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ジェジュンとユチョンの店がオープンした。最初はBarだけの予定だったが、場所もいいし昼はカフェで、夜はBarの営業にした。木を基調とした落ち着いた内装で、緑をふんだんに取り入れた安らげる店だった。通りに面した大きな扉は開閉可能で、外はオープンテラスもあり、風通しの良い店だった。メニューもカフェでバイトしたユチョンの意見を取り入れ、スイーツメニューも充実させた。夜は、席ごとにキャンドルを灯し、柔らかい光を演出した。夜のフードメニューはジェジュンが考案したが、若い女性をターゲ
今日も3兄弟が狩りに出かけると、ジェジュンは3兄弟が見えなくなるまで見送りました。「今日は鶏を煮るからねー。ケガしないでねー」ぶんぶんと手を振るジェジュンが可愛くて、見えなくなるまで3兄弟も手を振りました。チャンミンがたくさん食べるので、たくさんの鶏を煮なくてはなりません。「しそがし、いそがし」ジェジュンは、鶏をコトコト煮ながら掃除をして、くるくると働いていました。するとトントンとドアが叩かれ、外から声がしました。「私は行商のモノですが、この戸を開けてく
病院にジェジュンを連れて行き、手当てを受けさせる。ガラスで切った足には、包帯が巻かれているが、大事には至らなかった。ジェジュンは安心したのか眠ってしまい、頬に付いた青あざを見て、再びユノの怒りに火がともる。チャンミンが来て、ジェジュンの痛々しい様子に眉をひそめた。「ユノ兄、ジェジュンは?」「大丈夫だ。目が覚めたら家に連れ帰ってくれ」「行くんですか?」「あぁ。二度とこんな事させない」「分かっているでしょうが…一応あの人は、あなたの母親だという事を忘れないで」「うるせぇ」
昔々、ある森に、とても愛らしく美しい少年が住んでおりました。真っ白な肌はミルクのようで、大きくつぶらな目は黒い宝石のようで、柔らかそうなピンクの唇は、咲き始めのバラの花びらのようでした。名前をジェジュンと言いい、森の先にある村でも評判の美しい少年でした。ジェジュンは、森に一人で住むおばあさんと、一緒に住んでおりました。ジェジュンは、森で摘んだ木苺やベリーをジャムにしたり、飼っているヤギの乳でチーズを作ったり、蜂蜜を取ってきて瓶に詰めたりして、それを村で売り生計を立てていました
ユノ(20)の弟のユチョン(19)遠い親戚であるチャンミン(19)は全員アルファで、アルファの中でも特に優秀だった為、幼い頃から話が合い、仲が良かった。そしてユチョンが子供の頃に出会ったジュンス(18)は、オメガ。ユチョンは、ジュンスが16歳になって「番になれる年令」になったと同時に、番になった。一般的に17歳と16歳の年で番になる事は珍しいが、ユチョンはチョン家の次男であり、ユノも認める頭の良さ、そして有り余る財力があるので問題はない。僅か17で「番」を決めたユチョンだが、それはお
夕食は、貸し切りのコテージでのバーベキューだった。だがそれはジェジュンの想像を超えた、高級バーベキューだった。肉を焼くだけでなく、そこにはシェフがいて、前菜やスープ、凝った料理などが次々と運ばれてくる。当然デザートはパティシエが作っており、見た事もないような洒落たデザートだった。「わぁ美味しい!こんなの初めて~♡」「ジェジュンはこういう所の方が開放的でいいだろうと思ったんだ。気に入ったか?」「はい!ユノさん最高です!」「僕もホテルのコース料理よりこっちの方が好き~♡マナーもうる
一週間後、ジュンスが作ったジェジュンの部屋が出来た。一階にある入り口近くの倉庫だった場所をリフォームしたので、女性達との隔離が成されている。いくら子供とはいえ、ジェジュンも男なので、両方に気を遣った造りになっている。お風呂もトイレも部屋にあり、ベッドや机、簡単なクローゼットもある。質素ではあるが日当たりも良く、ジェジュンは口に手を当てて言葉を失った。「そんなに予算が無かったから…質素で悪いんだけど…」ジュンスが申し訳なさそうに言う。ユチョンと番であるジュンスは、ユチョン
