12月までに、3日目凍結群は77名、累積233件の胚移植(新鮮96件、凍結137件)を、5〜
Q不妊治療約2年、46歳3月の採卵を最後とし、現在凍結している移植を待つのみです。前クリニックでは、新鮮初期胚を何回か移植したこともありますが着床しませんでした。現クリニックでも、胚盤胞までなかなか育たず、現在はグレード3.5(良好胚)9細胞が1つと前核期胚3つの合計4つを凍結しています。年齢的にも卵の質はあまり良くないことはわかっていますが、最後の移植に向けて最善の方法で移植したいです。今後移植するにあたって、個数(2個、3個など)や胚の組み合わせなどアドバイスいただけたらと思って
あまり強調されることはありませんが、今日は体外受精(生殖補助医療:ART)のデメリットについて踏み込んでみたいと思います。日本で、2020年の1年間に行われたARTの治療件数は約45万件あり、年間出生児84万人に対してARTで出生したのは約6万人なので、13~14人に1人はART児ということになります。これほど多くの治療件数および出生児がいることからは、少なくとも、ARTのデメリットが著しく大きくはないだろうことは想像できると思います(もし、あまりデメリットが目立つような治療であれば、こん
Q妻27歳、生理不順、AMH年齢相応:夫34歳、乏精子症・精子無力症等あり2020年9月~2021年8月タイミング法→全て陰性2021年9月~2021年12月人工授精4回→全て陰性2022年2月採卵(高刺激)ルトラール、レコベル注射6mg→6個採取、顕微授精後、3日目胚1個+胚盤胞5個凍結(5AB×2、4BB、5BC×2)2022年4月凍結胚盤胞移植1回目(自費・ホルモン補充周期5AB)移植周期生理1日目からスプレキュア点鼻薬、ユベラ、バイアスピリン、プロギノーバ服用、移植日6
本論文は、正常胚移植の妊娠成績とBMIの関係に関する後方視的検討です。FertilSteril2024;121:271(米国)oi:10.1016/j.fertnstert.2023.07.027要約:2016~2019年の米国ART協会データベースから56,564件の初回正常胚移植の妊娠成績とBMIとの関連について後方視的検討を行いました。結果は下記の通り(BMI18.5〜24.9と比べて有意差のみられた項目を赤字表示)。<全症例>BMI<18.518
Q過去11回採卵の経験があり、今まで採卵までに排卵してしまったことは一度もないのですが、先日の採卵で一部排卵してしまったと言われ、14個想定が3個しか取れませんでした。PPOS法で刺激し、採卵を決めた日のLHは3程度で、LHは抑えられていました。採卵を決めたのは、採卵日の4日前です。その時点で20mm超えの卵胞が4つ程度ありました。トリガーは36〜37時間前です(hCG10000とルクリン)。リプロでの採卵1回目は14個予定が7個。そのときは成熟の問題で、排卵したわけではない、卵子が吸えなか
しばしば質問がありますので、お子さんの自閉症スペクトラム(autismspectrumdisorder=ASD)と不妊治療ついて、最新の論文をご紹介します。①SciRep2023Dec7;13(1):20608(東北大学)doi:10.1038/s41598-023-47878-z要約:父親の加齢がお子さんのASDのリスク因子であると報告されています。SFARIデータベースに記載された自閉症関連遺伝子について、月齢3ヶ月、12ヶ月、20ヶ月のC57BL/6Jマウス精
2021.8.3「Q&A3010卵管造影後人工授精での妊娠3回」で回答頂いた者です。その節はありがとうございました!北海道からリプロへ半年ほど通わせていただきました。残念ながら、リプロでは妊娠出来なかったのですが、地元クリニックにて46歳で人工授精で妊娠し、このたび可愛い女の子を出産できました(出産時47歳です)。松林先生のブログを読み、リプロに通院できたことが今につながっていると思います。本当に感謝しています。ありがとうございました。コメント:前回の回答にも記載したように、理由はわ
Q43歳でリプロ通院中約4年治療して来ましたが、流産3回、出産には至れずにいます。年齢的、費用面でもやるだけやった気持ちもあり、特別養子縁組も検討しながら、最後の移植に臨むつもりです。現在凍結中の受精卵は、Day54AB45,XOモザイクPGTA未実施のDay38G3、Day54BC、Day63CC、Day63CCです。PGTAの成績は16個中、正常胚2個、モザイク胚1個でした。直近(2024年2月)の流産前に実施したERPeakは「+1」、慢性子宮内膜炎検査は陰
Q何年も自然妊娠しないし、中隔子宮で流早産率も高いならステップアップできないと思っていたし、妊娠しても流早産なら後悔するし、しなくてもこのままでは後悔する。「もう性格の問題だから、あなたの場合は手術したら?そんな難しい手術じゃないし紹介状を書くよ」と、悩みを打ち明けたクリニックの先生に言われて手術しました。私の場合、排卵誘発剤でも排卵は1個ばかりで、人工受精はほとんど意味なく、体外受精に移行。5個採卵でき、1個質が高く、1個まぁまぁ、1個が前核が3つの状況で、最も質が高い胚を戻したところ一卵
