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ケネス・グレーアムのTheWindintheWillows(邦題『たのしい川べ』)を読みました。頭韻を踏んだ題名、何度も口ずさみたくなりますね。原書を読んで、日本語訳が気になったところが何点かあったので邦訳も買っちゃいました。さて、物語は春の大掃除に追われているモグラが、急に仕事を丸投げして巣穴から飛び出すところから始まります。地上に出てみると、そこには草花は咲き乱れ春のぽかぽかとした日差しがふりそそいでいました。「こりゃ気持ちいいや」と思ったモグラは、そのまま川べへ向か
ワシントン・スクエア(岩波文庫)Amazon(アマゾン)1,349〜5,882円ヘンリー・ジェイムズ(河島弘美訳)『ワシントン・スクエア』(岩波文庫)を読みました。少し前に講談社文芸文庫から新訳で出た『ロデリック・ハドソン』を紹介しましたが、あれが面白くて、それ以来僕の中でヘンリー・ジェイムズの株がめちゃくちゃに上がっていて、今最も気になる作家です。これから色々と読んでいきたいですね。さて、今回紹介する『ワシントン・スクエア』は、ワシントン・スクエアで暮らす、さほど器
James,Henry.TheTurnoftheScrew.Penguin,2011.HenryJamesの中編小説TheTurnoftheScrew(邦題『ねじの回転』)は、ある人々がクリスマスに暖炉を囲んで怪談を話す場面から始まる。そのうちの一人Douglasが読み上げる亡くなった家庭教師の手記が本編の内容である。彼自身が虚構の物語を語るということではないために、物語の真実性は高まる。しかし、手記の書き手である家庭教師「私」の語りはあまりにも主観的で