果てしなく愛し合い、やっと満足した二人は、チュッチュッとバードキスを繰り返しながらやっと泉で体を清めました。その間も絶え間なくユノがジェジュンの体を触り、「もう!ユノのエッチ!」とジェジュンに睨まれてデレデレしています。ようやく服を着た時、ジェジュンが赤い頭巾をかぶりました。「わぁ…なんて可愛いんだ。とてもジェジュンに似合ってる」「ふふ…そう?」ジェジュンはそれが自分にとても似合っていることを知っているので、褒められてご満悦です。「そういえば、ここに来る途中噂で聞
会議でユノ達は、ファン女史のこの脚本への熱い思いをたっぷり聞かされた。話が長くなりそうだったので、ユノがさりげなく話を変える。「そういえば、題名がユアンとミョンって、アダムとイブみたいですね」「何よ、安直だっていいたいの?二番目の候補もあったのよ。それでもよかったんだけど…」「二番目の候補はどんな題名だったんですか?」「青いバナナよ」ブハッとユノが飲んでいた水を吹いた。「…ユアンとミョンでいいと思います」ファン女史は、40歳で今までもいくつか映
やっと落ち着いたチャンミンに、ユノがコーヒーを淹れた。ユノからチャンミンにコーヒーを淹れるのは、珍しい事だ。「落ち着いたか?」「はぁ…。ちょっと理性を持って行かれそうでした。ものすごいフェロモンだ。あのバニラちゃんが、あんなフェロモンだったなんて…」「俺も驚いた。だが…俺は確信している」「何をです?ちゃんと説明してください」ユノは、ざっとチャンミンに説明をした。「番に…ですか?」「あぁ、そう考えている。俺たちは運命の番だ」「しかし…」「お前の言いたいことは分かる。
オアシスに行った事で元気を取り戻したジェジュンだったが、ジェジュンの心は晴れなかった。ジュンスや父親、月の一族の事が気がかりでならなかった。ある日ユノに、街にある広場のようなところに連れていかれた。そこには、万を超えるたくさんの獣王族の民衆がひしめき合っていた。獣王族はみんな体が大きく、それぞれ毛皮を肩に引っ掛け、浅黒く逞しい体をしていた。それは女性も同じで、動きやすい麻の衣を纏い、みんな剣を腰に下げていた。ジェジュンはユノが用意した真っ白な絹とオーガンジーで作られた衣装を着
小さなノック音がして、ユノは来たか…と思い立ちあがった。少しだけドアを開け相手を確認すると、思った通りの人物が立っており、ユノはするりと部屋から出て背中でドアを閉めた。「ジェジュンはっ?肋骨が折れたとか…」心配で顔が青ざめたチャンミンに、ユノが冷たく言い放つ。「ひびが入っただけだ。病院も行ったし心配はいらない」「ジェジュンは?」部屋に入りたそうなチャンミンに、ユノは首を横に振る。「熱が出てやっと眠った所だ。明日にしてくれ」部屋に入れないチャンミンの前でパタンとドアを閉めると、
電車の車窓からキラキラした海が見えている。漁師町らしく、漁船が波に揺れ、洗濯物の横には魚の干物が並んで干されている。電車を降りると、かすかに潮の香りがした。朝の太陽の光を受け、ユノは大きく伸びをした。「あぁ~…気持ちいいなぁ~」ここは、慶尚北道浦項市、東海に面しクァメギ(さんまの半干し)が有名な街「ソジャン」海産物が豊富な漁師町。近年、このレトロで美しい街をロケ地に使った映画が大ヒットし、若者から注目されるようになった。所謂「映え」が目的でたくさんの人々が訪れ、一躍観
新しいCMディレクターのCM撮影が終わった。CMは、ドラマ仕立てになっていて、絵コンテもなし。監督の言うがままに、ジェジュンは表情を作り、身体を動かした。途切れ途切れの撮影のため、最終的にどんなことになるかは分からなかった。撮影はほんの1時間ほどで終わった。撮影場所である1DKマンションの窓辺に立ち、夕暮れの街を眺める、ただそれだけ。CM撮影というのだからどれ程時間がかかるのかと思えば、ほんの短い時間で終了した事に、ジェジュンは拍子抜けしていた。CMディレクターのホ
【가시연(ガシヨン)】01作家maioカップリングユンジェ※分からないところや不安なところには()がついてます。親知らずを抜いた。抜歯の過程で、苦労するほど奇怪な形で居すわっていた親知らずはひどい苦痛をともなって僕の体を去って行った。顎をすべて抜き取ってしまいたいほどすさまじい痛みだった。腫れてまともに閉じることも出来なかった骨が今は本来の位置を見つけて噛み合う。もう2度と同じ経験はしたくない。キツいのは主人に似ているね。縫合糸を取り除いたら出てくる道はゆとりのある
