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Still…〜再会〜★★★「いつか…」それが彼があたしに言った最後の言葉だった。忘れそうなその言葉を、あたしはふと思い出していた。『本当にいつかなんて来るの?』泣きながらそう言ったあたしに、彼はさみしそうに笑って背を向け歩き出した。YESとも、NOとも言わずに。たぶん、あの時あたしたちは、互いに違う道を歩き出したんだ。もう…彼に逢わなくなって、一体どれくらいの時間が経ったんだろう…そんな事さえ、もう思い出せない。この数年、本当に色んな事があった。世の中は変わり季
君の風景は僕の風景Landscape.42今度こそ、お願い。わかってる、もう間違いはしないよ。昔の恋人ってそんなに忘れられないもの、なんですかね。店を出て、櫻井さんが呼んでくれたタクシーに乗り込み、軽く会釈をし、ドアが閉まった事を確認すると運転手に行き先を告げた。俺の頭の中で確実に今のこの三人の関係性が理解できた今、軽々しい行動は控えるべきだと思ったから、仕事のペースを切り上げて、早くあいつを連れて、海外へ、、、、本当ならば、俺なんかよりきっと彼の方が
世界の果てに。secret.3「入る、よ」コクンコクンと弱々しく頭を振る黒髪をもう一度だけ優しく撫でて、グッと腰を下ろせば、相変わらず白く、だけどほんのり汗ばんだ背中は少し緊張したあと、しなやかに甘い声と同時に………………仰反る。十分慣らしたナカは案の定俺に絡みつき、前に前にとその身体を揺らせばその具合は強くなる。若かりし頃とは違うリズムでその身体の反応を見ながら刻むと焦ら、さないでよなんて、シーツを握りながら言うあたり、本当に可愛くて可愛くて。「焦らしてねえよ」「う
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君の風景は僕の風景Landscape.41酒の力を借りてしまったのが果たして良かったのか、それとも悪かったのか、なんて、それは結局………………後の、ま、つ、リ。智、今どこ?受話器から聞こえた大好きな声は、間違いなく自分ではなく他人の名前を指し示してて、その名前が嫌なほど耳に残り、同時に暗く、深い迷路に突き落とされてく気がした。「それ、誰?」その言葉を言うのが精一杯で、その後受話器の向こう側でコクンと唾を飲む音が聞こえた。間違いならば、それでいい、偶然ならば、それでいい、むし
君の風景は僕の風景Landscape.40少しゴタついたけれど会社に提出した辞表が正式に受理され、無事残すは有休消化となった今、これからの自分の道にようやく視点がいく。あの部屋に残した私物はケジメの意味でも片付けたいのは山々だけど、今の状況ではそれは当然無理な話で。ニノの為ならニノが好きでいてくれる自分に変わってみせるから本人には決して言ったことはないけれど、智があの部屋から去ったあと何度も思った事。本当に自分で嫌になる程、しつこいほど思った事。多分智に
君の風景は僕の風景Landscape.39「随分とお酒、お強いんですね」「あ、すみません、仕事の話なんて………………嘘ついて」呼び出された場所がいつも打ち合わせで使うカフェや個室のある料亭、ホテルの会議室ではなかったから、なんとなくだけどそんな気はしてた。今日会社に辞表を出したし、相手とも話したよ。でも、もう少し、話さないと。そんなあいつからのLINEがきた後、割と直近の呼び出し、なによりそれじゃあ、いつもの店で。うん、その、………………ごめんね、翔ちゃん。あの時聞い
君の風景は僕の風景Landscape.36結局飲まれることなく机の上にあるコーヒーは冷めて、きっと痛い程唇を噛み締めて何かを我慢してる翔ちゃんはレシートを持つと俺の言葉に合意をする事なく席を立とうとする。「翔ちゃんっ」「…………れないから」「えっ」「今更そんなこと聞いても直ぐには答えれないから」それは正論。昔の男に会って、やっぱり忘れられてない事に気がついてだから、別れたいそんな理屈は単なる我儘、けれど恋愛というものの中には人の我儘が間違いなく要素として構築されてるのも事実
