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4.空と海チャイムが鳴り、2時間目たかやんの数学が始まった。「日直、誰だ?」と言われて、一瞬沈黙が襲った。海がハッと我に返り、号令をかけた。「気をつけ、礼。」「ボケッとしてるなよ!顔洗って来るか?」「大丈夫です。」“何でこういうブルーな日に、日直なんて当たっちゃったんだろう。”すべてが嫌になってくる。まわりを取り囲むあらゆる物ごとが、自分を攻撃してくる気がしてたまらない。“たかやんの授業には集中しなきゃ。”そう思えば思うほど、頭の中と胸の奥の方がモヤモヤしてきて、
8.枕投げ→おしおき修学旅行やお泊まり行事で欠かせない『枕投げ』。何がそんなに彼らを興奮させるのだろう・・・。若者には若者なりの悩みがあり、そんな日頃のストレスをここぞとばかりに発散させているのか?普段と違う目的で使ったときの枕のあの質量が、相手に命中した際に喜びを助長させるのか?部屋中を枕が飛び交う異様な光景に、非現実的な快感を覚え病みつきになってしまうのか?星たち5人の枕投げが、だんだんとエスカレートしていったのは言うまでもなく、ペットボトルやお菓子の袋、座布団や掛布団ま
2.空、初めてのおしおき運動会から1週間も経っているのに、空たちが海岸で打ち上げをしたことが学校で問題となっていた。大騒ぎをしているのを見た近所の人たちが数日後学校に連絡を入れ、職員会議で取り上げられた。当日、現場にいたのは、1年1組と2組の男子全員だった。女子は少し離れた屋根のある所でぺちゃくちゃとおしゃべりをしていたので、直接関与はしていなかった。男子たちはジュースやお菓子を食べ散らかし、ゴミはそのまま放り捨て、体操着のまま海に飛び込んで騒いでいたので、近所の人や通りすがりの人に
2.呼び出し月、火、水の3日間テストがあり、次に魁がヒップハートにやって来るのは、本来なら4日後の日曜日のはずだった。眞木野はそれまで待ちきれずに、テストが終わった水曜の夜、魁の携帯に電話を入れた。呼び出し音がしばらく続いたが、そのうち留守電に切り替わったので、「すぐに電話かけてこい!」いくらか怒った口調でメッセージを残すと、1分もしないうちに折り返し電話がかかってきた。「森田です。」「悪いな、忙しいときに。」「いえ。」「明日の放課後、話があるから来てほしいんだが。」
3.ミーティングpm1:00、体育館での練習を変更して、ミーティングが行われることになった。部活で使用するミーティング室は普通の教室のように机とイスが並べられ、前にはホワイトボードが置いてあるだけの殺風景な部屋だった。女バス部員は皆、「何で?」「どうして?」と騒いでいたが、海には察しがついていた。3年生5人、2年生6人、1年生は夕菜が休みで8人。全員が席に着くと、たかやんが入って来た。そして、その後ろからもう1人、恒が現われた。意外な人の登場に部員たちはざわめき、「キャー、久藤先生
1.星の悩み星の充実した中2の夏休みが終わりを告げた。『スパルタ林間学校』のあとは部活に明け暮れ、残り3日間でポスターやら読書感想文やらを片づけた。自由研究は『川の生物』をパクって、『怒った顔』の部分を省いてもう一度まとめ直した。『スパルタ』から帰って来て最初の家庭教師の日、月美と顔を合わせると、「星くん、ずいぶんたくましくなったね。」と驚かれた。背も少し伸びて、日焼けして黒くなったせいだろう。小さいころからずっと『かわいい』という形容詞がついてまわった星にとっては、ひと皮むけ
1.やめられない先日たかやんから叱咤激励された海は、少しずつではあるがキャプテンとしての自覚を持ち始め、日々の部活動に真剣に取り組んでいた。それなのに、海に与えられた試練はまだ終わらず、更なる問題が発生した。朝起きて体を動かそうとすると、右肩に鋭い痛みを感じた。昨日の部活中にシュート練習をしているときから、何か違和感があった。そのときは大して気にもせず、すぐに治るだろうとやり過ごしてしまったが、こんなに痛くなるのだったら、昨日の夜、湿布でも貼って寝ればよかった。放課後、部活が始