3人がやってきたのは、今回のCMのスポンサーYJカンパニーだった。「え?ここって…スポンサーだよね?はっそうか…そうだよね…まずは、ここにお詫びに行かなくちゃ…」身を固くするジェジュンとシンドン。その前を、ヒチョルが悠然と歩いていた。「ジェジュン君…ヒチョル君って…いったい…」「ヒチョルは謎が多いんです。でもヒチョルのいう事聞いてたら間違いないんで…。とりあえず謝罪しないと…」「そっそうだね…とにかく謝罪しないと…。そのあと会社には連絡するよ…」ヒチョルが受付で話を
古い雑居ビルの一角、西方派事務所に、チャンミンと数人の部下はいた。「な、なんだ、おまえらっ」「私はCYグループの第一秘書です。単刀直入に言います。キムジェジュンを私達が買います」「はぁ?キムジェジュン?誰だ、知らねーなぁ~」しらばっくれる構成員に、チャンミンはフッと笑った。「知らない訳がないでしょう。アナタ達がわずかな借金のカタに捕まえ、チョ議員に高額で売りつけようとしているあの子です。それを私達が買うと言っているんです」「は?な、何言ってんだ。簡単に渡すわけねーだろ!あ
―――出会った時から惹かれ合い、決して誰にも引きはがせない。どうしようもなく求め合い、本能のままに抱き合う魂の片割れ。人はそれを「運命の番」と呼ぶ――――うららかな春の日差しの中、真新しい制服に身を包んだ学生たちが、楽しそうに歩いている。少し大きめの制服、後ろには嬉しそうな母親たち。親と歩くのが少し恥ずかしい年頃で、少し離れて歩きながらも、何かと世話を焼かれている。今日、キムジェジュンは中学生になった。スラリと背が伸びたが、細身の体はそのままで、遠くから見ると女の子
「今回このCMに抜擢された期待の新人、キムジェジュンさんです!!」気が付いたら、紹介が始まっていた。ジェジュンは弾かれたように立ち上がり、ぺこりと頭を下げた。「まったくこの世界は初めてで、ご迷惑かけるかもしれませんが精一杯頑張ります。よろしくお願いします!」拍手と共に、和やかな空気に包まれた。だが、一瞬にしてその空気が張りつめたものになった。監督の紹介になると、スタッフが長々と過去の偉業を連ねた紹介とともに、監督の名前を呼び拍手を求めた。拍手の中、監督は小さく手を挙
ジュンスさんに、部屋の外で待つように言われたけど…落ち着かない。この家に住めるよう、このお屋敷の主人であり、CYグループのトップに掛け合ってくれるという。初めてこのお屋敷に入ったけど…家というより、高級ホテルみたいな洗練された建物。廊下には絨毯が敷き詰められて、部屋もいくつもあって、絵画やオブジェが飾られている。家に入る前も、壁がどこまでも続いていて、どこまでがこの家の敷地か分かんなかったもん。はぁ…お金ってのは、ある所にはたくさんあるんだなぁ。僕には全く関係のない世界って感
数分後、オーディションが終わり控室に戻ったジェジュンは、ぼーっとしていた。「何だよ、なんか言われたのか?」「ああ~シンドンさんに謝らなきゃ」ジェジュンはそう言って、大きなため息をついた。「なんで?謝るんだ?ヘタ打ったか?」「ん~、うまくいかなかったと思う」「何したんだ?」「審査する人は10人ぐらいいたんだけど~あたりまえだけどスーツ着た大人の」「そりゃそーだろ」ジェジュンが首をかしげながら続ける。「立って名前言ったら、そのまま回ってって。そんで少し歩い
CYグループ理事室で、副理事長のムンスミンは、秘書からの報告書を片手に震えていた。「何ですって…?ユノがオメガを屋敷に住まわせてると…?母である私に何の報告も無しに、いつもいつもユノは勝手な事を!」濃いメイクに大きなダイヤの指輪を光らせ、忌々しい顔で長い爪をカチカチ鳴らしていた。スミンは、ユノの父チョンウンソクの妻であり、ユノの母、そしてチョングループの副理事長である。江南にある高級タワーマンションに一人で住むスミンであるが、時折ユノが住む屋敷に顔を出す。スミンも、ユノの子供に
