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■関東学生剣道選手権をふりかえる(1)決勝戦のアナウンスが場内に流れる。「赤、筑波大学筒井雄大選手秋田南高校出身。白、国士舘大学宮本敬太選手水戸葵陵高校出身」この広い武道館で、センターコートの2人だけに注目が集まる。決勝戦に出場した選手ならではの最高の栄誉だろう。正面に礼をしたところで、パーッと眩いばかりに照明が全開になる。会場が「うぉー」と唸り声をあげる。お決まりの演出と反応ではあるが、いよいよ決勝が始まるぞと、見ているだけなのに武者震いを覚えるほど、緊張感が頂
「負けた試合が自分を強くしてくれます」2010年11月9年ぶりの早慶戦勝利。しかも日本一の早稲田を降しての勝利に沸き立つ慶大選手団にあって、浮かぬ顔をした男がいた。「慶應の勝利は嬉しいですが。。自分は悔しくてたまりませんでした」そう振り返るのは、早慶戦で副将をつとめた若松光(2年・桐蔭学園出身)である。「早稲田の副将はずっと4年生がつとめてきたので、3年の西村だけはあり得ないと思い、慶應は若松を副将にしたんです。若松だったら西村以外なら勝てる!という作
■関東高校剣道大会せまる高校剣道が夏に向けて熱い。IH予選。地方大会が盛り上がりを見せている。今週末、10(土)、11(日)に開催される関東高校剣道大会に向けて、関東のチームや選手について思っていることを少し書いてみる。まずは、私が見たところの関東大会優勝候補は、水戸葵陵だ。葵陵が頭一つ抜け出しており、他チームはかなり横一線に近いと考える。後ほど各都県における予選の状況を全て記すが、やるたびに結果が変わってくるといった印象だ。その中でも安定して、しかも圧倒的な強さを持つ水
入木・出木,入弓・出弓弓が入木弓だから矢は真っ直ぐ飛ぶ,だから捻る必要が無い。と言う人がいますが,嘘です。弓がいくら入木でも,捻らないと矢は真っ直ぐ飛びません。弓を真っ直ぐにした状態で弦が右側にあるのを入木弓と言います,反対に弓を真っ直ぐにした状態で弦が左側にあるのを出木弓と言います。しかし,張り顔の状態で,弦が右に合っても左にあっても,弦を中心に考えると弓が傾けば弦は中心にある事には変わりはありません。弓をフリーにして弦を引っぱってくると,弓が傾くだけで,弦が弓の中心に帰るのは同じで
1994年秋、大阪府立体育館。錚々たるメンバーを擁する中大が、日本一を目指し全日本学生剣道優勝大会に挑んだ。この時のメンバーはスゴい。先鋒小田口享弘(2年)次鋒田沖大介(1年)五将本間彰人(2年)中堅田中孝則(1年)三将今泉龍朗(3年)副将浅田健二(3年)大将北原修(4年)なんという豪華メンバーだ。このチームの凄さをざっと言えば、①大将の北原は現中大監督(実力と実績と信頼が大!)②高校時代に怪物と呼ばれた浅田と田沖が同じチームにいるという奇
【前回からの続き】2011年インターハイ個人戦。茨城代表の山下、高倉両名にとって、高校生活最大の晴れ舞台がやってきた。2人とも目差すは「頂点」これしかない。山下は緒戦こそ、不来方の松沢にメンを奪われる場面があったが、その後は安定した力を見せた。山下のメンは実にいい。スーッといつのまにか間合いに入り、最短距離で繰り出されるメン。高校生のレベルではそう簡単にかわすことができない。1日目結果2回戦○山下メド-メ松沢岬(不来方3年/岩手)3回戦○山下メメ-伊藤千
1995年鳥取に舞った7人の侍(前編)1995年の鳥取インターハイ個人戦は、強豪選手がひしめく、実に見ごたえのある屈指の大会となった。今日は前編として、見るものをこれほどまでにワクワクさせたこの大会の登場人物を振り返り、次回にその結果を記すこととする。では、前評判の高かった7人の侍を簡単に紹介していこう。〔1人目の侍〕1995年7月15日水戸短大附属水戸(現水戸葵陵)高校3年の平岡右照は剣道具を担ぎ、水戸から九州に単身で武者修行に乗り込んだ。九州産業大九州高校、鎮西高校、そし
