唐の不空が訳した密教経典「底哩三昧耶不動尊聖者念誦秘密法」(ちりさんまやふどうそんしょうじゃねんじゅひみつほう)には、大自在天(ヒンドゥー教の最高神シヴァ)を不動明王が調伏する説話がある。それによると、大日如来が悟りを開いて仏陀になったとき、ありとあらゆる三界の生き物たちが集会に来たが、自分こそ三千世界の主と考え慢心する大自在天だけは招集に応じなかった。大自在天は「持明者(インドの魔法を使う精霊、ここでは夜叉明王)が使いとして来るだろうが、奴らは不浄なものを嫌うから、不浄なものを幻術で作り出し四