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昨日、居合の稽古に、紙斬り台を持って行きました。普段の稽古場に持ち込んだのはこれが初めてだと思います。以前、日曜日の稽古以外に近所の小学校を借りて、毎週金曜日の夜稽古をしていた頃、使っていた物です。使い方は至ってシンプルです。この台の上に、コピー用紙を長く丸めて、乗せるだけです。(こんな感じです)それなりに刃の立った刀でないとほとんど斬れません。それも、刃筋とスピードが伴って、やっと斬れる感じです。ただ、振る中でもトップスピード
かなり使い込んだ刀の鯉口ですが、ここまで傷む前にまめに補修してあげると、簡単に補修出来るのですが。写真の鯉口は、抜刀道の方が長く使われた刀の鯉口です。ここまで傷めると鯉口の補修もかなり面倒に成りますが、早め早めに補修していたら、物の5分で終わる作業なんですが。こちらは、私が30年以上前に買った、最初の刀の鯉口です。この頃は、私も良く分からず、抜刀、納刀を自己流でして居ましたので、かなり、鯉口に無理をかけて居たようで、鞘が割れそうな程、内側を削ってしまって
↓八戸博物館の展示の狩猟刀。右マキリ狩猟用のマキリ(間切り)をずっと探していました。今回、自分でも納得できるマキリ一振りを購入できました。山形県村山市のマルマン佐藤さんのマキリです。マルマン佐藤さんは業務用をメインにプロの船乗りさんには知られたメーカーで、水産加工用の刃物を多く作っています。丈夫で手打ち、刃持ちが良く、よく切れ、そして価格もリーズナブル。コスパ最高。海の漢に愛される究極の刃物メーカーです。知る人ぞ知る、業務用の実用に特化したマキリです。先日、直接お店にお邪魔して
「薙刀」とよく似ていて、同じ物と言うという先生も居られますが、基本的には成り立ちや拵が大きく変わります。まず「長巻きと聞いても、見た事が無い。」と思われている方も多いかと思います。「薙刀」は時代劇の好きな人なら、女性の使う道具の様に描かれて、大抵の人がピン!と来ると思うのですが、長巻きは見ることがあまりないかも知れませんが、私と同年齢以上の方なら「子連れ狼」のドラマで見た事が有ると思います。大五郎の乗る、手押し車の作面に付いている竹の棒から、刀身が飛び出すやつです。
刀の手入れを何度か行ってきたので、道具を使っての感想など書いてみます。なお、このブログは純粋に趣味で書いているのですが、このページのリンク先から商品を購入してもらえるとアフィリエイト報酬が多少入ります。もし必要なものがあればこのリンク先から買ってもらえると嬉しいです。日本刀-模造刀手入れ道具(目釘抜き入り)[おもちゃ&ホビー]Amazon(アマゾン)2,980〜3,090円↑まずはこれがないと始まりません。安いやつは目釘抜きが入っていないので注意しましょう。こ
備前長船助光刀匠に依頼した注文打ち。ついに完成しました。72.6cm・反り18mm以下は鍛治研ぎ後の数値元重8ミリ先重ね5.8ミリ幅は注文通りなら元幅32ミリ先幅23ミリちなみに茎が長めで7寸5分刀身重量が重くて908g鞘を払って1255g色々考えた結果、普通の寸法が一番と思いこういう感じになりました。重ねは少し厚め。そのため長さの割には重たいです。研磨は思う所あって美術研磨の化粧研ぎ(刃取り)をしていません。いわゆる居合研磨です。切れ味フェチな
何となく、刀の鞘の説明このイラストで全てわかるのですが、市販されている刀の鞘にこのイラストのパーツがすべて着いている事はむしろ稀だと思います。まず、鐺(こじり)普通に居合拵えを新作したり拵え入りの新しい現代刀を購入してもイラストのような鐺金具は着いていません。江戸時代の古い鞘にはついている事も多いけど、ないものも多いです。通常は金属の鐺ではなく水牛の角で作られたものがついています。鐺金具つきの鞘が欲しい場合は鐺金具を別途購入して、鞘の新作時に取り付けを依頼しないといけません