君の風景は僕の風景Landscape.34たった数日、正確に言えばそんな大袈裟な事を言う程離れても無いのに、目の前に座った見慣れた服を着た彼に対する気持ちに、非情なほど線引きしている自分に驚いた。それと同時にたった数日なのに、どう見てもヤツれてしまってる彼に心から………………謝罪した。「仕事、休まなくても良かったのに」「………………うん」「忙しいんで、しょ」「まあ、うん」土曜日に会う約束が突然の電話により平日の昼間になり、それはイコール有給を滅多に使わない彼がどれだけの気持ちでこ
君の風景は僕の風景Landscape.34頭が真っ白になった。割と最近買ったばかりのスマートフォンをベッドに投げつけ、顔を枕に埋めた。過るのは、ニノとの楽しい思い出ばかり。逆に言えば、喧嘩らしい喧嘩をしてない事に今更ながらに気がつき、自己嫌悪する。それじゃあ、いつもの店で。うん、その、………………ごめんね翔ちゃん仕事の合間に互いに時間ができたら待ち合わせしてたカフェで、俺は間違いなく別れを告げられる。初めて感じた感情に戸惑いを感じながらも手探りだけど自分なりに着地点を
君の風景は僕の風景Landscape.33「それじゃあ、いつもの店で。うん、その、………………ごめんね、翔ちゃん」電話を切ると布スレの音と共にあたりまえのように背後に気配を感じた。『起こした?』と言えば『今起きた』とわかりやすいそれは………………智のウソ。「相変わらず嘘つくの下手だね」「………………」「聞いてたんでしょ」「………………全部じゃ、ないけど」身を寄せれば、少し遠慮がちだけど俺の身体は温もりに包まれて、その安堵と共に俺は再び携帯の電源を切った。「今日、行ってくる」
君の風景は僕の風景Landscape.32スヤスヤと俺と繋がったまま眠りに落ちた和から自分を引き抜くと、間違いなく交わった証が和の体内から滴り、俺はその現実と向き合うようにティッシュで受け止め、起こさないよう温かいタオルで簡単にだけれど汚してしまった和の身体を拭き、下着だけ着せると………………抱きしめた。繰り返さないよう後悔しないよう二度とこの温もりを離さない、よう、に。和を抱きしめたまま瞳を閉じた。頭の中では若かりし幼稚な考えで和と別れを告げたあの日からの自分の姿が何
君の風景は僕の風景Landscape.31声なんて、枯れてしまえと思った。指先で触れられる箇所全てが俺を敏感に潤し、風邪で火照った身体は過敏に反応した。強欲だったキスは数を重ねるごとに優しくなり容赦なく割り入った舌先は俺の身体にやさしくキスを堕とす。その度に俺の口からは吐息と喘ぎが容易に漏れて自ら求めるように腰を何度も智に押し付けた。ハヤク、………………ウメテ。熱すぎる智の欲が俺の身体を揺らせば揺らすほどら決意は間違いなく固まっていき智の荒々しくも甘い吐息が耳を掠めるた
君の風景は僕の風景Landscape.30「ねえ、智」「ん?」「本当に、その、このまま、………………寝るの?」「あのな、…………てか、そんな瞳で見るな、馬鹿。その、…………なるだろ、が」なってもいいのに。そんな気分に、寧ろ、なって欲しいのに。唇を寄せようとしたら、クシャリと髪の毛を撫でられ、おでこに温もりが堕ち、『風邪治ってからな』と、智はキュッと俺を抱きしめた。ああ、そうか、俺は風邪だったなんて、さっきまでの気だるさ、気持ちの重さ、全てが全てとは言わないけれど軽く感じて、返
君の風景は僕の風景Landscape.29重苦しい空気が待ってるかと思ったし、最悪怒られる事すら覚悟してたのに、、、「ほら、食えるなら食えよ。俺も腹減った」部屋に入ってくるなり両手いっぱいのビニール袋を手際良くホテルの簡易冷蔵庫に直した智はベッドに座る俺にパンを差し出すと、ドサっとソファーに座り、同じくパンをいい音を立てて食べ出した。「お前、それ好きだろ。体調が悪い時でも食ってたし」惣菜パンを手に持ち、いい音がする方を見ると、もぐもぐとパンを口に入れたまま智は顎をクイクイとし、早く食
