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お立ち寄りくださりありがとうございます。こちらのブログは、商業アニメの制作過程において得た知識を元に書いてます。アナログ(セル画)時代の仕上げ作業を経験した後、主にサンライズ、東京ムービー、東映動画系の下請けスタジオを転々としつつ動画の仕事を続けてきました。(たまに仕上げの仕事も)その後は長いことスタジオジブリの仕事に関わっていました。その間に、セル画からデジタル仕上げになり、ジブリ制作部解散後は、また、多くのスタジオの仕事に関わらせていただくことになりました。ジブリとは使って
紙動画の時は、仕上げや撮影に渡されるファイルについてはあまり気にすることはなかったと思いますが、デジタル動画が増え、それまで仕上げさんがどういうフォルダ/ファイルを作って撮影さんに渡してたかを知っておく必要があると思うので、それについて追記します。デジタル動画では、仕上げさんに渡すデータとしてセルファイルを書き出して渡すことが多いです。(稀にclipファイルなどの作業データのみを渡して、動検時に書き出すケースもありますが)動画/仕上げ注意事項に合わせてレイアウト、タイムシート、セルフォ
先日、「あにつく2024」でAnimeCanvasという新しいアニメ作画用のソフトの開発進捗状況発表のセミナーに行ってきました。これは、原画/動画用(KEY/DO)と仕上げ用(COLOR)の2つを開発してるそうで、COLORの方はすでにベータ版を今年度内に関係各所に配布したいとのこと。社内でテストしてみて、既存のソフトと比べてもスピードが若干遅いくらいで、使い方に慣れればスピードの点ではすぐに追い越せそう。tga出力したデータを読み込んでも主線と彩色レイヤーに分かれた状態にするようです。
字ばかりでは分かりにくいと思うので、今回は絵をつけて説明します。クミ線(組み合わせ線)には大きく分けてセルクミとBG・Bookクミがあります。このようなカットで、テーブルがAセルだとします。(レイアウトにはbookクミと書いてありますが、セルだと思ってください。)人物はBセル。体はAセルの奥にあり、手とカップは手前なので、セルクミが発生します。デジタル仕上げでのセルはアンチなし(ドット絵)状態なので、ペイント時にAセルに合わせてきっちり塗れます。けれど、テーブルがBG
クリスタ用動画注意事項の画像は解像度が低くて見辛かっただろうと思うので、Googledriveにzipファイルをアップし、そちらへのリンクを加えました。ダウンロードしてご覧ください。『18_1_クリスタ用動画注意事項』先日のACTF2023『すずめの戸締まり』制作を支えた“インフラ”-前作比1.6倍のデータをいかに管理したか2022年公開の映画として大ヒットを記録した、…ameblo.jp
「セル用テンプレート」を無効化する方法があったので、追記しました。『16_2カット用テンプレートとセル用テンプレート』原画からクリスタで、そのままClipファイルを受け取って作業する場合は別ですが、スキャンデータを読み込んでクリスタで動画作業をする時は、まず新規アニメーション…ameblo.jp
原画からクリスタで、そのままClipファイルを受け取って作業する場合は別ですが、スキャンデータを読み込んでクリスタで動画作業をする時は、まず新規アニメーションファイルを作ります。新規ファイルを作ってから動画用や原画のスキャンデータを入れるフォルダを毎回作るのは面倒です。うちの会社では、ファイル名がa_0001というスタイルなので、単純な連番だと、アニメーション出力した時にa0001には出来てもa_0001というファイル名には出来ないので、あらかじめa_0001というセル名で作業をしてます。
CLIPSTUDIOASSETSで、「一本のネジ」で紹介してるカラーセットやオートアクションを公開しました。初めてのことなので、上手く出来てるかどうか…。良かったら、利用してみてください。詳しい説明は追い追い。「一本のネジ」素材集-CLIPSTUDIOASSETSイラスト・マンガ制作に役立つトーン、ブラシ、3Dデータなどの素材をダウンロードしたり、自作の素材をアップロードしたりできます。CLIPSTUDIOPAINTなどのグラフィックソフトに読み込んで使えます。a
紙での動画作業では、「タップ穴の右側に動画番号を書く」のが基本でした。デジタル動画になると、「ファイル名=動画番号なのだから画像に動画番号を書く必要はない」という意見もありますが、合成やクミ線の確認の時に下にあるセルが何なのかわかりやすいので、面倒に思えますが書いた方が効率的です。そのため、「動画番号位置」というレイヤーを入れてます。動画番号を描くときの位置参考です。絵の近くに書いてしまうと、全体の動きを確認する時に動画番号が邪魔になったり、間違えて実線や色トレスのレイヤーに書いてし
原画さんは鉛筆ブラシなど、好きなものを使えばいいでしょうが、動画は二値化した時に綺麗に出るペン(ブラシ)を使う必要があります。いくつか試してみましたが、Gペンがカブラペンが無難です。どちらがいいかは、自分で描いてみて、Paintman向けに書き出して綺麗に出てる方を選んでください。太さは作品によって、また筆圧などによって変わってくるでしょうから、見本の見た目の太さに合う数値にすればいいと思います。ただ、「環境設定」の「定規・単位」の「長さの単位」はpxにするのをお勧めします。見た目が同