自室の整理をしていると原稿用紙の中に公民館使用許可証が入っていた。令和2年11月18日八坂公民館利用1人13:00-15:00そうか、あの日か、私は身銭を切って(大したことはないが)武衛會の滑り出しを始めたころだたった一人の見学者に時間をあわせ出向いて「熱心」に居合とは何かを説明した。松山で孤軍奮闘、何とか珈琲遊撃隊の商売を始めようというころだった。いつでもそうだが、道場を始めるにはリスクがあるまずは、自分が健康で「動ける」こと稽古場所を確保すること必
刀剣研磨の種類について、ちょっと書いておきたいと思います。1:白研ぎ(抜刀研ぎ)刀身表面が白くて肌も刃文も見えない状態。斬るだけなら一番よく斬れる状態らしいです。http://blog.livedoor.jp/bizenosafunesukemitu-1982/archives/15765035.html薬品(硝酸)で刃文だけは見えるようにする事もあるようです↓白研ぎ:備前長船助光作刀鍛錬記6月上旬に制作した刀の白研ぎが終わりました。改正砥石で研いだ後、希釈
居合を始めてみたいけど、何を揃えればいいの?お金はいくらかかるの?先に答えだけ書くと、それぞれの道具を普通の価格で揃えていけば、道具以外の費用も含めて60,000円前後で一通りが揃います。最低限をなるべく安いもので選んでいけば、45,000円というところです。更に、模擬刀を貸し出してもらえる環境ならば25,000円もあれば足りるでしょう。それでは、トータル60,000円を基準にしてどんなことにいくらかかるのかを見ていきます。稽古用の道着類居合を稽古するには、道着が必要です。道
(写真は、長船助光刀匠の新作刀です)今朝、事務所に来て仕事中に何気なく、ユ―チューブを見ていると、次の様な動画が、流れて居ました。もしかして、今日到着予定の刀の事かな?と思って、、助光刀匠にメールで確認した所、「そうです」という回答。待ちに待った物がやってきました。助光刀匠は、修行中と言って、大変安い料金で作刀を請け負っていた付けが未だ会って、更には、実用刀剣を打つ刀匠として売れっ子刀匠に成ってしまって、二年待ち位で無いとなかなか売ってもらえない様に成っ
過去に何度か刀の柄について書きましたが、また同じような事を書いてみます。日中戦争での軍刀の故障の7割は柄の故障との事ですので、刀の柄はとっても大事。柄の木は朴木ではダメで、もっと丈夫な木にしないといけません。そこは前に色々書いたので、今回は柄巻きについて特に書きます。軍刀修理班の成瀬関次の本には、「革巻きの柄は良くない」という記述が何度か出てきます。革巻きの柄は滑るそうです。現代でも居合をする人には革巻きの柄が好まれているような気がしますが、シナ事変当時も
居合の流派はかなりの数があり、技も型も千差万別だが柄の握り方一つとっても右手と左手を離して持つ流派と、右手と左手をくっつけて持つ流派がある。現代は拳を離して持ち小指に力を入れるやり方をする流派が多いが、新撰組の土方さんはクソ握りと言われるバットのように右手と左手をくっつけて持ち、親指と人差し指に力を入れて刀を持っていたそうな。ここのブログに書かれているように、確かに室内で振り回すには拳をくっつける方が振りが小さくコンパクトになる。好みの問題な気もするが、影抜きという技は拳をく
刀の研ぎの仕上げ方法は、所謂「化粧研ぎ」と言われるものと「差し込み」に分かれます。大きな違いとしては、「化粧研ぎ」は最期に「刃取り」と呼ばれる工程で、刃紋を小さな石でなぞるように研いで、刃紋部分を白く浮かび上がらせる点でしょうか。現在は、この化粧研ぎと言われるものが刀剣研磨の主流で、研ぎと言うと、化粧研ぎを施された物をイメージされる方が多いです。当店の場合は、説明に書いては居ますが、差し込み仕上げを基本として、化粧研ぎをしていません。その分安い料金で研ぎをさせて
「斬れ味保証」の研師さんからお借りした、脇指です。差し込み仕上げの美しさを見て頂ければと思います。どうでしょう、地肌が極めて美しく、このお刀の本当の刃紋がありのままの姿で映し出されていると思います。当店で居合研ぎと言って行っているのは、基本的に差し込み研ぎです。研ぎ代は、2尺4寸程度の刀で換算すると、寸3300円程度です。勿論、刀の状態によっては、価格を相談させていただく事があります。また、刃取り仕上げをし