1.新キャプテン空と海は中学3年生となり、1、2年生とはクラスも変わり、新たな気持ちで新学期をスタートした。空と海のツインズは、小・中学校を通して初めて同じクラスになった。3年生では三者面談や入試説明会など保護者が出席する機会が多くなるため、忙しい悠一のことを考え、2人いっぺんに済むようにと学校側が配慮してくれたようだ。3年4組、担任二谷強士先生、通称よわし。空は初めて受け持たれるが、海は去年に続き2年目となる。相変わらず、見た目は細くて頼りない感じがするが、生徒の気持ちをよく理解し
1.憂うつな気持ち6月・・・海が大嫌いな時期がやってきた。毎年このころに学校での身体測定や検診が行われる。今年は3年生だけ制度が変わって、土曜日に医師が集まり、一度に各種の検診が実施されることになった。昨日の夜、悠一から、「明日、学校行くからな。」と言われ、海はますます憂うつな気分になった。去年は違う先生だったが、1年生のときの内科検診は悠一が担当で、散々な目に遭った記憶がある。まわりの友達はまだ悠一と海との関係を知らない子も多く、「あの先生、かっこいいね。」という声があちこ
2.強烈な痛み星がヒップハートのドアを開けたのは、予約時間を1時間過ぎたpm2:00だった。眞木野はトレーニングルームでお客さんの指導をしていたが、星の姿を見るとスタスタと待合室にやって来て、何も言わずにいきなり星の顎をクイッと持ち上げ右手を高く振り上げた。星がウッ!と身構えたときには、すでに左の頬に強烈な平手が打ち下ろされていた。ビッシャーン!!「ううぅっ・・・。」もう一度顎を上げられ、今度は右の頬をビッシャーン!!かなりの力でひっぱたかれた。突然のことに驚き、
1.強行手段の末に12月に入り、すっかり冬の到来を感じるようになり、世の中がクリスマスムードに包まれる時期となった。海と綾がずっと観たかった映画『夜空のライブ』が、今週の金曜日で終わってしまう。テスト期間中は行けなかったし、その後は平日も土日も部活漬けで、映画を見に行く時間なんて少しも残されていなかった。すぐにDVDが発売されるのだろうが、空一面に輝く星空の映像は、映画館で味わった方が断然いいに決まっている。先に見た友達の話では、映画館全体がプラネタリウムに変わって、自分が星と一体化
2.最後の家庭教師月美は現在、大学3年生。教職課程を取っていたので、教育実習が必須だった。将来、教師という道に進むかどうかはまだ決めていなかったが、中学の理科の資格を取る予定でいた。自分の母校での実習も考えたが、少し離れたあおいろ中学を選択した。知果の働く姿も見てみたかったし、たかやんともいくらか面識がある。そして何よりも、星の学校での様子を知りたいという思いが強かった。11月に2週間実習に行くことが決まった。その準備に加えて、研究室での作業、授業の課題など今までとは比べものにならな
こんにちは。新しいネタというわけではないのですが、気が向いたので更新してみます。タイトルのとおり、有名人の方がお尻を叩かれた体験談について書いてみようと思いますが、そのまま名前を載せるとその方のファンの方が読みに来られて不快な思いをされたら申し訳ないので、適度に名前をボカしておきます。ご了承ください。では本題。ご存知の方も多いと思いますが、かつてブ〇グの女王と呼ばれていたMAN〇BE.KA〇RIさん。いろいろなところで子供の頃にお母さんから受けた
5.きっちりと!「おしおきしてください。」という5人の気持ちを汲みとって、慶は考えを改めた。「遼太郎、ここ。」まずは遼太郎の名前を呼び、慶は自分のひざをポンポンと叩いた。「えー、ひざの上かよ。まじか・・・。」「おまえ、反省したんだろ?早くしろよ。」「昨日みたいに、立ったままじゃダメなのかよ?」「ああ。今日はじっくり叩いてやるから、こっちの方がやりやすいんだよ。」「じっくりっていうのは、厳しくってことか?」「まあそうなるだろうな。」「オレ、長く叩かれるより、強い
2.保健室でのおしおき翌日4時間目の数学の授業、どうしてもたかやんと顔を合わせるのがしんどくて、3時間目が終わると保健室に向かった。保健の花井知果(はないちか)先生は、海が1年で保健委員をしていたときに仲良くなって、何でも話せるお姉さんみたいな存在。28才、独身。生徒たちは『先生』じゃなくて、『花ちゃん』と呼んでいる。「花ちゃん、頭がフラフラするから休ませてー。」「海ちゃん、悩み?」即座に言い当てられ、「ううん。頭がフラフラするの・・・。」「フフ、大丈夫?一応お熱測ってみる?
