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SatoshiTanaka『あの娘の雫』(SAMANSA)2026/8/17若い女性教祖の唾液を飲んで、男性器を固くしないことが条件の教祖昇格試験に、男性信者たちが次々と挑む話。新興宗教っぽい集団。施設の立派さと試験のしょうもなさのギャップが激しい。お笑いコントのノリに近い。判定員の大男は、失敗した挑戦者の股間に大槌を叩き込むし、女性教祖はどんどんあざとく扇情的なっていく。基本まじめにみなくていいタイプの作品なんだと思う。反応したかしないかなんて判定員の匙加減だろとか、挑戦者が女性
MIRRORLIARFILMS大橋裕之監督『変哲の竜』(2024年日本15分12秒)2026/8/17公園の匂いに懐かしさを感じた男が、20年ぶりに友達の家を訪ねて、かつての匂いを確かめる話。見た感じ、社会的に成功しているとは言えなさそうな男。とは言ってもその背景は全然わからない。普段着と髪型が怪しいだけで、実は裕福なのかもしれない。思い出に拘泥するタイプの人なのかと思ったら、そうでもない。子供との距離感とか、読書好きなところとか、言動を見る限り、他者への配慮もできる。クラス
ChrisLavis&MaciekSzczerbowski『真珠の涙と少女』(SAMANSA)2026/8/16おじいさんが、真珠の涙を流す女の子に関する一方的な思い出を孫に聞かせる話。ストップモーションアニメ。現代の裕福そうな家屋と、過去のボロッボロの建物、どちらも細かく作りこまれている。人形は可愛らしくデフォルメされることなく、その味わいは特に老人表現に活かされている。ある程度、年齢を重ねると顔や体の情報量が多くなって味わい深くなる。写実とも単純化とも違う造形と色味。
MarkusWaltå『ボイリング・ポイント』(SAMANSA)2026/8/9電話問合せの対応に長時間待たされてきた女性が、ライフルを持ってコールセンターのオフィスに乗り込んでくる話。とりあえず、あいさつ代わりの一発で現場を大混乱させる。その女性が、保留を使うななど、素人ならではの要求をすることで混乱に拍車がかかる。「コールセンターへ何かしらの問合せをすると、とにかく待たされるよね」という不満が発想の起点になっていると思う。一方で、「本気で訳の分からない客もいるよね」というサービ
Graphinica,Inc.『POPPOPCITY』(SAMANSA)2026/8/8父母娘の三人家族のところに、家事ロボットがやってきて長い時間をともに過ごす話。少なくとも手塚治虫の時代あたりから、無数に作られている類型の多い話。家族は年を取るけどロボットは年を取らないところ、健気で安定感のあるロボットと不安定で移ろいやすい人間の対比。それでいて、最後にロボットが人間の感情にほだされて思い切った行動をするとバグ扱いされてしまうところ。既視感が強い。絵柄や動き、演技も、個性的
SaoriKouzuki『さんぽ道』(SAMANSA)2026/8/8旅館を営む男性が、犬を飼うことに反対する妻を説得するために、ぬいぐるみの犬の散歩を一か月続けると宣言する話。前に見た『スティック』(2019年)とほぼ同型の話。同型なんだけど、受ける印象がだいぶん違う。中年以上のおじさんが、自分の希望を通すための条件を自分で提案するのはズルい。実際、ぬいぐるみを散歩することと、生きている犬を飼うことは全然違うし。あと、全然やってないわけじゃないだろうけど、夫が犬の話をしていたり、
PaulEmerson『嘘発見器にお任せを!』(SAMANSA)2026/8/6起業の採用面接で、ウソ発見器を使用しながら、面接官と応募者が会話する話。ごく短尺のシンプルなコンセプトのコント。面接の質問回答だけでなく、世間話や会社の同僚と話している時までウソ発見器が反応してしまう。仕事遅れを少しでもごまかしていると音が鳴ったりする。面白さがわかりやすいし、テンポもいい。いくらなんでも、会社の面接で、自分の男性器のサイズなんて言うものだろうか。と、思っていたら、最後のオチにもつな
