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私がエッセイの添削を始めたのは、二〇一四年五月からです。所属する随筆春秋の添削指導に携わって十年になりました。これまでに一一六名、六二七本の作品を拝見してきました。その五八八本目がこの作品集になります。ここに収録された二十九点も、一本とカウントしていますので、実際の添削数は一〇〇〇本近くになるでしょうか。その私の添削第一号が、西澤貞雄氏の「自治会長の初仕事」でした。その後、西澤作品は「熊ん蜂焼酎」「女王蜂狩り」「ザリガニレシピ」と続いていきます。これまでに二十三作を添削させていただきました
草野心平詩集『絶景』の中に、「窓」という詩がある。窓波はよせ。波はかへし。波は古びた石垣をなめ。陽の照らないこの入り江に。波はよせ。波はかへし。(後略)「波はよせ。波はかへし」というフレーズが詩の中で何度も繰り返される。この心地よいリフレインが実際の波の寄せ返しを想起させ、作品のリズムを作り出している。今回、濱本さんのエッセイ集の校閲と「あとがき」の依頼を受けた。分厚いゲラを読んでいると、草野心平の「窓」が浮かんだ。この作品集の
私が随筆春秋でエッセイの添削指導に携わるようになったのは、二〇一四年五月からである。データを遡ってみると、坂野さんの作品に初めて接したのは、その年の七月のことであった。それから六年、添削数は二十本にのぼる。今回、過去の添削コメントをザッと眺めてみた。すると、次のような記述があった。「本作品は、坂野様の人生のほんの一端を綴ったものですが、私としては生い立ちから現在に至るものも、ぜひ読んでみたいという思いに駆られました。こういう五、六枚の完結した作品を思いついたところから書く、そういう積み重ねが