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当院に限らずどの施設でも、患者さんから寄せられるご意見のうち、最もメジャーな苦情の1つが、「医師によって言っていることが違う」です。書きたいことが誤解なくちゃんと伝わるか大変不安な内容ですが、できるだけ分かりやすく書いてみようと思いますのでご理解ください。読んでみて言い訳がましい印象もおありでしょうけれども、どういうメカニズムでこうしたご意見が来るに至るのかを知っていただくことで、今後の私たちの説明に対して納得感や理解につながればということが目的ですので、お手柔らかにお読みいただけますと幸
Q29歳、AMH3.6、窓ズレ+2・3日(日付診)、男性不妊(精子無力症:運動精子総数採卵①1330万、採卵②1326万)。これまでに、A院で移植6回、B院で移植4回しています。今後の移植について先生のご意見をお聞かせください。A院採卵1回目…アンタゴニスト法による採卵(採卵数33個、前核期12個・胚盤胞12個凍結)移植1~6回目…ホルモン補充(エストラーナテープ、ルトラール)による移植(4AA、4AB、4AB、4AB+3AA、3AB+3AB、3AB+3AB、移植順)→全て陰性(尿検査
Q45歳で採卵2回して初期胚を3つ凍結しています。1回目Day38G1、8G22回目Day37G2上記以前に過去9回採卵し初期胚ではなく胚盤胞を目指しましたが、いくつか胚盤胞になったものもPGTAでひっかかり戻したことが一度もありません。移植にあたり教えてください。①移植は3つ一度に使った方がよいでしょうか。また、分ける場合はどのような組み合わせ、順番になりますか。②移植にあたり必ずやるべき検査はありますか。やった方がよい検査はありますか。③生理周期の乱れはあまりない
Q随分前にもメッセージお送りしてお返事をいただいたことがあります。その節はありがとうございました。42歳、第二子不妊治療中第一子は39歳時、タイミング法1度目で妊娠、出産しました。一歳を迎えてから、再度産婦人科へ行きタイミング法を行い、しばらくしても結果が出なかった為、通いやすいところにある不妊治療クリニックへ転院。仕事復帰なども重なりなかなか思うように通えない時もありましたが、今年1月から体外受精に切り替え、採卵移植をし三回目の移植が陰性だったタイミングで、休診日があったり最低限の
Q過去にSEET法+胚盤胞で移植して妊娠歴があります。凍結胚盤胞とSEET液があるので、妊娠した時と同じ方法で移植を希望したのですが、最近はSEET法はあまり意味がないことが分かってきてしかもSEET液も2年以上前に採卵した時の物で古いからやらない方がいいと言われました。受精卵は半永久的な保存ができてもSEET液はあまり長く保存した場合は使えないのでしょうか。もし使えないのなら、採卵からどれ位までなら使えるのでしょうか。凍結して年月が経ったSEET液でも使えるのであれば、やはり妊娠した時と同
Q原因不明不育症のため、免疫グロブリン、ピシバニール、プレドニン等は経験しましたが、それでも残念な結果になった為、今回はそちらは触れずに質問させてください。数回流産経験がありますがいつも妊娠後のE2が低いです(黄体機能不全ですが、自然周期の方が妊娠後の数値がまだマシな為、自然周期での妊娠が多いです)。E2値BT7‥150BT14‥448BT21‥430BT28‥415BT35‥370ちなみにBT7の判定日にE2が低いということで、ウトロゲスタン1日2錠→4錠へ、プロギノーバ
卵子は、大まかに分けて「成熟卵」「未熟卵」「変性卵」の3種類があります。気を付けたいのは、卵胞の成熟と卵子の成熟をごちゃごちゃにしている方が結構おられることです。医師は、さすがに自分の理解においては分かっているでしょうけれども、説明時に卵胞成熟と卵子の成熟をごちゃまぜにして説明しがちですので注意が必要です。最初に整理すると、卵胞や卵子の成熟には、「卵胞の成熟」「卵子の細胞質成熟」「卵子の核成熟」の3つがあり、一般的に成熟卵とか未熟卵とか言われているのは、卵子の核成熟の話です。ここでは
