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ウンスはぐったりと疲れた体で無理矢理寝台の上に起き上がったまだチェヨンとのディールが成立していなかったのだチェヨンは満足そうなぼうっとした顔で仰向けに寝転んだまま天井を見つめている妓楼に行くのはどうしてもダメなの?ウンスはチェヨンの顔を覗き込んで尋ねる胸元が開いたままの寝衣からふくよかな胸の谷間がチェヨンの目に映ったイムジャだけでは行かせられぬなんども言わせるなあそこは男の欲望渦巻くんでしょう?ああそうだ
チェヨンが密かに都に向かった翌日から崩落の詮議はパク・インギュが先頭に立って行われ急に羽振りが良くなった役人やチェヨンの国境政策に対し不満を口にしていた役人を捕らえて厳しく取り調べを行なったが数日経っても皆なかなか口を割らなかったそんな折イサは医員のオ・アムがこのところ食事の文句を言わなくなったことに気がついたそればかりか時折何処かに出かけては夜遅くに帰って来ることもあるまさかオ・アムが賄賂を受けた内通者とは考えられなかったが典医寺の中でも虚栄心が強い男
除夜の鐘(チェヤエチョン)が響く中ウンスは今はチェヨンの職場となったかつての私邸の一室にいた王宮の周りには寺院が多くあちらこちらから厳かな鐘の音が聞こえて来ていたここにいたのか子供らはもう寝たぞああうんありがとうなんだかここにいた頃が懐かしくって・・・集賢殿には王妃様の回診の帰りチェヨンを迎えに来たり何かの折に立ち寄ったりはするが泊まるのは本当に久しぶりでましてや家族全員で泊まるのは初めてのことだ寝かしつけの役目を終え
まったく我が甥ながら何を考えておるのだ?呆れてものも言えぬまさかあの阿呆いつもこのような無体を天のお方に働いているのか?いつか天罰が下ると言うものだタンと共にヨレっと寝所から出てきたウンスに驚いたチェ尚宮はへジャにブツブツ問いただしたはあまあ都から戻った夜など大変ですね奥方様の姿を見ることはできませんからなんと!タンはどうしているのだ?まだ乳飲み子母恋しの頃ではあろうにへジャがそばにおります大泣きされたら奥方様
チェヨンと別れて家に戻るとポムの無事を確認してホッとした顔の母親が涙ぐみながら小言を続けていたどれだけ心配させてら気がすむのよまったくまあまあヨボポムも無事に見つかったんだしそれくらいでいいだろう?昨夜はウンスがそばに居たんだ心配ないさそうだけど・・・でも夜遅いバスの中で何かあったらどうする気だったの?ウンスにも迷惑かけて本当にこの子ときたらポムを案ずるあまりに続く小言をウンスは止めたオンマ私は迷惑だなん
沿道はチェヨンたちの出陣を一目見ようとする民で埋め尽くされていた元のタンサガンだったソン・ユの話だと奇皇后はワン・へ(徳興君)に一万の兵を与え現高麗王を廃する元皇帝の勅書を持って攻めてくる迎え撃つ高麗の義勇軍はウダルチやアン・ジェ率いる鷹揚軍など合わせて一万それにすでに国境に配されたイ・ソンゲが指揮をとる国境警備隊が五千数の上では高麗軍が有利だが相手は勢力が弱まったとはいえ大陸の王者援軍を送り込むことなど容易いはず気を緩めると命取りだ王様の前に
その夜は夜空に美しい月が浮かんでいた廊下に用意した席に座り雲間に見え隠れする月を肴にウンスはチェヨンと少しばかりお酒を飲んだヘジャの予想通りウネと一緒にアン・ジェも屋敷に来たのだが夕餉の卓を囲むことはなかった留守中の家のことも気になるしお母様にお粥食べさせたいしもう十分家出を楽しんだから今日は帰るわでもアン・ジェに不満が溜まったらまた押しかけるかもよ?チェヨンが顔をしかめそうな言葉を残してウネは夫と双子の娘とともに自分の家に帰って
チェ尚宮が屋敷に来て昼を過ぎた頃だったスニョンとユニョンは遊び疲れたのか奥の間の隣の部屋で静かにお昼寝をしタンはばぁばに見てもらいながら文字の練習筆運びに熱中しサンは廊下に出されてジョンと柱の周りで遊んでいたゆっくりとした時間が流れこの間に夕餉の下ごしらえをしておこうとヘジャは奥の間を離れた冬の日差しがポカポカと部屋に差し込んでいる早朝からのバタバタで子守のオクリョンもクリムもうっかりうとうと・・・その様子にチェ尚宮は小言も言わずにねぎ
