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CYグループ理事室で、副理事長のムンスミンは、秘書からの報告書を片手に震えていた。「何ですって…?ユノがオメガを屋敷に住まわせてると…?母である私に何の報告も無しに、いつもいつもユノは勝手な事を!」濃いメイクに大きなダイヤの指輪を光らせ、忌々しい顔で長い爪をカチカチ鳴らしていた。スミンは、ユノの父チョンウンソクの妻であり、ユノの母、そしてチョングループの副理事長である。江南にある高級タワーマンションに一人で住むスミンであるが、時折ユノが住む屋敷に顔を出す。スミンも、ユノの子供に
「まぁ…ちょーっと体を触られるぐらいさ」いくら鈍いジェジュンでも、男が言っている意味は理解した。「い、嫌です…!そんな…」「だったらこのままホームレスになるか?バーさんは病院を追い出され、どうやって生きていくんだ?今までお前を育ててくれたバーさんに、そんな仕打ちをするつもりか?」「…っ!」男達に囲まれ、助けてくれる人は誰もいない。ジェジュンは恐怖に体が震えたが、必死で我慢した。「ま、ゆっくり考えろ。考えたところで、どうしようもないがな。また来る」男達はそう言っ
♕-D-U-E-T-Memories-アルバム画像集-D-U-E-T-Memories-アルバム-Yunjaelica's♕Roomユン❤︎ジェリカの部屋です。yunjaelica.blog.fc2.com
あらかたの撮影は終了し、次の日も夜の撮影だけだったため、今日はみんなで思う存分美味しい料理やお酒を堪能することにした。「おっつかれ~」メンバー達を始めスタッフも揃い、中打ち上げが始まった。ジェジュンは、皆にお酒を配ったり、スタッフと談笑しながら料理を取り分けたりして、こまごまと動き働いた。「ジェジュンさんも座って!飲んでください!」テフンは、思ったよりよく働いてくれたジェジュンに、お酒を勧めた。「いやぁジェジュンさんに来てもらって本当に助かりました。ジェジュンさんが来てく
養子先に来て2年が過ぎた。養子先は、田舎町で農業を細々と営む貧しい家だった。一応中学校には行かせて貰えたが、繁忙期は学校を休んで家の仕事をさせられた。「ジュンス!さっさと籠を用意しろ!これを倉庫に運べ!」「はい!」養子というより雇い主と従業員のようで、親子とは言い難い関係だったが、その方が良かった。今更、べたついた親子関係を演じるのも面倒だったからだ。毎日の仕事は辛かったが、ご飯は食べさせてもらえたし、お風呂にも入れた。施設で暮らした日々を思えば、仕事をするぐらいなんでも
病院にジェジュンを連れて行き、手当てを受けさせる。ガラスで切った足には、包帯が巻かれているが、大事には至らなかった。ジェジュンは安心したのか眠ってしまい、頬に付いた青あざを見て、再びユノの怒りに火がともる。チャンミンが来て、ジェジュンの痛々しい様子に眉をひそめた。「ユノ兄、ジェジュンは?」「大丈夫だ。目が覚めたら家に連れ帰ってくれ」「行くんですか?」「あぁ。二度とこんな事させない」「分かっているでしょうが…一応あの人は、あなたの母親だという事を忘れないで」「うるせぇ」
たくさんのバラエティー番組や、情報番組に出て、今自分たちがどれだけ求められる存在であるかを、初めて知った。それと同時に、ユノ兄がどれだけスターであるかを実感した。ユチョンさんに、見せられたネット記事。僕の事を、酷い言葉で誹謗中傷してあった記事。それにも傷ついたが、この事でユノ兄の芸能生活が終わってしまうと思ったら、体中から力が抜けた。僕がユノ兄のそばにいたからこんなことになったんだと思ったら、目の前が真っ暗になり、気づいたら病院だった。でもユノ兄がそれを救ってくれた。ユ
ジェジュン兄たちがスペインバルセロナに発って、早1か月が過ぎた。忙しい中、時間を作って見送りに来たチャンミンに抱きついて大泣きし、そのあまりに長い抱擁に業を煮やしたユノ兄に引っぺがされ、引きずられるように飛行機に乗って行ったジェジュン兄。落ち着いたら遊びに行くとジュンスとユノ兄に願い出たが、来るなと言われ、絶対に行こうとジュンスと誓った。「元気してるかなぁ…。スペインでもドジってなきゃいいけど…」ユチョンは一抹の不安を抱え、この青い空の向こうにいるであろう兄を想った。ユ
ユノ(20)の弟のユチョン(19)遠い親戚であるチャンミン(19)は全員アルファで、アルファの中でも特に優秀だった為、幼い頃から話が合い、仲が良かった。そしてユチョンが子供の頃に出会ったジュンス(18)は、オメガ。ユチョンは、ジュンスが16歳になって「番になれる年令」になったと同時に、番になった。一般的に17歳と16歳の年で番になる事は珍しいが、ユチョンはチョン家の次男であり、ユノも認める頭の良さ、そして有り余る財力があるので問題はない。僅か17で「番」を決めたユチョンだが、それはお