この記事は、出版した本の原稿に、当時の他校の様子なども加えて再編集しています。[第29話]「春の二大会中止」2011年。この年の高輪は、新3年の梶原浩樹、大高洋平、新2年の長谷川脩平、小林直道、兵藤敦紀、三谷豪志を中心にチームが編成された。平均体重80㎏超という、ラグビー部クラスの重量級チームである。年明け1月、全国選抜予選では前年度逃した優勝を取り戻し、来たる全国選抜大会に向けての猛稽古と調整を続けていた。2011年3月11日。短縮授業により、高輪剣道部は昼ごろ
「怪物ついに日本一となる」2006年8月。ちなみにある雑誌では、彼らのことを「数年に一度の才能がこぞって同じ年に生を受け」と表現し、この京都インターハイ記事に「超高校級の衝撃(インパクト)」という見出しをつけた。2006年インターハイ、団体戦。優勝候補筆頭は、なんと言っても九州学院である。全国選抜、玉竜旗を制し、史上初の高校三冠を狙ってここ京都に乗り込んできた。米田敏郎監督をして「優勝しなければならないチーム」と言わしめた、自他共に認める最強チームである。続く優勝候補は
竹弓の初期の取扱い方、成りの見方(弓道)(胴が抜けるとどういう現象がおきるかとか)ryuzoudouさんからリクエストがありました。私が考えている事しか書けませんが,紹介していきます。恰好のことも,書くことあって,気になりながら,中途半端で終わっている・・・トホホまだ,文章としてまとまっていないので,思いつくまま順不同で書いていきます。とりあえず胴の抜けた弓。胴とは目付節と握り下の部分を言います。弓の成については昔から研究されていたようです。http://blogs.yahoo
たいへんご無沙汰しております。七段戦の感動をつづることにしました。第5回全日本選抜剣道七段選手権大会(横浜七段戦)2月4日(日)「優勝候補は誰だと思います?」この大会の共同主催者である剣道時代の小林編集長に尋ねる。すると、「この大会は16名全員が日本のトップレベル。全員が優勝候補というコンセプトですから答えられません」小林は笑ってそう答えた。なるほど。私も誰が勝つかなど、皆目見当がつかない。いや当の選手たちも全くわからないだろう。と言いながらも、私は今回初出場の
2006年夏「えー?マジかよ!!」そんな声が聞こえてきそうな、06年インハイ団体戦の組み合わせが発表された。運命の悪戯は、優勝候補たちに、残酷なまでに厳しい試練を突きつけた。2003全中の衝撃から3年。史上最強の学年と評された「怪物」たちはさらなる進化を遂げ、いよいよ決戦の地、京都を目指した。ちなみに、剣道日本は、彼らのことを「数年に一度の才能がこぞって同じ年に生を受け」と表現し、2006年京都インターハイに、「超高校級の衝撃(インパクト)」という見出しをつけた。団体戦
■関東学生剣道優勝大会を占う(1)高校剣道がインターハイでクライマックスを迎えると、次にやってくるのは大学剣道である。いよいよ今度の日曜日に迫った関東学生剣道優勝大会。今年はまた面白くなりそうだ。優勝候補はズバリ、中央大国士舘大順当に行けばこの2校での決勝戦となるだろう。しかし、そうやすやすと許してくれないのが、日体大明治大法政大筑波大だ。この4校のいずれも実力を出し切れば優勝できる力を十分に持っている。ここまでの6校の中から優勝校が出る可能性は99%。さらに、こ
この記事は、出版した本の原稿に、当時の他校の様子なども加えて再編集しています。[第27話]「3年生なしで大健闘」2009年。この年、期待されたのは水戸葵陵だ。前年のIH準優勝の5人のうち、大将の山下渉をはじめとする4人(山下+遅野井凌、青木祐喜、高倉聖矢)がそのまま残る。そこに飯塚大河が合流するという凄まじいチームだ。また3年前に全中優勝のメンバー中心の明徳義塾や九州選抜優勝の九州学院等の名が優勝候補として挙がっていた。高輪の状況はと言えば、3年生が引退してしまうと、1年生
2015年4月26日に行われた全日本個人総合の決勝。中京大学/ならわ体操クラブの湯元さくら選手の跳馬と段違い平行棒と平均台とゆかです。決勝結果は、55.050で6位。大会結果は、111.750(CⅠ+CⅡ)で6位でした。次回は、日本体育大学の鶴見虹子選手を予定しています。写真撮影を通して、より多くの人に体操競技の美しさ素晴らしさを伝えられたらと願っています。そしてぜひ、それぞれの選手を応援してあげて下さい。