ジホとシウルの知らせを受けウンスは一刻も早くジヒョンのところへ向かいたい気持ちだったが昨夜一晩屋敷を留守にしポムのところにも往診に行けておらずまずはそちらを優先することにしたスニョンとユニョンは子守のクリムやオクリョンに任せタンとサンを連れヘミに警護を頼んで近所のポムの屋敷を訪問するとミョンが女中頭のゲファと嬉しそうに出迎えてくれたタン〜〜〜〜!!ミョン〜〜〜!!クァンケンチャナ?ケンチャナでするおくちをあけてあくびする
テマンの婚礼の朝期待したようなスカッとした秋晴れではなくてチェヨンやウンスやタンの寂しさを見透かすように空は曇っていたウンスは布団から抜け出すと窓を開け空を見上げた庭先ではソクテが木々に来たる冬の準備を始めている女中のハヌルと結婚しチェ家の使用人になったムンソンは非常に働き者で朝から畑の手入れに余念がない少し時間に余裕ができたソクテはできるうちに庭の手入れをやっておこうと思ったようだそこへへジャとテマンがやってきてソクテと何やら話をしている別れ
夜空を見上げた流れ星が山の端に落ちる出陣前夜の閨の窓からも流れ星を見たがあの夜はウンスが隣にいた今宵は見渡す限り兵士ばかりだ一万人で出立した義勇軍は途中の村々で自然に民が加わり最初の倍に膨れ上がっていた民を戦の場に駆り出すことに始めは難色を示したチェヨンだが軍師だと自称するパク・インギュが高麗の民の意気を元に示すにはまたとない機会だと進言し渋々了承したため数はどんどん膨れ上がった民は後方支援に回せ前に出してはならぬ武士も民も誰一人欠けることは
本日二話目の更新ですチェヨンは大晦日渋々と王宮へ出仕したタンの誕生日のように平時の時ならば休みをもらうこともなんとか可能ではあるが今日は王宮の行事も儀式も目白押しの年の瀬王様王妃様はもちろん王家の皆がそれぞれの役割を果たすべく忙しくしている時に子供が誕生日なので暇をくださいとは幾ら何でも言えないさすがに夜警の任につくことはないが帰りは夕方になるだろう普段通りに兵舎で稽古をつけ普段通りに書に目を通し押印し普段通りに陳情を受ける
チェヨンとウンスが久しぶりのでーとを楽しんだ数日後市場には今度は大叔母チェ最高尚宮に連れられたチェ家の子供たち四人の姿があったまだあるかな?少し心配そうに店を見回し兄のタンに聞いたのは長女のスニョンだったうんあるきのうも見たもんぜったいあるようらないでってたのんだしタンはきっぱり答えたゴンないてないかなぁ屋敷に置いて来た三男坊をサンが心配しているケンチャナヨオンマといっしょにいるも
いむりゃ〜〜〜帰ったぁ〜〜廊下から大声が聞こえたおんまぁいむぅりゃあよ〜タンは廊下に飛び出すと千鳥足の父親を真似しながらウンスのもとへ戻って来てけたけた笑っているしょうがないわねぇこんなになるまで飲んでアン・ユ先生迷惑かけて悪かったわね送ってくれてありがとういえいえ医仙様父も久しぶりに楽しかったみたいで次々酒を開けて・・・こちらこそご迷惑を・・・めいわくなりょかけておらぬりょなあアン・ユ?はい上
ポムがチェヨンのところへ会場の直談判に来てから数日ののち雨が降り出した王宮の集賢殿はポムが中心となって進めて来たヨンファのベビーシャワーぱーちい当日を迎えていたウンスはいつものように典医寺で患者の診療をしヨンファが妊婦検診に来たらさりげなくぱーちいに誘導する役を頼まれていたタンはポムの息子ミョンとともにチェ尚宮が預かりを申し出てくれて今頃は大妃様の居所で公主様やウネの双子のウンミとウンチェたちと仲良く遊んでいるはずだった料理は昨日のうちにヘジャが
パタパタと廊下から軽やかな足音が聞こえている息子のタンの足音だヨン苦しいタンがっあっ妻に関して堪え性がなくなる夫はウンスをぎゅっと抱きしめそれだけでは物足りなくなったようだったこらっウンスはタンや叔母に見つかるのでは?とハラハラして涼しげな顔をしているチェヨンの鼻をつまんだぐっぅチェヨンの息が上がって観念したようにウンスを離した間一髪タンが部屋に滑り込んで来たおんまぁ〜かえるよ〜〜少し