平たく言うと、植物から撮った油かそれとも石油から作った油かと言う違いになります。どちらも一長一短ありますが、最近では日本美術刀剣保存協会なども鉱物油や更に化学合成したオイルに変わっていってるようです。私の場合、お店で扱っている刀は、丁子油を使い、居合の稽古に使う刀は鉱物油を使って居ます。一般に、丁子油は高価では安いです。ただ、丁子油もそれほど大昔から日本にあったと言うわけでは無いようです。けいはんな小さな博物館の山本先生によれば、丁子油が普及したのは
最強の刀を手に入れたい。こんな中二病的な思いで備前長船助光刀匠に注文打ちを依頼しました。刀身はそれで良いとして、問題は外装。柄は刀匠お勧めの職人に最強の柄にふさわしい物を作ってもらえるとの事なので、あと考えるのは鞘だけ。成瀬関次は、軍刀の故障は柄が6割刀身3割で鞘は1割との事なので優先順位は最も低くなります。成瀬氏は、鞘に麻を巻いて漆塗りするのが良いと書いています。糊づけして上から漆を塗っただけの鞘だと長雨に打たれたり渡河時に水に浸かったりすると良くないようです。しかし、鞘に麻を巻い
刀好きにちょっと叩かれそうな事を書いてみたいと思います。古い刀の全てに、良い状態のまま後世に残すほどの価値があるとまで言えるのか?というお話です。・・・・・Twitterにアカウント作ってるのですが、基本的に見るだけであまり書いてません。残しておきたいツイートだけリツイートしてコメントしてます。で、Twitterで少し話題になっていたのが「日本刀をピカールで手入れする」というお話。うーん。薩摩隼人は指がなくなっても良いとか手入れにピカールとか、なにかと無茶苦茶
私達の様に、刀を飾るのでは無く、使う人にとっては、柄の握り心地は非常に大きな問題です。この握り心地に大きな影響を与えるものの、意外と知らない人が多い事が目貫の位置です。当店は拵の注文を受ける事が多いのですが、この点に言及される方は意外と少ないです。「そういうのも有るとは、知っていても、何だか変だし」と思う方も居られるのではないでしょうか。目貫の位置の標準は、差表は鍔に近い所に、差裏は、頭に近い側に配置されます。一般に指定をしなければ、大体その様に配置され
昨今の食品の値上げを始めとした、色んな物の値上げに伴い、職人さんからも刀匠さんからも値上げを求められて来ました。特に鞘師さんは、高齢化が激しく、比較的若い方は、食べて家族を養っていかなければならないので、安い料金では、仕事を受けてくれません。今日、割合当店と客層の近い店の諸工作を見て回りましたが、自社製品以外の工作を休止して居る店が多数有りました。悩みました。当店も、自社製品以外の工作を引き受け停止にすべきか、価格を上げて、対応可能な工房を増やして行くのか。
前回の続き鞘から刀が抜けんわっはっはカラカラと笑う先生手が短いんかな?いやリーチは長いはず抜けんもんでしょ?手だけでは抜けん腰で抜くはぁ腰ですかよう見てくださいや腰落して柄頭(柄の端っこ)に右手を添えてください握りに行かんでよろしいそっと被せる鯉口切った鐔を右手のとこまで送ります親指で下から柄をお迎えに行ってね左へ腰を切りながら鞘を引きますねん同時に右手で抜き付けますほらスラリと簡単でしょ?何何?ほんまスラリやんかさあやってみましょか腰高いですふむふむ自然体
今回は、居合刀用のハバキと真剣用のハバキの違いについて書きます。分かってる人には当たり前の話です。でも、今更聞けない話を書くのが私のする事と思っています。一つには、材質が違います。居合刀は、殆どが真鍮で、一部、亜鉛合金の物もあります。真剣の場合、現在は、銀が主流ですが、昔から、銅が多く用いられて来ました。大名家等のお刀では、金も使われて居ます。また、一番大きな違いとして、居合刀のハバキは、工場で大量に作られますが、真剣のハバキは、基本的に刀一振り