SeishiHashimoto『ヴァヴァヴァデンデン』(SAMANSA)2026/8/6山奥で何かしらの武術の鍛錬を積んでいるらしい男が、師匠を食ってしまった熊を倒そうとする話。関節の置き所のわからない、ぐにゃぐにゃ動くキャラクター。知性を感じさせない幼児みたいな喋SeishiHashimoto『ヴァヴァヴァデンデン』(2025年日本2分59秒)り方の師匠はちょっとかわいい。達人かと思ったらそうでもない。一度、弟子のほうにズームアップしてから引いてみると、師匠がクマにもぐもぐさ
FabienneGalula『口の大きなカエル』(SAMANSA)2026/8/4ある保育士の女性が、園児やその親、雇用主との板挟みになってうんざりしているうちに、腰痛が悪化して理学療法士にお世話になる話。日本でいう保育園のようなところで、少ない人員でどうにかこうにか子供の面倒を見ようとする先生。もうベテランの域に達してそうな見た目ではあるけど、現場で戦う人の扱いはどの分野でも厳しい。もう少しなんとかならんもんなんだろうか。一番役に立っている人が優遇されない世の中はおかしい。本作で
TumpalTampubolon『海が呼んでいる』(SAMANSA)2026/8/3魚を売って細々と暮らす、身寄りのない男の子が、漂着したラブドールを拾ってきて、一緒に暮らす話。ラブドールが出てくる話自体案外は少なくないような気がする。孤独との向き合い方を描く方向で使いやすくて、本作もそういう感じ。ただ、それと男の子の貧しい生活環境との組み合わせに独自性を感じる。海はゴミだらけ、市塲も床に魚を直起きているような場所、男の子が住んでいるところも、暖かい地域だからかろうじて暮らせる程度
TonyDoyle&LauraO'Shea『マッチ』(SAMANSA)2026/7/31見知らぬ若い男女が、一夜限りの出会いなのに雰囲気づくりに失敗して、お互いの身の上を語り合う話。初めて出会ったという設定なのに、見た目のニコイチ感が強い。展開的に付き合う感じにならないのはわかっているのに、会話の呼吸がぴったり合っている。試しに付き合ったらいいのに。「男女の友情は成立するかどうか」みたいな話はよく出てくるけど、結局、肉体関係を克服できるかどうかみたいな感じはする。だから、初め
BenAdam-Harris『クソっ!』(SAMANSA)2026/7/31恋人と一夜を過ごして気持ちのよい朝を迎えた女性が、トイレの水が流れず、恋人が帰ってくるまでの間に何とかしようとする話。タイトルがストレートすぎる。まさかそのまんまの意味とは思わなかった。モデルでもやっているのかというくらい、美人でスタイルも良く、色っぽい女性。その寝室も、太陽光をふんだんに取り入れた、モデルルームのような生活感のなさ。小奇麗な内装に、これみよがしのコーヒーメーカー。そして、恋人のイン
AnnaDuckworth『嘘だよ、愛してる』(SAMANSA)2026/7/30おそらくミュージシャン志望の女性が、復縁を願って元カレの留守中の家に入り込んでみたものの、元カレとその恋人が帰ってきて、ソファの陰に身を隠してしまう話。ワンシチュエーション・コメディの新しいパターンの危機的状況と言えるかもしれない。ヒロインの女性はお調子者なだけで、悪人ではない。「私が間違ってた。ごめん」は、咄嗟の状況判断が的確だし、素直に謝れるのも偉い。浮かれて第一歩目を間違えただけ。必ずしも標準体
DavidAu『謝らないで』(SAMANSA)2026/7/25ある事情を抱えて準備を進めるアジア人の老婦人が、出先で差別に晒される話。広めのキッチンでチキンを茹でて、お弁当を作っている。貧しくはないが孤独を感じさせる日常風景。華奢な彼女がやけに暴力的な動画を選んで見ている違和感。タクシーの配車を頼むと乗車拒否される、花を買おうとすると横入りされる。抗議をしても馬鹿にされる。彼女自身は決して暴力的な人間に見えないけど、それでも自身の感情に飲まれてしまうことはある。その感情のもとに
FrankFrascella『アプリコット』(2025年アメリカ28分38秒)2026/7/24高級イタリア料理のお店で、ある若い料理人が店内の序列を覆そうとする話。古参風の男性料理人とその取り巻き、若手の女性料理人とド新人コンビで、鳩料理対決のパート。シェフ不在の混乱の中で、ミシュランの審査員も含む客を迎えて店を回していくパート。やってることは、料理題材のマンガやドラマで知っているような内容だけど、海外の短編映画になると、だいぶん雰囲気が変わる。序盤から、登場人物たちが、何を