4.おしおきのお願い天野が部屋から出て行くと、5人は同時に「ハァー」とため息をついて、その場にしゃがみ込んだ。“あの人、怖すぎる。笑顔なのに目が笑ってない。”“何を考えてるのか、まったく分からない。”“絶対に逆らえない威厳がある。”“お尻叩くのが好きな人じゃなくてよかった。”“絶滅危惧種だ・・・。いや、天然記念物か?”意味不明なことを考えているのは、もちろん遼太郎だ。天野が立ち去り、一番ホッとしているのは慶だろう。「オレからはもう何も言うことはない。とにかく、自分た
3.反省するということよわしはまず、海に向かって話し出した。「海言ってたよね。「もう卒業するまで、お尻を叩かれるようなことはしません!」って。あれつい先日の話だったと思うけど、これで2度目のおしおきになるよね?海のこと信じていたかったのに・・・。」よわしのがっかりした感じが、言葉と表情の両方からひしひしと伝わってきた。「海は今回のこと、悪かったって反省してる?それとも、そんなに騒ぎ立てることじゃないのにって思ってるのかな?」「反省してます。」軽く答える海を見て、よわしは
1.考えが甘かった翌日の日曜日、pm1:00。星はソワソワした気持ちをあまり表面に出さないように、ヒップハートのドアを開けた。別にここに来ることが嬉しい訳ではない。日曜日には時間は定かでないが、月美が通っているはずだった。“月美先生に会いたい。”という思いを通り越して、“月美先生がおしおきされてたらどうしよう・・・。”と、その光景ばかりが頭に浮かんで離れなかった。心配というよりも、ムズムズしたイヤらしい感情の方が強く、月美に対してそんなやましいことを考えてはいけないと思え
4.悠一への報告〈土曜日:6日目〉土曜日、久藤整形外科は午前中で診察終了となる。空は午後からの部活を終えて、いつもと同じぐらいの時間に病院を訪れた。ドアを開けて中に入ろうとすると、背後からトントンと肩を叩かれた。振り向くと、走って追いかけて来たようで、ハアハアと息を切らしながら部活帰りの海が立っていた。「空、今日私も一緒に勉強見てもらう。」「えー、ダメだろ。」「何で?いいじゃん。」「恒先生、きっとダメって言うぞ。」「私、頼んでみる。」中からドアが開き、恒が顔を出した。「
3.休憩時間なのに…理科の問題集をやり終えて休憩しようと思っているところに、ドアが開いて眞木野が入って来た。「どうだ、進んでるか?」「今、理科が終わって、持って行こうと思ってたところ。」「そうか。ずっと座りっぱなしはよくないから、少し体を動かした方がいいだろう。丸つけしてる間に、これやってろ。」眞木野はそう言うと、タブレットを操作して音楽をかけた。「えっ?これって。」「知ってるだろ?ラジオ体操だ。学校でやるよな?」「うーん・・・よく分からないけど。」「まったく今どき
次の日、学校で零はずっとイライラしていた。夏休みずっと勉強しなきゃいけないのか…。頭を抱える思いだった。そんなイライラをある男子生徒にぶづけてしまった。ひ弱そうな男子なので喧嘩にはならないだろうと思い悪戯をすることにした。その悪戯とは、恥ずかしい写真を撮影しようと考えていた。今日の国語の授業は、先生がお休みのため自習だった。本来代わりの先生が監督をするのだが、零のクラスは優秀で、授業中にサボる人はいても騒ぐ生徒がいない。なので先生は誰もいなかった。そして今は大チャンス!零はニヤニヤしながら
1.お尻に注射6月の第1日曜日、あおいろ中学の運動会が行われた。空も海も運動会大好きっ子で、今日は目一杯、汗を流した。そして中学生の運動会のもう一つの楽しみと言えば、終わった後の打ち上げ。途中で急に、どしゃ降りの雨が降ってきたけれど、興奮している彼らにはまったく関係がなかった。普段やや冷めている空だが、今日はハメを外してクラス男子全員でバカ騒ぎをしていた。夜ごはんのとき、「運動会どうだった?盛り上がったか?」と悠一に聞かれ、海は、「うん、すごく楽しかったよ。」と元気に答えたが