昨日、柄巻師さんが、完成した柄を二振り納品と、自分の欲しい物(大量の特注下緒)を求めて、来ていました。今お願いしていたのは、昨日納品に成った二振りと、単純なまき直しの柄一つでした。その時、話の中で出てきたのが、正絹の柄を、革の柄糸で巻きなおす事です。職人さん曰く「みんな、注文してくる人は、少し太く成るのは分かってるよね。」と言われました。正絹と革では、糸の厚みが全然違うので、正絹の柄を、作り直しでは無く、単純に、革糸で巻くと、一回り太く成ります。正直私も
西条武衛會の稽古から帰宅した。ダーリンが玄関まで出迎えてくれて、荷物搬入を手伝ってくれた。そして、「いいこと聞きましたよ、蛍が飛んでます」え、それはなに?するとダーリンは川を指さし、あれです自宅前の川には蛍が群舞していた。「ええとこに引っ越したね、蛍なんか子供の時以来だ」しばし、ダーリンと蛍さんに挨拶をした。「蛍さん、引っ越してきた老夫婦です、よろしく!」蛍の群れは、歓迎してくれたようだ**************しかし、
刀の柄巻きには、下図のように、様々な巻き方があります。ただ、多くは、「諸捻り巻」が中心になっていると思います。少し高級な巻としては、「撮み巻」と言うものがあります。居合で使うならどれが良いか、職人さんの腕の問題が大きいので、一概には言い難いのですが、「諸捻り」が1番使い勝手は良いかと思います。その1番の理由は、強くしっかりと巻き易いと言う点です。使う側としては、非常に安心して使えます。「撮み巻」の場合、下手な人が巻くと、巻が緩く、使っている間に、だん
最近、また、柄糸について、いろいろ質問を受けることが多く成って来たので、かなり初期の頃に書いたブログの記事ですか、解説している記事が有るので、新しいお客様にも理解して頂く為載せてみたいと思います。皆さんは、柄糸と言うと、何を思い浮かべられるでしょうか?当店では、柄糸として、正絹、正絹絹紡糸、表革、ヌバックを販売しており、偶に、お客様の要望で木綿を取り寄せたりして居ます。拵の注文を受ける時、これらの商品の違いについて、色々と尋ねられることがあります。なので、少しその
「この距離だったら、まず逃げます。」これは、明鏡止水というテレビ番組で、護道の宗家、廣木道心先生が、司会の方のこういう場面(番組では具体的な状況設定がありました)に遭遇したらどうしますか、という質問に対してお答えになった言葉です。廣木先生は、伝説の芦原空手道場の有段者で、沖縄空手や剣術、居合にも精通されている方です。現在はご自身で創設された、護道の普及に尽力されておられるます。護道は、要支援や保護を必要とする方に向かい合う任のある方のために、廣木先生が編み出された、自他を傷けることなく護る
5月3日~5日京都で全国大会が行われました。我が道場からは和田剣士が参加。錬士の昇段審査受審です。何も心配はしていなかったのですが、審査前日に転倒し脚を負傷。指定技の前後切は痛みをこらえて何とかこなし、あとの自由の技は全て立技に変更してやり切ったそうです。結果は無事合格。しかも色々な先生方からお褒めの御言葉を頂戴致しました。人一倍努力される剣士ですので私も嬉しく思います。脚の怪我はしっかり治さなければ。後々影響が出ないようしっかり養生して頂きたいものです。
昨日、お客様から、お刀の購入をキャンセルしたい。と言う依頼が、一件、「間違えて、コンビニ払いを申し込んだから、カード払いにしてくれ。そうしてくれないなら、受け取らない。」と言うお客様の分を、カード払い出来る様、商品設定したのですが、全く反応が無い案件が一件、発生しました。先のキャンセルしたいと言うお客様の理由が、「刀を見てたら、怖くなって来た」と言うのです。流石にそれなら最初から、注文しないで欲しいです。日本刀は、世界の武器の歴史の中でも、大変優れた物として、世界中の人
前回の稽古でご指南いただいた「介錯」かたちになるまで相当時間がかかるだろうと書いた。と言いつつも、先日木曜日の稽古で集中的に稽古すればある程度見えてくるだろうと思っていた。が、まったくだめ(笑)現状で認識している目先の問題としては・・・どうしても足と一緒に刀が出てしまう樋鳴りが全くしない基本的に当流で教わる内容としては、斬りつけは足を踏み出した後に行う。足を出す動作と斬りつけが同時になってはならない。これは全ての業で同じだ。しかし介錯では体を大きく回すこともあり、どうしても刀