この記事は、出版した本の原稿に、当時の他校の様子なども加えて再編集しています。[第31話]「日本一に向けて着々と」2013年。いよいよ高輪にとって、そして東京都にとって勝負の年度がやってきた。秋には東京国体を控えていた。1959年以来44年ぶりに国体が東京へ戻ってくる。少年男子の東京強化選手として高輪の5名をはじめ、十数名の候補者が指名され、練成会や練習試合などを通して、強化と絞り込みが行われていった。高輪の目標は、もちろんインターハイ優勝、そして例年にない国体優勝とい
取懸(とりかけ)方法Ⅱ素手や手袋状の柔らかい弽を使用しているうちは,親指を折り目で掛けて,しっかり二指で強く押さえて引いていました。三十三間堂の通し矢の流行と共に堅帽子や四弽が使われ,強い弓を引き,一昼夜に一万本もの矢を発する為に開発されました。専門性に特化した弽と言えます。強弓を引くため親指が長くなり,三本の指でしっかり押さえ,疲労が少なくなるように作られました。実際に通し矢で使われていた弽です。一本指がちぎれていますが,三指とも天鼠で汚れており,しっかり押さえてい
その独特な構え。いつ、どこから飛んでくるか予測不能なジェットスピードの打突。並み外れた動体視力と反応速度の速さ。百戦錬磨の試合勘。九州学院の不動の大将、真田裕行である。その真田が、最大のピンチを迎えていた。インターハイ団体戦準決勝。対島原戦。九学島原先鋒○漆島コ-牧島×次鋒×古閑-メコ鶴浜○中堅○山田コ-山崎(英)×副将×曽我-メ山崎(将)○九学・先鋒の漆島が、牧島に1本勝ち。次鋒戦は、島原が1年
この記事は、出版した本の原稿に、当時の他校の様子なども加えて再編集しています。「新入部員ゼロ」2007年。とにかくこの年は、佐賀・龍谷の強さが光った。1年時から大活躍してきた、川崎輝士と西村龍太郎。この2枚看板は、他校にとって極めて大きな驚異である。神様は2人の天才剣士を、同じ年に同じ高校に同時に入学させるという悪戯をされたかのようである。加えて、栗山慎平、三雲悠佑、山口敬太、牛島辰徳、海野祐介。あとから考えれば心底ゾッとするメンバーだ。地元IHで優勝するために徹底強化
いよいよ明日は関東学生優勝大会だ。(というか厳密には今日である。今頃こんな記事掲載しやがってという非難覚悟でアップする)秋とは名ばかりの厳しい残暑と北の丸公園のまだまだ元気な蝉の声の中でこの大会を迎える。夏は受験の天王山というが、大学剣道もまた然り。夏休みは学生の実力をうんと伸ばす。その成果が今試されようとしているのだ。お気楽な観戦者としては、こんなにワクワクすることはない。さあて、一回り逞しくなった学生諸君を見てやろうじゃないかってなもんだ。さて、今年は、関東学生チ
2017全国高校選抜を振り返る②九学の3回戦の相手は浜名。浜名は、「全国選抜をうらなう」でも書いたが、楠、長田という強力な2枚看板を有し、静岡勢としては初の全国選抜入賞も目指せるチームとして注目してきた。しかし、この全国選抜において浜名は不運にも、極めて過酷な組み合わせに直面していた。1回戦が龍谷、2回戦が土浦日大、3回戦が九州学院。決勝トーナメントと間違えてしまうレベルだ。さて浜名は1回戦の相手、龍谷に対し、副将の長田が中山にメンを決め、この1本で勝利した。選抜は1回戦で沈
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。昨夜、以下の文面をUPしたつもりでしたが、酔っぱらっていてうまくできていませんでしたので、そのまま今またUPしなおしました。すみません。2016年この年も様々な感動がありました。高校剣道では、九州学院が今年も4大大会を総なめ。個人では島原の松崎、麗澤瑞浪の小角、東福岡の藤田、帝京第五の橋本、国士舘の落合、東海大浦安の白鳥など3年生に強豪選手がずらりと揃っていたが、結局インターハイ男子個人でも史上初めての同門決勝対決
[第12話]【名監督列伝】常勝・高輪を育てた甲斐修二122000年というミレニアム。高校剣道界では、かつて経験したことのない異常事態が起こっていた。前年の西高東低から、180度ひっくりかえり、超ウルトラ東高西低の図式ができあがっていた。いや、もっと言えば、関東3強がとんでもない強さを発揮したのである。3強とはすなわち習志野、高輪、桐蔭学園だ。2000年度の勝負の行方を占う、新チームによる初めての大会が、1999年8月19日千葉県の館山市で開催された。若潮旗大会である。