アメブロでは自分のブログデータの解析が可能で、過去1か月間にアクセス数が多かった記事を知ることができます。過去1か月ですから、当然その間の記事が上位にきますが、それ以前の記事もランクインしています。そのような記事は長期的に人気が高いことになります。今回は、過去1か月より前に紹介した記事の中でランクインした上位7位をご紹介致します。12021.5.13「☆hCGの増加率が低い場合」22022.5.19「Q&A3301判定日のhCGが低いです」32012.9.18「☆タイミングの取
たまには(?)マジメなお話を。今日は胚移植のお話です。胚移植は、今までの諸検査、卵巣刺激(排卵誘発)、採卵、授精(受精)、そして凍結融解を経て、生殖医療の集大成です。胚移植は、する側もされる側も緊張する瞬間ではないかと思います。では、胚移植は果たして難しいのでしょうか。胚移植の難易度に関連する要素としては、1)医師の技術(経験数)2)医師の技術(その医師のセンス、上手さ)3)患者さんの子宮の状態4)医師と患者さん(の子宮)の相性5)その施設が用意している胚移植のカ
Q44歳(42歳手前から採卵開始)、AMHは3位、FSH等の調整なく採卵に入れており、薬剤使用せず15日くらいで排卵もあります。PGTAをしていますが今回の採卵も異常胚ばかりで医師から「限界を感じる」と言われましたいつか正常胚に出会えるはずと、次こそは次こそはと頑張っていたので医師の「限界」という言葉に夫婦でかなり落ち込んでいますリプロのセカンドオピニオンを受けたことがあり、DHEAが未検だったため対応していただきました(基準の半分以下でした)。その際には毎回採卵〜胚盤胞凍結までできている
Q28歳、胚盤胞移植4回原因不明の不妊であり、検査では夫婦とも問題ありません。1回目BT7でhCG107→胎嚢確認できず化学流産2回目BT9でhCG167→胎嚢確認できず化学流産3回目陰性4回目BT7でhCG88、BT17で胎嚢確認10mm、卵黄嚢確認、BT21に出血し流産陰性の時以外はhCGは良い数値ですが上手くいかないです。今通っている病院の先生は、化学流産や初期流産は全て受精卵の問題だからとおっしゃっています。不育症の検査はまだ早いよとも言われています。
Q夫婦とも38歳良好な胚盤胞移植が2回とも着床しませんでした。次回グレードが劣る残りの胚盤胞2個を同時に移植予定ですが、ERA検査を勧められました。また、7月頃に夫が2ヶ月ほど海外に出張になり帰ってくるのは9月頃です。そこでご相談ですが、下記のどちらにしようか非常に悩んでいます。①5月移植はスルーしてERA検査→移植→ダメなら採卵(夫がいないので次の採卵は早くて9月)②5月移植→ダメなら採卵→ERA検査→再度移植(夫の出張前に採卵、夫の不在時に検査からの移植)採卵するなら少しでも
本論文は、モザイク胚および異常胚のTE細胞は高頻度でアポトーシスが生じていることを示しています。HumReprod2024;39:709(スペイン)doi:10.1093/humrep/deae009要約:2019〜2022年にPGT-A(NGS+SNP)を行った43組の夫婦から提供していただいた64個の胚盤胞(うちモザイク胚27個)を対象に、総細胞(DAPI+)、TE細胞(GATA3+)、ICM細胞(GATA3-/NANOG+)、アポトーシス細胞(カスパーゼ3+orTU
本論文は、ビタミンD低下と子宮内膜症に関するシステマティックレビューです。F&SRev2023;4:1(米国)DOI:https://doi.org/10.1016/j.xfnr.2022.11.005要約:2022年3月までに発表されたビタミンD欠乏と子宮内膜症に関する29論文のシステマティックレビューを行いました。内訳は臨床研究13論文、基礎研究12論文、臨床+基礎4論文でした。8論文でビタミンD低下と子宮内膜症の有意な関連を示し、1論文のみがビタミンD増加と子宮内膜症の有意