過去に何度か書いていますが、筆者は「妊娠率」という言葉が好きではありません。一見、いかにも分かりやすい言葉でありながら、曖昧で相手を煙に巻き、多くの誤解を生む言葉だからです。妊娠率を語るならば、少なくとも少しでも専門家を自任する先生方が何か書くときは、それが文脈からどれであるか明確でない限りは「採卵あたりの(累積)妊娠率」「採卵あたりの(累積)生産率」「移植あたりの妊娠率」「移植あたりの生産率」など具体的に記載するべきです。さて、いきなり脱線してしまいましたが、本題に入りたいと思います。P
本論文は、ヘルニアのような粘膜下筋腫の子宮鏡手術を紹介したビデオ論文です。FertilSteril2022;118:1199(中国)doi:10.1016/j.fertnstert.2022.08.857要約:37歳女性(妊娠歴1回、出産1回)が2年間の第2子不妊と7ヶ月年間の過多月経のため来院されました。超音波検査では4cmのタイプ1子宮筋腫と貧血を認めました。子宮鏡手術を計画し、腹部超音波でモニターしながらバイポーラー電気メスを用いて筋腫摘出術を行いました。この粘膜下筋腫は
しばしば質問がありますので、お子さんの自閉症(autismspectrumdisorder=ASD)の、妊娠中から出産後のリスク因子について、最新の論文をご紹介します(掲載順)。①JAMA2014;311:1770(米国、英国)doi:10.1001/jama.2014.4144要約:1982〜2007年にスゥエーデンで生まれたお子さん2,049,899名を2009年まで追跡調査しました。ASDの診断は14,516名(0.7%)であり、家族性のリスク因子として、1絨毛膜性
本論文は、不妊治療ではなく、不妊症であること(妊娠しないこと)自体がADHD(注意欠如・多動症)のリスク因子であることを示しています。HumReprod2022;37:2126(カナダ)doi:10.1093/humrep/deac129要約:2006〜2014年にカナダオンタリオ州で妊娠24週以降で出産した925,488名を対象に、4歳以降最長8歳までのADHDの有無を2020年まで人口疾病統計で調査しました(ICES、OHIP、BORNデータベース)。内訳は、自然妊娠805
不妊治療に限らず、医療には基本的な検査・治療と、追加オプション的な検査・治療があります。もちろん、何でもやればいいというものではありませんし、追加オプション的な検査・治療の中には賛否があったり、効果がある方が限定されるものもありますが、少しでも可能性が上がるのであれば、できることがあるのであれば、チャレンジしてみたいというのが治療を受ける側の本音ではないかと思います。4月から生殖医療に保険適応がなされるようになりました。当院でも大部分の人工授精(と、今年3月までの既存凍結胚の凍結胚移植の一
本論文は、DCやRCなどの異常分割は出産とは無関係であることを示しています。HumReprod2024;39:955(オーストラリア)doi:10.1093/humrep/deae062要約:2017〜2022年にオーストラリアの1施設で実施した自己卵を用いた胚移植1562周期(母体平均年齢35.1歳)を対象に、妊娠転帰について後方視的に検討しました。すべての胚はタイムラプスインキュベータ(TLI)で培養し、ダイレクト分割(DC)、リバース分割(RC)の有無を確認しました。結果
本論文は、重度の子宮頚管狭窄症に対して、腹腔鏡を用いて腹腔内から子宮体部を通じて子宮頸管を拡張した症例報告です。FertilSteril2024;121:890(米国)doi:10.1016/j.fertnstert.2024.02.005要約:子宮頸部の局所浸潤性高分化扁平上皮内癌のためループ電極による切除術を実施した、妊娠歴のない35歳の女性が、重度の頚管狭窄をきたして来院されました。外来で実施可能な従来の頚管拡張法では子宮腔内に到達できず、全て偽腔から腹腔内へ到達するルー
Q2017.6.8「Q&A148141歳、採卵3回、移植2回、化学流産2回」で、大変参考になるご意見をお聞かせ下さり、本当にありがとうございました。その後、転院し、6回の採卵、5回の移植を行い、2度の流産を経て、2019年に無事、第一子男児を出産致しました。第一子出産時に癒着胎盤でした。自然分娩にて出産後、そのまま医師の手によって剥がして(胎盤用手剥離術)頂いたのですが、多量出血であわや輸血のできる病院に緊急搬送されるところでした(ギリギリのところで止まりました)。後になって、母体死亡もあ
Q2023.1.7「Q&A3534家庭菜園を楽しみにしていたらFSHが下がりました」、2023.2.4「Q&A35623534の続き」、2023.6.10「Q&A3688家庭菜園に熱中してたらFSHが低下し自然排卵」、2023.11.7「Q&A3838移植に備えて」の続き。先生お元気ですか。あれから焦らず一歩ずつ進んでいます。前回着床の窓の検査をやりました。何と1日ズレていました。そして乳酸菌が全く居なかったみたいです。なので乳酸菌は飲むのと膣剤で補充します。以前クラミジアに引
外来において、色々な局面で患者さんから吐かれる弱音は色々ありますが、間違いなくトップ3に入るのが「うまくいく気がしない」。もちろん、ほとんどの方は最初からそんな気持ちで治療していたわけではありません。きっと初めて不妊クリニックの門をくぐった日は、大きな不安もありながらも、期待もあり前を向いて受診したことでしょう。しかし、いつしか、採卵がうまくいかない、あるいは移植したが判定陰性、幸運にも妊娠できたがあと少しのところで流産、様々な喪失体験が心を蝕みます。そしてあなたは毎日思います