(前回からの続き)インターハイ準決勝。大将戦。引き分ければ即、九学の負け。この難敵に対し、真田はいったいどうやって戦えばよいというのか。-------------------------------------------ここで島原の上村について、補足説明しなければなるまい。上村は大分県別府の出身。小学生時代からその実力には定評あり。小学校を卒業した上村は、九学と肩を並べる強豪、熊本県の高森中に進学した。上村にとっては、中学時代から「打倒九学」だったわけである。上村が
とにかく驚いた。としか言いようがない。あの久田松が、5か月前まで中学生だった選手に敗れるとは。誰が想像できただろうか。祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。剣道は本当に何が起きるかわからない。勝ち続けるということがどれだけ大変なことかが今日は思い知らされたような気がする。久田松選手にはしっかりと心を立て直して明日の団体戦に臨んでほしいと思う。大金星を挙げた、埼玉栄の1年生の元吉雄弥は、幕張本郷中の大将として、昨年の全中団体戦でチームをベスト8に導いている。準々決勝では
「超高校級の衝撃」2006年。ついに10年に1度と言われた逸材たちが最高学年となった。この学年のことは、過去何度もブログ内で紹介してきたが、改めて簡潔におさらいしよう。前年の2005年インターハイ。個人戦の優勝者を含む、ベスト4のうち3人を二年生が独占。こんなことはもちろんインターハイ始まって以来のことである。優勝が川畑竜也(都城東・2年)、2位が3年生の渡邉悠太(若松商)、3位が成田辰訓(桐蔭学園・2年)と亀田健一郎(東海大四・2年)である。そして高輪の石田雄二と麗澤瑞浪
この記事は、出版した本の原稿に、当時の他校の様子なども加えて再編集しています。[第28話]「3年生なしで大健闘」2010年。高輪では、いよいよ期待の岩瀬、斉藤たちが最高学年となった。この年の高校剣道勢力図は、やはり何と言っても安房が中心となるだろう。前年度、高2で大活躍した、特に佐藤弘隆、千葉由樹、大貫大輔の3本柱は強力だ。千葉国体も控え、全国3冠を目指している。(当時の安房は玉竜旗に出ないため、選抜、IH、国体をもって3冠の目標としていた)九州では東郷知大のいる九州学院、
全日本学生剣道優勝大会を前に①高輪の記事を一時中断して、本日は、いよいよ3日後に迫った全日本学生剣道優勝大会について、関東大会や各地方大会の結果なども踏まえて思うところを自由に書いていきたいと思う。黄金世代と呼ばれた現4年生。この学年を少年時代から注目してきた私にとっても、学生最後となる今大会は感慨深いものがある。さて、まずは今大会の優勝候補を私の独断と偏見で5チームに絞ってみる。筑波大中央大鹿屋体育大国士舘大明治大である。そして、それを追うのが大阪体育大日
この記事は、出版した本の原稿に、当時の他校の様子なども加えて再編集しています。「インターハイ5度目の入賞」2008年度。1年生のいない高輪は、2年生だけでチームを組み、10年連続の全国選抜出場を果たした。これは偉大な実績である。あの桐蔭学園でも全国選抜の連続出場記録は9である。全国選抜大会。高輪は、鈴木、内海、登島、田上、赤尾、石橋、芳賀のオール2年生で臨む。組合せを見て驚いた。昨年苦汁を飲まされた阿南工(徳島)がまた同じ予選リーグにいる。ようし、リベンジだ!と
水戸葵陵高校の父母懇親会に急きょ乱入した。水戸葵陵杯の打ち上げと、関東大会優勝祝賀会と、玉竜旗・IH壮行会を兼ねた会だった。いばらき少年剣友会出身の渡辺さんから連絡をいただき、私はいてもたってもいられず水戸まで100km車をぶっ飛ばして乱入。約50名の父母・OBが集まる楽しく有意義な時間を過ごすことができた。葵陵杯は、決勝でいばらき少年剣友会主体の青葉中を大将戦で制した戸塚中学が優勝。さて、懇親会では、我が尊敬する偉大なる後輩・君島監督をはじめ、葵陵の父母会長の杉田さん、貝塚さん、