行ってきましたリプロ!前回の外来初診時の触診などはこちらのブログにまとめています↓『リプロの男性不妊外来』今年の冬は寒いですね寒さに苦手なクリスティーナはちょっと歩くだけで手がかじかみます。今日は夕方から夫の初リプロでの男性不妊外来でした!特定の曜日の特定の時間か…ameblo.jpはじめて18時台にいったけれど人めちゃくちゃ多かったです夫婦で来てる人も多くてみんな戦士だと思うとなんだか勝手に親近感湧きました今はコロナで待合室で一緒に待てないので夫に先に受付をしてもらって私
Q28歳で結婚、現在35歳、妊娠治療歴約3年、PCOS2019年1月採卵、56個卵回収、成熟卵41個、32個顕微授精、初期胚凍結12個、24個継続培養→胚盤胞15個凍結。移植①(4AA)→陰性移植②(4AB)→7w流産(心拍確認前)で手術移植③(4AB)→7w流産(心拍確認前)で手術夫婦染色体異常無し2回流産のため、PGT-A5個実施し、正常胚2個移植④(5BB正常胚)→陰性移植⑤(3BC正常胚)→陰性ERA検査→着床の窓にズレあり(19:00~25:00が最適)→
生殖補助医療(広い意味での体外受精)を行うにあたって、避けて通れないのが年齢因子です。リプロダクションクリニックでは、様々な考えから説明の際に年齢が原因であることをことさら強調しすぎないように留意していますが、どうしても卵子も精子も年齢による影響はある程度は避けられません。ところで、年齢が高い場合はこの治療方法がよい、という風に言われることが多い中、特に多いのが、年齢が高いと顕微授精なのか、年齢が高いと体外受精なのか、という論争?です。年齢が高い場合、卵子の数が減るので確実に顕微授精
ついにこの日がやってきました12月色々悩んだ結果予約していたリプロダクションクリニック大阪の初診でございますこれまで爆速的にステップアップしてきた私ですが転院の決断も早めです。①2021年6月〜六本木レディースクリニックタイミング1回人工授精1回(精液検査の結果キャンセル)②2021年10月〜ウィメンズクリニック大阪人工授精1回体外受精1回クロミッド×HMGフジ2回接種の低刺激法(卵胞3個1個採卵するも胚盤胞到達せず終了)③2022年1月〜リプロダクションクリニ
Qリプロさんのお陰で、2度の採卵、1度の移植で無事に女児を出産することができました。大変お世話になりました。現在、凍結受精卵が5つ残っているため、第2子を検討しております。しかし、移植に伴う懸念点がありますので、以下にお答えいただけると幸いです。私には流産経験がないので不育症ではないのですが、前回の移植前に、大事をとって不育検査を受けてから移植に臨みました。そのときに、血液凝固第12因子が56%で、基準値の60%を少し下回っていることがわかり、不育症と同様に、ヘパリンを16週末まで、バイアス
Q40歳自然妊娠6週目で心拍確認後、8週直前に心拍停止、稽留流産で自然排出を待ちましたが排出せず、心拍停止から1月後に処置をしていただき、現在は術後1ヶ月半、胎児の絨毛染色体検査(POC)結果で異常は見受けられませんでした。稽留流産は初回ですが、1年半前に1度化学流産を経験した事、POC検査で異常がなかった事から、母体側の問題を懸念しております。今後、体外受精で移植を予定しておるのですが、大切な凍結胚を無駄にしたくないので、移植の前に受けた方が良い検査や治療薬がありましたら教えていただき
Q40歳で不妊治療を開始、現在42歳、AMH6.56(2022.6)、採卵3回、移植5回、生理周期規則的、生理痛なし、精液検査問題なし(運動率79%)2022年6月、クロミッドガニレストゴナールエフブセレリン、採卵16個(変性0)、体外受精、11個受精、胚盤胞2個凍結(5日目4AA、6日目4BC)2022年7月、自然排卵周期、ワンクリノン、子宮内膜12.5mm、5日目5AA→陽性hCG39.9→化学流産2022年9月、自然排卵周期、デュファストン、HCG注射、子宮内膜10.8m
こんにちは⭐⡱もうポカポカで春の陽気ですね('ω')/もう眠くて眠くて....夕方が近づいていつも後悔何もしない日々が更新されていきます笑さて、先日書いた膣錠の続きです(ノД`)わたし肌が激弱で膣錠との相性は最悪....最初のウトロゲスタン膣錠ではドロドロとした残骸がおりものに混ざってでてくるのでお股はめっちゃ荒れました。赤くただれて痒い.....なんなら腫れ上がってました笑しかしリプロの内診では何も言われず自己申告で塗り薬を処方して頂きました私のウトロゲスタン膣