―――出会った時から惹かれ合い、決して誰にも引きはがせない。どうしようもなく求め合い、本能のままに抱き合う魂の片割れ。人はそれを「運命の番」と呼ぶ――――うららかな春の日差しの中、真新しい制服に身を包んだ学生たちが、楽しそうに歩いている。少し大きめの制服、後ろには嬉しそうな母親たち。親と歩くのが少し恥ずかしい年頃で、少し離れて歩きながらも、何かと世話を焼かれている。今日、キムジェジュンは中学生になった。スラリと背が伸びたが、細身の体はそのままで、遠くから見ると女の子
次の日、朝食の為レストランに降りると、ユチョンとジュンスがコーヒーを飲んでいた。昨夜は熱い夜を過ごしたのだろう、ユチョンは「やぁおはよう!」とキラキラした笑顔を見せ、隣でジュンスは気だるげに肘をついていた。「おはようございまーす♪」元気そうなジェジュンの姿を見て、ユチョンはアレレ?と思った。もしかしたら今朝は起きて来られないのでは?と思っていたから。「え?ユノ兄…?もしかして、まだ?」「うるさい!今、段階を踏んでいる所だ!」旅行に来てまでもヤらないなんて、ユノ兄はよ
夕食は、貸し切りのコテージでのバーベキューだった。だがそれはジェジュンの想像を超えた、高級バーベキューだった。肉を焼くだけでなく、そこにはシェフがいて、前菜やスープ、凝った料理などが次々と運ばれてくる。当然デザートはパティシエが作っており、見た事もないような洒落たデザートだった。「わぁ美味しい!こんなの初めて~♡」「ジェジュンはこういう所の方が開放的でいいだろうと思ったんだ。気に入ったか?」「はい!ユノさん最高です!」「僕もホテルのコース料理よりこっちの方が好き~♡マナーもうる
街は賑わい、浴衣を着たカップルが楽しそうに歩き、赤や黄色の屋台のライトが暗くなった街を照らす。いい匂いが漂い、ジェジュンと歩きながら、色々並ぶ屋台を見てユノが言った。「ジェジュン兄、お面買わない?」「あ、いいよ。せっかくお祭り来たんだもんね」ニコニコ笑うジェジュン兄が可愛くて仕方がない。「んーと…ユノは、これがいい」「え?虎?でもこれ、可愛すぎない?」ジェジュン兄が手に取ったのは虎のお面だが、サン〇オキャラクターのように可愛いお面だった。「うふふ^^渋い浴衣に
元気になってきたジェジュンは、朝餉が終わると庭に向かい、朝日を浴びるのが日課になった。木漏れ日の下の朝日を浴びて、眩しい新緑の世界に目を閉じる。初夏の日差しは眩しく、気の早いセミが鳴き、水をカメに移すシンドンが汗を拭いている。すると、遠く町の方から、何やら珍しい音が聞こえてきた。(シンドン、なんだか町の方で、旗が揺れてるね)「あぁ、祭りがあるようです。露店が出たり、大道芸が来るとか」(祭り??)その途端、ジェジュンの目がキラキラと輝いた。キョロキョロと辺りを見回し、馬
週刊誌が発売になった。芸能ニュースでも取り上げられたが、芸能記者たちはこぞって「ただの噂」「人気が出てきたからこういう噂が出る」と極めてあっさりした対応だった。そして記者は、それよりも話題になっているカップルがあると勿体付けて話し始めた。「先ほど熱愛か?などと噂になったユノユノですが、実はファンの間ではもっと違うカップルで有名なんです」そう言って、ユノとジェジュンの写真をテレビで流した。コメンテーター達はこぞって「いい写真だ」「いい笑顔だ」「仲良さそうですね」と判で押したよ
高熱を出したジェジュンは、夢うつつの中、時折ユノの顔を見たような気がした。酷く心配そうな顔をして、髪を梳き、額に口づけて出て行く。まさかね…。あの男は、僕の事を無理やり奪った野蛮な男だ。文字通り獣のように僕を組み敷き、僕が弱っているのをいいことに、力づくで奪った。なんて卑劣な男…。あの男のせいで、僕は神聖ではなくなった。皆が、僕を最後の希望だと言って命を懸けて逃がしてくれたのに。殺したいほど憎い男。だけど…。思い出すのは、彼のまるで今にも泣きそうな表情
ユノがいなくなった会議室では、社長や数人のスタッフが頭を悩ませていた。「これは、恐らくパクミンヒ側からのリークだろう」「そうですね、恐らく売名行為でしょう。彼女は最近女優業に力を入れていましたが、どれもパッとしなかった、おそらくオファーはもう来ないでしょう。焦ったミンヒ側が、今注目されているユノに目を付けた。ちょっと熱愛を匂わせて話題にするつもりだと思います」「ま、ありがちな手法だが…。今、ユノはどんどん人気を伸ばしている。チャンミン、ジュンスだけでなくこの調子で他のパフォーマ
大きな体のユノが、落ち着かない様子でウロウロと歩き回っている。「もう!お兄様ったら!二人目なのに、少しは落ち着いて下さいませ!」「二人目だろうと心配なものは心配だ!時間がかかりすぎではないか?」「そんなに心配なら、傍で手を握って差し上げればよろしいものを」「ばっばかもの!そんな…辛そうなジェジュンを見るのは耐えられんっ…」「まったく!唯一王と言っても、男はこういう時ダメなんだから!」双子の母親となったミヨンは、日に日に逞しくなっている。ユノにダメだしをしながら、二人の子ども