こんばんは。以前に紹介させてもらった「イジめてごっこ。」の新刊が発売になっていました!(もう1ヶ月も前でしたが・・・気付いていませんでした...)イジめてごっこ。4|白泉社いじめられたい願望のあるゆかちゃんと、そんな彼女のためにがんばってSになろうとする、優しすぎる彼氏の真広さん。今まで誰にも打ち明けられなかった悩みを、雪野さんに打ち明けたゆかちゃん。雪野さんからの提案でゆかちゃんは初めて「吊り」を経験することに。縄で縛られ、雪野さんと対話する中で、ゆかちゃんはある決
2.おしおきVS注射星はバスを見送ると、急に焦りを感じた。“えっと・・・今、何時だろう?ひょっとして僕、大変なことしちゃったかも・・・。”時間を確認しようとしたけれど、時計は持っていないし、まわりを見回しても分かるものは何もなかった。星は大急ぎで病院へ向かって走り出した。赤信号をじれったく感じながらも、決して信号無視することはなく、その間に頭の中を整理した。お弁当を食べ終わってトイレに行き、外へ出た時点ですでに集合時間の10分前だったので、それから30~40分経っているのは確かだ
9.つらい立場布団をすっぽりと頭からかぶったまま、しばらく沈黙が続き、最初に口を開いたのは星だった。「慶くん、すごく迫力があった。」美鈴「うん。怖かった。」秋歩「慶さんのこと、甘く見てたかもしれない。」美鈴「怒らせちゃいけない人だったね。」遼太郎「オレ、力いっぱい叩かれた気がする。」星「僕も。」美鈴「私も、お尻痛かった。ミーティングのときはそんなに痛くなかったのに、今のはヤバかった。」秋歩「うん。やっぱり男の人だし、力はあるよね。きっとあれでも加減してたんだと思うよ。」
6.慶のおしおき天野さんの話が終わると、グループごとにテーブルについた。まわりに目を向けると、グループによって雰囲気がずいぶん違っていた。笑い声が絶えず、楽しそうに1日を振り返っている班。真剣に意見を出し合って、明日の目標を立てている班。シーンと静まり返った中で、大学生リーダーからのお説教を聞いている班。星たちC班は、もちろん先程の続きから。「さあ、1人ずつ話してもらおうかな。秋歩からでいいか?」慶は右どなりに座っている秋歩を指名した。秋歩「はい。午後はテーマ研究の時間で、
こんにちは。世の中はGW、今日は「昭和の日」だそうです。というわけで、ちょっと昭和な香りのするビデオについて書いてみます。タイトルはおしおきビデオ史料集日本スパンキングビデオ5年間のあゆみサブタイトルに「899発のお尻たたき」とあるらしいので、きっと全部のペンペンをカウントするとそういうことになるんだと思います(^_^;)スパ界では有名な三和出版からビデオで発売されてまして、僕も随分昔に入手しました。ただ、やはりビデオでは劣化し
こんばんは☆彡いつも「いいね」やコメント&メッセージ、ありがとうございます。最近はストレスの溜まる出来事が多くて、少し疲れ気味です(^_^;)週末になって、ようやくひと息ついています。そうそう、先日、とあるキーさんと「初めまして」のお茶をしました。楽しい時間を過ごせたのですが、次にお会いする日程がなかなか決まらず。当たり前ですが、お相手の方も一人の社会人である以上、仕事もあり、家族(注:配偶者ではありません)もあり、その他いろいろ、生きているとそれだ
1.好奇心からの喫煙『百害あって一利なし』悠一はタバコには超うるさい。もちろん自分は吸わないし、未成年者の喫煙に関しては、声を大にして反対している。普段から空と海にも、「絶対にタバコは吸うなよ。20才になってからでも、絶対に手を出すな。オレと一緒に生活している中で、万が一、吸ったとしたら、今までで一番厳しいおしおきをするからな。」2人とも耳にタコができるぐらい言われてきた。まわりにタバコを吸う人はいないし、海はタバコの臭いが大嫌いだったから、縁のないものだと思っていた。“それな
1.退会届翌日am6:00起床。いくつかの目覚ましが重なり合って鳴り響き、スパルタ林間学校2日目が始まった。ずいぶん早い時間に起きて身支度を整えている者、トイレを済ませて洗面所に顔を洗いに行く者、モゾモゾ布団から這い出し、大きく伸びをして気合いを入れている者、目は覚めているのに、もう10分も布団から出られない者、そして、いつまで経っても夢の世界をさまよっている者。「星、早くしないと遅刻するよ。」秋歩は自分の布団を畳みながら、星の体をつついた。星は家でもなかなか起きられず、母親