世界の果てに。secret.2優しく髪の毛を撫でられる。それは『もっと頂戴』という意味な事ぐらい長年世に知られてはならない関係を秘密も維持してきた、言い直せば今も維持している俺にはすぐにわかる。口では素直になれない分、身体は見事としか言いようがないぐらい素直なやつ、まあそれがとてつもなく意地らしく可愛いし、前までなら当たり前のように最後まで、、、の流れだけれど。「昼からなら無理だろ、このまま口で」と、舌を先端からズルっと絡めれば、その声は吐息を余す事なく吐き出しながら、小さく『やだ』と
秘密の果てに。secret.1朝まだ夜が開け切らぬ前にけたゝましくスマホが鳴り、バイブ機能をあまり必要としなくなったそれは、容赦なく深い眠りから大野を覚醒させた。まだぼんやりとした視界と思考能力のまま、手探りでスマホを探し当てると、その瞬間電話は切れて、、、『ああ、そうか』大野はようやくそれを理解する。覚えては居ない夢の続きをもう少し見たかったけれど、けたゝましくなったスマホの理由を理解した以上、少し気怠い身体を大野は無理矢理起こした。「ん、おきるの?大野さん」同じくほんの少し寝ぼけ
君の風景は僕の風景Landscape.27「何か重要な御用なら今日は簡単に打ち合わせする程度で大丈夫ですよ、大野さん」「え?」「いや、少し顔色がすぐれないようなので、何か急用かと」確かに考えた事、不安な事、様々な思想が態度に出やすいタイプだと自分でもおもうけれど、仕事中だけはそれを『装う事』を身につけたつもりだったのに。「大丈夫ですよ、櫻井さん。あーでも可能なら今日決めなければならない事だけ重点的に、、」「畏まりました。では早々に」仕事に、それも態々高額な報酬と共に日本に呼ばれた
君の風景は僕の風景Landscape.26「あ、ちょっと、失礼」「電話ですか?あ、では少し休憩しましょうか、………………大野さん」何度となく震える携帯に少しばかりの緊急性を感じた。俺の持つ私用の携帯番号を知ってる人間は一度かけて出なかったら『仕事中』か『睡眠中』と理解し、LINEもしくはメールに一言残しこんなに連続してかけてくることはなく、だとしたらこの震えは最近俺の私用の電話番号を知った人間からの電話。案の定それは、ほぼ正解で。「仕事中………だよ、ね、………コン、ごめ、………コ
君の風景は僕の風景Landscape.25いつも二人で過ごす寝室に行くことなく肌寒い身体を丸めたまま自室で朝を迎えた。初めてかもしれない、いくら仕事が忙しくても、締め切りに切羽詰まってても、徹夜の日でも、あの寝室に一度も足を踏み入れなかったのは。…………ガチャリまだ陽も上がらぬ薄暗い中、微かに玄関の閉まる音が聞こえた。きっと、俺と顔を合わせるのが気まずいのだろう。それは、俺も同じで。とにかく必要なものだけを、急いで手頃なカバンに詰めた。数日、とにかく数日買い出しする事なく過ごせる身の回
君の風景は僕の風景Landscape.24「酔ってるの?ねえ、翔ちゃん、翔ちゃ、………………やめてよ、こんなところで」軋むほどキツく抱きしめられたまま身動きが取れない俺の肌を、少しばかりカサついた指先が撫でる。鼻にツくアルコールの香は相当で、「翔ちゃん、翔ちゃんってば」「…………が、悪いんだ、、、ニノが、………………悪いんだよ」そう何度も呟きながら、その指は止まる事なく俺の身体を荒々しく。肌を纏っていた泡が無くなると、まるで赤子が母親に吸い付くようなキスを首筋にされ、ゾクっと
君の風景は僕の風景Landscape.23俺、別れようと、思う間違いなく俺のせいだと思う。誰もがそう思うし、再会はたとえ偶然だとしても、その先は、、、。嫌いで別れた訳じゃない。むしろ、好きすぎて、別れた。俺色に染まっていく和を見るのが嬉しくもあり、辛かった。俺の大好きな和らしさを俺自身が奪っていってる気がして。食に拘りがない癖に料理を覚え役割分担してた筈の掃除洗濯を率先してしだしてしっかりお互い無理せず、、付き合う時そんな約束した言葉が嘘のように和は無理をしてたと思う。そん