クリスタやTracemanで二値化する場合は色数の制限がありますが、動画作業時から二値ペンで書くのであれば、それこそ何色でも使えることになります。ただし、一見同じ黒に見えていても、(0,0,0)と(0,0,1)は別の色です。それらが混ざると非常に塗りにくくなるので、やはりレイヤーカラーなどを使って、似て非なる色にならないように描きましょう。また、二値ペンで描かれた線は、「もう少し太い(細い)線がいい」と思っても、なぞるか削るか以外に太さの調整が出来ません。クリスタ上でベクターで描かれてる
(2024年7月にアップデートされたクリスタver3.1以降では、色トレスに7色描き出せるようになりました。これはその前に描いたブログですが、今でも注意事項では色トレスに赤、青、黄緑の3色のみの場合が多いので参考にしてください。)多くの会社では二値化したデータ(Paintman向けに出力したもの)で納品するケースが多いですが、私が所属する会社では、二値化は仕上時に行うため、クリスタで動検後、アンチありの状態でセル出力して仕上さんに渡してました。動画よりも、適切な二値化の線の太さを知って
(2024年7月にアップデートされたクリスタver3.1以降では、色トレスに7色描き出せるようになりました。これはその前に描いたブログですが、今でも注意事項では色トレスに赤、青、黄緑の3色のみの場合が多いので参考にしてください。)公式サイトなどで、クリスタで使える色は【トレス用】■赤(255,0,0)■黄緑(0,2550)■青(0,0,255)【下描きレイヤーで出力できる色】■0xFF80FF(255,128,255)■0x80FFC0(128,2
スキャンデータのサイズでそのまま作業するのは簡単ですが、作画フレームを活用すると色々便利です。ここでいう「作画フレーム」は、「(仕上の)スキャンフレーム」と同じものを指します。黒い線が「撮影フレーム」オレンジの線が「安全フレーム」確実に画面に映したいものはこの安全フレーム内に描きます。外側の水色の線が「作画フレーム=(仕上の)スキャンフレーム」動画時に意識したいのは、この水色の線です。たまに、撮影フレームまでしか書かれてない原画を目にしますが、動画ではこの水色の線まできちんと描
タイムシートは縦書きで、クリスタのタイムラインは横向き。これを正しく入力するのは少々手間です。そのため、タイムシート通りに入力せず、単に連番で登録する人もいますが、原動画ともにきちんと入力しておく方が結果的には効率的なので、きちんと入力しましょう。iPad版東映デジタルタイムシートは、APPSTOREで無料で入手できます。↓ToeiAnimationDigitalTimeSheetToeiAnimationDigitalTimeSheetforiPadについて・アニメ制作に
デジタル動画といっても、道具がデジタル化しただけで、やることはかなりアナログ。タイムシートも、ほとんどの会社は紙のシートに書くか、スキャンしたタイムシートの画像に書くかがほとんどです。タイムシートの動画欄に書いてからスキャンすることもありますが、書き直したらまたスキャンし直さなくてはならないので、画像データに記入する方が楽でしょう。1枚だけなら、画像データに直接書くのもいいですが、複数枚ある場合、タイムシート用のclipデータを作ってしまった方が楽なこともあります。1枚ずつをアニメー
クリスタに空(から)のアニメーションフォルダを用意します。私はあらかじめ「スキャンデータ」をいうフォルダを作ってます。クリスタとスキャンデータが入ってるフォルダを左右2画面にして、読み込ませたいファイルを選択して指で「スキャンデータ」というフォルダ内にドラッグ&ドロップで入れます。あるいは、「スキャンデータ」のフォルダを選択して、「ファイル」→「読み込み」→「画像」で、スキャンデータが入ってるフォルダ内から必要なファイルを選択して読み込ませます。時々、選択したはずのファイルが全部読み
原画データを確認したら、タイムシートの秒数に合わせたClipファイルを作ります。とりあえず、「ファイル(ピクセル)サイズ=基準フレーム」でも良いですが、ここでは、作画注意事項に合わせた「作画フレーム」を使おうと思います。ファイル名:注意事項に準じる基準サイズ:注意事項の「(仕上の)スキャンサイズ)」演出フレーム:上下左右:0中央の+を表示させるためなので、チェックを外しても構いません。作画サイズ:基準サイズと同じにするので倍率1.0で。余白:作画フレームの外
ざっくりとクリスタでの動画の手順を書きましたが、ここからはちょっと便利な使い方を交え、私の作業工程を追っていこうと思います。個人で動画の仕事を受ける時は、おそらくスキャンデータ(原画の書き出しファイル)が渡されるでしょう。会社所属の場合は、紙の原画をスキャンするところから入るかもしれません。スキャンの方法については、各々の会社でつかってるスキャナーによってやり方が違うでしょうから、ここでは触れません。ただ、可能であれば、仕上げの「スキャンフレーム(撮影フレームの一回り外側)」ではなく
Twitterで有益な情報を得ました。原トレ(原画清書)する時、原画ごとに「セル固有ライトテーブル」に登録してたのですが、原画のアニメーションフォルダごと「キャンバス共通ライトテーブル」に登録しておくと、動画のセルを選択すれば、同じコマに登録された原画が自動的にライトテーブルに登録されるというのです。まず、原画、動画共にタイムラインを入力します。作監修正などがある場合は、原画とは別のアニメーションフォルダにします。原画をA、B、C、作監修正はAs、Bs、Csなどのように。A