イサに送ってもらってトルベの屋敷から帰ってくると拗ねた顔の末の弟サンがいた床に転がっていじいじと指で円をくるくる描く姿にウンスは吹き出しそうになるのをグッと我慢して声をかけたただいまサンいい子にしてた?しゃんねんね?おんまぁ?どうかな?悋気かもよタンだけ王宮へ行ったから?しょっかぁミアネしゃんタンは弟のそばにトコトコ行くと頭を撫でたああああぅうう〜〜〜んまっタンにも拗ねた顔をしてすぐにお
タンのソンムルパズルが無事完成しそして迎えた三つ子の誕生日当日はその年の締めくくりの大晦日でもあったタンのピミル大作戦に夜な夜な付き合ったウンスはなんだかかえって目が冴えて朝早くに閨を抜け出したせっかくだから朝から豪勢に卵料理のケランマリ(卵焼き)でも作ろうかと思い立ったのだこのところ忙しすぎて料理もしてないもんねぇあの子達喜ぶかしら?タンも三つ子もウンスのケランまりが大好きで今日は三つ子の誕生日特別な日の特別な朝にと思った
天界の暦で師走の最終日は三つ子の誕生日だった事前にウンスはヘジャと打ち合わせて子供達の好きな料理やお菓子を用意し準備万端整えたのだが肝心の子供達がサンタハラボジにもらったおもちゃや子犬にまだまだ夢中で自分たちの誕生日だからといって欲しいものや食べたいものは特にないようだったタンの誕生日は四歳でも盛大なのにあの子達はこんな普段通りでいいのかしら?早めに帰宅してくれた夫のチェヨンにぼやきつつウンスは奥の間でケーキ作成に余念がないだがそれ
チェヨンとウンスが濃密な夫婦の時間を過ごしている頃イサは自分の屋敷に学友のアン・ユを招いていたどこか手頃な飲み屋で話をしてもよかったのだがチェ侍医とも話がしたいと言うアン・ユの希望に沿って今宵は家飲みを決め込んだ飲むといってもイサはほとんど酒を口にしないだからチェ侍医の酒の相手はもっぱらアン・ユが務めることになったチェ先生イサは少し真面目すぎやしませんか?妓楼に誘っても興味がないと言うし酒を飲もうと言っても口に含む程度ただただ医学の道に邁進
婚礼を挙げてまだ日も浅い春のうららかな陽射しの中チェヨンはウンスの膝の上に頭を置いて廊下に寝そべっていたのどかな昼下がり久しぶりの休日に二人はどこかに出かけるよりも屋敷でごろごろすることを選んだ山桜がはらはらと舞い散り月桂樹の香りがほのかに漂いチンダルレが花開きケナリの黄色が目に鮮やかな庭遠くの池で小鳥が石を落としたのかポチャンと音がする静かな世界チェヨンはすっかり穏やかな顔で目を閉じ胸のあたりで腕を組んでいるチェヨンがいない日の屋敷はだだっ広くて風の
オンマぁもうおしごろおわった?ちょっとだけ舌ったらずにタンが首を傾げて聞いている残念ながらまだよ今ねミヒャンに薬を煎じさせているからその様子を見に行くところしょっかぁ〜あっぁ〜〜タンとサンが並んで頷いているその様子がとても愛らしくてウンスはくすっと笑って二人の頭を撫でたスニョンとユニョンは?お部屋で遊んでるの?うんおへやタンが答えるおっとり気質のスニョンは外遊びより静かに遊ぶの
イサにねぇ・・・息子たちと一緒になって駆けてくるイサを見てウンスはぼんやりと呟いたはいイサ君は何と言っても美丈夫それにお父上様は典医寺の侍医で王様の信厚く後ろ盾は王妃様の信厚い医仙様ん?ちょっと待って私が?後ろ盾?当然皆はそう思っておりまするよそれに上護軍があんなに早くから屋敷にいるのもそのせいじゃないかって・・・噂でする〜んん?だって息子にすら悋気するお方でするよそれがあんな美丈夫の若先生が毎日お
ウンスはチェヨンが手綱を握る愛馬チュホンでトクマンとナナのところへ急いだ王妃様と大妃様には話を通しておくゆえ案ずるなええありがとうお産が終わったら王宮へ伺うわ仮にもウダルチプジャンの嫁御の出産お二人もわかってくださるだろう無理をするな頭も痛いのであろう?うんそうだけど・・・大妃様誰だか引き合わせたい人がいるって言ってたから・・・今は緊急時そのようなこと待ってもらえそれに頭痛も治っておらぬのだろう?