Clemente『コスミックドープ』(SAMANSA)2026/7/2二人の科学者が、特殊なサボテンから取れる薬物を注入された被験者の精神世界を、モニタに映し出して観察する話。なぜか第4章から始まる。たぶん適当。そして、薬物に関する内容になるので、18歳未満は視聴禁止とのこと。どこまで真面目にやっているのかよくわからない作品。二人の科学者と被験者の紹介が凝っているわりに情報量が全くない。被験者の女性が、特に理由もなく前向きに取り組んでいる感じはほほえましい。たぶん、レトロ感のある映像
SteveDesmond『モンスターズ』(SAMANSA)2026/7/21他の家族から「外は怪物がいて危険だ」と言い聞かされ、地下室生活を続けている少女が、外に出ていこうとする話。まず、この少女が強そう。10歳とは思えない凛々しさで、地下で落書き相手にイメトレを続けていただけの子供に見えない。もっとちゃんとしたSF作品に出演してほしい。作中人物の服装の世紀末感があるし、地下室は実際に長期間生活できそうな内装で凝ってるけど、電気をどこから調達しているのかとか怪しい部分はある。同じよ
KyleVorbach『まだ恋じゃない僕ら』(SAMANSA)2026/7/20恋人未満の男女が年越しの夜を一緒に過ごしていると、突然、不審者が家の中に親友してくる話。最初に、去年の年越しの時に泣いている女性の回想が差し込まれる。もう、どういう結論になるか、見なくてもわかる。ただし、結論に辿り着くまでの迂回が極端。ジャンルの壁を軽々とぶっ飛ばしている。導入部分で、二人の関係性を丁寧かつユーモアに描いているからこそ、なおさら、回り道に展開していくときの加速度がついていく。この考え方、
VincentGallagher『クロスワード』(SAMANSA)2026/7/19クロスワードパズルが趣味の中年女性が孤独な日常を続けていくうちに、自身の生活がパズルに取り込まれていく話。映像作品におけるクロスワードパズルの扱いって、中年の冴えない趣味という印象がある。たぶん、そのあたり踏まえたうえで、あえてこのパズルを中心に据えている。中年がクロスワードパズルが好きで何が悪いんだという作り手の主張を感じなくもない。ヒントとその答えが、日常空間に浮かびあがってくる演出がおしゃれ。
AndreasJ.Riiser『死神』(SAMANSA)2026/7/17死神風の男が、自身の退屈な仕事の様子を紹介していく話。原題は「Mr.Death」。たぶん、日本で言う死神とはニュアンスが違う。少なくとも神ではなさそう。「死」を擬人化した存在という感じ。例外はいるものの、普通の人に彼の姿は見えない。ただ、自動車を運転するし、物理的に死体の処理も行う。流しのミュージシャンならぬ、流しの葬儀屋みたいにも見える。「死神」業が実際にある仕事のように、淡々と具体的なエピソードを紹介
MattVesely『システムエラー』(SAMANSA)2026/7/13コンビニで働くロボットのジョージが、常連客との些細なやり取りをきっかけに、ジョークを会得しようとする話。昨日見たAIの話とも繋がっている内容だけど、ジョージはAIと言うよりロボットという表現のほうがふさわしいチープな見た目。定型文の喋り方にも温かみを感じる。そんなジョージが働くコンビニの店内は色味がなくて、一時期のローソンより無色。客の服装も地味な色味で統一している。無駄をそぎ落としたようなデザインで、この作
特別な君自閉症の弟と弟なら出来る!って信じてあげてる姉の話素敵分からないからきっと出来ないって決めつけるんじゃなかて分からないからきっと出来るかもって信じてあげる感じが凄く素敵だな〜ってなった最新図解自閉症スペクトラムの子どもたちをサポートする本(発達障害を考える心をつなぐ)Amazon(アマゾン)マンガでわかる発達障害の子どもたち自閉スペクトラムの不可解な行動には理由があるAmazon(アマゾン)自閉スペクトラム症の女の子が出会う世界第2版:幼児期から老