ジェジュンがみんなのアイドルであったのは事実だが。中には、そういった空気が嫌いな奴もいる。あからさまにジェジュンを嫌い、何かと因縁をつけてくるヤツもいた。料理やお菓子作りが好きなジェジュンは、時々学校に手作りのクッキーなどを焼いて持って来ていた。性欲と食欲が旺盛だった俺たちは、こぞってジェジュンのクッキーを欲しがった。(何に使うかはそれぞれだったが)その日もジェジュンが大量の手作りクッキーを小分けにし、みんなに配っていた。「お前、男のクセにクッキーとか焼いて来てるんじゃ
ヒチョルはモデルになり、その世界に向いていたのかファッション誌を賑わせている。ジェジュン程ではないが、その世界ではヒチョルも有名人になり、忙しいのか最近はあまり会わなくなった。ただ、ジェジュンの仕事をサポートするという、最初のミッションは確実に、やり遂げてくれた。ユノは売るつもりだったベンツを格安でヒチョルに譲り、ヒチョルは飛び上がって喜んだ。「ヒョン、また肉っすか?チャンミンが好きだからってぇ…俺、もっとあっさりしたやつ食いたい」「贅沢言うなユチョン!いちいち別メニューな
ジェジュンが、ソウル大に合格した。「えっ!ほんとにソウル大合格したの?よく頑張ってたもんね!すごいよ!ヨカッタね~♡」「ありがとうジュンス兄!嬉しいよぉ~♡」ジュンスは飛び上がって喜んでくれて、二人は抱き合ってぴょんぴょん跳ねた。ユノ、ユチョン、チャンミンも喜んでくれたが、この3人はソウル大に合格するという事がそれほど難関ではない人達なので、ジュンスほどの驚きはなかった。合格祝いにみんながプレゼントをくれた。ジュンスは可愛いバッグ、ユチョンは高性能タブレット、チャンミンは
【가시연(ガシヨン)】08結局,外出はできなかった。ひざやひじが……床に触れた、とがった骨の部分が傷ついた状態だったし、後ろは言うまでもなかった。しばらくの間、トイレにもまともに行けないと思ったら,ぞっとする。いずれも、お互いが奥さんが帰って来る前の最後のセックスだということを理解していたからだ。だからこそ荒っぽくて長かった。優しさの欠けていたのも理解できる。雑念を振り払うための僕の努力は、ユノには刺激になったわけだ。話すことが無くなり浴槽にいる間は口を閉ざした。
ユノ兄とはずっと連絡が取れなかった。ユチョンさんや、ユノ兄のマネージャーさんから「ユノは元気だから心配するな」という言葉をもらっても、ちっとも安心できなかった。ユノ兄が、今何を考えているだろうと思うと怖くなる。ユノ兄は優しいから…きっと僕に迷惑がかかるって思ってる。自分のせいで、僕に変な噂が立って、仕事に影響することを恐れてる。何も気にしないでと言いたいけれど、言う手段がない。これだけ連絡がないのは、もうこのまま別れてもいいと思ってるんじゃないだろうか…。
ユノがドラマに入り、ジェジュンはメニュー作りに入った。休憩時間入ってきたメールを読むと、どれもおいしそうな料理の写真がいっぱい送られてきた。「美味くできたよ、今度作ってあげるね」「野菜満点のスムージー作った。今度味見してね!」時間が合わず会えない日も多かったが、ジェジュンがまめに送ってくれるメールが二人を繋いでいた。今日はsecretのチャンミンとジュンスが陣中見舞いに来てくれていた。ジェジュンからのメールを見ながらニヤついていると、横からジュンスが盗み見ていた。「
ジェジュンをベッドに寝かせ、リビングに戻ったユチョンに、チャンミンが心配そうな顔を向ける。「大丈夫だよ。退院したばっかなのに、はしゃぐから…」「そうですか…。ねぇユチョ二兄…ジェジュン兄、モデルなんて本当に大丈夫でしょうか…」ユチョンは、チャンミンが心配している事が痛いほどよく分かった。「ヒチョルさんが来てくれるし…。まだ受かってないし。それにこれからずっとやる気はないだろうしな…」「本当に?」「あぁジェジュン兄って、そういうの向いて無いじゃん?カメラ目線とかぜっ
「え?どういう…事…?」ユチョンから話を聞いたジェジュンは、カタカタと体を震わせた。「今、なんとかその暴露本を出版させない為に、事務所総出で動いてる。だが、記事は防げないかもしれない…」「そんな…ユノ兄…どうなっちゃうの?」「まだ分からん。それより、この事でジェジュンにマスコミが話を聞きに来るだろう。分かってるなジェジュン。ポーカーフェイスを貫け。一切の沈黙を守れ。それがユノを守ることになる」「は、はい…」その日もレコーディングスタジオを出ると、ユチョンが言った通