チェ尚宮と別れ自分の屋敷に戻ったイサは養父チェ侍医の出迎えを受けた今日は帰りが早いねウンスの言った通り自分を気にかけて早く帰ってきたのだろうか?昨夜は夜勤でさすがに疲れた今日は屋敷でゆるりとしようかと思うてな父上も年だねイサは笑った仕事で疲れたとは決して言わない侍医だが息子のことを気にかけて早く帰ったとは言いにくいのかもしれないチェヨンならばきっと気にせず言うだろうが・・・そうだなそうかもしれない
俺もイムジャに会いたかった死ぬほど会いたかったチェヨンは腕の中の愛しい妻に囁くと顔を近づけ唇を寄せた見慣れた光景にテマンはわずかに目をそらしただけだが後ろで大きな咳払いが聞こえたいちゃつくのは屋敷でやってくれよこんな場所で目のやり場に困るだろそれよりユ先生ソンゲさんがお待ちだよ小憎たらしい声の主はイサウンスは慌てて腕の中から飛び出るイサお疲れ様お役目ご苦労だったわねウンスは照れを隠すようにイサに言った
翌日の昼下がりウンスはチェヨンとともにまだ寝所にいたもう無理お腹すいたタンが泣いてるわそうか?おおそのようだな派手に泣いておるタンの威勢のいい泣き声が聞こえてきた人ごとみたいに言わないでよタンも私もペゴパなの昨日の夕飯もまともに食べてないのに・・・俺もまだペゴパだぞチェヨンはウンスを抱きしめ囁くねえヨン?ヨンは果てるとか終了って言葉知らないの?それはなんだ?俺はそんな言葉知らん
ばぁばおかえり〜〜〜っチェ尚宮の突然の来訪に昼寝から覚めたタンや三つ子は大はしゃぎで駆け寄った「おかえり」と出迎えてくれる幼な子たちが愛しくてチェ尚宮の目尻が自然と下がる皆でお昼寝していたのかい?まあねぇ〜〜タンは大人びた口調で返したつもりだろうがそれがなんとも不似合いでたいそう可愛らしく思えるそうかそうか寝る子は育つ昼寝は大事だよあぁ〜〜い姉妹は揃いの紅色のチマチョゴリを着て笑っていた以前チ
西日が眩しい薄れゆく意識の中で徳興君は仰向けに寝転び空を仰いだ空から稲妻が降っていたこれがチェヨンの雷功か間近に見るのが余の最期になろうとは皮肉なものだ徳興君は唇を少し動かしたもはや声を出す力もなかったチェヨン・・・澄んだ目をしておる生涯手に入れることができなかったユ・ウンスはこの瞳に惚れたのであろうか・・・お前も孤独な時があったというが王家に生まれたばかりに息を潜めて暮らす日々がいかに耐え難いか人生だったかお前に想像
皆様いつもお話の世界に遊びに来ていただきありがとうございます今回は日々増殖している本編登場人物をこっそりとチェ家女中頭ヘジャの「秘蔵の書」としてご披露させていただきますさてヘジャが徒然なるままにお話の世界で暮らしチェ家にお仕えするようになってもう六年ほどとなりましたその間に養女に迎えたオクリョンが結婚し子を宿しましたいずれ近いうちにヘジャもハルモニの仲間入りそんな月日の流れの中で多くの皆様と出会う機会に恵まれましたそれを何度か覚書