本論文は、NGS法によるPGTで異常胚あるいはモザイク胚と診断された胚をSNParray法で再検査した結果を示しています。FertilSteril2023;120:1161(米国)doi:10.1016/j.fertnstert.2023.08.010要約:正常胚でない100個の胚盤胞を提供していただきました。内訳は、TE細胞(胎盤になる細胞)の次世代シーケンス(NGS法)によるPGT-Aで、ひとつの染色体全体での完全異数性が40個(WA=WholeAneuploidy
F&SRepのEditorによるPGTについての一考察をご紹介します。F&SRep2023;4:329(米国)doi:10.1016/j.xfre.2023.11.002.eCollection2023Dec要約:PGTの最大の問題点は、PGT-Aのプロセス(TE細胞生検とDNA増幅及び分析)が非常に非効率であり、胚移植率が低い(=胚廃棄率が高い)ことです。最大規模のランダム化試験では、移植可能胚の約50%にロスがみられたと報告しています。多数の卵子が獲得できなければ(胚
本論文は、米国生殖医学会誌「FertilSteril」の「Inklings(予感)」記事として掲載されたものです。FertilSteril2024;121:426(米国)doi:10.1016/j.fertnstert.2023.11.009要約:ART治療(体外受精、顕微授精)を最適化するための精液提供方法に関する研究はほとんど行われていません。WHOの精液検査マニュアルの基準値は、生殖能力を考慮しておらず、他の男性と比較するための「精液パラメータ」の評価に過ぎません(評価
本論文は、中隔子宮は手術すべきかについて実施されたランダム化試験です。HumReprod2021;36:1260(オランダ、英国、米国、イラン)doi:10.1093/humrep/deab037HumReprod2021;36:1166(イタリア)コメントdoi:10.1093/humrep/deab081要約:2010〜2018年に4カ国10施設で中隔子宮と診断された方80名を対象に、子宮鏡下中隔切除術を実施する方としない方の2群にランダムに分け、妊娠成績を前
本論文は、欧州生殖医学会(ESHRE)による原因不明不妊に関するガイドラインを紹介しています。HumReprod2023;38:1881(欧州)doi:10.1093/humrep/dead150要約:2022年10月までに発表された論文を元に、原因不明不妊に関するガイドラインを作成しました。裏付けとなる根拠の強さに基づいて推奨度が「高+++」「中++」「低+」に分類され、臨床専門知識に基づくグッドプラクティスポイントを「GPP」としました。また、研究でのみ適用されるべ
本論文は、大麻やタバコの喫煙歴と子宮腺筋症の関係に関する横断調査です。FertilSteril2023;119:838(米国)doi:10.1016/j.fertnstert.2023.01.035要約:2001〜2006年に米国ワシントン州の医療データベースを元に、子宮摘出術によって子宮腺筋症と診断された386名(18~59歳)と2つの対照群を用いて、大麻やタバコの喫煙歴と子宮腺筋症の関連について横断調査を実施しました。対照群の1つは子宮摘出術により病理学的に子宮腺筋症がない
Q2021.1.7「Q&A2802遠方かつ土日祝日のみの通院でも大丈夫?」で質問した者です。3年ほど前にリプロ大阪にてオプション検査を受けました。その際、プロテインS活性の値が66%であり、松林先生からは、「プロテインS活性が△。妊娠6週で再検査して、30%未満だったらヘパリンとバイアスピリンを要服用。妊娠したら誰でも30%程低下するが、66%の場合、低下しても36%なので大丈夫だろう。1%くらいの方がひっかかる。」とのことでした。このたびようやく妊娠6週を迎える事が出来たため、プロテイン