バズらせたのは、僕なのに★★★☆☆3.6SNSでとある動画が話題に瞬く間に拡散されていった。しかし、その動画は自分が過去に撮った動画の無断転載だった。全ての手柄を取られたかのように感じだ主人公はこの投稿主は誰なのかSNSから投稿主の人物像に迫っていく…。的な話!なかなかに面白かった!THE現代って感じ確かにそれは無断転載なんだけどもはやそれが文化になっててもう誰にも止められないみたいなね
SungBaePark『ユー・キャン・フライ』(SAMANSA)2026/7/12ワシが食用に拾ってきた卵から、ペンギンの雛が生まれてしまい、仕方なく共同生活を始める話。ワシやペンギンの種類はよくわからない。模様はコウテイペンギンっぽいけど、いくら何でもこんな暖かそうな海辺にはいないし、生まれたばかりの雛が虫を食べないだろうし。ワシが托卵を試みてフクロウ夫婦にボコられるシーンも違和感が強い。それぞれの生物固有の性質は結構無視されている。提供側はフィクションとして割り切って見てほし
GianlucaZonta『水族館』(SAMANSA)2026/7/12若い男女が、絶対に失敗したくないデートで、それぞれにAIのアドバイスを求めながら関係を深めようとする話。現時点でも、生成AIの精度が個人レベルの経験則を凌駕しつつあるので、このあとの世の中がどうなるのか心配になってくることはある。AIが最適解として提示する世間話が、誰に対しても同じ水族館の話ばかりということは考えにくいので、現実のAIの危なっかしさは、本作ほどわかりやすくはないと思う。家庭で使う無色無臭なガスにあ
YooLee『甘い蜜には罠がある』(2023年アメリカ4分8秒)2026/7/11若いハエみたいな虫が、ハエトリ紙に引っかかって窮地に陥る話。ストップモーションアニメというとても手間のかかる表現技法で、「よりによってハエトリ紙に引っかかったハエ」を題材に選ぶセンスがすごい。というか、ハエなんだろうか。うんこ食ってるからハエなのかもしれないけど、花の蜜を吸いたいとかハエっぽくない。若いハエが夢見る幸福な未来が人間視点だと普通に悪夢。そして、自分たちもハエトリ紙に捉えられているのに
CristianBeteta『マイ・ゾーン』(SAMANSA)2026/7/9自動車のエンジントラブルによって、無人の荒野で立ち往生してしまった若い女性が、やっと通りがかった見ず知らずのおじさんに助けを求めるか、やり過ごすか迫られる話。話のオチは予想どおりで、最後の追いかけっこは一周まわって滑稽だった。それより、一人ではどうにもならない状況で、助けを求めるかどうかの判断を迫られる女性の様子と、ただの善意であってもそうじゃなくても、女性の警戒を踏まえたうえで行動しなければいけないおじさん
PyoungwonSeo『孤独に慣れてゆく』(SAMANSA)2026/7/8孤独を意識し始めた若者が、職場の同僚にバトミントンに誘われたり、祖母とのやり取りを通じて、少しだけ前向きになる話。仕事終わりのバトミントンは韓国では一般的な趣味なんだろうか。登場人物たちは現代と原始時代をシームレスに行き来する。孤独は原初から続く人類の悩みごとということなのかな。あんまりそんな感じしないけど。フェルト素材のような人形を使ったストップモーションアニメも組み込まれている。孤独を大きな穴で表現し
NoémieNakai『銭湯』(2025年9分22秒)2026/7/5営業準備をしている銭湯の女将の目を盗んで、「何か」をしたい男性が侵入してくる話。2020年のサインがある壁画の富士山は新しいものの、店全体で見れば年期の入った小さな内装。もう老年と言ってもいい女将が、ひとつずつ開店準備の手順をこなしていく様子に見入ってしまう。ルーティンとは言え、ラクな仕事ではなさそう。夫や他の家族の姿も見えないので、基本的には一人で切り盛りしていると思われる。開店すれば他のスタッフやお客さんも
YannickKarcher『おじいさんのボート』(SAMANSA)2026/7/2近所の人の突然死をきっかけに、おじいさんが一念発起してボードづくりを始める話。孤独な老人が主人公なのは、最近の自分には刺さりやすい。とはいえ、大きなアトリエ付きの家、資材を超脱できる資金力、ボートを手作りできる技術力と大きな差はある。彼にとってのボートづくりのようなものが、今の自分にはあるんだろうかと考えてしまう。ある特技によって、孤独な老人が孤独でなくなっていく様子は、ハッピーエンドになりにくい、