君の風景は僕の風景Landscape.22コチコチと時計の針の音が静かにリビングに響いて、冷め切ったおかずは机の上にぽつりと寂しそうにいつ帰ってくるかわからない帰宅人を待ってた。時計の針は0時を回り、フレックスで遅く帰ってきた俺は灯の無い部屋に少し驚きながらも、なんとなく………………理解した。翔ちゃんは敏感だから。こんな日、いつもの俺ならばゲームなんかして時間を潰し、帰宅してきた翔ちゃんが美味しそうにご飯を食べるのを見ながらチビチビ酒を飲むのが好きだった。そんな幸せが永遠に
君の風景は僕の風景Landscape.21やっぱり気になって、一目どうしても会いたくてニノの部署を覗くと、そこにはニノは居なくて代わりに俺が託したはずのパンが机の端の方に、まるで視界に入らない所に置かれていた。胸騒ぎは昨日より増して更にトクトクと、こんな事思っては絶対に駄目なのに、そんな駄目な事ばかりが頭を過ぎる。俺、このパンあったら一生生きていけるよこら(笑)パンばかりじゃなく、ちゃんとご飯食べなきゃ駄目だって付き合う前に、こういう関係になる前に会社の屋上でそんな会話をしたよね
君の風景は僕の風景Landscape.20「二宮、珍しくフレックスか?」「あ、お早うございます。急に、それもメールで………………すみません」朝起きると、懐かしい温もりは居なかった。その代わりにあったのは、机の上の一万円札と俺の好きな缶コーヒー。「経費で落とすからいいのに、、、それより」居て欲しかった。目が覚めたら目の前に居て、『お早う』と言えば『お早う』と、そしてあわよくば、おはようのキス、…………なんて。「何言ってんだか」俺はパソコンを開けると、電源を入れる。昼ご
君の風景は僕の風景Landscape.19ワザと時間帯を見計らって帰宅した。リビングのドアを開けると酒の香りがして、一瞬ドキッとしたけれど、そこには完全に酔い潰れた翔ちゃんが珍しくイビキをかいて寝ていた。そっとその身体にブランケットをかけて風呂を覗けば、湯船には温かなお湯が既に張ってあり、自分の身体を纏ったこの家では決して香らない香りを消すかのように、俺は音を立てないようシャワーを浴び、湯船に浸かる事なく外に出た。たかが、ビジネスホテルのボディーソープ、されど俺の鼻はそれとは違うもう
食らいました💧アメンバーじゃない方ごめんなさい🙏結構二人の気持ちが揺れ動く大事な❤︎︎まじわり❤︎︎の回なので、なんとか!!とおもったのですがどうあがいても駄目でした🙇♀️ごめんなさい🙏サクラコ
君の風景は僕の風景Landscape.17触れるだけのキスは少しずつ深くなる。相変わらずキスの上手い智に、『あの後俺以外の人とキスしたの』と聞けば、『察しろ』と、それは、ヌルりと。ああ、これは、智の本気のキスだ。そんなのすぐにわかる。だって、、…………ふ、…………ん、息すらまともにさせてくれない程、ううん、それは違う、智はうまく息を吸うタイミングをくれてるのに、俺が単に、忘れてるだけ。智の本気のキスを………………忘れてた、だけ。そして徐々にタイミング良く絡みだしたキスはまるで
君の風景は僕の風景Landscape.16重なる唇の甘さは尋常じゃ無い程までに俺の全てを揺さぶり、震わせ、栗立たせる。決して深く無い口づけだけど、それだけで吐息が漏れたし、身体が疼いた、そして当然の如く………………反応もした。「さと、………し」少し長めのキスを終え、衝動的とは言え自分がした裏切りとも取れる、いや、間違いなく裏切りにあたる行為に、俺は自己嫌悪に陥りながらも目の前の芳香に目をやると、澄んだ黒瞳は逸らす事なく俺の瞳をしっかりと見つめてた。少しカサついてた俺の唇は智とキスをす
君の風景は僕の風景Landscape.15シャワーを浴びて布団に入るとすぐに眠気に負けると思ったのに、眠たくても眠れない状態が長々と続いて、仕方なく更にアルコールの力を借りようと思って、和が作り溜めしてくれてるツマミを何個か取り出してレンジで解凍して、ハイボールを濃いめにつくる。こんな休日前を過ごすのは久しぶりな気がする。いつもなら、ニノが作ってくれる美味しい飯と俺が調達してくる美味しいお酒、そしてそれぞれの休日前の楽しみを嗜んだあと、二人して甘い時間を過ごし、そのまま割と十分過ぎるほ