ブログ記事492件
Still…〜再会〜★★★「いつか…」それが彼があたしに言った最後の言葉だった。忘れそうなその言葉を、あたしはふと思い出していた。『本当にいつかなんて来るの?』泣きながらそう言ったあたしに、彼はさみしそうに笑って背を向け歩き出した。YESとも、NOとも言わずに。たぶん、あの時あたしたちは、互いに違う道を歩き出したんだ。もう…彼に逢わなくなって、一体どれくらいの時間が経ったんだろう…そんな事さえ、もう思い出せない。この数年、本当に色んな事があった。世の中は変わり季
世界の果てに。secret.3「入る、よ」コクンコクンと弱々しく頭を振る黒髪をもう一度だけ優しく撫でて、グッと腰を下ろせば、相変わらず白く、だけどほんのり汗ばんだ背中は少し緊張したあと、しなやかに甘い声と同時に………………仰反る。十分慣らしたナカは案の定俺に絡みつき、前に前にとその身体を揺らせばその具合は強くなる。若かりし頃とは違うリズムでその身体の反応を見ながら刻むと焦ら、さないでよなんて、シーツを握りながら言うあたり、本当に可愛くて可愛くて。「焦らしてねえよ」「う
大野先生とニノは、今日も発表会だから、潤と村上と俺たちの4人でその教会を目指した。「教会って、突然押しかけても大丈夫なん?」「大丈夫だろ。村上も、アメリカにいた時、クリスマスだのイースターだの、結構参加してたじゃん。」「そう言われればそうか。いや、でも、あっちにいた時は、あまりにもみんなの生活の中に溶け込んでるから参加するのが普通っつーか。」「そうなんだよなー。ここまで宗教が根付いてない国、って日本くらいのもんだよ。」世界中を飛び回っている潤が言う。「まぁ、逆
ふぅー。俺はPC用の眼鏡を外して、首を回した。昼間は、話声や電話の音、ファックスやコピー機の音で騒々しいくらいなのに。今は俺が打つキーボードの音がガランとしたフロアに響く。軽く100m走ができると思われるフロアを見回しても、ポツポツとしか人がいない。俺の部署には、俺一人だ。その時、窓の外がブワァっと明るくなった。なんだ?!続いて「ドーーーーーン!!」と腹の底に響く音。あぁ、花火か。そういえば、今日は近くの花火大会の日だったっけ。同僚が行くとか行かない
注、櫻葉小説です。sideS雅紀と、一緒に月が見たい、、、見れたら、あの時間は取り戻せないけど、見れたら、新しくスタート出来るような気がした。「あいばくんの、願いは?」「翔ちゃんと、二人でお酒、飲みたい!」迷わず口にする雅紀。そっか、20歳になって、初めて一緒に飲みに行く約束、、、それは叶えてあげられなかったけど、、、一緒に、、、お酒飲む、、、って、いいな!自然に笑顔がこぼれた。「じゃあ、、、用意しよ!」「うんっ!」そこからは、なぜか、二人して、、、、、
「翔ちゃん、なんかずっとポリポリしてるけど、カユいの?虫刺され?」「んー。なんだろ。なんかのアレルギーかなぁ。」「病院行った?」「いや、大丈夫だろ、別に。たまにあるし。」「ダメだよ!ちゃんと病院行かなくちゃ!!!」相葉くんの剣幕に、周りがちょっとビックリする。「ん。少し経ってダメだったら行ってみるわ。」「そのほうがいいよ。なんなら俺、一緒に行こうか?」「あはははは!子どもじゃないんだし、大丈夫だよ。お前だって忙しいんだし、休める時に休まないと。」「ありがとう。翔ちゃん、優しいね
「でさ、今度の勧誘だけど。・・・ちょっと、翔。聞いてる?」「・・・ん?ああ、ごめん。勧誘?」「そう。今まで通りやっても、それなりに集まるだろうけど、ちょっとつまらないから変えてみようかと。」「うん。そういうのは、潤が得意だろ。任せるわ。」「じゃ、好きなようにやっちゃうよ。いいの?会長!」「だから任せるってば、副会長!!」「・・・って、さっきから、何やってんの。」「どうしても、この問題が解けないんだよ。」潤が、どれどれ?と言いながら、俺の後ろから
ちょっとお久しぶりの翔さんのご実家。この重厚なドアの前に立つと、微妙に緊張する。「何、固まってんだよ。」翔さんにポンと背中を軽くたたかれた。「いや、何となく。」「何度も来てるだろ。」「そうなんだけど。」「そういえば、あれ、小学校の時だっけ?友達が遊びに来るって約束してたのに門のところのインターホンの位置が分からず帰っちゃったことあったよな。」「あー、あったあった。」「ほらー、だからそれだけの家なんだってば。」とゴチャゴチャやってたら。内か